天涯孤独の意味とは?天涯孤独の人になったら?
「天涯孤独」という言葉を耳にしたことはありますか?天涯孤独と聞くと、血のつながった家族がいない人が使うイメージがありますが、実際はどんな意味なのでしょう。天涯孤独とは、本来どういう意味なのか、天涯孤独になってしまったらどうしたらいいのか、調べてみました。
目次
天涯孤独は楽しい?それとも寂しい?
天涯孤独というと、身寄りもなくひとり孤独で寂しい、という悪いイメージばかりを連想してしまうのではないでしょうか?けれど、中には天涯孤独はそんなに悪い事ではない、とマイナス面だけでなく楽しいという意見を持つ人もいるようです。
今回は、「天涯孤独」について色々と調べてみました。天涯孤独になった人の特徴や原因はなんなのか、そもそも天涯孤独とはどういう意味なのでしょうか。
また、天涯孤独にならないための対策や、天涯孤独になったらどうすればいいかなど、様々な観点から「天涯孤独」を見てみましょう。はたして、天涯孤独とは楽しいのか、寂しいのか、どちらなのでしょうか。
「天涯孤独」の意味とは?
天涯孤独(てんがいこどく)とは、遠く離れた異郷にひとりで暮らすこと、また、身寄りがいないことを表します。つまり、家族がおらず、一人暮らしをしている人のことです。
現代では、誰も気の許せる友人がいないことや、たわいのない話しができる相手がいないこと、などの意味でも使われています。
独身であったり、友人がいない場合でも、親などの血のつながった家族がいる場合には、天涯孤独とは言わないようです。
天涯孤独になってしまう原因とは?
天涯孤独になった人は、どんな原因で天涯孤独になってしまうのでしょうか?天涯孤独になってしまう原因とは、なんなのかを探りました。
この原因に当てはまったからといって、必ず天涯孤独になってしまうわけではありません。あまり心配しすぎないようにしましょう。
結婚をリスクだと考えている
天涯孤独にならない、最も有効といえる方法は結婚することです。しかし、その結婚に対して良いイメージを持てず、リスクだと感じてしまうと、天涯孤独な人生に一歩近づいてしまいます。
結婚に対して「束縛されるだけ」「使えるお金が減る」などと暗いイメージしか持てない人がいます。そういう人は、深い人間関係そのものにも、メリットよりデメリットが大きいと考えている場合も多いでしょう。
そうすると、友人との付き合いも浅くなりがちになり、気が付いたら周りに親しい人がいない、ということになってしまうのです。
自分勝手な言動や行動が多い
周りに対する思いやりが持てず、自分本位な言動や行動ばかりの人は、自然と周りから人が遠ざかっていき、天涯孤独になってしまいます。まさに傍若無人というわけです。
人間関係には、お互いの思いやりが大事です。自分を大事にしないことも、いけませんが、他人を大事にできない人は、孤独になってしまいます。
お金のトラブルが絶えない
お金のトラブルは、誰もが避けたいものです。また、一度ならまだしも、何度も借金をせがんできたり、常にお金のトラブルが絶えないイメージがついてしまうと、周りから敬遠されて、天涯孤独になってしまうでしょう。
また、自分の過失でなく、親や友人の借金をかぶってしまったり、他人のトラブルを押し付けられてしまう人もいます。そういうタイプの人には、家族や周りに迷惑をかけないようにと、自ら周りとの関係を断ち、天涯孤独になる人もいます。
後者のように、非が無いのにお金のトラブルに巻き込まれてしまう人も含め、お金のトラブルは天涯孤独になる原因として十分考えられる要素です。
一人っ子で親以外に身寄りがない
こちらは、自分ではどうしようもないことですが、一人っ子で親以外の親戚もあまりいない、という人も天涯孤独になりやすいでしょう。
また、親戚がいたとしても、現代社会では親戚付き合いもあまりない、という糧主多いため、やはり一人っ子は天涯孤独になりやすいです。結婚しなければ、年を取って両親が他界してしまったら、身寄りがいなくなってしまうからです。
もちろん、一人っ子でも、結婚や友達付き合いで、孤独とは無縁の人もいます。一人っ子であるという原因に関しては、あくまで可能性が高い、という程度にとらえておくといいでしょう。
天涯孤独な人の特徴
天涯孤独になった人には、どのような特徴があるのでしょうか?天涯孤独になった人の特徴を、5つ挙げてみました。特徴を見てみると、天涯孤独は意外と誰でも陥りやすいものなのかもしれません。
育った家庭環境が悪かった
天涯孤独の人の特徴として、育ってきた環境が悪かったことが挙げられます。中には、幼いころに虐待を受けていたりネグレクト状態になっていたりするパターンもあるようです。
家族というものに対して、明るいイメージが描けず、自分で家庭を築くということができなくなるのです。
子供の頃に受けた影響というものは、大人になってもなかなか抜けません。それゆえ、問題のある家庭で育った人は、天涯孤独になりやすいのです。
人付き合いが苦手
天涯孤独になった人の特徴として、人付き合いが苦手、というのも挙げられます。人付き合いが苦手だと、なかなかコミュニティの中に入るということが出来ないです。
独身で兄弟もいないという場合は、高齢になり仕事を退職すると、なにかのコミュニティに所属していなければ、人との関わりは一気に減ってしまうでしょう。人付き合いが苦手な人は、新しいコミュニティに入ることが苦手なので、天涯孤独になりやすいのです。
また、最近は中高年の引きこもりも増えています。引きこもりも、人付き合いが苦手な人が陥りやすく、そのまま天涯孤独になってしまいやすいでしょう。
人生に対して諦めてしまっている
天涯孤独になった人には、自分の人生において明るい未来が想像できない、という特徴もあります。家族をつくることも、理想ではあるけれど自分には無理だと、あきらめてしまっているのです。
明るい未来を想像できないと、なかなか仕事や人付き合いにも、積極的になれません。そうすると、自然と周りから人が遠ざかってしまいます。そうして、天涯孤独に陥ってしまうのです。
周りから、なにかアドバイスを受けても「どうせ自分なんて」と否定的になってしまうのも、特徴のひとつでしょう。
責任感が強すぎる
こちらは、ちょっと意外な特徴ですが、天涯孤独になった人には、強すぎる責任感の持ち主が多いのです。それはなぜなのでしょうか?責任感が強いと、ちょっとしたことで必要以上に自分を責めてしまいがちです。
自分に厳しすぎる人は、周囲からすると近づきにくいと思われてしまいます。そうすると、仕事以外のプライベートでのつながりが、弱くなってしまい、天涯孤独に陥りやすくなるのです。
また、このタイプの人は、他人に甘えるのが苦手な人が多く、自ら誰かを求めることができなくなってしまいます。その点も、天涯孤独になった人の特徴といえるでしょう。
ひとりでいることを好む
自ら孤独を好む人も、中にはいます。誰かと一緒にいるより、ひとりでいるほうが気楽だ、という人は現代社会では少なくないでしょう。ひとりでいるほうが良い、という気持ちが強すぎる人も、天涯孤独の人の特徴です。
心の底には、誰か心を許せる人がいたらという気持ちもあるものの、過去のトラウマや様々な経験から、人と関わって傷つくよりも、ひとりでいることを選んでしまう人もいます。
ひとりで過ごすことを選んでいるうちに、自然と周りの人との交流がなくなり、天涯孤独に陥ってしまいます。それでも、このタイプの人は、天涯孤独である現状に納得している人が多いです。
天涯孤独な生き方のデメリット
天涯孤独とは身寄りもなく一人で暮らしている人のことを言いますが、天涯孤独なことでのデメリットはあるのでしょうか?ここからは、天涯孤独になった人が実際に感じたデメリットについて、調べてみました。
どうやら、気持ちの面での不安以上に、実生活での不便が多いようです。家族がいる人は、「そんなこと考えたこともなかった」というような不便も、天涯孤独になった人にはあるのかもしれません。
保証人を見つけにくい
天涯孤独になったときのデメリットとして、最も大きいのが「保証人」がいない、ということではないでしょうか。保証人が必要になるのは、家を借りるときや、保険に加入するとき、入院するとき、就職するときなど様々です。
それぞれ、保証人がいなくても、なんとかなるにはなるのですが、知識がないと「保証人の名前を書いてください」と言われるとドキッとするでしょう。
身元保証を代行している会社もありますが、信用できる会社をきちんと選ばないといけなかったり、保証会社を保証人と認めてくれないケースもあったりします。保証人を見つけにくい、というのはデメリットが大きい部分です。
病気になった時に困る
風邪や捻挫程度の病気やケガでは、そこまでの不便はありませんが、大きなけがや病気や、急遽入院となった場合、天涯孤独になった人は不便なことが多いでしょう。
また、身寄りがいないため、病院で家族に遺伝的な病気の人がいないか聞かれて困った、という意見も見られました。そんなこと聞かれても、分からないから答えようが無いのです。
また、精神面でも、大きな病気にかかったときは、家族や誰かの支えがほしいものです。そういう時に、頼れる人がいない、というのも天涯孤独になったときのデメリットでしょう。
老後に不安がある
老後のことは、介護が必要になってきたり、金銭的な部分でも不安が大きい問題です。家族がいれば、もし自分になにかあっても大丈夫だろうと、漠然と思うことができますが、天涯孤独な人はそうはいきません。自分のことは全て自分でするしかないからです。
身寄りがいないと、介護施設も入居を拒んだりと、実際に社会問題になっている部分もあります。また、自分が亡くなったときに、孤独死するんだろうという不安も大きいでしょう。
亡くなった後のことも、自分ではどうすることも出来ないので、老後への不安は大きいでしょう。これも、天涯孤独になったときの、代表的なデメリットでしょう。
天涯孤独を楽しむには
デメリットの大きいイメージの天涯孤独ですが、身寄りがいないというのは、自分の努力だけでは改善のしようもない問題です。
そこで、天涯孤独をむしろ楽しんでしまおう、という思考の切り替えも大事です。人生が明るいものか暗いものかは、考え方次第です。天涯孤独を楽しむ工夫を、ご紹介します。
趣味に打ち込む
天涯孤独ということは、誰にも縛られない人生を歩めるということです。時間の使い方も、家族に合わせる必要はありません。好きなだけ、自分の好きな事をして良いのです。
そこでオススメなのが、熱中できる趣味を見つけて、趣味に打ち込むこと。時間をかけてなにかを制作するような趣味でも良し、バイクを走らせるようなアウトドアな趣味も良いでしょう。
好きな事を好きなだけできるというのは、独り身でないとなかなか出来ないことかもしれません。
好きな場所に住む
家族がいれば、子供の学校の関係などで、引っ越しや移住などは簡単には決められません。しかし、家族がいない分、天涯孤独な人は身軽にどこでも行けるというメリットがあります。
定住したい土地を探して、色々移り住むのも良いでしょう。旅行を沢山して、色んな景色を見て回るのも良いでしょう。どんな場所に住んで、どんな暮らしをするか、全て自分の意思だけで決められるのも、天涯孤独だからこそできることではないでしょうか。
天涯孤独にならない方法
決して他人事ではない「天涯孤独」ですが、天涯孤独にならないためには、どうすればいいのでしょうか?天涯孤独にならないための、具体的な方法を見てみましょう。
今、友人や家族がいる人も、天涯孤独に陥らないとは限りません。孤独な人生は嫌だ、という人は早めにこの対処法を実施してみても良いでしょう。
なかなか簡単に実現できない対策もありますが、自分の行動次第でできる対策もあります。自分に合った方法を見つけましょう。
サークルやコミュニティに参加する
趣味の仲間をつくることは、天涯孤独にならないための方法として、とても有効です。独身の人は特に、自分に合ったコミュニティやサークルを見つけられると、天涯孤独になるリスクが軽減するでしょう。
独身だと、年を取って仕事を退職すると、一気に人との交流が減ってしまいます。スポーツなどの趣味でも構いませんが、老後でも続けられるような趣味があると、長く活動を続けられるでしょう。
また、人付き合いが苦手な人は、早いうちから自分に合った趣味を見つけ、趣味仲間をつくっておくことをおすすめします。
結婚する
こちらは、なかなか簡単に実現できる方法ではありませんが、天涯孤独にならないようにという意味では、一番有効でしょう。結婚して子供を授かれば、老後にひとり孤独になってしまうリスクもかなり減るでしょう。
しかし、結婚しただけですべてが解決するわけではありません。夫婦関係や親子関係が上手くいっていないと、いくら血のつながりがあっても、関係は破綻してしまいます。
家族ができたら、その家族を大事にすることを心がけましょう。自分が思いやりをもって接した分、相手からの思いやりが返ってくるのです。結婚して子供もいるから安心、というわけでは、決してないのです。
笑顔で挨拶をこころがける
挨拶は、コミュニケーションの基本です。笑顔で元気に、明るく挨拶すると、相手も自分も気持ちが良いでしょう。この方法は、具体的な相手や仲間を見つける方法ではなく、周りに人が集まってくるような人になろう、という意味合いの解決策です。
たとえ独り身のお年寄りであっても、地域でよく知っているおじいちゃんおばあちゃんは、誰かしらいるのではないでしょうか?もし、家族がいなくても、そうやって地域で存在を認めてもらうことはできます。
にこやかな人には、周りも話しかけやすく、人が集まってきやすいです。天涯孤独になった人には自然と周りから人がいなくなるのと反対に、自然と周りから人が集まってくる人になれば、天涯孤独にはならないのです。
同じように家族のいない友人を見つける
独身同士の友人が「老後は一緒に暮らそうか」などと会話している場面を、耳にしたことはないでしょうか?この方法は、まさにそれです。同じような家族のいない友人同士で、支え合って生きていくというパターンです。
たとえば、一緒に住まなくても近所に住んでいれば、なにかあったときに助け合えるでしょう。身寄りのいない境遇が似ていたりすると、信頼しあえることもあるでしょう。
大人数のコミュニティに入るのは苦手、というような、人付き合いが苦手な人におすすめの方法です。沢山の人と交流を続けるのは、難しい部分もありますが、仲のいい数人の友人となら、長く助け合っていけそうです。
つながりのある人と積極的に連絡し合う
例えば、学生時代の友人など、親しいけれどあまり連絡を取らない友人は、いるでしょうか?仕事仲間も、職場を離れてしまうと、どうしても連絡を取る機会は減り、今どこで何をしているか知らない、ということも多いでしょう。
しかし、天涯孤独にならないためには、そういう人とまめに連絡を取ることが有効です。そんなに頻繁でなくても、年に数回は近況を交わし合ったりしてみましょう。
自分の現状を知ってもらうことも、天涯孤独にならないための方法といえます。そうすると、お互いに何かあった時も、自然と助け合えるのではないでしょうか。
天涯孤独になったらどうしたらいいの?
では、実際に天涯孤独になった場合は、どうすればいいのでしょうか?実際に天涯孤独になったときのデメリットとして挙げられた、老後の不安や保証人に関しての対策を含めて、ご紹介します。
今、独身で「もしかしたら天涯孤独になるかも」と不安に思っている人は、是非チェックしてみてください。実際に天涯孤独になったときの対策を知っておくと、気持ち的にもどこか安心できるでしょう。
成年後見制度を知っておく
成年後見制度とは、認知症などで自分に判断能力がなくなったときに、自分の財産管理を代わりの人(後見人)に任せて、代わりにやってもらう制度です。財産管理だけでなく、介護や病気療養の入院措置・施設入所するときのサポートも、してもらいます。
この成年後見人制度は、認知症だけでなく、天涯孤独で身寄りがいない人も利用できる制度です。もちろん、判断能力が低下してきたときに利用できるのですが、老後で自分が衰えたときのことが不安、という人には心強い制度ではないでしょうか。
成年後見制度には、判断能力によって、どれくらいのサポートをするかが決まっています。市町村などに申し立てをすると、後見人が選出され、制度を利用できるようになります。
保証人を見つけておく
身元保証人は、身内だとなにかと楽ですが、それができないのが天涯孤独になった人です。しかし、そんな場合にも、解決策はあります。保証人は、友人や知人でも構いませんし、入院なども場合は役所など行政が保証人になってくれることもあるようです。
また、民間の身元保証人代行会社もあります。どのサービスを利用するか、どの方法を利用するか、自分に合った方法を見つけておくと良いでしょう。
できれば、友人で頼れる人を見つけておくと、病気など私生活で何かあった時にも安心でしょう。
独居者用のサービスを探しておく
やはり、天涯孤独になったときの一番の不安は、老後に関する不安でしょう。身寄りがいないと、介護施設の入居を断られたりと、なにかと不便もある天涯孤独です。
早いうちから、身寄りがいなくても入居できる施設をチェックするなど、しておきましょう。いざとなってから探したのでは、良いところが見つからず、大変な思いをするかもしれないからです。
入居施設だけでなく、訪問サービスなどの内容も、さらっとでも知っておくと、安心でしょう。先回りして、不安を解消しておくことが、天涯孤独でも孤独や不安を感じずに暮らす知恵です。
天涯孤独は怖くない
少子化も進み、生涯独身でいる人もどんどん増えている現代社会では、天涯孤独は誰でもなりうることです。寂しさや、実生活でのデメリットもある天涯孤独ですが、しっかりした知識や対策を講じれば、決してこわいものではありません。
天涯孤独には、なんでも自分で自由に決められるというメリットも隠されています。結婚や趣味や地域のコミュニティに入って、孤独を避けるのも良いでしょうし、あえて孤独を楽しむのも一つの手です。
家族がいないことは、決してマイナスしかないことではありません。家族がいなくても、楽しい人生を送れるように、自分が望む人生はどんな人生なのか、自分と向き合っていくことが大事でしょう。