いとこ婚とは?いとこ同士で結婚はできる?リスクは?子供は?

身近にいとこ同士で結婚をして夫婦になった人はいますか?親同士が兄弟姉妹である「いとこ婚」は、どちらかというと漫画や小説の世界で実際にはあまり聞かれません。今回は、いとこ同士の結婚「いとこ婚」について、リスクなどを含めさまざまな観点からまとめてみます。

いとこ婚とは?いとこ同士で結婚はできる?リスクは?子供は?のイメージ

目次

  1. 1いとこ同士で結婚してもいいの?
  2. 2「いとこ婚」とは?
  3. 3いとこ婚にはどんなメリットがあるの?
  4. 4いとこ婚のリスク
  5. 5いとこ同士で結婚することへの周囲の反応
  6. 6いとこ婚をする際に心得たいこと
  7. 7いとこ同士で結婚した有名人を紹介
  8. 8世界のいとこ婚への反応
  9. 9結婚で最も大切なのは愛情

いとこ同士で結婚してもいいの?

「いとこ婚」について考える時、まず何を思い出されますか?いとこと結婚するなんて考えられないと言う人もいれは、それもありなんじゃないかと思う人もいるでしょう。

また、「いとこ婚」は違法ではないのか、また、問題が起きないのかなど、気になることがたくさんあるでしょう。1つずつ紐解いていきましょう。

「いとこ婚」とは?

いとこ婚とは、親の兄弟姉妹の子供、つまりいとこ同士が結婚することを言います。家系や血統が重要視された昔は、日本でも親同士が血縁者を結婚相手に決めることが特に珍しいことではありませんでした。

天皇家や皇族、貴族は、昔、親族間の結婚をさせていました。

結婚に対する選択肢が多様化した現在では、自由恋愛が主流で結婚相手も自分で決めることが多くなりました。そのため、わざわざいとこと結婚をしなくてもという抵抗感がめばえますし、古くさいイメージを持つ人もいるようです。

「いとこ婚」は法律上可能

では、いとこ婚は現代の法律的に問題ないのでしょうか?違法ではないのでしょうか?

日本の法律では、三親等以内の親族間の結婚は禁止されています。しかし、いとこは四親等で直系ではないため、結婚できます。つまりいとこ同士の結婚「いとこ婚」は、法律的に認められているのです。

日本の「いとこ婚」の割合

日本におけるいとこ婚の割合は、1931年東京で4%と欧米諸国と比べると比較的高い割合でした。しかし、1983年の報告では1.6%でした。徐々に減少して現在に至っています。

海外では、いとこ婚を合法としていない国が結構あります。アメリカの多くの州を始め、アジア圏では韓国、台湾、フィリピンなどがあげられます。一方で、イスラム文化圏では血統を重んじるとことから、いとこ同士のお見合い婚が主流の国もあります。

いとこ婚にはどんなメリットがあるの?

いとこと結婚する「いとこ婚」は、物議を呼びそうな反面通常の結婚にはないメリットがありそうです。一体どんな利点があるでしょうか?

お互い気心が知れている

いとこ同士で結婚する場合、多くのカップルは幼少期から知っている仲でお互い気心を知り尽くしています。小さいころから家族のイベントで顔を会わせており、一緒に遊びながら成長してきたカップルが多いでしょう。

お互いの性格や性質をよく知っているため、結婚してからのギャップが少ないでしょう。近所の幼ななじみのような近い存在として、信頼できる間がらとも言えます。

親戚付き合いが楽

両家が家族なので、当然親戚つき合いに負担を感じることは少ないでしょう。何しろ、昔から知っていますから、新たに親戚関係を構築しなくて済みます。

そもそも結婚したいくらい仲がいい「いとこ同士」の結婚です。その親たちも良好な関係を築いている可能性が高く、楽につきあっていけるでしょう。

嫁姑問題が少ない

これも当然ですが、嫁姑問題で悩むことも少ないでしょう。例えば、仮に何か問題が起きたとしても、嫁の立場から見て実母と義母が姉妹であれば、問題解決に大きく貢献してもらえそうでうす。

結婚を機に家族になったわけではなく、お互いに知っている仲だからこそ問題が起きないよう気をつけます。嫁姑問題は、とても気をつかう部分ではありますが、家族がフォローしてくれる分心強いでしょう。

嫁姑問題に限らず、人間関係の面では、全くの他人から家族になるよりずっと楽でしょう。

財産の分散を防げる

結婚は、双方の財産分与にも関わる法律的な契約です。いとこと結婚する場合、親族間の契約になり財産の分散を防ぐことができる利点があるでしょう。

いとこ婚のリスク

いとこと結婚すると、一般的な結婚に比べて起こりえるさまざまな問題が未然に防げる一方、リスクも無視できません。いとこ婚のリスクについてみてみます。

子供への障害のリスク

いとこ婚の最大のリスクは、やはり「子供」でしょう。血族間の結婚の場合、子供が先天的な病気をもって生まれてくる可能性があがってしまうのです。日本で三親等内の結婚が認められていない理由は、奇形児や障害児ができてしまう可能性がとても高くなるためです。

いとこ同士の場合は三親等よりは減りますが、近親者のため同じ劣性遺伝子を持っている可能性があります。

この劣性遺伝子による病気の発生率は、他人同士の結婚の場合1.02%、いとこ婚では1.69%の確率でおきると言われています。運悪く両親の劣性遺伝子を受けついでしまった場合、障害を持って生まれてくる可能性があがります。

子供をのぞまない夫婦であれば、何ら問題にならない部分ですが、いとこと結婚することに悩んでいるなら、このようなリスクを考えないわけにはいかないでしょう。

社会的なリスク

残念ながら、「いとこ婚」は多くの国で近親婚として禁止されており、日本では合法ですが、違和感や嫌悪感を持っている人が多いようです。

実際、社会的に一般的な結婚とは見られず偏見や差別の目にさらされることもあるため、公にしないでいるカップルもいるでしょう。色眼鏡で見られてしまうのは、とても残念なことですが仕方がない部分ではあります。

また、嫁姑問題、親戚問題などにもめない一方、万が一離婚することになった場合、本人たちだけでなく親族内で大きな亀裂を起こしかねません。そのようなリスクは常につきまとってきます。

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いとこ同士で結婚することへの周囲の反応

あなたの身近で、いとこ同士を結婚しようとしているカップルがいたら、どのように反応しますか?それが、あなたの仲の良い友人だったらいかがでしょうか?人それぞれ反応は異なりますが、一般的な反応についてみてみます。

祝福してくれる人もいる

親族間のお見合い婚が主流の文化圏とは異なり、現代の日本では、いとこ同士の結婚を完全に祝福してもらうのは厳しいと思われます。

近親婚をとりあげた漫画や小説の世界でも、いとこ婚はタブーのような位置づけをしています。しかし、実際のところ不法ではありませんし、いとこ同士が一般の人同様に恋に落ちて素敵なカップルになって結婚を望んでいるだけのことです。

覚悟をきめて、それでも結婚を望む二人の様子をそばで見てきた家族や友人は、最初は反対していても結局のところ受け入れて本人たちの幸せを祝ってあげるしかないでしょう。一方で、結婚は個人の選択なのだからと、最初から祝福し何かあった時はできる範囲で助けてあげようというスタンスの人もいます。

嫌悪感を持たれる

いとこ婚が多かった時代ではありえないことではありますが、現在の日本ではいとこ同士で結婚をすることについて、嫌悪感を持つ人が多いことは否めないでしょう。単純に生理的に受け入れられないという人もいるようです。

これは、人それぞれの反応ではありますが、嫌悪感を持たれてしまうことは避けられません。結婚の選択肢が多様化している現代にも関わらず、「いとこ婚」についてこれも個人の選択の一つとして寛容に受け入れてもらえない現実があります。

心配される

いとこ婚をすると言われた時、「本当に大丈夫?」と心配されるのは自然な反応ではないでしょうか?いとこと結婚することは、決して一般的ではありません。周りも手放しで「おめでとう」とは言えないでしょう。

極端な例ですが、同性愛の友人がいたとします。すごく結婚したい人がいるから、同性婚が認められる国に行って結婚すると言われたらどうでしょうか?本人が望むこととはいえ、心配になるのではないでしょうか?

あまり知識がない人でも、血縁者同士の結婚にはリスクがあることは知っています。もちろん結婚のメリットもありますが、大事な人であるほど心配するのが当然かと思われます。

反対される

親なら誰でも、自分の子供が苦労する様子は見たくありません。平凡でも普通に結婚をして家族をもって生活してほしいと望んでいるものです。

「いとこ婚」の最大のリスクは、生まれてくる子供に先天的な障害が出る可能性があることです。障害児を育てる親は相当の覚悟を持ってのぞまなければなりませんし、苦労することが予想されます。

親なら、自分の子供にそのような人生を歩んでほしくありません。そのため、反対するでしょう。それでも結婚したいなら、親の反対を押し切る相当の覚悟が必要になってきます。

いとこ婚をする際に心得たいこと

周囲が、「いとこ婚」について否定的な印象を持つのは仕方がないことです。それでも愛を貫いて結婚したいなら、どうすればいいのでしょうか?いとこ婚をする際に心得たいことについてまとめてみます。

反対されても感情的にならない

もしも本当にいとこと結婚をしたいなら、家族から反対されることは免れないと思われます。さまざまな理由から、心配されないはずがないためです。

まして昨今の日本では、近親婚はなくなりつつあります。反対されたからと言って、感情的になって反発しても仕方がありません。

まず落ち着いて、長い時間をかけて説得できるよう方法を考えましょう。間違っても強引に結婚に踏み込んだり、駆け落ち同然に家族から逃げてはいけません。親族間の関係に亀裂が入る可能性もあり、とても複雑になってしまいます。

家族にきちんと理解してもらう

いとこと結婚をして、円満に新婚生活を始めたいなら家族の理解が絶対に必要です。では、家族にきちんと理解してもらうにはどうしたらいいのでしょうか?世間体や偏見など周囲の視線は、決してやさしいものではありません。

しかし、それにも勝る二人の愛情と結婚への決意を根気よく見せ続ける必要があります。軽い気持ちで交際しているのではないことを、長い時間をかけて見せ続け、結婚の許可を求め続けることが大切です。

家族同士の結婚だからこそ、きちんと理解してもらったうえで祝福してもらいたいものです。

他人に無理に理解を求めない

いとこ同士で結婚すること自体、家族にも理解を求めるのは大変な作業です。それなら、他人にまで無理に理解を求めるのは至難の業でしょう。むしろ、そこまでする必要はないのではないかとさえ思われます。

いとこ婚は一般の結婚とは違ってきますから、他人に無理に理解を求める必要はないように思われます。

いとこ同士で結婚した有名人を紹介

どの人も最近ではありませんが、有名人の中にはいとこ同士で結婚した人たちがいます。その一部をご紹介します。

1.芥川比呂志

芥川比呂志さんは、文豪の芥川龍之介の長男で俳優、演出家として活躍されていました。芥川比呂志さんは、父の次姉の長女で随筆家、芥川瑠璃子さんと結婚されています。
 

2.岸信介

第56、57代内閣総理大臣を務められた「昭和の妖怪」こと岸信介氏は、戦前戦後を駆け抜けた政治家であり官僚です。現在の総理大臣、安倍晋三氏はの岸信介さんの外孫にあたります。岸信介氏は、従妹の良子さんと結婚しています。

3.菅直人

第94代内閣総理大臣を務められた、菅直人氏も従姉の伸子さんと結婚しています。

当初いとこ同士の結婚ということで両家から猛反対されましたが、話し合いの家族会議で結婚のことよりも日本の核武装についての論争に話がずれていき、結局みな疲れて寝てしまったという逸話があります。

世界のいとこ婚への反応

日本では、いとこ同士の結婚が法的に認められていますが少なくなってきており、言ってみればあまりのぞましくない結婚と見られがちです。しかし、海外ではいとこ婚が多く行われている国もあれば、その逆の国もあります。そのごく一部をご紹介します。

パキスタンの結婚はいとこ婚が主流である

パキスタンでは、結婚の概念が当事者だけでなく家族同士の結びつきを意味しているため、できるだけ親族と結婚させようとするそうです。ほとんどが親同士が決めたもので、特にいとこ同士の結婚が多くなっています。

その弊害として、繰り返し近親婚をさせることで血筋が濃くなってしまい、先天性異常が発生する率もあがってしまっているようです。

パキスタンにおける「いとこ婚」は、普通のことで違和感は全くありません。違和感や嫌悪感があるとすれば、当事者が本人の意思に関係なく、結婚相手を決められてしまうことでしょうか。イスラム教では恋愛の自由という概念は重視されていません。

昔の日本ではいとこ婚が結婚の形態の一つでしたが、それが今も習慣として残っていることを想像してみて下さい。

アメリカの約半分の州では禁止されている

アメリカでは約半分の州で「いとこ婚」が禁止されています。中には、近親相姦とみなされて犯罪扱いしている州もあります。

また、ある州では子供を作れない高年齢のカップルに対して「いとこ婚」を認めるところもあります。つまり、結婚はできるが子供は作ってはいけないということです。

結婚で最も大切なのは愛情

いかがでしたか?今回は、いとこ同士の結婚についてみてみました。現代の日本において、結婚は必須ではなく選択になりつつあり、その相手を選ぶのも個人の自由です。

結婚することに対するリスク、いとこ婚でできる子供に関わる問題まで不安要素はありますが、愛する人がいとこであっただけで、すぐに諦めてしまうのは残念なことです。

結婚で最も大切なのは、当事者の愛情です。一生パートナーとして暮らしたいのなら、世間の目や親族の反対など、今おかれている環境が苦しくても希望をもって乗り越えて欲しいものです。

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