最後の晩餐の意味！最後の晩餐が最後な理由や隠された謎について

レオナルド・ダ・ヴィンチ(1952年4月15日-1519年5月2日)は音楽、解剖学、天文学など様々な分野、場所で功績を残した人物です。そんな彼が描いた代表作には「モナ・リザ」や「ウィトルウィウス的人体図」そして「最後の晩餐」があります。

その中でも「最後の晩餐」は聖書に登場するイエス・キリストの最後の晩餐の情景を描いており、12人の弟子の中の一人が私を裏切ると言った情景を描いているそうです。しかしこの「最後の晩餐」にはそれ以外にも我々の知らない謎が隠されています。

最後の晩餐には12人の弟子、バルトロマイ、小ヤコブ、アンデレ、イスカリオテのユダ、ペトロ、ヨハネ、大ヤコブ、フィリポ、マタイ、ユダ（タダイ）、シモンそしてイエス・キリストの13人の人物が描かれています。彼らがイエスの弟子になった理由は何でしょうか。またどの場所でイエスにあったのでしょうか。それぞれの経緯などについて見ていきましょう。

彼がイエスの弟子になった理由は何でしょうか。

ある日バルトロマイ（別名ナタナエル）は友人のフィリポに連れられとある場所でイエス・キリストに出会います。バルトロマイをみたイエスは彼に「あなたは、真のイスラエル人。あなたには、偽りがない。」と言いました。それは聞いたバルトロマイは感激し、それ以降イエスに付き従うようになりました。

小ヤコブ（別名アルファイの子ヤコブ）はとても慈悲深い人物だったと言われています。また容姿も似ていたためイエスと間違われていたそうです。ある日小ヤコブはユダヤ人に「あなたの言ことなら他の人々も信じる。だからキリスト崇拝をやめるように言って欲しい」と言われました。

しかし小ヤコブはそれを無視しイエスを讃える証言をしたのです。ユダヤ人は小ヤコブを突き落とし石打にしましたが、小ヤコブはそんな中ユダヤ人のために祈り続けたそうです。

漁師をしていたアンデレは兄であるペトロとともにヨハネの弟子でした。ある時とある場所で、イエスを見かけたヨハネは彼がメシヤであると言いその日はイエスとともに過ごしました。これが彼がイエスの弟子になった理由です。イエスはとても崇高な人物だったことが伺えますね。イエスの死後アンデレはギリシャでの布教活動中に処刑されてしまいました。

イスカリオテのユダはイエスを裏切った「裏切り者」であるとされています。ユダは生前イエスたちのお金の管理を任されるほど信頼されていました。銀貨30枚で反イエスの人々にイエスを渡してしまい、イエスの死後自責の念で首を吊って自殺しました。ちなみにイスカリオテのユダの死後、彼の横領（イエスたちのお金）に他の弟子たちが気づいたそうです。

ペトロは直情的な性格の持ち主だったと言われています。

ペトロは最後の晩餐で「私はあなたのためなら命を捨てることができる」と言いましたが、それに対してイエスは「あなたは鶏が鳴くまでに３回私のことを否認しますよ」と言いました。

そしてイエスが連行された後、大司祭の家の庭のある場所に連れてこられ、ある人に「あなたはイエスの弟子ですよね」と言われます。それを否認したペトロは同じように２人目、３人目と否認し3人目の後に鶏がすぐ鳴き出し、イエスの言葉を思い出したペトロは泣き崩れたといいます。

ちなみにのちのサン・ピエトロ大聖堂の由来となったのもペトロとされています。

あまり詳しくない人でも名前ぐらいは聞いたことがあるのではないでしょうか？　

ヨハネは漁師をしていました。ある場所でイエスと出会いイエスの最初の弟子となった人物です。彼はイエスに最も愛されていた弟子であり「最後の晩餐」ではイエスのすぐ横に座っています。また彼自身もイエスに愛されていたと知っていたとされています。彼の表情はとても優しい顔をしています。

ヨハネはイエスの死後アジアで布教活動をします。しかしローマ皇帝に捕らえられパトモス島に流されてしまいます。島での生活中ヨハネが見たさまざまな幻を記録したのが「ヨハネの黙示録」です。

神の子であるイエス・キリストは実は人間の女性から生まれたのです。ある時、マリアという女性が一人休んでいた時、ガブリエルが目の前に現れました。ガブリエルは「あなたは神の子を授かりました。」と告げられその後、生まれた子供にイエスと名付けました。

イエスはその生涯でさまざまな奇跡を残しました。水をぶどう酒に変えたり、病気を治したり、僅かな食料で何人もの人々の空腹を満たしたり、一番有名なのは十字架に架けられて死んだ後三日後に蘇ったなどさまざまなものがあります。

彼が弟子になった理由はなんでしょう。

ゼベタイの子供であり尚且つヨハネの兄である大ヤコブは漁師でした。ある日仕事をしていると彼の前にイエスが現れ、彼らは弟子となりました。ゼベタイは血気盛んな性格を保つため「神の子」と呼ばれてました。

フィリポはサイダ出身で、彼がイエスの弟子になった理由はヨルダン川の岸辺という場所にいたところイエスに誘われたことでした。フィリポは弟子の中でも人懐っこい性格の持ち主で食料管理を任されていたそうです。

マタイがイエスの弟子になった理由は、徴税人であったマタイの前にイエスが通りかかったことがきっかけでした。マタイは喜んですぐに弟子になったそうです。マタイはとても太っ腹な性格で宴会が好きだったそうです。イエスの死後はエチオピア（トルコとも言われている）で殉教したと言われています。

ユダ（以下タダイ）はよく裏切り者であるイスカリオテのユダとよく似ているという理由で間違われていたため、タダイのための祈りを避けられることがあり「忘れられた聖人」と呼ばれてました。イエスの昇天後は布教活動に精進していきましたが最後には殺されて殉教したと言われています。

シモンは　熱心党の一員でイスラエルの神（ヤハウェ）は進行するグループの一人でした。シモンは始めイエスを指導者として利用しローマ倒そうと試みていましたが、イエスの教えに自身の考えを改めその後弟子になったという理由です。シモンはエジプトへ行き、その後ペルシアとアルメニアで布教活動をしました。最期にはペルシアで殺され殉教したと言われています。

ところでロンギヌスの槍という言葉をご存知でしょうか。アニメなどで出てくることも多いためご存知の方も多いはずです。この槍がなんなのかというとイエス・キリストととても深い関わりがあるのです。

ガイウス・カシウスという人物はローマ兵でした。彼は後に聖ロンギヌスとなる人物で、イエスが十字架に架けられた後、彼の死を確かめるために槍でイエスの脇腹を刺したと言われています。その際に使われた槍がロンギヌスの槍と呼ばれるようになりました。

イエスの血がついた槍は聖遺物と言われ、ロンギヌスは白内障を患っておりイエスを刺した際血が目に入り治ってしまいました。その後洗礼をうけロンギヌスという人物になりました。

『最後の晩餐』という言葉は文字通りの意味でとると、そのま人生における最後の晩餐という意味に汲み取れます。しかし、聖書ではどのような意味なのでしょうか。そこには隠された謎がありました。

これは文字通りですね。現在でも海外の一部の場所ではの死刑囚が処刑の前に食べたいものをリクエストできるそうです。アイスやステーキ、パンそしてフルーツなどいろいろなものを頼んだそうです。処刑直前まで無実を訴え頼まなかった人もいるみたいですね。

「最後の晩餐」の「晩餐」は過越の食事という意味もあります。この食事はユダヤ人が春に祝う「過越の祭り」で食べるものです。では「過越」と言われる謎はなんなのか。それはユダヤ人がエジプトでの奴隷から自由にしてくれたことを覚えるもので、ユダヤ人が最後の災いが過ぎるのを待つ間、羊の血を門の囲いに塗った家を通り過ぎ、このような理由で過越の食事と言われています。

「最後の晩餐」について描かれたものは多くありますが、それではダヴィンチの描いたものにはどういった特徴があるのでしょうか。飾られている場所、特徴について考えていきましょう。

このサンタマリアデッレグラツィエ教会はレオナルド・ダ・ヴィンチが描いた「最後の晩餐」が飾られている場所です。1492年にドナト・ブラマンテによって改築されており、レオナルド・ダ・ヴィンチとドナト・ブラマンテは交流があったそうです。位教会にも見所があり15世紀に改修が加えられ以前より、さらに美しくなっています。世界中から予約が殺到するため予約は早めにとりましょう。予約は必須のようです。

レオナルド・ダ・ヴィンチはすばらしい画家でもありましたが、優れた学者でもありました。故に彼の描いた「最後の晩餐」には自身で考えた様々な技法が施されています。遠近法や陰影法そして三角構図など彼が理論化したり一から作った技法が数多くこの「最後の晩餐」にはあります。また消失点といったものがあり。イエスの額の場所には穴が空いてるのだそうです。

レオナルド・ダ・ヴィンチが描いたこの「最後の晩餐」はそれ一つで描かれたストーリー意味や使われた技法が伝えたかった意味など多くの隠された謎を残す。それについて少し考察して見ましょう。

先ほども紹介したようにこの絵画には多くに技法があります。その中でも消失点と呼ばれる技法にはイエスを中心に置くことで自然と見ている人物の注目をイエスに引き寄せる効果があります。

また、弟子の場所にも注目してみると他の「最後の晩餐」では基本イエスの隣にはヨハネ、ペテロがいるのですがこの絵画ではイエスの隣にはヨハネその次に裏切り者であるユダがいるのです。こうすることで裏切り者はユダだけなのか。それ以外はどうなのかといった謎を見ている人物に投げかけているという意図があるのではないかと、私は思います。

この「最後の晩餐」について映像化した作品には映画「最後の晩餐（1973年）」や映画「ダ・ヴィンチ・コード」なんかがあります。

2006年のトム・ハンクス主演作品である「ダ・ヴィンチ・コード」はレオナルド・ダ・ヴィンチの作品とそれに隠された謎＝暗号を解読し、とある場所で起きた事件の真相に向かっていくというミステリー作品です。私はみたことがないですが、彼の作品が多く出たり詳しく言われている箇所もあるみたいです。

こちらの作品は1973年の映画、主演はマルチェロ・マストロヤンニ、ウーゴ・トニャッツィ、ミシェル・ピッコリ、フィリップ・イワレです。お金持ちの４人が欲望のままの生活、そしてその障害を描いた作品です。タイトルが同じでも裏切り者のや謎について考える絵画としての「最後の晩餐」とは内容が全く似てないですね（笑）

気になった方はぜひみてみてください。古い作品なのでレンタル店何度で借りられます。

この作品はNHKのEテレで放送されている番組です。世界的に有名な美術を映像作家である井上涼氏によって独特な世界観でユニークな音楽と共に楽しめる番組となっています。また、番組を通して美術に関する知識を得ることもできるため小さいお子さんにはちょうど良い番組です。

 

ここまで、レオナルド・ダ・ヴィンチの代表作「最後の晩餐」に隠された謎、ユダが裏切り者になった理由そして技法に隠された謎について考えて来ましたが、つまりこの絵画が記した本当の意味とはなんだったのでしょうか？

結局のところ本当の裏切り者は誰なのでしょうか？　イエスを裏切り銀貨30枚で渡したのは確かにイスカリオテのユダです。しかし、イエスの死後ペトロもまた裏切り行為をした裏切り者と言えないこともないのではないでしょうか。
世間では裏切り者はイスカリオテのユダであると言われていますが、こうして順を追って考えてみると必ずしも裏切り理者は一人だとは言い難いように思います。

消失点、遠近法、陰影法などを用いて魅力的な作品になった「最後の晩餐」ですが、じつは他にもあるのです。それはイスカリオテのユダが持っている者です。彼は銀貨30枚を持っていますが、聖書にによると「手で鉢に食べ物を浸した者が、わたしを裏切る」といった表現になっています。これだとわかりにくいため、分かりやすくする目的で銀貨を持ったユダを描いたとされています。

一枚の絵画だけでも、描かれたものたちのその後やストーリー、隠された謎そして描いた者の伝えたかったことなどを考察して自分なりの考えを持ち他者と共有するといったところにこの「最後の晩餐」という絵画の魅力だと思います。

 

分かりやすいタイトルとは裏腹にこの絵画には多くの深い物語やレオナルド・ダ・ヴィンチの考えが詰まっていました。裏切り者は誰なのか、なぜ裏切ったのかなど考えて来ましたが、他にもあると思います。イエスは血をワインに変えたとされています。
では彼らが最後の晩餐で食べたり飲んだりしている者はなんなのでしょうか。一説によるとイエスの肉体を食べているのだとされています。どうしてそうなのかまた機会があったら考えてみたいですね。