助教授と准教授と助教の違い!偉いのはどっちなの?

大学の教員には様々な役職があります。よく耳にした助教授という役職をあまり耳にしなくなりました。それと代わるように、准教授や助教という役職を聞くようになりました。この助教授と准教授、助教の違いは何なのでしょうか。今回は、その役職の違いなどついて詳しく紹介します。

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目次

  1. 1助教授と准教授と助教の違いとは?
  2. 2助教授と准教授と助教の中で偉いのは誰?
  3. 32007年度から変更された学校教育法
  4. 4助教授と准教授と助教の大学での役割
  5. 5助教授と准教授と助教になれる年齢
  6. 6助教授と准教授と助教、年収・給料の違い
  7. 7助教授と准教授と助教に関するよくある質問
  8. 8どこの世界も大変なのは変わらない

助教授と准教授と助教の違いとは?

一昔前は、大学教員と言えば教授と助教授でした。しかし、今では准教授という役職名をよく耳にします。また、助教という役職もよく使われます。この准教授と助教という役職は、助教授とどのように違うのでしょうか。偉い偉くないもあるのでしょうか。それぞれの役職の意味や違いを詳しくみていきましょう。

助教授の言葉の意味

助教授とは、2007年4月1日施行以前の学校教育法において、「教授の職務を助ける」人として大学に置くことを義務付けられていた立場の人です。助教授という言葉の意味のとおり、教授を助ける人の意味です。

准教授の言葉の意味

准教授は、2007年4月1日施行以降の学校教育法において「専攻分野について、教育上、研究上又は実務上の優れた知識、能力及び実績を有する者であって、学生を教授し、その研究を指導し、又は研究に従事する」人です。

助教の言葉の意味

助教は、2007年4月1日施行の学校教育法において「専攻分野について、教育上、研究上又は実務上の知識及び能力を有する者であって、学生を教授し、その研究を指導し、又は研究に従事する」人と立場を定義づけられています。

助教授と准教授の違い

助教授と准教授の違いは、一言で言えば「自分で自由に研究をできるかできないか」と「教授と地位が同等かそうでないか」の2点です。

助教授の役割は、法律で「教授の手助けをする」役割と定められていました。そのため、教授の研究の手助けをしたり、教授の講義の手助けをしたりが役割になり、自らが自由な裁量で研究をしたり、自らの意志で率先して生徒に教えを与えたりという行為はできませんでした。

しかし、准教授は法律により「学生を教授し、その研究を指導し、又は研究に従事する」と定められています。これは、自分の自由裁量で学生を教えて研究を指導したり、または自分の研究に没頭することを許されているという意味です。

仕事の内容や、役割の幅広さで考えても、助教授と准教授の間には明らかな隔たりが存在します。

助教と助手の違い

助教と助手の違いも、学校教育法によって明確に定義づけられています。

まず、助教は「専攻分野について、教育上、研究上又は実務上の知識及び能力を有する者であって、学生を教授し、その研究を指導し、又は研究に従事する」という人であることは先にも述べました。

それに対して、助手は「その所属する組織における教育研究の円滑な実施に必要な業務に従事する」人となっています。

助教が学生を教えたり研究を行ったりすることと比べて、助手は平たく言えば研究の実施や学問を教える上での業務がスムーズに行えるようにフォローする役割と言えます。助手自身が研究を行ったり、学生に教えたりはしないということです。

助教と助手の仕事や役割は、全く別の物だということがわかります。

助教授と准教授と助教の中で偉いのは誰?

学校教育法を見ているだけでは、誰が偉い人て誰が偉い人ではないのかなど、どういう立ち位置なのかがはっきりとわからない部分もあります。しかし、会社の役職と同様にそれぞれのステイタスの違いがあるはずです。学校教育法にも記されている「助教授」と「准教授」と「助教」のステイタスはどのようになっているのでしょうか。

まず、現在「助教授」というステイタスは存在しません。詳細は後程説明しますが、ここでは准教授と助教の間でどういった関係性にあるのかをみていきます。

学校教育法に記載されている定義において、「専攻分野について、教育上、研究上又は実務上の優れた知識、能力を有する者であって、学生を教授し、その研究を指導し、又は研究に従事する」という定義は二者とも同様です。

しかし、1点だけ准教授には、准教授になるために必要とされるものが加えられています。それが「実績」です。准教授については「准教授は、専攻分野について、教育上、研究上又は実務上の優れた知識、能力及び実績を有する者であって、学生を教授し、その研究を指導し、又は研究に従事する」と、しっかり実績について言及されています。これに引き換え、助教には実績は必要とされていません。

そう考えると、准教授と助教との間でのステイタスは、准教授の方が上で偉い人となります。

2007年度から変更された学校教育法

最初から何度か言及している学校教育法ですが、教育者を適当に決めないためにきちんとした定義がなされ、その法律に則って全ての学校が運営管理されています。その学校教育法は改正され、現行法律になっています。ここでは、2007年の学校教育法改正の前と後の違いについて説明します。

2006年以前

法律改正前の2006年以前は、大学には教授と助教授と助手がいました。全ての権限は一番偉い教授にだけ与えられ、助教授は教授の研究の手助けを行い、教授がやりきれない講義のカバーなど、助教授自身では研究もできなければ、研究テーマや講義のテーマを決めることもままならず、教授になるまで全てを待たなければいけない状態でした。

また、助手は助教授や教授を目指す人と、事務処理などを行う人との2パターンがある状態でした。助手の立場にしても、助教授を経て教授を目指さなければ、自分の研究テーマを進めていけるかどうかは怪しい状態に置かれていました。

2007年以降

2007年の学校教育法改正後に、准教授と助教が正式に作られました。准教授という立場が作られた結果、今までの助教授とは異なり教授の方が裏いのですが、教授と同じ権限が准教授にも与えられることになりました。

それまでできなかった自分の研究を行い、それを発表することも許され、また学生への指導も自分の裁量で行えるようになりました。立場上はやはり教授の方が偉い立場ですが、権限としてはかなりの改定が加えられたことになります。

助教も准教授と同じように、研究を進めることも学生に指導することも容易になりました。事務関係の処理や補助や業務を円滑に行う立場として助手になる人がいて、役割分担が明確になったとも言えます。

結果として、大学や大学院で多くの研究が活発に行われるようになり、研究関係の活性化が行われることになりました。

助教授と准教授と助教の大学での役割

大学における助教授、准教授、助教の役割にはどういったものがあるでしょうか。

助教授の大学での役割

先にも述べた通り、助教授という立場は既にありません。2007年以前に大学に通っていた人は助教授の講義を受けた人がほとんどでしょう。助教授は講義を行い、教授の補佐をする役割を担っていました。

准教授の大学での役割

2007年4月以降、助教授から変更になった准教授の役割は、助教授と同じで学生に講義をすることです。また、教授と同じく自分の研究テーマを研究し、論文を書き発表をし、研究した内容を社会に還元することが役割になります。

助教の大学での役割

助教の大学での役割も、准教授と同じになります。学生を指導し、自分の研究を行い結果をだすことです。助教は准教授、教授と目指す立場にあるので、実績を積み上げていかなければなりません。

助教授と准教授と助教になれる年齢

教授を目指すには、まず大学卒業後大学院に進学しなければなりません。大学院で修士コースで3年勉強し、そのご博士コースで2年勉強や研究、論文発表を行うなどをして博士号を取得します。その時点で年齢はかなりいってしまいます。その後大学に就職できれば、助教、准教授、教授と出世することができます。

しかし、大学の就職はそれほど多くなく、まず就職できればラッキーだと考えられます。就職できても、教授や准教授など上が詰まっていれば、実績を多く残しても簡単には上に上がれません。

准教授になるには年齢が40代になる頃まで頑張らないとなることができません。20代や30代などの若い年齢でなれる人は、よほどの実績を残したり大発見をした人と言えます。

同様に、助教になれる年齢もそれほど早くはなく、最近の調査では30代に入る頃の年齢で初めて助教になる人が多く見られます。年齢制限があるわけではないですが、やはり遅めの出世と言えるでしょう。

助教授と准教授と助教、年収・給料の違い

かつての助教授や現在の准教授、また助教になると、年収や給料は一体どれほどもらうことができ、どれほどの年収や給料の違いがあるのでしょうか。

年収の違い

年収や給料に関しては、やはりかつての助教授・准教授と助教の間では差があります。年収に関して言うと、国立大学で考えると准教授は年収で約800万円です。それに対して助教は年収約600万円です。ポストの違いで約200万円の年収の差があります。

年収約600万円もらえれば、それなりに高給取りに感じられますが、年齢が進むにつれてこの年収の差は大きく感じてしまうでしょう。

また、私立大学になると、国立大学とは給料体系が違い、各々の大学によっても金額が異なるので、私立大学の方が国立大学よりも多い年収の准教授や助教もいるでしょう。

給料の違い

給料も同じで、助教授・准教授と助教の間では差があります。給料も年収と同じで、国立大学の教員と私立大学の教員の間では差異があるでしょう。

助教授と准教授と助教に関するよくある質問

助教授や准教授、助教について、多くの人が同じことを疑問に感じているのがしばしば見受けられます。その疑問について、いくつか説明します。

準ではなくて准という漢字が使われているのはなぜ?

准という漢字は、準から派生したものです。准は昔から官庁に使用される漢字になっていて、天子の裁可(許可)するという意味合いがあります。

そのため、軍隊などでは准将や准将などにも使用されています。主に国が認める、地位や身分に使用される漢字なので、準ではなく准が使われることになったと考えられます。

教授と准教授は本当に対等なのか?

次に、教授と准教授は本当に対等なのか、という疑問です。助教授の時代と比較すると、法律上は対等な関係になっています。

しかし、実際は大学によるところが大きくあります。大学によっては、准教授なので研究室を持たせてもらえたり、教授から離れて自由に研究ができる所もあります。

しかし、一部の大学では、旧式なまま続いており、研究室を持っていない准教授も存在します。中には研究も限界がある大学もあり、完全に法律に則った形への移行はまだまだ先になるでしょう。

どこの世界も大変なのは変わらない

助教授と准教授、助教について詳しく紹介をしてきました。世の中大学の教授や准教授になる人よりも、企業勤めをする人の方が多くいます。しかし、企業勤めと同じで、大学の教員の世界も門戸が狭く、出世するには並大抵ではない努力が必要になります。

どの世界も、大変なのは変わらないのが現実です。少しでも先を見据えて、勉強をしたり努力を積み重ねることが重要になってきます。

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