妊婦は明太子の生やたらこは食べていい?妊娠中での注意点を紹介

妊婦が明太子やたらこを食べるのは不安でしょう。たらこや明太子の胎児への影響や生で食べるリスク、妊娠中に安全に健康的に食べるための選び方や食べ方、摂取量の目安などをまとめました。たらこや明太子を食べたいけれど、お腹の赤ちゃんへの影響が気になる妊婦さんは必見です!

妊婦は明太子の生やたらこは食べていい?妊娠中での注意点を紹介のイメージ

目次

  1. 1妊娠中にたらこを食べると胎児に影響があるの?
  2. 2たらこと明太子について
  3. 3妊娠中にたらこや明太子を食べても大丈夫?
  4. 4妊娠中に生たらこや生明太子を食べることの危険性
  5. 5妊娠中に感染すると怖いリステリア菌
  6. 6妊娠中のたらこや明太子の1日の摂取量
  7. 7妊娠中にたらこや明太子を選ぶ際のポイント
  8. 8妊娠中のたらこや明太子の食べ方の注意点
  9. 9選び方や食べ方に気をつけておいしく食べよう

妊娠中にたらこを食べると胎児に影響があるの?

妊娠中は、お母さんが食べたものが胎盤を通してお腹の赤ちゃんの栄養となるため、食事にも気を使う必要があります。そのため、妊娠する前は何気なく食べていた食材でも、妊娠中はお腹の赤ちゃんへの影響が出ないか、心配になってしまうものです。

妊婦は塩分が多い食べものや生ものを控えたほうがいいとも言われます。では、妊婦がたらこや明太子を食べてもいいのでしょうか?たらこや明太子を食べることで考えられる胎児への影響や注意点、安全な食べ方をご紹介します。

たらこと明太子について

たらこも明太子もご飯のおかずやパスタなどに使われることが多い、おなじみの食材です。似ているのになぜ呼び名が違うのでしょうか?まずは、たらこと明太子の違いから見ていきましょう。

たらこの特徴

たらこは、スケトウダラの卵巣を塩漬けにしたもので、11月から1月頃の冬が旬の食べものです。「たら」の子という意味で「たらこ」と呼ばれています。

明太子の特徴

明太子もたらこと同じくスケトウダラの卵巣で、韓国語で「たら」を表す「ミョンテ(明太)」の子という意味から、日本でも「明太子」と呼ばれるようになりました。明太子はたらこのように塩漬けにしたあと、唐辛子などを混ぜた辛味のある調味料に漬け込んで作ります。「辛子明太子」とも呼ばれます。

たらこや明太子に含まれる栄養素

たらこや明太子はおいしいだけでなく、体に必要なさまざまな栄養素が含まれています。主な栄養素は次の5つです。

たんぱく質

たんぱく質は、人間が生きていくうえで欠かせない「三大栄養素(たんぱく質、脂質、炭水化物)」の1つです。なかでもたんぱく質は、人の体の15〜20%を占めるとても大事な栄養素です。肌や髪や爪、筋肉や臓器のもととなるほか、体内のホルモンや酵素、免疫物質なども作っているとされています。

脂質

脂質も三大栄養素の1つです。摂り過ぎばかり気にされる脂質ですが、人の体を動かす上で欠かせないエネルギー源であり、細胞膜や脳神経組織を作ったり、皮下脂肪となって臓器を守るなど、重要な役割を果たしています。

ビタミンE

ビタミンEは抗酸化作用があり、体の老化予防や生活習慣病の予防が期待できます。血流を促す作用もあるため、冷えが気になる妊婦さんにもおすすめの栄養素です。脂溶性ビタミンのため、脂質とともに体内に取り込まれます。

ビタミンB1

ビタミンB1は、糖質をエネルギーに変える補助役をしており、不足すると糖質のエネルギー代謝がうまくいかなくなります。また、糖質をエネルギー源とする脳の働きも補助しています。筋肉が疲労した際に出る乳酸を燃焼する役割もあるため「疲労回復ビタミン」とも呼ばれており、足りなくなると乳酸が体内にたまりやすくなります。

ビタミンB2

ビタミンB2は脂質の代謝を促してエネルギーを作り出すほか、体細胞の正常な発育と働きに関わるため「成長ビタミン」とも呼ばれています。不足すると、肌荒れやにきび、口内炎ができやすくなります。子ども場合は発育が止まりやすくなり、大人の場合は老化や動脈硬化などの生活習慣病のリスクが高まります。

妊娠中にたらこや明太子を食べても大丈夫?

おいしくて栄養もある明太子やたらこですが、一方で妊娠中は塩分や辛味成分を摂取してもよいか、お腹の赤ちゃんへの影響などの安全性に問題がないかが気になるものです。妊婦が明太子やたらこを食べても大丈夫なのでしょうか?

火を通したたらこや明太子はOK

結論からいうと、火を通したたらこや明太子は、適度な量であれば食べても問題はありません。妊娠中に生ものを食べるのにはさまざまなリスクが伴いますが、中まで火を通している場合は大丈夫です。たらこや明太子が食べたくなったら、明太子パスタやしっかり火を通した焼きたらこにして食べましょう。

唐辛子などの辛いものも、過度に摂取しない限りは妊婦が食べても問題がないとされています。

妊娠中に生たらこや生明太子を食べることの危険性

「妊婦は生ものを食べるのを控えたほうがいい」と言われますが、たらこや明太子は妊娠中に生で食べても大丈夫なのでしょうか?

実は、妊婦が生たらこや生明太子を食べることには、感染症など母体や胎児にさまざまなリスクがあり、おすすめできません。妊娠中に生のたらこや明太子を食べる危険性として、どんなものが考えられるのでしょうか?

免疫力の低下により食中毒の危険

妊娠中は、体内に宿った胎児を体が異物と認識して排除してしまわないように体が変化するため、妊婦は妊娠していないときよりも免疫力が低下すると言われています。また、ホルモンバランスの変化やつわりによる栄養バランスの偏り、睡眠不足やストレスによっても、妊婦は免疫力が低下しやすくなります。

妊娠中はこのように免疫力が低下することで、食中毒にもかかりやすくなります。妊娠中にいっさいの生ものを避ける必要はありませんが、リステリア菌やトキソプラズマなど妊婦が感染すると胎児に悪影響のある菌もあるため、どんな食べものにどのようなリスクがあるのか知っておくことが大切です。

嘔吐や下痢により胎児の発育に影響

食中毒に感染すると下痢や嘔吐などの症状が出ます。つわりの際にお母さんが十分に栄養がとれなくても赤ちゃんが育つように、嘔吐や下痢がすぐさま胎児の発育に影響することはありません。また、一時的な嘔吐や下痢が直接流産や早産につながることはないとされています。

ただし、下痢が長く続くことでお腹が張りやすくなったり、嘔吐や下痢による脱水症状で胎盤から胎児に送られる血液量が低下したり、お母さんの症状が重症化して意識障害などを起こす可能性もあります。また、下痢や嘔吐だけでなく下腹部痛や出血を伴う場合には、流産や早産の可能性もあるので、すぐに病院を受診するようにしましょう。

薬に制限があり回復も遅れる

妊娠中は使用できる薬に制限があり、妊娠していないときであれば使える抗生物質などが妊婦には使えないこともあります。そのため、妊婦が食中毒にかかってしまった場合、病院でできる治療が限られ、回復が遅れてしまう可能性があります。

食中毒でかかりつけ以外の病院に救急搬送された場合は、それまでの妊娠の経過がわからないため、さらに薬の使用に慎重にならざるを得ません。そういった理由からも、妊婦は食中毒になるリスクを考えて、食事に注意する必要があるのです。

妊娠中に感染すると怖いリステリア菌

生のたらこや明太子による感染症で、妊婦がもっとも注意したいのがリステリア菌という菌による感染症です。リステリア菌とはどのような菌で、妊婦が感染すると胎児にどのような影響があるのでしょうか?

リステリア菌は流産や早産のリスクを高める

リステリア菌は、食品を介して感染する食中毒菌で、妊婦が感染すると高い確率で流産や早産、死産の原因となる、とても怖い菌です。妊婦は妊娠していないときよりも感染の危険性が17〜20倍高くなるとも言われており、厚生労働省でも妊婦が感染リスクを避けるべき食中毒菌として注意喚起がされています。

リステリア菌を含む食材としては、生ハムやスモークサーモン、肉や魚のパテ、加熱殺菌していない生のチーズなど非加熱の食材が挙げられますが、生の明太子やたらこ、筋子などの魚卵もリステリア菌を多く含んでいます。

加熱調理でたらこや明太子のリステリア菌を死滅させる

リステリア菌は、冷蔵庫などでの低温保存や、塩漬けなどの塩分濃度を高めた保存方法でも増殖します。リステリア菌を死滅させるには、加熱調理をする必要があります。妊婦がたらこや明太子を食べるときは中までしっかりと火を通すべきと言われるのはこのためです。

妊娠中のたらこや明太子の1日の摂取量

たらこや明太子は加熱すれば妊娠中でも食べることができますが、塩分やコレステロール、プリン体も多く含まれていますので、やはり食べ過ぎには注意が必要です。

特に、妊婦が摂り過ぎないように気をつけたい塩分に注目して、たらこや明太子の1日の適切な摂取量を見ていきましょう。

塩分の過剰摂取は妊娠高血圧症候群の原因に

妊娠中に気をつけたい主な病気の1つに、妊娠高血圧症候群があります。塩分の過剰摂取は、妊娠高血圧症候群のリスク要因になるため摂取量に注意が必要です。妊娠高血圧症候群は妊婦の20人の1人の割合で起こり、血圧の上昇やたんぱく尿、むくみといった症状が表れます。

さらに、重症化するとけいれん発作や脳出血、肝臓や腎臓の機能障害、肝機能障害など妊婦側のリスクのほか、胎児の発育不全や、胎盤が子宮から剥がれて胎児に酸素や栄養が行き届かなくなる常位胎盤早期剥離、最悪の場合は胎児死亡などのリスクがあります。

塩分が多いたらこや明太子は少量がおすすめ

妊娠高血圧症候群の原因として、もともと高血圧であることや、高齢での妊娠、肥満などが指摘されています。そのため、予防策として妊娠中は特に塩分を控えめにすることが推奨されています。

厚生労働省の「日本人の食事摂取基準2015年版」では、18歳以上の女性の食塩摂取量の基準を1日あたり7g未満としています。また、文部科学省の食品成分データベースによると、焼いたたらこ100gあたりの食塩相当量は5.3gです。たらこひと腹を100g前後と考えると、ひと腹食べるだけで1日の基準量の7割以上を摂取してしまうことになります。

さらに、厚生労働省の「平成29年国民健康・栄養調査結果の概要」によると、成人女性の1日あたりの塩分平均摂取量は9.1gと、すでに基準とされる7gをオーバーしています。たらこや明太子を食べる場合は少量に留め、頻繁に食べるのではなく、たまに楽しみとして食べるようにしたほうがよいでしょう。

妊娠中にたらこや明太子を選ぶ際のポイント

妊婦がたらこや明太子を食べるリスクや注意点を紹介しましたが、たらこや明太子が好物の妊婦さんにとっては、食べないこと自体がストレスになりかねません。お腹の赤ちゃんにできるだけ影響が出ないようにしながら、たらこや明太子を食べるには、買うときにどんな点に気をつけて選んだらよいのでしょうか?

鮮度

たらこや明太子は、生で食べるとリステリア菌の感染やその他食中毒を引き起こす可能性があります。加熱して食べれば大丈夫ではあるものの、加熱が不十分で生焼けのまま食べてしまう心配もあります。

できるだけ菌を増殖させないように、買うときは鮮度のいいものを選び、賞味期限前でもなるべく早めに食べるようにしましょう。賞味期限切れや冷凍でも保存してからしばらく経ったものは、リスクを避けるために食べないようにしましょう。

無添加

妊娠中にたらこや明太子を選ぶポイントの2つ目は、無添加のものを選ぶことです。市販のたらこや明太子のなかには、着色料や保存料、酸化防止剤、PH調整剤などの添加物が含まれているものも多く出回っています。妊婦が摂取する成分は胎盤を通じて胎児にも少なからず影響を及ぼすので、妊娠中は特に添加物に気をつけたいものです。

もっとも注意が必要な添加物が、食品の発色をよくするために使われる亜硝酸ナトリウムです。亜硝酸ナトリウムは、たらこや明太子のほか、ハムやソーセージに含まれますが、WHO(世界保健機関)によれば亜硝酸ナトリウムの過剰摂取により、大腸ガンのリスクが高まるとされています。

減塩タイプ

たらこや明太子は塩漬けされているため塩分が多いのが特徴ですが、なかには塩分を通常よりも20〜30%ほど減らした減塩タイプのたらこや明太子も売られています。「塩分の摂り過ぎが気になるけれど、どうしてもたらこや明太子が食べたい!」というときは、減塩タイプのものを選ぶとよいでしょう。

妊娠中のたらこや明太子の食べ方の注意点

妊娠中にたらこや明太子を食べるリスクや、加熱の必要性、買うときの選び方などがわかりました。そのほか、妊婦がたらこや明太子を食べるときは、どんなことに気をつけて食べればよいのでしょうか?

塩分の多いたらこは必ず減塩

もともと減塩で作られていないたらこを食べる場合は、塩抜きをすることで減塩をして塩分摂取量を抑えることができます。

塩抜きの方法は簡単です。氷水にたらこを15〜30分ほどつけてから取り出し、ペーパータオルなどで水分をしっかりと取り除きます。こうすることで、塩分が30%ほどカットできるので試してみましょう。

栄養バランスが整った食事をする

妊娠中は、お母さんの健康やお腹の赤ちゃんの発育を考えて、いつも以上に栄養バランスのいい食事を心がけることが大切です。

明太子やたらこを食べる場合は、野菜などを多めにしたり、他のおかずの塩分を控えめにするように心がけましょう。特に、野菜や芋類、果物には塩分の排出を促すカリウムが含まれていますので、明太子やたらこを食べるときは、意識して多めに食べるのがおすすめです。

選び方や食べ方に気をつけておいしく食べよう

妊娠中はただでさえ食事や行動の制限が多く、妊娠の経過についての不安や心配事も多いものです。「あれはダメ、これもダメ」とガマンばかりして、お母さんのストレスになってしまうのもよくありません。

たらこや明太子は、選び方や食べ方、食べる量さえ気をつければ、妊婦が食べても問題ありません。安全な選び方や食べ方を守って、たらこや明太子をおいしく食べましょう!

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