思考停止の意味とは?思考が止まる原因はストレス?改善方法を紹介
“人間は考える葦である“ という言葉の通り、人間は色々なことを考えながら行動しています。では、思考停止とはどんな状態なのでしょう?今回は思考停止の意味、その原因や改善策をまとめました。ストレスを抱えている方や思考が止まることがあるという方は参考にしてください。
目次
思考停止すると頭が真っ白!どうすればいい?
失敗が原因でパニックになってしまい、なにも考えられなくなる・・・という経験をしたことが無い人は、あまりいないのではないでしょうか。
思うように頭が働かず思考が止まる状態のことを、思考停止と言います。できればこのような状態は避けたいものですが、自分では気づかないうちに思考停止に陥ってしまっている場合も少なくありません。
今回は、思考停止とはなにか、思考が止まる原因やそれに対する改善策について詳しくまとめました。最後には簡単な思考停止度診断チェックリストもありますので、ぜひ参考にしてみてください。
思考停止とは?
そもそも、思考停止とはどのような状態を指すのでしょうか。その言葉どおり、思考が止まる状態を指しますが、実はいくつかタイプがあるようです。原因や改善策の前に、まずは言葉の意味についてもう少し細かく見ていきましょう。
思考停止の意味
「思考」とは、頭を使って考えること。「停止」とは動きをやめて停止することを意味します。つまり、なにも考えていないということ。瞑想をしたり、深くリラックスするなど、自ら考えることをやめている状態。あるいは、なんらかの外的要因により心を乱され、思考が止まる状態です。
また、なにかを盲目的に信じて疑わない状態を表す場合にも用いられます。盲目的になにかを信じることは、自分で善悪の判断をすることを放棄しているとも言えるからです。
思考停止の同義語
一言に思考停止と言っても、自分から進んでそうするのか、状況によって思考が止まるのかによって、その言葉の意味には大きな違いがあります。それぞれの意味ごとに同義語を考えると、想像がしやすいかもしれません。
自ら考えることをやめている状態は、無心。自分の意志とは関係なく思考が止まる状態は、頭が真っ白になる、放心状態、フリーズする、などと言い換えることができます。
また、なにかを盲信し考えることを放棄することの同義語として、判断停止、無思考、視野狭窄、思考放棄などが挙げられます。
思考が止まる原因
思考停止の意味が分かったところで、今度は思考が止まる原因について考えてみましょう。ここでは、自ら心を無にする状態については一旦置いておいて、自分の意思とは関係なく思考が停止する場合の外的要因についてまとめていきます。
仕事のストレス
ストレス社会と言われる現代を生きる人たちにとって、仕事によるストレスはあらゆる精神的なダメージの原因となり得ます。
サラリーマンにとって、上司達からの指示を守るため、自分の意見を押し殺さなくてはいけない場面は日常茶飯事です。このような状況が続くと、知らないうちに思考停止の状態に陥ってしまいます。仕事のストレスは、思考が停止する最大の原因と言えるでしょう。
忙しすぎる
毎日やることが多すぎて、一息つく暇がない。やることが次から次へと増えていってしまう。そんな状況の時、人はゆっくりと何かに思考を巡らせる余裕が無くなってしまいます。考える時間が無いと焦る気持ちがつのり、やがてパニック状態を引き起こします。
一度思考が止まると、人間の脳は正常な判断が出来なくなります。どんなに改善をしようと思っても、結果として、さらなるパニック状態を引き起こしてしまうこともあるので注意が必要です。
目標がない
人は目標を達成しようと考えたとき、達成への最短ルートはなにか、そのために自分に足りないものがなにか、など様々なこと考え、改善し、努力することができます。
一方、仕事や人生に対する目標がない場合、ただ目の前のことをこなすだけになってしまいます。毎日をただ過ごすだけでは、脳を使って考える機会はどんどんと失われてしまいます。思考が止まるということは、成長を停止する原因にもなり得るのです。
毎日が同じことの繰り返し
朝起きて、仕事に行って、帰宅して、寝る・・・このように毎日が同じことの繰り返しだと、頭を使わなくても自動的に行動できてしまいます。頭を使わずに過ごすと感情も希薄になり、日常の出来事が記憶に残りにくくなってしまいます。
例えば昨日の出来事を思い出せないとか、気づいたらまたあっという間に1週間が過ぎていた、というようなことがよくあると言うひとは、すでに思考停止に陥っている可能性があるので要注意です。
処理しきれない情報量
なんでも簡単に調べられる時代になったことで、知らないうちに自分の処理能力の限界を超える、莫大な量の情報を手にするリスクが増えました。処理しきれない量の情報を詰め込むと、それがストレスとなり脳がパンクして一時的な思考停止を引き起こします。
また、調べればすぐに答えが見つかる、という考え方も思考が停止する原因と言えます。知っている情報の中から頭を働かせて答えを導き出す、というプロセスが重要です。
思考停止しがちな人の性格
誰でも思考が停止する危険性はあります。今度は思考停止になりやすい性格について考えていきますが、もちろん下記に挙げた性格の人が必ずしも思考停止に陥っているということではありません。あくまでも改善のための参考として考えてみましょう。
優しい
優しい性格の人は、意見が衝突している人達の間に入って場を和ませてくれたり、困っている人にはすぐに手助けをしたり、誰からも好かれて敵を作らない人柄だと言えます。
しかし、人の気持ちを最優先出来るということは、自分の考えを飲み込んで我慢している可能性も。自分の意見を相手に伝えるためには、時には衝突も避けられません。事なかれの平和主義の人は、思考停止に陥りがちと言えるでしょう。
ネガティブで臆病
未来について考えることを諦めてしまうことも、思考停止のひとつです。どうせ私には無理、失敗が怖くて挑戦ができない・・・とネガティブ思考で臆病なひとは、過去の失敗や経験にばかり気をとらわれてしまいがちです。
過去の失敗から改善策を考えるのではなく、ただ後悔してばかりなのは無意味です。生産的な思考が出来ないのも、一種の思考停止と言えます。
好奇心が旺盛
意外なことに、好奇心が旺盛なひとも思考停止に陥りやすいと言えます。色々なことに興味を持ち、多くの情報を取り込みすぎると、脳のパンクを起こしてしまう恐れがあるからです。
また、次から次へと興味の対象が移っていくため、ひとつのことに対して長い時間をかけて考えることができず、結果として身についた知識は広く浅くなりがちです。物事の表面的なことについてだけ考えるのは、本当の意味での思考とは言えません。
思考停止しがちな人の特徴
思考停止しがちな性格が分かったところで、もう少し細かくその特徴について見ていきましょう。性格だけでは自分は心配ない、と思っていた人も、もしかしたらドキッとするかもしれません。
争いを好まない
争いを好まない人は、人に本音を伝えることを避ける傾向があります。他人との関係を壊してしまう位なら、自分の意見は言わないでおこう、と自分の気持ちに嘘をつく事はありませんか?我慢したストレスは、やがて思考を停止する原因となる可能性があります。
指示待ち人間になりがち
思考が停止すると、物事を線で捉えることが出来ず、点で考えてしまいます。目の前の仕事をそれだけで捉えてしまうため、いちいち他人からの指示がないと動けません。
何のためにこの仕事をするのか?この仕事をすると何が起こるのか?を意識出来ないと意味がありません。
いつも忙しそう
仕事が忙しくて出来なかった、時間がないから・・・が口癖になっている人は要注意。忙しいことを言い訳にするのではなく、いかに効率的に行動できるか?を考えることが出来る心の余裕が大切なのです。
過去の失敗をいつまでも引きずる
失敗から学ぶことも必要ですが、いつまでも過去を引きずったり、根拠のない不安に対して考えを巡らせたりしても、次のステップには進めません。生産的なことを考えられないのは、思考停止と言えます。
いつも悪口を言っている
人の欠点を探してばかりいるのも非生産的な行動です。いつも悪口を言っているひとは、物事の本質を捉えたり、深く考える力が足りないのかもしれません。人間関係を改善させる方法を考えるのも、思考のひとつです。
思考が停止した時の対処法
これまで思考停止の原因や、陥りやすい人の特徴について見てきましたが、自分に当てはまらないからといって安心はできません。万が一思考停止に陥ってしまった場合も焦らず対応ができるよう、対処法を知っておくことが大切です。
まずは息抜きをしてみる
思考が停止しているなと感じたときは、まずはそのままなにも考えずに深呼吸をしてみましょう。焦ったりストレスを感じている状態では、正常に物事が判断できません。一度軽い息抜きをして、自分を取り戻してから改善に臨みましょう。
状況を整理してみる
一旦気持ちが落ち着いたら、自分の置かれた状況を整理してみます。思考停止になってしまった原因、つまりストレスの原因は何だったのか。忙しさが原因なのであれば、自分のやるべきことを書き出して見ます。
やるべきことに優先順位をつける
自分がやるべきことに、優先順位をつけてみます。このとき、自分が大事だと考えているものは出来るだけ優先しましょう。他人から押し付けられた優先順位ではなく、自分の気持ちを大切にすることで、それを達成するために自然と考え、努力することができます。
目標を立てる
達成のために頑張れるような目標を立てましょう。長期的な目標ではなく、1ヶ月後や半年後に達成を目指すような、短期的な目標を立てることが重要です。まずは簡単なことから始めてみるのがおススメです。
思考が停止しないようにする改善方法
思考を停止させないようにするには、日々脳をフル回転させて考えることが大切です。脳を活性化させるためにも、次に挙げるようなことを意識すれば、思考停止の予防にもなります。
常に疑問符を頭の中に
身の回りの事柄に対して、常に「?」と疑問を持つようにしましょう。仕事でも、今までずっとやってきたことが、よくよく考えてみたら無意味なことだった、というのは良くある話です。さらに改善策について考えることが出来れば、より脳の活性化に繋がります。
自分ならどうするか?を考える
人の話を聞くときやニュースを見るとき、自分がその人の立場になったらどんな行動をとるか?を意識してみましょう。当事者の立場になって考えることでより理解が深まりますし、自分で考えるクセをつけることが出来ます。
客観的に自分を見つめ直してみる
自分を客観的に見てみるのも大切です。あの時なぜあんな行動をとったのか?を客観的に考えてみると、自分でも気づかなかったこだわりや、意見が見えてきます。一時停止をすることは悪いことではありません。じっくりと自分と向き合う時間を持ちましょう。
長期的な目標を立てる
短期的な目標を立てることは、停止する思考を再起動するために有効ですが、予防策としては長期的な目標を立てることをおすすめします。長く取り組める事柄であれば、達成までのアプローチ方法も多くなるので、より多く考えることで脳が活性化するでしょう。
PDCAを回す
PDCAとはビジネス用語で、Plan=計画、Do=行動、Check=評価、Act=改善の頭文字をとったもの。PDCAを回す、とはつまり上記を何回も繰り返すことで改善し、目標を達成しよう、ということです。
目標を立ててPDCAを意識することができれば、自然と考えるクセがつくでしょう。
思考停止していない?思考停止度診断チェックしてみよう!
ここまで思考停止について色々まとめましたが、自分がどれだけ思考停止しているのか知りたい方も多いと思います。簡単なチェックリストを用意しましたので、参考にしてみてください。
思考停止診断チェックリスト
□毎日が同じことの繰り返しだ
□学校や会社のルールには従うべきだ
□新しいことにチャレンジする暇がない
□自分の意見なんて大したものじゃないと思っている
□過去の失敗を引きずるタイプだ
□仕事でわからない事があれば、すぐ人に聞く
□無駄な争いごとは出来るだけ避けたい
□仕事が休みの日は1日ぼーっと過ごしてしまうことが多い
□自分の好みは関係なく、流行りものばかり買ってしまう
□自分は直感的に動くタイプだとおもう
診断結果
【0チェック 思考停止度0%】
チェックが0の人は、思考停止度0%と診断していいでしょう。常に頭はフル回転、何の心配もありませんが、時にはぼーっとして息抜きをすることも大切ですよ。
【1から3チェック 思考停止度30%】
チェックが3までの人は、思考停止度30%。頭を使うクセがあり、ストレス解消やリラックスするコツも心得ています。理想的な状態と言えるでしょう。
【4から6チェック 思考停止度50%】
チェックが6までの人は、思考停止度50%。少しぼーっとしてしまいがちなところがあるようです。もう少し自分で考えるクセをつけた方がいいかもしれません。
【7から9チェック 思考停止度70%】
チェックが9までの人は、思考停止度70%。自分で考えることを放棄していませんか?今すぐ対処しないと、どんどん考える力が低下してしまいますよ。
【10チェック 思考停止度100%】
チェックが10満点の人は、思考停止度100%です。自分の脳を全く活用できていません!今すぐ新しいことに挑戦して、日々の生活にメリハリをつけましょう!
思考停止とうまく付き合うことが大切
思考停止の原因や対策についてまとめてきましたが、思考が停止するのは必ずしも悪い状態ではありません。過度なストレスなどから身を守るための自己防衛機能であるとも言えます。
思考が停止する原因、つまりストレスの原因を知って改善すること、それらを未然に防ぐことが重要だという事を知っておいてください。
また、忙しい現代社会に生きる人たちにとって、たまには頭を空っぽにしてリラックスすることも大切です。思考停止と上手に付き合い、コントロールすることが出来るようになれば、理想的ですね。