大和言葉とは?美しい単語や言葉・例文を一覧で紹介!
日本語には、大和言葉と呼ばれるものがあります。大和言葉とは、和語にあたる日本語を指します。この記事では、単語の一覧や美しさをご紹介します。また、例文と変換方法も一覧にしますので、大和言葉とはどんなに美しいかをを知っていきましょう。
目次
大和言葉とはどんな言葉?
大和言葉には、いくつかの特徴があります。この章では、大和言葉がどのような言葉かを紹介します。
大和言葉は日本語の一部
日本語は、大きく分けて3種類に分類されます。一つ目は漢語といい、「走行」「上達」などの中国から伝わってきた言葉です。二つ目は外来語といい、「トレーニング」「ルール」などカタカナであらわされます。
三つ目が和語で、「軽い」「見る」などの言葉や「桜」などの花の名前も和語にあたります。これは日本古来の言葉で、古くから日本で使われてきた言葉です。
この和語と呼ばれる言葉を、大和言葉と呼びます。
日本の雅な言葉
大和言葉には、和歌、やまとうたという意味もあります。つまり、大和言葉は平安時代から伝わる日本の文学的な言葉であるといえます。
平安時代の和歌に使われていたために、雅な意味や響きがある大和言葉がとても多いです。
漢字で意味が変わる大和言葉
大和言葉は、日本でもともと使われていた言葉の音に中国から伝わった漢字を当てることで、より細かい意味を含ませることができるようになりました。例えば「かく」について、「書く」と「描く」では文字を書くことと絵や図形を描くことの区別をつけることができます。
しかしながら、もともと大和言葉として日本に伝わってきた言葉は「かく」という1つだけで、この漢字の書き分けは元からあったものではない、ということを理解しておきましょう。
大和言葉の特徴5つ!美しい言葉の響きが心地よい!
大和言葉には、独特の響きや特徴があります。この章では、大和言葉の単語や美しい例文などを交えて、この日本語の特徴を5つご紹介します。
①やわらかい響き
大和言葉は日本語の中でも、漢語や外来語に比べてやわらかい響きのあるものが多いです。例えば「住所」「協力」などの漢語をそれぞれ「住まい」「力添え」と変換すると、言葉の意味はそのままに相手にやわらかい口調で伝えることができます。
また、単語のはじめに濁音があるものが一部の言葉に限られるため、多くの単語は言葉の最初の音が清音になり、美しい言葉として耳に入りやすい特徴もあります。
②丁寧に聞こえる
特徴その1で挙げた「住所」「協力」という言葉を使った例文として、「ご住所はどちらでしょうか?」「ご協力をお願いいたします。」という2文を見てみましょう。
このままでも十分丁寧ですが、あえて大和言葉に変換してみると以下のようになります。
「お住まいはどちらでしょうか?」「お力添えをお願いいたします。」
このように、大和言葉に積極的に変換することで、より丁寧な言い回しができるようになります。丁寧さを保ちつつ、堅苦しさを緩和することができるのも、大和言葉の特徴です。
③豊富な語彙
大和言葉には豊富な種類の語彙があります。例えば、「感動した」という例文の「感動」を大和言葉に変換すると、「心を打たれた」「心に響いた」など多くの言い回しになります。
このように、大和言葉は自分の心を表す言葉が貧弱だと感じたときに覚えておけば、今後はより豊富な語彙で話すことができるようになります。
表現の方法は多く覚えておいて損はありませんので、積極的に大和言葉を覚え美しい日本語を話せるようになりましょう。
④上品な響きがある
特に若者がSNSなどで使う言葉で「エモい」「マジ卍」などがあります。このような言葉は正式な場で目上の人に使うことはできないときちんと理解している人のほうが多いですが、いざ上品な言葉で表現しようとすると思い浮かばず戸惑うこともあるのではないでしょうか。
そんなときに使えるのが大和言葉です。例えば「エモい」とは英単語「emotional」からできた造語で感動したという意味がありますが、これを特徴その3でも紹介したような大和言葉に変換すると一気に目上の人にも使える上品な言葉遣いになります。
漢語や外来語だけでなく、普段使っているネットスラングも大和言葉への変換方法を知っておくととても便利です。
⑤ワンランク上の社会人になれる
これまで紹介してきたとおり、日本語は大和言葉に変換することでより上品になったり語彙が豊富になったりします。
漢語や外来語だけではワンパターンになりがちな表現も、大和言葉に変換することでより豊富で社会人らしい言葉にすることができます。現在学生の方も、学んでおいて損はないでしょう。
大和言葉を使った言葉【日常・性格編】
日常的な大和言葉として、人の性格を表すものがあります。「性格」は、大和言葉に変換すると「人となり」となります。このような表現は、日常生活のみならず結婚式のスピーチなどフォーマルな場でも使用することができます。
漢語や外来語ではマイナスなニュアンスのある言葉も、大和言葉に変換することでよい印象に変えられたり、やわらかい印象で相手に伝えることができるようになります。
この章では、そんな人間の「人となり」を表す大和言葉を一覧にしてご紹介します。この一覧を参照して、人の性格を現す表現を多く学んでみましょう。
言葉一覧 | 解説 |
朗らか | 明るい性格の人に対して使えます。明るく、人付き合いが上手なさまです。 |
穏やか | 素直で、態度がひねくれていない人のことです。 |
奥ゆかしい | 奥深く、深い心遣いがあってひきつけられる人のことです。 |
浅ましい | 「意外である」「あきれる」「甚だしい」などさまざまな意味がある言葉ですが、 現代人柄を表すときには「心がいやしい」という意味で使われることが多いです。 |
おこがましい | 出すぎていてさしでがましい、生意気な様子を指します。 |
ひたむき | 何かに一途な性格を指します。 |
おおらか | 心がゆったりとし、細部にこだわらない性格です。 |
いじっぱり | 無理にでも我を貫こうとする人に対して使うことができます。 |
せっかち | 先を急いで、心の落ち着きがないさまです。 |
お人好し | 善良すぎて、他人に侮られやすい人のことを言います。 あまり良い意味では使われないでしょう。 |
大見出し:大和言葉を使った言葉【ビジネス編】
ビジネスにおける大和言葉は思っている以上に多く、よく使われている単語や例文も豊富にあります。ビジネスメールで大和言葉を使うと、日本語の丁寧さはそのままによりやわらかい表現にしたり、相手により受け入れられやすい表現に変換したりできます。
また、豊富にある美しい大和言葉を使いこなすことができれば、より上品な社会人として周囲の人に一目置かれるかもしれません。
この章では、ビジネスに使える大和言葉の一覧と例文をご紹介します。
言葉一覧 | 解説 |
あいにく | 期待にはずれ、都合の悪いという意味の日本語です。 ビジネスでは、こちらの都合で何かを断る際に使えます。 |
なにとぞ | 「どうにかして」という意味があり、相手に強くお願いする際に使えます。 |
いかんせん | なすすべがなく、困った状態のときに使えます。 こちらも、相手の提案をお断りするときによく使われる言葉です。 |
やむを得ず | 「やむなく」とも言い、仕方なくそうするときに使います。 本当はしたくなかったというニュアンスが込められた言葉です。 |
心ならずも | 不本意であるさまを表す日本語です。 |
遅ればせ | 遅れて駆けつけるという意味の日本語です。 その場に駆けつける他に、時機を逃して行動する際に使います。 |
賜る | 「もらう」の謙譲語として使われることが多いです。 「いただく」などよりも、恐れ多いという気持ちを込めた言葉です。 |
ご多分に漏れず | 他の大部分の人が考える通り、例外なく、といった意味です。 よくある間違いに「ご他聞」「ご多聞」があるので注意しましょう。 |
おかげさま | 他人からの親切や支援に対してお礼を言う際に使う言葉です。 |
与る | 「あずかる」と読み、そのことに関係するときまたは恩恵を受けたときに使います。 例文として、「お褒めに与り恐縮です」などがあります。 |
ビジネスで使える例文
ビジネスで使える大和言葉はたくさんありますが、その美しさの反面他の言葉と紛らわしいものもあります。あまりに誤用や誤字が多いと、相手に失礼になってしまうかもしれません。
ここでは、一覧にある中で特に誤用の多い「ご多分に漏れず」を例文を交えて詳しく紹介するので、ぜひビジネスシーンで自信をもって大和言葉を使いこなせるようになりましょう。
「ご多分に漏れず弊社も不況に苦しんでおります」……「ご多分に漏れず」は、他と比べて例外でなく、という意味で使われますが、「ご他聞」「ご多聞」など漢字の誤用が多いです。
「他聞」は、他人に話を聞かれることで、「多聞」は多く物事を聞き知っていることという意味なので、それぞれ違った意味を持つ単語ということになります。
また、読み方では「お多分」と読んでしまうこともありますがこれも誤りですので気をつけましょう。
大和言葉を使った言葉【名前編】
大和言葉を用いてつけられた名前には、美しい古風な響きがありながらも古臭くはないという特徴があります。特に、生まれた季節や生まれた日の天気などを表す単語を名前としてつけることが多いでしょう。
ここでは、大和言葉を用いた名前の一覧を男女別でご紹介します。
大和言葉を用いた女の子の名前一覧
名前一覧 | 解説 |
ちとせ | 長い月日を表す単語です。子どもに長生きしてほしいという願いが込められます。 |
るり | 紺色の美しい宝石の名前です。ガラスの古名でもあります。 |
ほまれ | 「名誉」「名声」があるようにという思いが込められています。 |
さくら | 有名な花の名前です。春に咲く花なので、春生まれの子につけられることが多いです。 |
ちぐさ | 様々な草花を表す単語です。夏生まれの子につけられることが多い名前です。 |
大和言葉を用いた男の子の名前一覧
名前一覧 | 解説 |
そら | ひろびろとしたイメージのある名前です。「空」と書くことが多いでしょう。 |
あおい | 「葵」は大型の花をつける植物です。 5~6月に花をつけるため、初夏生まれの子につけられることが多いです。 |
あらた | 新しく、古びていない様子を表す単語です。 新しい道を歩んで欲しいという思いが込められます。 |
つばさ | 鳥が空を飛ぶ際の「翼」と表記されることが多いです。 |
かなめ | 大切な部分を示す「要」からとった名前です。 周りの人にとって重要な人に育って欲しいという思いが込められることが多いです。 |
名前をつけるときのポイントと注意点
上の一覧では、大和言葉を用いた名前をひらがなでご紹介しました。実は名前に使われる漢字の読みは決められておらず、自由に読んでよいことになっているのです。極端な例で言うと「月」と書いて「たいよう」と読んでも良い訳です。
しかしながら、名前は子どもへの最初のプレゼントです。あまりに読みづらい当て字や、学校でからかわれてしまいそうな名前は避けたほうが良いでしょう。
また、人名には使えない漢字もあります。このことに気をつけながら、思いを込めた美しい名前を考えましょう。
大和言葉を使った言葉【花編】
日本語には、花を用いた大和言葉もあります。日本古来の花の名前は基本的に和語なので、大和言葉に分類されます。
この章では、花に関連した単語や例文を一覧にしてご紹介します。
言葉一覧 | 解説 |
よひら | あじさいのことで、主に俳句で使います。 俳句で使われるとき、夏の季語です。 |
このはな | 木の花と書き、木に咲く花を指します。桜か梅の異称としての意味もあります。 |
桜狩 | 桜をたずねあるき観賞するということで、花見のことです。 紅葉を観賞することを紅葉狩りと言ったりもします。 |
花言葉 | 花詞とも書き、それぞれの花に象徴的な意味を持たせたものです。 |
花の雨 | 桜の花に降る雨のことです。俳句では、春の季語として使われます。 |
おみなえし | 秋の七草のひとつで、黄色い花をつけます。 俳句では、秋の季語として使われます。 |
みかげいし | 花崗岩のことで、神戸市御影付近が産地として有名だったためこう呼ばれます。 |
いばら | とげのある小木の総称ですが、野生の薔薇を指すこともあります。 |
はながめ | 花瓶のことで、はないけとも言います。 |
大和言葉を使った言葉【歌詞・歌編】
音楽や詩で美しい単語を見つけて嬉しくなった経験はありませんか?実は、歌の歌詞や短文にも、美しい大和言葉が使われていることが多くあります。
音楽鑑賞する際も多くの大和言葉を知っていればより歌詞を深く楽しめますし、一覧にすれば実際に自分で作詞をしてみようと思ったときにも美しい日本語を盛り込むことができるかもしれません。
この章では、歌詞によく使われる情景描写や心情に関係する大和言葉の一覧と解説をします。
歌詞に使われる単語一覧【情景描写編】
単語一覧 | 解説 |
夕映え | 夕焼けでものが美しく見えることです。 |
星月夜 | ほしづきよと読み、星の明かりが月の様に明るく見えるという意味です。 |
細雪 | 細かく降る雪を表す単語で、冬の季語としても使われます。 |
花明かり | 桜の花が満開で、夜でもほんのり明るい様子を指す大和言葉です。 |
月明かり | 月の光そのものを指す言葉ですが、月の光によって明るい様子を指すこともあります。 |
歌詞に使われる単語一覧【心情編】
言葉一覧 | 解説 |
胸躍る | 期待や興奮でわくわくする様子です。 |
胸を打つ | 感動させられることを言います。 |
思いそめる | 心にかけ始めるという意味で、特に恋しはじめる際に使われます。 |
ときめく | 喜びや期待で、胸がどきどきする様子です。 |
(思いを)はせる | 遠く離れたものに思いを及ばすという意味です。 片思いや遠距離恋愛の歌に多く使われます。 |
大和言葉を使った言葉【量・程度を表すもの】
量や程度を表す大和言葉を知っておくと、単純に量・程度を表すとき以外にも感情が高ぶったときなどに使える単語が多いです。
量や程度を表す単語も、例に漏れず大和言葉に変換すると美しい響きになったりやわらかい印象になったりします。
この章では、量や程度を表す大和言葉の変換方法や例文を一覧にしてご紹介します。
単語一覧 | 解説 |
このうえなく | これ以上ないほど、最高の、という意味です。 例文:この上ない喜びです |
いささか | 少しだけ、わずかながら、という意味で使われる日本語です。 |
おおむね | 大体の趣意、あらまし、おおよそという意味です。 |
あらかた | ほとんど全てという意味の日本語です。 たいてい、おおかたなどと変換される場合もあります。 |
ひとかたならぬ | 並々ならず。ひととおりではなく。と変換されます。 例文:ひとかたならずお世話になりました。 |
思いのほか | 予想と違って、意外にもという意味で使われる日本語です。 |
こよなく | きわめて、非常に、という意味の副詞です。 例文:こよなく愛しています。 |
大和言葉を使った言葉【日常で使いたいもの】
大和言葉は昔から日本にある言葉なので、日常で使える自然な日本語もたくさんあります。日常的に美しい大和言葉を使いこなすことができれば、より周囲から素敵と思われる人物になれるかもしれません。
この章では、ビジネス以外でも日常的に使える大和言葉やその例文の一覧をご紹介します。
単語一覧 | 解説 |
雲あし | 雲が流れ動く様子を示す単語です。 |
あたらよ | 可惜夜と書き、眺めがよく明けるのが惜しい夜のことです。 |
心配り | あちこちへ気を配ることです。 |
浮舟 | 水に浮いている舟で、頼りない様子を表すのに使われることもあります。 |
余すことなく | 残りがないように、残さずという意味です。 |
荷が勝つ | 能力に対して責任が重過ぎることを言います。 |
折り合う | 対立したものが譲り合い、解決することです。妥協と変換できます。 例文:値段が折り合わない |
筋がいい | あることへの才能があるという意味の日本語です。 |
この一覧で紹介した以外にも、美しい大和言葉はいたるところに潜んでいます。他のサイトで一覧を調べたりする以外にも、偶然読んだ本や聴いた歌の歌詞からも、一覧にはない大和言葉を発見できるかもしれません。
是非、この一覧以外の日常に潜む大和言葉も探ってみてください。
大和言葉を使うメリット!品のある女性にイメージアップ!
上で紹介した一覧にある以外にも美しい大和言葉はありますが、まずは一覧に紹介した大和言葉を使いこなせるようになることをお勧めします。
なぜなら、この一覧にある大和言葉は特に日常やビジネスなどで使いやすい言葉を選んで作成しており、これをうまく使えると様々なメリットがあるからです。
この章では、大和言葉を使いこなすメリットをご紹介します。
美しい言葉遣いでイメージアップ
今まで紹介してきて通り、大和言葉には美しくやわらかい響きがあります。そんな言葉を使いこなせる人は、周囲から美しく、品のよい物腰の人物として見られやすいです。
言葉遣いが美しければ、より良いイメージであなたを見てくれる人が増えるでしょう。
上司や取引先からも好印象に
大和言葉は柔らかい響きをもちつつとても丁寧なものが多いので、ビジネスでもよく使います。
何かを断らなければならないときや謝罪するときなど、マイナスなイメージをもたれがちなシーンも大和言葉で丸くおさめることができれば、上司からの評価も上がるかもしれません。
上品な女性はモテる
上の一覧にも、上品な意味や響きを持つ大和言葉を紹介してきましたが、このような言葉を使いこなす人は口が悪い人よりも異性から好意を持たれやすい傾向にあります。
もちろん、女性だけでなく男性も、大和言葉で上品な言葉遣いを心がけてみましょう。
自分の感情を豊富な語彙で表現できる
他の章で紹介した大和言葉一覧にも、心情を表す言葉の一覧や情景描写に使える一覧がありましたが、このような言葉で自分の気持ちを表現するとより文学的になります。
是非この一覧を使いこなして、より複雑な感情を適切に表現できる語彙力を身につけましょう。
大和言葉を使って豊かな生活を
大和言葉の特徴と日常で使える言葉一覧、いかがでしたか?
豊富な語彙で日常を言語化することは、何気ない一日をより豊かにすることにつながります。是非、今日から積極的に大和言葉を使っていきましょう。