天使の名前一覧!天使の名前の意味や種類を紹介

神様と人間をつなぐ神秘的な存在、[天使]。ただ天使とだけ呼ばれ、名前がない天使もいますが、名前を持っている天使もいて、それぞれ階級や役割があります。たくさんいる天使の中でもとくに重要な役割を担った天使の名前とその意味をご紹介します。

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目次

  1. 1天使の名前の意味や役割を紹介
  2. 2そもそも「天使」とは?
  3. 3天使の名前一覧①上級天使
  4. 4天使の名前一覧②中級天使
  5. 5天使の名前一覧③下級天使
  6. 6天使の名前一覧④四大天使
  7. 7天使の名前一覧おまけ七大天使
  8. 8宗教ごとに違う天使の特徴
  9. 9天使はほかにもたくさんいる

天使の名前の意味や役割を紹介

天使は、信仰に厚い人々や宗教に詳しい人でなくても知っている特別な存在で、世界中で愛されています。

ミカエル、ガブリエル、ラファエルなどという名前に、聞き覚えがある人も多いのではないでしょうか。いずれも天使の名前ですが、絵画にも描かれ、最近ではゲームや漫画のキャラクターになったりしているので、馴染みがある人もいるでしょう。

天使とは一言で言ってしまえば神の使者ですが、すべての天使が同一の役割を担っているわけではありません。天使にも階級があって、その役割も決まっています。名前を持っているのは、天使の中でも特別な使命を帯びた一部の天使たちです。

各宗教によって解釈に違いはありますが、天使階級の名前の意味や、役割、有名な天使についてご紹介します。

そもそも「天使」とは?

「天使」とは何でしょうか?多くの人がイメージするのは、人間によく似ており、白衣をまとい、背中に羽根が生え、頭上に輪を戴いた姿でしょうか。天使の一般的なイメージはその通りですが、必ずしもそうとは限りません。古い時代には羽根がない天使も描かれています。

「天使」とは、アブラハムの宗教と呼ばれる、預言者アブラハムの伝統を受け継ぐ三つの宗教、ユダヤ教、キリスト教、イスラム教の経典や神話にしばしば登場する霊的な存在です。神と人間を繫ぐ者、神の使いとして、多くの絵画や書物にも描かれています。

神学においては、全天使はその能力や役割に応じて九階級に分かれるとされています。

「天使」の名前の由来

「天使」とは、読んで字のごとく、「天からの使者」という意味です。日本においては、「天の神から使者として人間界に遣わされた者」という意味です。

英語の'angel'は、ギリシャ語で「伝える人」を意味する'angelos'が語源になっています。また、一部では、「秘密の使い」を意味するペルシャ語の「アンガロス」や、「神の霊」を意味する古代インドの「アンギラス」が、'angel'の語源になったとする説もあります。

ちなみに、「天使」はangelと訳されることが多いですが、厳密にいえば、angelは九階級全天使のうちの第九位にあたる存在です。もっとも、一般的にはすべての天使をひとまとめにして「エンジェル」と呼ぶことがほとんどです。

天使の名前一覧①上級天使

5~6世紀ごろに活躍したとされる神秘思想家偽ディオニシウス・アレオパギタは、著作『天上位階論』において、天使は全九階級の位階に分かれ、三組三層で構成されるとしました。その思想は広く浸透し、それが「天軍九隊」または「九歌隊」として今に引き継がれています。

天使階級を構成する三層とは、「父」の層、「子」の層、「精霊」の層で、それぞれに三つの階級が属します。上級天使とは、「父」の階層に属する「熾天使セラフィム」「智天使ケルビム」「座天使スローンズ」の上位三隊を意味します。

それぞれの天使の役割をご紹介します。

熾天使セラフィム

熾天使(してんし)は、全天使階級のうちで最も高位です。セラフィム'seraphim'とは、ヘブライ語で「燃え盛るもの」を意味するセラフの複数形で、キリスト教での呼び名です。「熾天使セラフィム」とは、階級名であって特定の天使の名前ではなく、以下も同じです。

熾天使セラフィムには、「燃える天使」という意味があり、この階級の天使は、体が炎で包まれているとされ、絵画ではしばしば赤い羽根が描かれます。神の栄光を称え、永久に神のそばにいる存在です。

通常天使は背中に2枚の羽根を持った姿で描かれますが、旧約聖書の『イザヤ書』によると、熾天使セラフィムは、6枚の美しい羽根を持ち、2枚の羽根で顔を隠し、2枚の羽根で体を隠し、2枚の羽根で飛翔するとされています。

サタンの王とされるルシファーは、堕天使となる前は熾天使であり、特に美しい12枚の羽根を持っていたとされます。

智天使ケルビム

智天使(ちてんし)は、英語ではケルビム'cherubim'と呼ばれます。天使階級では第二位に当たります。アダムとイヴが禁断の果実を食べてエデンの園を追放された後、神がエデンの園の番人として配置したのが智天使だといわれています。

智天使ケルビムは、人間とライオンと牛と鷲の4つの顔を持ち、4枚の羽根で空を飛ぶとされています。神を運ぶ乗り物であるという伝承も残されています。

座天使スローンズ

座天使(ざてんし)は、天使階級第三位で、日本では「宝座」と訳する場合もあります。英語では玉座や車輪を意味する、スローンズ'thrones'またはソロネ'thorone'と呼ばれます。神の玉座を運ぶ役割を持つとされ、しばしば炎に包まれた車輪の姿で描かれます。

四大天使の一人であるラファエルは、座天使の指揮官であるとされています。
 

天使の名前一覧②中級天使

「子」の層に位置する中級天使は、「主天使ドミニオン」「力天使ヴァーチュース」「能天使エクスシア」です。「セラフィム」「ケルビム」「スローンズ」と同様、「ドミニオン」「ヴァーチュース」「エクスシア」も階級名であって固有名詞ではありません。

主天使ドミニオン

主天使(しゅてんし)は、ドミニオン、ドミニオンズと呼ばれ、天使階級では第四位です。英語では'dominions'と表記され、「支配する」「統治する」という意味があります。

主天使ドミニオンは、神の威厳を人類に知らしめるという役割を担っており、しばしば手に笏を持った姿で描かれます。

力天使ヴァーチュース

力天使(りきてんし)は、英語ではヴァーチュース'virtues'です。これは、「美徳」「長所」「道徳」「貞操」を意味します。また、ギリシャ語で「力」を意味するデュナミス'dynamis'と呼ばれることもあります。天使階級は第五位です。

現実的な奇跡を司るとされ、英雄に勇気を授けるともいわれています。イエス・キリストが天に召されるときにつき従ったのも、力天使たちだとされています。

能天使エクスシア

能天使(のうてんし)は、英語ではパワーズ'powers'と呼ばれることもありますが、ギリシャ語で「 権威」を意味する’exousia’「エクソシーア」を語源とするエクスシアとも呼ばれます。天使階級は第六位です。

神の掟を実行する役割を担い、全人類を導く存在です。一部では天地創造に携わったとされています。

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天使の名前一覧③下級天使

下級天使とは「精霊」の層を組織する「権天使アルケー」「大天使アークエンジェル」「一介天使エンジェル」の三つの天使階級です。

権天使アルケー

権天使(けんてんし・ごんてんし)アルケー、またはアルヒャイは、「元始」という意味で、英語圏ではプリンシパリティーズ'principalities'と呼ばれます。天使階級では第七位です。

国の指導者や権力者の守護天使であるとされており、悪魔から国を守り、滅亡を防ぐ役割を担っています。

大天使アークエンジェル

大天使(だいてんし)は、ギリシャ語で「使者の長」「卓越した使者」を意味するアークエンジェルの名で呼ばれます。英語では'Archangels'と表記します。

天使階級では第八位ですが、神が人類に遣わした特に偉大な天使という意味で、「大天使」と呼ばれ、かつては大天使が天使階級の最上位と考えられていました。

大天使アークエンジェルは、上位階級の天使と違い、神と人間との連絡係としての役割を担い、人間と密接に関わります。また、槍を持って悪魔と戦う、天使軍の兵士としても描かれており、大天使ミカエルが天使軍の至高の司令官です。

一介天使エンジェル

神と人類を繫ぐみ使いとしての役割を担うのが、一介天使(いっかいてんし)、いわゆるエンジェル'angels'です。天使階級では第九位に当たります。

上級天使が炎に包まれていたり、いくつもの顔や目を持っていたりして、怪物的な様相を示しているのに対し、大天使や一介天使エンジェルは、人間とあまり変わらない姿で描かれます。

ところで、恋の神キューピットは、白い羽根を持ち、天使と似た姿で描かれることが多いですが、天使ではありません。

天使の名前一覧④四大天使

四大天使とは、神の意志を体現するとくに偉大な四人の天使という意味で、天使階級における大天使とはまた違った意味を持っています。

大天使は天使階級では第八位と、高位の天使ではありませんが、四大天使の存在は特別です。四大天使は、大天使であるとともに、他の階級の天使を兼ねていることからも、その特異性が伝わってきます。

下位天使と上位天使との決定的な差は、人間との距離感です。上位天使が能力も外見も人間と大きくかけ離れているのに対し、下位天使は人間に近く、姿かたちもなじみ深いものです。

四大天使は、上位天使でありながら、神と人類を繫ぐ役割も担っているため、より人間に近い存在として登場します。

絵画に描かれたり、漫画やゲームのキャラクターとして登場したりしているので、宗教にあまり関心がない人でも名前を聞いたことぐらいはあるかもしれません。

宗教によって四大天使の役割や性格は微妙に違いがありますが、一般的な四大天使の解釈をご紹介します。

大天使ミカエル

「ミカエル」とは、「神に似た者」「神の如き者」という意味で、人間を恐れと疑念から解放し、守護し、導いてくれる偉大な大天使です。大天使ではありますが、同時に力天使の長でもあります。熾天使でもあったとする説もあります。

ミカエルは、悪魔に対抗する天使軍団「光の軍団」の最高司令官で、新約聖書の『ヨハネの黙示録』には、天使が善と悪とに分かれて戦ったとき、ミカエルがサタンを打ちのめして天国から追放したと記されています。

このサタンが堕天使となったルシファーだとされています。ミカエルは、その清廉潔白で勇気ある行いから、警察官の守護天使ともされています。

また、ミカエルは死を司どる天使でもあり、「審判の天使」とも呼ばれます。そのため、絵画では、使者の魂を量るための天秤を持っている姿が描かれています。

旧約聖書にはたった二人だけ、天使の名前が記されていますが、ミカエルはそのうちの一人で、キリスト教会が認めた最も偉大な天使の一人でもあります。

大天使ラファエル

「ラファエル」には、「神が癒したもの」という意味があり、「癒しの天使」とも呼ばれています。旧約聖書外典『トビト記』にある、「奇跡の魚」の話は有名です。『エノク書』にも名前が出てきますが、新約聖書にその名は見当たりません。

とはいえ、旅人や病人に守護を与える天使として、ラファエルはとても人気があります。旧約聖書にも新約聖書にもその名が記されている二人の天使、大天使ミカエルと大天使ガブリエルに、大天使ラファエルを加えて三大天使とする考え方もあります。

キリスト教ではラファエルは、守護天使(キリスト教徒が信仰を守り、悪を退け善を行うように、神が一人一人につけた天使)を監督する役割を担っているとされています。ラファエルは大天使であり、座天使、力天使でもあります。

大天使ガブリエル

そのものズバリ「神の使者」という意味の名前を持つ「ガブリエル」は、まさに神のメッセンジャーです。洗礼者ヨハネの誕生を告げ、聖母マリアに懐妊を知らせ、東方の三賢者にキリストの誕生を告げ、キリストの復活を予言するのもガブリエルです。

ガブリエルが聖母マリアに懐妊を告げる場面を描いた、レオナルド・ダ・ヴィンチの「受胎告知」はあまりにも有名です。また、「最後の審判」ではラッパを吹き鳴らし、使者をよみがえらせることでも知られています。

ガブリエルは旧約聖書に名前が登場する二人の天使のうちの一人ですが、旧約聖書だけでなく、イスラム教の聖典『コーラン』にも登場し、預言者ムハンマドに神の啓示を授けます。ガブリエルは智天使、力天使でもあります。

大天使ウリエル

「神の光」「神の炎」という意味の名を持つ大天使がウリエルです。聖書の正典や外典にその名が残らないため、四大天使からウリエルを外した三大天使を信奉する向きもありますが、聖なる英知で人類に勇気と知恵を与える大天使です。

ウリエルは、神が大洪水で人類を一掃しようとしたとき、ノアに危険を知らせ、箱舟を造らせたとされています。大天使ですが、熾天使、智天使でもあるとされています。

天使の名前一覧おまけ七大天使

四大天使に三人の大天使を加えて、七大天使とする考え方もあります。ただし、宗教や宗派によって、残りの三人を誰にするのかは実にさまざまです。

四大天使にしても、聖書にその名が残されているミカエルとガブリエル以外は大天使と認めないとする向きもあるくらいです。

ですから、ここに挙げた三人の大天使以外にも、七大天使に数えられる天使はたくさんいますが、ここでは、取りあえず、七大天使として名前が挙がることが多い、三人の天使についてご紹介します。

大天使チャミュエル(カマエル)

熾天使、能天使でもあるチャミュエル(カマエル)は、「神を見るもの」という意味の名を持つ大天使です。「破壊の天使」とも呼ばれるように、神の正義に逆らうものを容赦なく攻撃する恐ろしい一面も持っていますが、恐怖や不安から人々を守りという役割も持っています。

逆境に負けない勇気を与え、人類、及び全世界に平穏と安らぎをもたらす天使としても知られています。

大天使ハニエル

「ハニエル」とは、「神の栄誉」という意味の名前です。力と忍耐を司り、聖なるパワーを与えてくれる存在です。大天使ハニエルは、大天使チャミエルとともに、ユダヤ神秘主義におけるセフィロトの十大天使の一人でもあります

大天使ジェレミエル

「神の慈悲」という意味の名前の大天使ジェレミエルは、予言を司る大天使で、ユダヤ教における七大天使の一人でもあります。

宗教ごとに違う天使の特徴

アブラハムの宗教と呼ばれる、ユダヤ教、キリスト教、イスラム教の経典や神話には、そろって天使が登場しますが、天その特徴は宗教によってまちまちです。ここでは、宗教ごとに異なる天使の特徴や伝承についてご紹介します。

キリスト教の天使

キリスト教における天使の役割は、主に神と人類との橋渡しです。神のメッセージを人類に届けることが一番大きな天使の仕事になっています。ですから、天使の姿も人間的で、親しみやすいものになっています。

しかし、天使の役割はメッセンジャーにとどまらず、悪魔とは軍隊組織して戦い、最後の審判ではラッパを吹き鳴らします。

このことから、キリスト教において天使は、人類を導き、悪を退け善を勧める存在として位置づけられていると考えられます。

天使に肉体があるかどうかは意見が分かれるところですが、天使は霊的な存在ではあるものの、ときとして人間の目に見える姿で現れることもあるという考え方が一般的です。

また、カトリック教会では、信徒一人ひとりについてる「守護天使」の存在を認めており、この天使は人々を正しい方向へと導いく役割を担っているとしています。

ユダヤ教の天使

天使信仰の起源となったユダヤ教の天使は、キリスト教の天使と共通する部分もありますが、一般的に人々が思い描く天使とは様相が異なります。

ユダヤ教の双子の大天使サンダルフォンとメタトロンは、背の高さが世界の半分にも達するなど、恐ろしく巨大なことが特徴的で、このことからもわかるように、キリスト教の愛らしい天使のイメージはユダヤ教の天使にはありません。

ユダヤ教の天使も、神の伝令の役割を担っていますが、掟に背いた天使を処刑したり、罪を犯した天使を裁いたり、悪魔と戦ったりと、過激な一面も持っています。

イスラム教の天使

イスラム教では天使の存在は、六信と呼ばれるイスラム教徒の重要な信仰の一つです。イスラム教の天使も、キリスト教の天使と同じく、神の意志を人類に告げる伝令としての役割を担っています。

天使は神と人間との中間の霊的な存在で、主に天上にあって神を補佐し、普段は神の玉座の周りを、神を賛美しながら巡っているとされています。

イスラム教徒キリスト教の共通点は多く、イスラム教の聖典『コーラン』の中には、天啓の大天使ジブリール(ガブリエル)と、戦いの大天使ミーカーイール(ミカエル)の名前が出てきます。

最後の審判で天使がラッパを吹き鳴らし、そのために災いが起きるというのも、生前の善悪を知るため、死者の魂を量るというのも同じです。また、イスラム教の天使は、神の仕事を助ける役割も担っており、死者から魂を引きはがしたり、天の楽園の番をしたりもします。

イスラム教の天使は、神の補佐役、時には代行として実に様々な役割をこなす存在とされています。

仏教の天使

仏教で天使?と訝る人もいるでしょうが、「み使い」としての天使は仏教でも存在します。

仏教で天使に相当する存在としては、「天部」や「童子」と呼ばれ、菩薩や不動明王に仕える従者が考えられています。背中に羽根がある人間によく似た姿の天使とは少し異なり、人間と変わらぬ姿をとることもあれば、ネズミやキツネ、ヘビなどの姿で現れることもあります。

仏教における天使は、ユダヤ教やキリスト教、イスラム教の天使のような霊的な存在より、人間に近い存在として考えられています。そのため、天使のような階級もなく、上級天使のような強い力もありません。

天使はほかにもたくさんいる

教会や宗派によっては、ミカエルとガブリエル以外の天使の名前は認めないという厳格なところもありますが、正式な信仰や、教義にこだわらなければ、天使の名前はほかにもいくつもあります。天使といえど気まぐれだったり、戦闘的だったり、性格もさまざまです。

名前の由来や、担う役割を見ていると、どこか人間っぽく親近感も湧きます。いたずらに面白がるのは不謹慎かもしれませんが、天使を知ることで、その宗教への理解も深まるかもしれません。

宗教には人類の英知も、弱さも、優しさもすべてが含まれています。天使を手掛かりに、いろいろな考え方に触れてみるのもいいかもしれません。

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