酒乱とは?酒乱の人の特徴13選とその原因!治し方や対処法は?

お酒を飲むと普段とは別人のように性格が変わってしまう人がいます。特徴的な症状が出ると酒乱と呼ばれます。酒乱の意味や原因とは?酒乱の特徴は?酒乱の治し方はあるのでしょうか?迷惑な酒乱の人への対処法は?酒乱についての疑問を一挙に解決します。

酒乱とは?酒乱の人の特徴13選とその原因!治し方や対処法は?のイメージ

目次

  1. 1酒乱とはどういう意味?
  2. 2酔うとはどういう意味?
  3. 3酒乱とアルコール依存症とアルコール中毒
  4. 4酒乱の人の特徴13選!周りの人は大迷惑!
  5. 5酒乱になる人の原因
  6. 6酒乱の治し方と対処法を紹介
  7. 7酒乱になる人にはこんな症状が出る
  8. 8酒乱は決して遺伝するものではない!
  9. 9酒乱と女性
  10. 10酒乱は病気ではない

酒乱とはどういう意味?

よっぽどの酒豪でない限り、誰でもお酒を飲むと多少は普段とは様子が変わります。お酒に含まれるアルコールが、脳に影響を及ぼし、楽しい気分になったり、リラックスしたりします。いつもより声が大きくなったり、感情の振れ幅が広くなったりもします。

お酒を飲んで酔っ払うことは誰にでもあることで、珍しいことではありません。しかし、中には酒乱と呼ばれる酔い方をする人もいます。

酒乱は、お酒が強い、弱いとは根本的には関係ありません。浴びるほど飲まないと酔わない人もいれば、舐めるくらいしか飲まなくても暴れ出す人もいます。酒乱となると本人はともかく、周囲は大変です。病気が原因になる場合もありますが、酒乱自体は病気ではありません。

酒乱の意味とは、お酒を飲んで人が変わったようになってしまうことや、お酒を飲んだせいで乱暴になったり、暴言を吐いたりする癖のことです。暴力行為や破壊行為がクローズアップされることが多いですが、他人に迷惑をかけるお酒の飲み方をする人は全員酒乱です。

酔うとはどういう意味?

酒乱はお酒に酔ったときにあらわれる癖ですが、そもそも酔うとはどういう意味なのでしょうか?酔いは酔い方によって普通酩酊と異常酩酊に分類されます。それぞれの意味と症状から酔いの意味を考えてみましょう。

単純酩酊の意味と症状

お酒を飲むと酔うのは、お酒に含まれるエチルアルコールが脳に作用するからです。脳内のアルコール濃度は測れないので、血液中のアルコール濃度で酔いの段階を判断することになります。単純酩酊は、血中アルコール濃度によって5期に分類されます。

緊張感が薄れ、楽しい気分になる1期は、血中アルコール濃度0.1%未満、大胆で開放的な気分になる2期は血中アルコール濃度0.1%~0.15%、ろれつが回らなくなったり、平衡感覚が怪しくなる3期は血中アルコール濃度0.15%~0.25%です。

心地よい酔いの状態は1期~2期で、3期はいわゆる普通の酔っぱらいです。歩行困難、嘔吐などの症状があらわれる4期は血中アルコール濃度0.25%~0.35%で、道路交通法では泥酔運転とされる区分です。

それ以上の5期になると昏睡や呼吸麻痺などの重篤な症状があらわれ、死に至る危険性もあります。アルコールの処理応力は遺伝子によって決まりますからどのくらい飲むとどの程度酔うのかは人それぞれです。

異常酩酊の意味とは?

異常酩酊は、単純酩酊にあらわれる興奮や衝動の症状がより強く、長く続く状態を指します。そして、異常酩酊は、さらに複雑酩酊と病的酩酊に分類されます。

複雑酩酊の意味と症状

大声で喚いたり、物を投げたり、意味もなく凶暴になったり、急に泣き始めたり、ゲラゲラ笑い出したりといった症状があらわれるのが複雑酩酊です。酔いのパワーが単純酩酊より格段に大きく、持続性もあります。

アルコールによって大脳皮質の多くの部分の機能が極端に低下し、理性の壁が取り払われた結果、本来の気質が剥き出しになった状態とも考えられます。いわゆる酒乱は、複雑酩酊に区分される状態です。

病的酩酊の意味と症状

興奮や衝動が激しいのは複雑酩酊と同じですが、高い窓から飛び降りようとする、交通量の多い道路で寝転がるなど、突拍子もない行動をとるのが病的酩酊の特徴です。意識障害を起こしており、自分が何をしているのか、何を言っているのかもわかっていません。

重症のよく物中毒患者のように、意味不明な言葉を口走ったり、意味もなく叫んだりもします。わずかな酒量で病的酩酊状態に陥ることがあります。病気が原因の場合もありますが、はっきりとはわかっていません。

酒乱とアルコール依存症とアルコール中毒

混同されやすいのが酒乱とアルコール依存症です。酒乱の人がアルコール依存症とは限りませんし、アルコール依存症の人が酒乱とも限りません。アルコール依存症は、以前はアルコール中毒と呼ばれていましたが、急性アルコール中毒とは全く別物です。

酒乱とは

お酒を飲んで人格が変わったようになる、いわゆるお酒に飲まれるタイプの人が、酒乱です。つい飲み過ぎてお酒で失敗した経験を持つ人は多いでしょうが、一度や二度ならそう心配はありません。

自分の適量を知っており、酔っていると自覚したらお酒を飲むのを止めることができる人は酒乱ではありません。しかし、自分の適量を超えてお酒を飲んでしまい、しょっちゅう、もしくは毎回、周りの人に迷惑をかけてその記憶がない人は酒乱です。

端的に言うと、酒乱とは悪い酒癖です。ちょっと酔ったぐらいでは酒乱の症状はあらわれません。アルコールの血中濃度と酩酊度には相関関係がありますが、アルコールに対する耐性は遺伝子に因るところもあり、どれくらい飲むと酒乱の症状があらわれるかは、個人差が大きいです。

酒乱は適切な対処法をとらないと、家族や友人との人間関係にひびを入れる原因になります。怪我や病気、犯罪につながることもあるので注意が必要です。

アルコール依存症とは

アルコール依存症はれっきとした病気です。朝からでも飲まずにいられない、飲酒量が増えている、職場でも飲んでしまうなど、お酒を飲む時間、量、場所が自分でコントロールできなくなるのが特徴です。

アルコール依存症の人の中には酒乱の人が少なくありません。アルコール依存症予備軍(プレアルコホリズム)と呼ばれることもあります。しかし、酒乱の人が必ずアルコール依存症になるかというとそうではありません。アルコール依存症に罹ると、酒乱とは違った症状があらわれます。

症状として特徴的なのは、意識がある間は飲み続ける連続飲酒と意識が完全になくなるブラックアウトの繰り返し、何を犠牲にしてでも抑えきれない飲酒への欲求、お酒が切れると手が震える、汗が出る、幻覚が見えるなどの離脱症状などです。

アルコール依存症は、WHO(世界保健機関)が作成したチェックシートで自己判定することができます。アルコール依存症は「否認の病気」と言われるくらい、本人に認めさせるのが難しい病気です。アルコール依存症の対処法は、病気を認めるところから始まります。

互助会やサポートセンターの助けを借りるのも効果的な対処法です。

治し方は断酒以外にありません。専門家の助けなしに実行できる治し方はありませんので、判定が、レッドゾーンの人は速やかに専門の病院に行きましょう。

急性アルコール中毒とは

新入生や新入社員の歓迎会が行われる春ごろになると、毎年のようにニュースになるのが急性アルコール中毒による事故です。不幸なことに命を落としてしまうことも少なくありません。

短時間に大量のお酒を飲むと肝臓の代謝機能が追いつかず、血中アルコール濃度が急激に上昇します。その結果、嘔吐、頭痛、血圧の低下、意識の混濁、呼吸困難などの症状を引き起こし、最悪の場合は死に至ります。

急性アルコール中毒はお酒に弱い人ほど危険性が高く、お酒を飲みなれていない人は注意が必要です。「イッキ」やゲームでお酒をどんどん飲むのは絶対にやめましょう。

急性アルコール中毒になったときの対処法は、吐いたものが喉に詰まらないように横向きに寝かせて、すぐに救急車を呼ぶことです。対処法を誤ると命の危険にさらされるので、急性アルコール中毒の症状があらわれたら躊躇せず救急車を呼びましょう。

対処法で一番危険なのは、酔った人を仰向けに寝かせて一人にすることです。吐いたものを喉に詰まらせると窒息死してしまいます。

酒乱の人の特徴13選!周りの人は大迷惑!

酒乱とは、適量を超えてお酒を飲んだとき迷惑行動をすること、迷惑行動をする人のことです。家族や一緒に飲んでいる人、お店やほかのお客さんは大迷惑です。酒乱の人にはどんな特徴があるのでしょうか。酒乱で多い特徴的な行動をみてみましょう。

手が付けられないほど暴れる

火事場の馬鹿力ではありませんが、過度のアルコールはリミッターを外してしまいます。酒乱の人は、普段からは考えられないような腕力や体力で暴れるのも特徴の一つです。

アルコールで脳の機能が低下し、痛みを感じにくくなっているので、怪我をしても気にしないなどの特徴もあります。

聞くに堪えない暴言を吐く

アルコールは脳の前頭葉に作用するので、理性が働きにくくなります。常識的には考えられないような罵詈雑言や差別用語、卑猥な言葉がポンポン飛び出すのもよくある特徴一つです。

目上の人に横柄な態度をとったり、男性が女性に対してセクハラまがいのことを言ったり、女性が男性にぶしつけなことを言ったりすることもあります。

普段からは想像もできないほど品がなくなる

上品で慎み深い女性が蓮っ葉な言葉遣いをしたり、だらしない恰好をしたりすることもあります。別人かと思うほど品がなくなるのもよくある特徴です。

あたり構わず服を脱ぎ始めたり、テーブルに乗ったり、意味もなく大声で騒いだり、男性が女性にセクハラを働いたり、その逆であったり、素面のときには絶対にしないような行動をとることも酒乱の特徴の一つです。

平気で人の悪口を言う

当事者が側に居ようがお構いなしに悪口を言うのも特徴の一つです。理性を失っているので、相手の気持ちや今後の付き合いへの影響などを考慮することができません。人の心を平気で傷付けてしまうのも酒乱の人の特徴です。

誰彼構わず絡む

いわゆる絡み酒も特徴の一つです。明るい絡み酒ならまだ救いがありますが、相手の言うことにいちいち上げ足をとったり、ねちねちと嫌味を言ったりするのは本当に迷惑です。適当に聞き流そうとすると怒り出したりするのも酒乱の人の特徴的な点です。

くどくどと何度も同じ話をする

お酒の量が適量を超えると、アルコールの影響は記憶を司る海馬にも及びます。短期記憶機能が低下するので、話したことを覚えていられなくなります。

酔っぱらった人が同じ話を繰り返すのは話したことを忘れてしまっているからで、「さっき聞いた」と言えば済むことですが、酒乱の人は、「くどい!」と叫びたくなるほど何度も何度も意味のない話を繰り返し、「もう聞いた」と言っても聞く耳を持たないのが特徴です。

上から目線で説教をする

酒乱の人はなぜか偉そうに説教をしたがるという特徴があります。中身のある説教ならまだましですが、酒乱の人の説教は一貫性がなく、理屈が通っていないのが特徴です。意味不明な主張を押し付けてくるのもよくある特徴です。

聞かされる方はただ不愉快なだけですが、酔っぱらっている方は、お前のために言ってやっているという意識なので始末が悪いです。

手あたり次第物を壊す

テーブルをひっくり返す、椅子を蹴倒す、グラスを投げる、ガラスを割るなど、身の回りにある物を次々と壊して回る特徴を持った酒乱の人もいます。お店でこういった行為を働けば賠償問題にもなるので一緒にいる人は気が気ではありません。

怪我をすることも多いので酒乱の特徴としては最悪のものの一つです。

ネガティブになって泣き続ける

酒乱というと過激なことや暴力的なことを連想しがちですが、人に迷惑をかける酒癖は全て酒乱です。泣き上戸と呼ばれる酒癖を持った人の中には、周りの人を嫌な気分にさせる特徴を持った人もいます。

いじいじと泣き続ける、自分を卑下して自虐的になる、意味もなく大声で泣きわめくなどの特徴を持った人は、男性でも女性でも立派な酒乱です。

側にいる人を捕まえて解放してくれない

酒乱の人は周りの人に構いたがる傾向にあります。一人で飲んでいても側にいる人にあれこれとちょっかいを出し、それが例え赤の他人でもお構いなしです。迷惑そうな顔をしても意に介さず、放してくれません。

見境なく喧嘩を売る

大した意味もなく喧嘩を吹っ掛けたがるのも酒乱の特徴の一つです。感情をコントロールする前頭葉の機能が低下していることに加え、アルコールのせいで脳内にアドレナリンやノルアドレナリンが大量に放出されているので興奮しやすくなっています。

理性が麻痺しているので、自分が弱かろうが、相手が筋骨隆々の武闘派であろうがお構いなしです。

飲むのを止めようとしない

酒乱の人は酔っていることの自覚がありません。常識的な判断ができなくなっているので、はたから見るともう十分に酔っていて限界を超えているのに、飲むのを止めないという特徴があります。自分は酔っていないと言い張る人はほぼ確実に酒乱だと思っていいでしょう。

本人はさっぱり覚えていない

酒乱の人はお酒を飲んだことは覚えていても、暴れたり、醜態をさらしたりしたことは覚えていません。完全に記憶を失うことは少なく、都合の悪い部分だけが思い出せなくなっています。

酔いが醒めてみたら傷だらけだったとか、財布やカバンがないとか、知らない場所で眠っていたなどで、びっくりすることも多いです。

酒乱になる人の原因

結果には必ず原因があります。酒乱になる人、ならない人の違いは何なのでしょうか?酒乱の原因がわかれば対処法や治し方が見えてくるかも知れません。酒乱になる人が抱えている原因を探ってみましょう。

常に過度のストレスにさらされている

アルコールは脳の機能を麻痺させるので、ストレス解放の助けになります。日常的に強いストレスを感じている人は、アルコールで一気に開放的な気分になると歯止めが効かなくなる場合があります。

女性の酒乱の場合、職場でのストレスに加え、家庭や地域での人間関係、出産、育児などのストレスも原因になると考えられます。

理性的で我慢強い

普段抑制が効いて、いろいろなことを我慢している人ほど、アルコールで理性が失われると日頃の鬱憤が噴出しやすくなります。本来は美徳の忍耐や自己抑制の精神も、度が過ぎれば酒乱の原因になってしまいます。

また、嫌なことを嫌と言えない人も、アルコールの勢いで溜め込んでいた不満があふれ出る傾向にあります。気の弱さ、消極性も酒乱の原因になります。

真面目な完璧主義

何ごとにも手を抜けない完璧主義者は、そのストイックな真面目さが自分自身を追い詰め知らぬ間にストレスを溜め込んでいることがあります。普段は気がつかない深層心理が原因で、酒乱になることはよくあります。

性格的に自分に厳しい人は酒乱の原因を抱え込んでいる可能性が高いです。

強いコンプレックスを抱えている

例えば、強さや男らしさにコンプレックスを抱いていると、酔った勢いで暴力的な行為に走ったりします。男性に限らず女性でも、心の奥底では男性に憧れていたり、女性であることに鬱屈を感じていたりすると、お酒を飲んで乱暴で野蛮な振る舞いをすることがあります。

普段は隠している願望が、アルコールによって解き放たれるのが原因です。いつもは蚊の鳴くような声でしか話せない人が、大声で自己主張したりするのも同じ理由です。

お酒が好き

そもそもお酒を飲まなければ酒乱にはなりません。酒乱の一番の原因はお酒です。

酒乱の人が必ずしもお酒好きとは限りませんが、お酒好きの人が多い傾向にはあります。お酒が好きだからこそ、見境がなくなるまで飲むのです。酒乱の人も、飲み始めはいいのですが、血中アルコール濃度が高くなると困った症状が出始めます。

好きだから飲む、周りに迷惑をかける、反省する、でもまた飲む、また迷惑をかけるというループに陥るパターンが後を絶ちません。

酒乱の治し方と対処法を紹介

酒乱になる原因はさまざまですが、本人のためにも周りの人のためにも治し方があるなら名実行してもらいたいものです。運悪く酒乱の人が身近にいる場合の対処法と酒乱の治し方をご紹介します。

効果的な治し方の第一歩は酒乱を自覚させること

酒乱の人は、男性も女性も、自分がいかに周りに迷惑をかけているか、自覚がないことがほとんどです。物的証拠や状況証拠を突き付けて、自分が酒乱であるということをわからせること以外、酒乱の治し方はありません。

壊したものを見せたり、怪我をさせた相手に会わせたりして納得すればいいですが、頑として認めない人もいます。一番効果があるのは、酒乱の症状があらわれているときの動画を撮影しておいて見せることです。

酒乱の症状は素面のときには正視に耐えません。動かぬ証拠を見せて酒乱を認めさせるのが最も効果的な治し方です。

酒乱の治し方の第二段階は適量を知ること

酒乱を自覚させたら、次は自分の適量を知ってもらうことが大切です。酒乱は酩酊3期あたりから症状があらわれ始めます。人によって血中アルコール濃度が0.15%に到達するのに必要なアルコールの量は違います。

アルコールに強い遺伝子を持った人は、どんどん飲んでもなかなか血中アルコール濃度は上がりませんが、アルコールに弱い遺伝子を持っている人はあっという間に泥酔してしまいます。

酒乱の人は飲み始めると適量で止めることができない人が多いのですが、酒乱の治し方としては適量で止めておくことほど大切なことはありません。過度の飲酒は肝臓や脳の病気の原因にもなりますし、酒量の対処法を誤るとアルコール依存症に罹る危険性があります。

酒乱の治し方は素面のときに話す

酔っているときは何を言っても無駄ですし、火に油を注ぐだけです。酒乱を治したいなら、本人が素面のときに、じっくりと話し合いましょう。

アルコール依存症と違って、酒乱はまだ自己管理ができる段階ですし、素面のときは理性が働いています。飲酒の時間や量、状況のコントロールができているうちに酒乱の自覚、適切な酒量の把握を勧めましょう。

加えて、ストレスの原因を取り除いたり、趣味やスポーツなど、お酒以外のストレス発散方法をみつければ、酒乱リスクはかなり軽減されるはずです。

酒乱の治し方の最終手段は禁酒もしくは断酒

酒乱は病気ではなく癖です。癖を治すのは簡単ではありません。もしかしたら病気より治し方は難しいかも知れません。酒乱の最大の原因は酒に酔うことなので、原因である酒を断つことが最終的には最も効果的な治し方ということになります。

お酒好きの人がお酒を止めるのは並大抵のことではありませんが、うまくストレスが発散できなかったり、意志の力で飲む量をコントロールできなかったりするなら、お酒を止めるしか酒乱を治す方法はありません。

放っておくと重大な過失を引き起こしたり、病気になる可能性があります。場合によってはアルコール依存症の治療薬である抗酒薬を使うことも検討したほうがいいかも知れません。

酒乱の対処法は適量以上飲ませないこと

酒乱の人は自分一人では飲む量を調節できません。手の届くところにお酒を置かない、強いお酒を飲ませない、水割りやカクテルは薄めに作るなど工夫して、適量以上のアルコールを摂取できないようにしましょう。

そろそろ危ないかなと思ったら、トイレに行かせたり、シャワーを浴びさせたりして気を紛れさせましょう。散歩や買い物に行かせると外で買って飲んでしまうので、アルコールが手に入る状況には置かないように気をつけてください。

酒乱状態になったときの対処法は酔いを醒まさせること

いったん酒乱状態に陥ると手が付けられません。お酒だと騙してでもいいですからとにかく水をたくさん飲ませて血中アルコール濃度を下げましょう。お酒を飲み過ぎると脱水になるので、水分補給は大切です。

二日酔いにはスポーツドリンクが効きますが、酒乱状態のときにスポーツドリンクを飲ませるのはアルコールの吸収が早くなって帰って危険です。カフェインも酔いを自覚しにくくなるので止めましょう。

酒乱の人への究極の対処法は一緒に飲まないこと

酒乱の人とは一緒に飲まない、これに勝る対処法はありません。酒乱の人は常日頃とは別人格です。いつもは虫も殺さない大人しい人が、凶暴な破壊者になったりします。断れる酒席なら断ってしまいましょう。

運悪くお店で一緒になった赤の他人なら、さっさとお店を変えましょう。家族に酒乱の人がいたら、家にお酒を置かないようにしましょう。外で飲んで帰ってきたら酔いが醒めるまで家に入れないくらいの覚悟が必要です。

その上で、治し方を一緒に検討するしかありません。酒乱に即効性のある治し方はありません。治ったかどうかは飲んでみなことにはわからないのも辛いところです。本人に治す気がないなら、酒乱は絶対に治りません。

酒乱になる人にはこんな症状が出る

お酒を飲んでいると、酒乱なんじゃないかと予想がつく人がいます。酒乱になる前兆のような症状を知っておけば、いざというときに適切な対処法がとれます。近くにこんな状態で飲んでいる人を見つけたら、被害に遭わないうちに逃げるのが賢明です。

目が据わる

アルコールの影響が小脳にまで及ぶと、動眼神経が麻痺するので、物が二重に見えたり、焦点が定まらなくなったりします。顔の表情を作る表情筋もうまく働かなくなるので、睨みつけたような目つきになります。

ろれつが怪しくなる

舌がうまく回らなくなり、言葉が不明瞭になるのも運動機能にアルコールの影響が及んだ結果です。意味の通らないことを言い始めるのもこの頃です。

顔が赤くなる

いわゆる酒豪と言われる人の中には、どんなに飲んでも表情が変わらない人がいます。アルコールに強い遺伝子を持っている人で、欧米人には多いですが日本人にはあまりいません。

酒乱の人はアルコールに弱い遺伝子を持っていることが多いので、酔いが回ると顔が赤くなります。

酒乱は決して遺伝するものではない!

酒乱になるには大きく分けて二つの原因が考えられます。内的因子と外的因子です。内的因子は遺伝子が原因です。外的因子は環境、性格などです。このうち遺伝子は酒乱を引き起こしやすい体質の原因にはなりますが、酒乱そのものの原因にはなりません。

体質は遺伝するので、近親者に酒乱の人がいれば、酒乱になる確率はいくぶん高くなりますが、酒乱の原因のほとんどはストレスや性格に因るものです。

アルコール代謝に必要な遺伝子

酒乱になる人は、アルコール分解酵素に特徴がある場合があります。両親それぞれから受け継いだ遺伝子の組み合わせによってアルコールに対する耐性が決まるので、近い親族に酒乱の人がいる場合は、同じ原因因子を持っている可能性があります。

アルコールは肝臓で代謝されますが、そのとき必要なのがアルコール脱水酵素(ADH)とアセトアルデヒド脱水酵素(ALDH)です。これらは両親からの遺伝子で受け継がれます。

アルコールはまずADHによってアセトアルデヒドに分解されます。ADHの活性が高い遺伝子を持った人は、アルコールの分解速度が速く、血中アルコール濃度が上がりにく酒豪タイプです。

反対に、ADH活性が低い遺伝子を持った人は血中アルコール濃度が急激に上がり、泥酔しやすいタイプです。酒乱になりやすいのは後者のタイプです。

酒乱の危険性がある遺伝子の組み合わせ

アルコールの分解にはもう一つ、アセトアルデヒド脱水酵素が必要です。ALDHの活性能力によってお酒に強い、弱いが決まります。たまに、お酒が全く飲めない人がいますが、そういう人はアセトアルデヒド分解活性を持たないALDHを遺伝子として受け継いでいます。

アセトアルデヒドは毒性を持っているので、分解活性を持たない遺伝子だけを持った人は、少量のお酒を飲んだだけで真っ青になったり、嘔吐したりします。体質的にお酒が飲めないので、酒乱にもなりません。

酒乱になる可能性があるのは、ADHの活性が低く、ALDHの活性が中程度の遺伝子の組み合わせを持った人です。

酒乱の原因は環境と気質

遺伝子の組み合わせで酒乱になりやすい体質があることはわかっていますが、それは酒乱の直接の原因にはなりません。酒乱になる一番の原因はやはり抑圧されたストレスです。

過度のアルコールは理性や知性を司る大脳新皮質の機能を麻痺させ、欲望や攻撃性といった野生的な本能を剥き出しにします。

日頃抑え込んでいる欲望や願望が本能のままにあらわになった状態が酒乱ですので、平素無理をしたり、自分を抑え込んでいる人ほど酒乱になりやすいといえます。

酒乱と女性

アルコール依存症が「アル中」と呼ばれていた時代には、お酒によるトラブルは男性が圧倒的に多かったのですが、近年は女性がアルコールに因るトラブルに巻き込まれたり、トラブルを起こしたりすることも多くなりました。

女性の社会進出に伴う責任の増加、まだ根強く残る男性との待遇の差に対する不満、家事や育児の負担など、女性がストレスを溜めやすい社会であることが大きな原因の一つです。

女性は男性に比べ、家族間の不和や離婚など、人間関係でストレスを溜めやすいという特徴もあります。加えて月経前はホルモンの影響でADH活性が低下するという身体的な特性も女性の酒乱増加に拍車をかけています。

日本は酔っぱらいに比較的寛容な国ですが、女性に限ってはその限りではありません。女性の酒乱に対する世間の目は、男性のそれに対するものとは比較にならないくらい厳しです。

正体をなくすほど酔っぱらうと身の危険もありますから、男性以上に女性は自分の酒量の限界を知っておく必要があります。

酒乱は病気ではない

酒乱は本人が気がついていない、もしくは大したことじゃないと思っていることが多いので、周りの人が指摘してあげない限り、治すきっかけも見つかりません。病気ではないので特効薬がないのが難しいところですが、自分次第でどうにでもなると考えることもできます。

人間関係や家庭生活が崩壊したり、アルコール依存症や肝臓や脳の病気に罹ってしまってからでは遅いのです。酒乱からうつ病や摂食障害などの精神的な病気を発症する例もあります。コントロールできるうちに自分の限界を知って、上手なお酒の飲み方を身につけましょう。

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