彼岸花(ヒガンバナ・曼珠沙華)の花言葉は?色別(白,赤,黄)の意味

美しく鮮やかな花を咲かせる彼岸花は秋の風物詩の一つです。赤だけでなく黄や白の彼岸花もご覧になったことがあるでしょう。彼岸花の花言葉は日本人の持つイメージが大きく作用しています。彼岸花の歴史や赤、黄、白色で違いがある花言葉などをご紹介します。

彼岸花(ヒガンバナ・曼珠沙華)の花言葉は?色別(白,赤,黄)の意味のイメージ

目次

  1. 1彼岸花(ヒガンバナ)とはどんな花
  2. 2彼岸花の花言葉
  3. 3彼岸花の花言葉と意味【色別】
  4. 4彼岸花に関する豆知識
  5. 5昔から伝わる彼岸花の迷信
  6. 6彼岸花を題材にした曲
  7. 7彼岸花を楽しもう!名所3選
  8. 8華やかな美しさの彼岸花を見に行こう

彼岸花(ヒガンバナ)とはどんな花

日本の美しい田舎の風景を彩る彼岸花(ヒガンバナ)は、最近外国からの旅行者たちにも大変人気があります。夏の終わりから秋にかけて綺麗な花を咲かせる彼岸花ですが、彼岸花がどういう花かご存知でしょうか。

植えられている場所や名前から日本ではあまり良いイメージがない彼岸花ですが、中国や韓国などではロマンチックなイメージがあるようで「相思華(そうしばな)」と呼ばれ純粋に相手を想い合う象徴として小説や映画などで使われる花です。

彼岸花ではなく曼珠沙華(まんじゅしゃげ)と呼ぶ方もおられるでしょう。彼岸花(曼珠沙華)には3色の種類がありますが白、赤、黄の色ごとに花言葉の意味も違います。彼岸花の花言葉や名前の由来、彼岸花に関する豆知識や迷信など詳しくご紹介します。

彼岸花の名前の由来

彼岸花(ヒガンバナ)という名前からも推測できるように彼岸花は秋のお彼岸の頃に開花するのでこの名前がつけられました。秋のお彼岸は秋分の日を挟んだ前3日後3日の合計7日間を指します。また彼岸花を食べると死に至ることがあるためという説もあります。

また一説には、彼岸花の毒を抜けば非常食になることから「悲願の花」から「彼岸花」になったというものもあります。彼岸花の学名はリコリス・ラジアータです。リコリスはギリシャ神話の女神から名づけられました。

英語圏では花が咲いた姿が蜘蛛ににていることからred spider lily(赤い蜘蛛のようなユリ)と呼ばれています。また彼岸花はハリケーンがやってくる夏の終わりから秋に開花するのでhurricane lily(ハリケーンユリ)などとも呼ばれます。

彼岸花の歴史

彼岸花(ヒガンバナ)・曼珠沙華は日本固有の在来種ではありません。稲作が伝わった際に土と一緒に中国大陸から彼岸花の球根にあたる鱗茎(りんけい)が持ち込まれたという説と、田畑を荒らす小動物対策として彼岸花を植えたという説もあります。

通常彼岸花は田んぼの畔や墓地に植えられますが、種子が出来ず鱗茎で増えていくので山林などに群生しているものはその場所に昔人里があった形跡だと考えられます。また日本にある彼岸花は同一の遺伝子を持っていると言われています。

彼岸花の特徴

彼岸花(ヒガンバナ)は30~50cmに伸びた花径(かけい)の上に長さ4cmの6枚の花弁が放射状に咲く花です。花が枯れた後に葉が伸びてきますが、葉は春には枯れてしまいます。春から秋にかけて地上になにも出ていない状態になります。

彼岸花は種子では増えず、鱗茎(りんけい)で増えます。彼岸花は全草に毒がありますが鱗茎部分に最も毒が含まれており、摂取すると嘔吐や下痢を引き起こします。またさらに進んで中枢神経の麻痺を起す恐れもあり、最悪の場合死に至ります。

彼岸花・曼珠沙華は花が咲いてから葉が伸びる特性があり、「葉見ず花見ず」と言われます。日本全国に分布しており、湿った土地を好みます。全草に毒を持つという特性から田畑や墓地、堤防などに植えられています。

彼岸花と曼殊沙華の違い

彼岸花(ヒガンバナ)と曼珠沙華に違いはありません。曼珠沙華はマンジュシャゲやマンジュシャカとも呼ばれ、サンスクリット語で仏教の経典からきている名前ですが、経典の中の曼珠沙華は白い花のことですので彼岸花ではないという説もあります。

彼岸花の花言葉

彼岸花(ヒガンバナ)・曼珠沙華の花言葉はその毒性からくる「ネガティブなもの」と、外観の華やかさからくる「ポジティブなもの」があります。色は関係なく彼岸花全体にどのような花言葉があるのかご紹介します。

悲しい思い出

彼岸花(ヒガンバナ)・曼珠沙華の花言葉は「悲しい思い出」です。彼岸花は墓地によく植えられていますので、このような花言葉がついたのだとされています。

あきらめ

彼岸花(ヒガンバナ)・曼珠沙華の花言葉には「あきらめ」もあります。これも彼岸花がお墓に植えられていることや、彼岸(生きている者の世界と死者の世界が繋がる期間であり死者を供養する行事)頃に花が咲くのでついた花言葉だと言われています。

独立

一転して彼岸花(ヒガンバナ)の花言葉には「独立」という明るい意味のものがあります。これは彼岸花の凛とした佇まいやはっきりした赤い色、また葉がなく花だけが豪奢に咲く姿に由来した花言葉だと言われています。

情熱

「情熱」も彼岸花の花言葉です。この花言葉も、燃えるように鮮やかな赤い彼岸花の咲いている姿に由来していると言われます。

彼岸花の花言葉と意味【色別】

彼岸花(ヒガンバナ)・曼珠沙華全体の花言葉をご紹介しましたが、彼岸花は色の違いによって花言葉も違います。白、赤、黄の三色の彼岸花の花言葉と意味についてご紹介します。

白い彼岸花の花言葉

白い色の彼岸花の花言葉は「また会う日を楽しみに」「想うのはあなた一人」です。無垢な色である白の花にふさわしい純粋な意味の花言葉です。

葉がある時は花がなく、花がある時は葉がないことから中国や韓国では彼岸花のことを「相思華(相思花)」と呼びます。葉は花を想い、花は葉を想うという相手を一途に想う心という意味になります。

彼岸花は曼珠沙華とも言いますが、曼珠沙華は仏教の経典の中で「天界の花」である白い花でたいへんおめでたい花です。曼珠沙華の白い花を見た者は自然と悪行から離れると書かれています。

白い彼岸花と呼ばれているものの中にはシロバナマンジュシャゲがあり、これは白い彼岸花とは違います。白い彼岸花は赤い花の遺伝子異常により生まれたと言われています。

シロバナマンジュゲはやや黄色味を帯びているので、黄色の花を咲かせるショウキズイセンと彼岸花の自然交配だという説もありますが、彼岸花は自然交配しません。

赤い彼岸花の花言葉

赤い彼岸花の花言葉は「情熱」「あきらめ」「悲しい思い出」「再会」など、彼岸花全体の花言葉とほぼ同じものになります。彼岸花といえば赤が代表的な色になりますので、彼岸花の花言葉は赤色に由来しているものになります。

黄色い彼岸花の花言葉

黄色の彼岸花の花言葉は「陽気」「深い思いやり」「元気な心」「追想」です。黄色い彼岸花は厳密には彼岸花とは違いショウキズイセン、ショウキランと呼ばれる別種です。黄色い彼岸花として親しまれているショウキズイセンは彼岸花と違い種が結実します。

ショウキズイセンは道教の神鍾馗(しょうき)に由来しており、鍾馗は中国の皇帝玄宗の病気を退治したという言い伝えから魔除けとして日本でも端午の節句に飾られます。黄色の花が鍾馗のように元気や陽気を思わせることから花言葉が生まれたのです。

彼岸花に関する豆知識

花の色の違いによって花言葉が違い、また「彼岸花」と言われていても実は種類違いの花である場合があるなど花言葉にまつわる色別の意味をご紹介してきました。

次に彼岸花が何故田畑やお墓に多く見られるのか、また彼岸花を食べてしまった場合に出る症状やちょっと怖い彼岸花の別名など彼岸花に関する豆知識を見ていきます。

彼岸花が田畑やお墓に多い理由

彼岸花と言えば刈入れ前の田んぼを縁取るように咲いている姿を思い浮かべる方が多いでしょう。彼岸花を田んぼの畔(あぜ)に植えるのはネズミやモグラ、虫などの害虫・害獣除けの意味があります。彼岸花の毒を持つ鱗茎を嫌って田んぼに侵入しなくなるからです。

モグラは草食ではなく肉食のため畔に植える意味はないとも言われますが、モグラが食べるミミズなどが彼岸花を避ける意味で植えられているという説があります。

お墓に彼岸花が植えられるのは何故でしょうか。昔の日本は火葬ではなく土葬が主流だったため、埋葬された死体は土の中にいるモグラなどに食べられる危険性がありました。死体を害獣から守るために墓地に彼岸花が植えられました。

彼岸花を人が食べた場合の症状

彼岸花は全草に毒があります。ノビルという同じヒガンバナ科の植物やアサツキは食用に適しますが、彼岸花によく似ていて誤食されることがありますので注意してください。

彼岸花はリコリンやガランタミンのようなアルカロイドを多く含んでいます。経口摂取すると嘔吐したり下痢をしたりします。戦時中に食糧難から毒を抜いて食べていたこともあるそうですが、素人が処理しても毒が抜け切れないことがあり中毒死した例もあります。

そのまま摂取すると危険な彼岸花の毒は生薬となることもあり、アルツハイマー病の治療に使われたりします。

ちょっと怖い彼岸花の別名

彼岸花はその特性や外観から、方言も含めて1000以上の多くの別名を持つ花です。その中でもちょっと怖い彼岸花の別名とその意味をご紹介します。

死人花(しびとばな)

彼岸花はお墓にも多く植えられる花です。お墓=死人ということで死人花という別名がつきました。似たものに「地獄花(」「幽霊花」などもあります。

捨て子花

彼岸花は有毒なので、子供たちが触らないように「彼岸花に触ると捨て子になる」と言われていました。彼岸花は花が咲き終わってから葉が出てくるため「葉見ず花見ず」といわれることも「捨て子」の由来です。

しびれ花

「しびれ花」という別名は彼岸花がもつ毒に由来しています。彼岸花の毒にあたると、全身が麻痺=痺れるという症状があるためです。「毒花」という別名も同じく、彼我花が毒を持っていることからついています。

昔から伝わる彼岸花の迷信

彼岸花には恐ろしい迷信があります。科学的な根拠はないのですが彼岸花の外観や特性、日本人独特の死に近いものとしての認識からくるものなど理由は様々です。彼岸花にまつわる迷信をご紹介します。

彼岸花を持って帰ると家が火事になる

彼岸花の迷信に「彼岸花を摘んで家に帰ると火事になる」というものがあります。彼岸花の花が鮮やかに燃える炎のような形なのでこのような迷信が生まれたと言われています。

彼岸花を摘んだ手が腐る

彼岸花を摘むと、その摘んだ手が腐るという迷信があります。彼岸花の毒に気を付けるようにこのような迷信が生まれたとも言われます。彼岸花の匂いを嗅ぐと腐るなどの迷信もあります。

彼岸花を摘んだら誰かが死ぬ

彼岸花を摘むと死人が出るという迷信も、彼岸花が毒をもっていることとお墓に植えられていたイメージから生まれたものです。

彼岸花を題材にした曲

彼岸花は大変魅力のある花ですので、彼岸花を題材にした曲が多く作られています。その中でも阿木曜子作詞、宇崎竜童作曲で山口百恵が歌った「曼珠沙華(まんじゅしゃか)」が有名です。

彼岸花は秋の花ですし、彼岸花の持つ強さと死をイメージさせる背景が哀愁のある歌詞や曲調を生むようで「彼岸花」「曼珠沙華」をタイトルにした曲は物悲しい中にも凛とした強さをもつものが多いです。

古くは北原白秋作詞、山田耕作作曲の「曼珠沙華」もありますし、阿久悠作詞で森昌子が歌った「彼岸花」、AIR DRIVEが歌った「彼岸花」などがあります。

彼岸花を楽しもう!名所3選

彼岸花が群生している様は見ごたえがある美しい風景です。訪日外国人にも人気の、国内で有名な彼岸花お勧めスポットを3か所といつが見頃なのかご紹介します。

日本最大級の彼岸花の名所ひだか巾着田曼珠沙華まつり

埼玉県日高市の巾着田(きんちゃくだ)は日本でも有数の彼岸花の名所です。高麗川に囲まれて巾着のような形をした平野に500万本の彼岸花が開花する様子は圧巻です。ひだか巾着田曼珠沙華まつりには多くの人が訪れます。

見頃は天候にもよりますが9半ば~10月半ばで、木製立体橋「あいあい橋」や駐車場など観光のために整備されています。

ごんぎつねと彼岸花を楽しめる愛知県矢勝川沿い

新見南吉の「ごんぎつね」で有名な愛知県半田市の矢勝川ですが、矢勝川沿いには200~300万本もの彼岸花が植えられています。矢勝川と彼岸花のコントラストが美しい景観となっており2kmに渡る彼岸花の帯は見ごたえがあります。

見頃は9月下旬から10月上旬です。期間中は彼岸花と並行して「ごんの秋まつり」が行われ、花嫁行列や紙芝居など盛りだくさんの催しものも楽しめます。新見南吉記念館も矢作川沿いにありますので、併せて行ってみてはいかがでしょうか。

里山を散策しながら彼岸花を楽しむ日向薬師付近

神奈川県伊勢原市にある日向薬師近辺の彼岸花は、美しい里山をゆっくり散策しながら楽しめるスポットです。また日向薬師は奈良時代の僧行基が開山したとされる日本三薬師のひとつであり、本尊「宝城坊本堂」は国の重要文化財に指定されています。

日向薬師付近の彼岸花の見頃は9月中頃~10月中頃です。100万本とも言われる彼岸花と一緒に、風光明媚な里山や由緒正しい仏教寺院である日向薬師を訪れてみてはいかがでしょうか。

華やかな美しさの彼岸花を見に行こう

日本では不吉なイメージがある彼岸花ですが、艶やかな美しさを持つ彼岸花は多くの人を魅了してやまない花です。彼岸花は一本でも綺麗ですが広範囲に群生したものは更に見事な景色を作ります。

ご紹介した3つの名所以外にも、日本全国に彼岸花の名所はたくさんあります。スッと伸びた緑の茎にくっきりしとした赤色、黄色、白色の花が咲く秋の風物詩、彼岸花を見に出かけませんか。

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