日々精進の意味とは?精進して参りますなど使い方を例文で紹介
ビジネスシーンなどで使われる「日々精進」という言葉。「日々精進」の意味や使い方について、具体的な例文も含めて解説しています。「日々精進」の類語や英語表現もご紹介。仕事だけでなく、勉強やスポーツにおいても用いることができる言葉なので、ぜひ参考にしてみてください!
仕事やビジネスシーンでよく使われる「日々精進」
「日々精進」という言葉。仕事やビジネスシーンでよく使われ、あなたもどこかで耳にしたことがあるのではないでしょうか。
ここでは「日々精進」の意味や使い方を、具体的な例文と共に解説していきます。「日々精進」というフレーズを問題なく使えるよう、ぜひ参考にしてみてください。
「日々精進」の意味とは?
では、そもそも「日々精進」の意味とは、どういうものなのでしょうか?間違った意味のまま使っていると、本意を伝えられないだけでなく、公の場では恥ずかしい思いをすることになります。
まず、読み方は「ひびしょうじん」。「精進」とは、雑念を払って仏道修行に専心することに由来しています。その由来から、日常語でもひとつのことに集中して励むことを意味します。つまり、「日々精進」するということは、目標に向かってコツコツと努力するということです。
「日々精進」というのは、その人の真面目な姿勢や、頑張ろうとする意志が伝わる言葉です。仕事や勉強、スポーツでも、なにかの目標を掲げたとき、「日々精進」と自分に言い聞かせるだけでも、身が引き締まる思いがするものです。
「日々精進」の使い方
「日々精進」の意味を理解していただいたところで、次に使い方について説明していきます。
あらたまった場で使われることが多い「日々精進」。ビジネスシーンでの自己紹介や挨拶、履歴書などで使われるだけでなく、年賀状やアスリートの言葉の中にも聞かれます。
「日々精進」の使い方とは?具体的な例文も挙げて解説しましょう。
「日々精進」を使った例文
「日々精進」を使った例文をご紹介します。「日々精進」のあとに続ける言葉によって、フォーマル度が変わってくるとも言えます。仕事ではきちんとした印象を与えられるよう、丁寧な言い回しを使う必要があるでしょう。
また、「日々精進」が上辺だけの言葉とならないよう、使う時に大切な点は「なにに対して精進するのか」と目標を具体的に伝えることです。
「日々精進」とは、毎日なにかに向かって努力する決意を表す言葉です。努力の対象を明確にすることで、しっかりとした強い気持ちを表現することができます。
例文①日々精進する
「日々精進する」という言いきりの形で使う場合、自分の決意を断言するようなときに使うと良いでしょう。たとえば、親しい友人への年賀状やメールなどに記載してはいかがでしょうか?
「去年は部活で忙しかったけど、今年は勉強に日々精進する!」 |
「日々精進する」という短文は、本人の強い意志が感じられる使い方となります。自分を叱咤激励するときにも響く言葉です。受験生なら「日々精進する!」と紙に書いて、自室の壁に貼っておくのも良いかもしれません。
例文②日々精進して参ります
「日々精進して参ります」という使い方は、丁寧さが感じられる言い回しになります。目上の人や上司、仕事の取引先などに対しても使えます。
「いつもお引き立てをいただき、ありがとうございます。今後もより良いサービスを提供できるよう日々精進して参りますので、どうぞよろしくお願いいたします」 |
「参ります」というへりくだった語尾にすることで、丁寧で柔らかい印象になるのがおわかりいただけますでしょうか?相手にきちんとした社会人らしい印象を与えることができます。公式なメールやあいさつ文など、文章として残るような場合に使うと良いでしょう。
例文③日々精進します
「日々精進します」というと、日常会話の中でも使える言い回しになります。「いたします」という謙譲語ではなく、「します」という丁寧語で終えているぶん、堅苦しさがなくなります。比較的、身近な人にも使える言葉です。
「希望の会社に就職できたのも、先輩に相談に乗っていただいたお陰です。入社後も仕事で成果を上げられるよう、日々精進します!」 |
「日々精進します」は、「頑張ります」を少しあらたまった感じで伝えたいときにも良いでしょう。「頑張ります」という平易な言葉よりも、毎日地道に努力する本人の決意の強さを表現できます。
例文④日々精進いたします
「いたす」は「する」の謙譲語で、語尾に丁寧語の「ます」をつけることで丁寧さが伝わります。「日々精進いたします」はビジネスシーンでも使える言葉になります。「日々精進して参ります」と比べると、少し柔らかい印象になります。
「部長のご助力もあり、今期は営業目標を達成することができました。来期はさらに目標を高く持ち、日々精進いたします。今後ともご指導の程よろしくお願いいたします」 |
「日々精進いたします」という言い方なら、上司など目上の人にも使えるフレーズです。今後も謙虚に努力しつづける姿勢を表せるため、評価査定の上司との面談時や、年始の挨拶などにもふさわしい言葉です。
例文⑤一層精進
冒頭に「一層」をつけると、「今以上にさらに」という意味を加えることができます。「一層精進」とは、これまで以上に精進を重ねるという意味で、本人の決意の強さが感じられます。
「皆様の温かい応援の言葉を胸に、来年の地区マラソンでも結果を残せるよう、日々のトレーニングに一層精進いたします」 |
「一層精進」ということで、仕事上だけでなく、上を目指し続けるアスリートなどにもふさわしい言葉となります。ストイックな姿勢を感じさせる表現です。
例文⑥精進していく所存です
少々硬い表現になりますが、「精進していく所存です」はビジネスシーンでも通用する丁寧な言い回しになります。「所存」とは、心に思うところや考えのこと。「所存です」は「思います」や「考えています」を丁寧にした表現です。
「今後はこのようなミスがないよう、一層気を引き締めて日々の業務にあたり、精進していく所存です」 |
「所存です」を平易な「思います」に変えると、印象が変わります。ビジネス文書では「精進していきたいと思います」では軽さが感じられてしまいます。今ひとつ本人の決意のようなものも伝わらないため、「精進していく所存です」のほうが適切でしょう。履歴書などへの記載にもふさわしい表現です。
「日々精進」の類語
「日々精進」の意味に近い言葉は、他にも数多くあります。シーンに応じて使い分けるのも良いでしょう。「日々精進」の類語にはどのようなものがあるのか、以下はほんの一例ですが、具体的にご紹介します。
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上記のような言葉が「日々精進」の類語となります。いずれも毎日努力を積み重ねていく様を表しています。例文を挙げて詳しく解説しましょう。
たゆまぬ努力
「たゆまぬ」とは、とだえることのない状態を意味します。漢字で「弛まぬ」と書きます。「たゆむ(弛む)」が心の緊張がゆるむことを意味するため、「たゆまぬ」はその否定形となります。つまり、「たゆまぬ努力」とは、「ゆるまない努力」、つまり着実に努力を重ねていく様のことをいいます。
「この度のボランティア活動を通じて多くのことを学ばせていただきました。今後も社会に貢献できるよう、皆様の笑顔を目標にたゆまぬ努力を続けてまいります」 |
「たゆまぬ努力」を「日々精進」に言い換えても意味は変わらないため、類語として使える言葉です。ただ、「日々精進」のほうが、より真っすぐな強い意志を伝えられるかもしれません。
日々の鍛錬
「鍛錬」とは、金偏(かねへん)であることからもわかるように、金属を打ってきたえることから派生した言葉です。精神力や能力をきたえ上げることを意味します。「日々の鍛錬」というのは、毎日心身や技芸をきたえるよう努める様を表します。
「皆様のご期待にそえるよう、日々の鍛錬を怠らず、これからも全国大会を目指して頑張ります」 |
「日々の鍛錬」とは、上記のようにスポーツ選手などにもピッタリな表現となります。はがねのように強く自身を修練する姿を印象づけられます。
地道な頑張り
手堅く着実に物事を進めることを「地道」といいます。「地道な頑張り」といえば、まじめにコツコツと頑張ることを意味します。
「まだ入社したばかりですが、一日も早く会社の戦力となれるよう、地道な頑張りを続けてまいります」 |
「地道な頑張り」という言い回しは、新入社員などにふさわしい謙虚さも感じられます。要領よく立ち回るのではなく、人目につかないところでも努力する姿勢を表しているといえるでしょう。
日々精進できる名言集
「日々精進」は有名人が残した言葉の中にも見られます。有名になっても、さらに努力を続けるという姿勢の表れで、心に響く言葉も多いものです。
具体的にご紹介しましょう。
稲盛和夫
京セラや第二電電(現・KDDI)の創業者であり、JALの再建者としても話題となった実業家の稲盛和夫さん。数多くの名言を残していますが、やはり日々精進の精神を持っている人と感じられる言葉がありました。
「一つのことに打ち込んできた人、一生懸命に働きつづけてきた人というのは、その日々の精進を通じて、おのずと魂が磨かれていき、厚みのある人格を形成していくものです」 |
日々努力した人には自ずと人格的な厚みも備わるという、稲盛和夫さんの生き方の基本ともいえる言葉です。魂が磨かれるところまで懸命に働きつづけて「日々の精進」を重ねるというのは、まさに仕事に意義を感じている証拠でしょう。
本田圭佑
プロサッカー選手として世界から注目される本田圭佑さん。この人もアスリートらしい様々な名言が取り上げられています。
「1年後の成功を想像すると、日々の地味な作業に取り組むことができる。成功をイメージして、その成功から逆算して日々精進することは非常に大切である」 |
ビッグマウスといわれることもある本田さんですが、あえて言葉に出して公にすることで、自身の信念を貫こうとする姿勢がうかがえます。世界を舞台に活躍するプロのスポーツ選手でも、結果を出すためには「日々精進」が大切であることがわかります。
髙田明
高田明さんといえば、ジャパネットたかたの創業者。彼の言葉に以下のようなものがあります。
「夢を持ち続け、日々精進。いま目の前にある状況を受け入れて最善の努力をし、それを乗り越えていく。そのひとつひとつの積み上げが夢へとつながっていく」 |
日本人なら知らない人はいないほどの会社を成した、夢のある創業者らしい言葉です。高田さんがジャパネットたかたの社長になるまでには紆余曲折があったそうですが、夢を抱いて「日々精進」することが成功へとつながったのでしょう。
「日々精進」の英語表現
ビジネスでは英語でのコミュニケーションが必要な場面もあるでしょう。では、英語で「日々精進」はどのように表現すれば良いのでしょうか?
実際のところ、英語で正確に「日々精進」にあたる言葉はありません。ただ、それに近いニュアンスの言い回しならあります。
具体的に英語での表現を見ていきましょう。
I'll do my best
「I'll do my best」は「最善を尽くします」といった意味で使います。英語では定番ともいえるフレーズなので、耳にする機会も多いのではないでしょうか?
なにか結果を出さなければいけないとき、自分の力の限りを尽くすという意味のため、「日々精進」のような地道で継続的な努力というニュアンスは含まれません。
ただ、「I'll do my best」は上司でも友達でも、どのような立場の人に対しても使えます。様々な場面で使えるため、覚えておくと便利でしょう。
I will constantly strive to work even harder
少々長い文章になりますが、「I will constantly strive to work even harder」という英語表現は、比較的「日々精進」のニュアンスに近くなります。
「今後も継続して、より懸命に働くよう努力する」といった意味になります。「work」を「study」に変えれば、仕事ではなく勉学に励むニュアンスになります。
また、「We constantly strive to improve our service even further」と言い換えれば、自分たちのサービスの一層の向上に努めるという意味になります。ホテルのパンフレットなどによく記載されている言葉です。
目標を定めて進む姿
「日々精進」の意味や使い方について解説してきました。いかがでしたか?
最初にお話ししたように、「日々精進」は仏教用語に由来する言葉です。日本人特有の潔い決意のようなものも感じられ、一日一日の努力を積み重ねてゆく姿も思い浮かべることができます。
「日々精進」は目標を定め、それに向かって進むときに使えます。まさに仕事や勉強、スポーツで結果を残したいときに、使える言葉といえるでしょう。あなたも早速「日々精進」、言葉にして使ってみませんか?