サイコパスの原因や症状や対処法！生まれる理由や治療方法も解説

最近あちこちで使われる「サイコパス」とは一体どういった人のことを言うのでしょうか。サイコパスとは、精神病質（Pycopathy）のことで、先天的、後天的に反社会性の人格を持った反社会性パーソナリティ障害という人格障害の一つです。カナダの犯罪心理学者であるロバート・D・ヘア博士によって定義づけられました。

ここでは、サイコパスの詳しい特徴をいくつか順番にみていきましょう。

サイコパスの症状と言えば、人が寄ってくる人間が多いことが挙げられます。サイコパスの人は、異常にコミュニケーション能力が高い人が多く存在します。相手が気持ちよくなるような言葉を使いまわしたり、相手が喜ぶような言動を与えたりと、相手に不快感を感じさせない能力を有しています。

この能力は子供の頃から発揮される傾向が強く見られます。サイコパスに生まれる特殊とも言える才能です。誰から見ても非常に魅力的な人が多くいるのも特徴です。年代問わず、周囲からの人気も高いでしょう。

サイコパスの特徴として、共感性の低さやなさ、愛着や思いやりといった人間らしい心理の欠如の症状があげられます。その症状が原因で、非常に自己中心的です。また、自尊心も異様に高い人が多く、自分に万能感を持っています。自分のことしか考えておらず、自分中心で世界は回っていると考えています。

加えて共感能力がないので、他人に対して感情というものを持ち合わせていません。一言で言えば、社会性がほとんどないと言えます。

他人は道具としてしか見えておらず、自分の享楽や満足のためだけに人を利用することに何も感じません。他人が辛いと感じても、それも理解できません。誰に対しても無情であると言えます。

サイコパスは嘘吐きです。罪悪感を全く感じない性格で、よって良心も欠如している特徴を持っています。常に相手を操ろうとするところがあり、日常的に嘘をつきます。後悔の念や罪悪感も全くなく、自分の行動にも責任を持ちません。

そして、サイコパスは、自分自身がサイコパスである事を自覚している人もいるのが特徴です。そういった人の中には、サイコパスであることを隠して生きています。場面によって言葉を選んで行動も慎重にし、常に演技をしながら生きて世の中に馴染もうとします。

それが原因で、感情を表す言葉の中には本当の感情が入っておらず、いつも舞台上の役を演じているような人も存在します。

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それでは、サイコパスが生まれる原因にはどういったものがあるのでしょうか。主に発症する原因と考えられているものを紹介していきます。

現在でもはっきりとしたサイコパスが発症する原因がわかっていません。ただ脳の異常が原因となっていることが発症の理由として考えられています。サイコパスの人は全般的に、感情の処理をつかさどる大脳の機能が低い傾向が見られます。それが原因となり、共感力に乏しい理由になっていると考えられてます。

また、前頭葉や大脳皮質において通常人が出す脳波とは異なる脳波を出していたり、言語処理を一般の人が行う左脳ではなく右脳で行っています。一般の人と比べて、脳の構造が異なっていることが発症の原因理由とも考えられます。

脳の機能が正常ではないため、一般の人間に見られるはずの感情が欠落していたり、良心などがない状態になってしまい、サイコパスを発症してしまう原因となっていると考えられます。

サイコパス発症の理由としては、やはり遺伝と環境があげられます。サイコパスの約5割すなわち半分は、遺伝性もしくは先天性、すなわち親からの遺伝の結果発症するのではないかと考えられています。

しかしその反面、幼児期の環境も発症に影響しているとも考えられています。サイコパスの残りの5割は、後天的なできごと、すなわち環境が発症理由だと考えられています。生まれ育った環境が酷く、幼少期に両親の愛情を受けて育ってこなかったり、虐待や育児放棄によって孤独で辛い経験したなどが発症する理由と考えられてもいます。

トラウマになるような行為を繰り返し親や保護者から受けてきたりしたために、感情が欠落してしまい、サイコパスになってしまうことも発症の原因理由として考えられています。

ここではサイコパスが引き起こす様々な症状をみていきます。サイコパスは社会性が欠如している上に、反社会的性格も持ち合わせています。そのため、犯罪行為をしてしまう人も少なからずいます。

この犯罪行為は、反社会的であるだけでなく、共感性の欠如やありとあらゆる感情の欠落や、責任感がゼロなため悪いことをしている自覚ないなど、サイコパスの症状を全て網羅した結果の犯罪行為です。

自尊心も高く、誇大妄想の症状も持っているため、犯罪を起こした場合は余計に驚かされるような重大犯罪を犯すことがあります。

ここでは、サイコパスと考えられている人が犯した、凶悪犯罪や事件をいくつか紹介します。多くの人が知っている犯罪もあるでしょう。

福岡の北九州市で起きた、恐怖の「北九州監禁殺人事件」です。この主犯格Aは完璧なサイコパスでした。見た目は非常に当たりが良く、話し方も魅力的で、話も面白く、ありとあらゆる人が隠している本当の顔に気付かず惹かれていきました。

主犯格Aは、その溢れんばかりの魅力を持って共犯者である妻の親族を洗脳しました。洗脳された親族はその後監禁され、財産は全て取り上げられてしまいます。監禁をしたマンションの一室で、親族同士の虐待を繰り返す方法を取り、最終的に親族同士での殺人をさせるに至ります。

この事件は、監禁されていた別家族の少女が逃げたことが発端となって発覚しました。死体もなく、少女が逃げなければ発覚しなかった可能性があります。事件の内容があまりにも凄惨だったため、報道規制がかけられたとも言われています。

ジョン・ゲイシーはアメリカの資産家で、慈善活動も行う名士と言われながら33人を殺害した連続殺人鬼です。ホモセクシャルな性癖を持っており、少年を襲うなどして、その性癖を隠すために6年間に33人を殺害しました。

人望が非常にあり、仕事もできる優秀な人として尊敬を集める立場にあったにもかかわらず、殺人を犯すという2面性も持ち合わせていました。最も若かった犠牲者は9歳で、一番上でも20歳の青年だと言われています。

慈善活動において、子供が喜ぶためピエロの格好をすることが多く、逮捕後「殺人ピエロ」の異名で呼ばれました。

 

旧ソビエト連邦時代に、旧ソ連全土で立証できた限りで52人を殺害したアンドレイ・チカチーロもサイコパスであったと考えられています。ウクライナ出身で元教師のチカチーロは、出張の度にその土地で女性と子供を殺害し、体を切り裂いた上で人食していました。そのため、「赤い切り裂き魔」の異名で呼ばれました。

殺害人数は立証されているだけで52人で、立証できなかった事件を加えると犠牲者はもっと増えたと言われています。チカチーロ自身、裁判で反省することもなく、被害者のことを「死んで当然」と言い放っていました。全く罪悪感を持ち合わせていない、サイコパスの典型のような人間でした。
 

サイコパスと出会うのは、レアなケースとは言い切れません。近くに普通に存在していることもありえます。もし、サイコパスと関わりを持ってしまった場合、どういった対処法や付き合い方をすればいいのでしょうか。ここでは、対処法や付き合い方を紹介します。

サイコパスとの付き合い方として、相手がサイコパスだと気づいてしまったら、対処法としては徹底的に避けることです。連絡も一切取らない、会っても気づいていないふりをして話さない、など自分の意志で回避してください。

自分や自分の周囲の人間が酷い目に遭ったり、凶悪な事件に巻き込まれないためには、自分の判断でサイコパスを回避し、自分で自分を守るしか対処法はありません。下手に付き合い方を選んで付き合うようなことはやめましょう。一切の関係を持たないように、避けることが対処法としては最良です。

サイコパスに対する対処法の2つ目は、自分の力を過信して、サイコパスの人を自分が治してあげられると考えないことです。よく心が参っている人を寄り添うことで元気にしてあげれたといった経験があり、それをモデルケースに他の人との付き合い方にも適用する人がいますが、それはサイコパスの人には不可能です。

サイコパスの人は寄り添われているフリををして、全く治すつもりもなければ、共感も抱きません。逆に自分に近づいてくる人間を、うまく洗脳して利用できるところは利用しようと考え、近づきすぎることは非常に危険です。

「この人は病気なので」「自分が何とかしてあげるのだ」と考えるのは、傲慢な思い上がりです。寄り添うことが正しい付き合い方だと勘違いしないように気をつけましょう。

人間誰しも、気づかぬうちに悪意を感じ取ることがあります。自分の実を守る防衛本能が働くようになっているのか、「この人は危険だ」とか「やばい人だ」と感じて関わりを持つことに尻込みしてしまうことがあるはずです。

サイコパスの人は、悪意の塊です。そういった悪意を知らず知らずのうちに嗅ぎ取ったとしたら、自分の直感を信じるようにしてください。

その後の付き合い方で「この人はいい人だった」「悪い人だと考えて、自分はひどい人間だ」などと流されないようにしましょう。それこそサイコパスの思うつぼです。自分の無意識から生まれる直感を信じることが、サイコパスの人を見抜く大切な対処法です。

サイコパスは、人の心を操ることが大好きです。操って弄んで、人と人とのトラブルを起こさせたりをゲームのように行います。こういったサイコパスな人への対処法としては、関わらないようにすること以外ありません。良い付き合い方を考えようとすること自体が無理な話です。

ある人がやたらと他人を操ろうとしたり、褒めたり持ち上げたりして他人をその気にさせたりとしている場合、その人はサイコパスである可能性があります。普通の人は、他人を操ったり、他人の気持ちを自分の思う方向に誘導したりなど、そういった悪趣味なことはしないものです。

そういった傾向の強い人に知り合ったりしたときは、関わらないように、下手に付き合い方を考えなければいけないような関係性にならないように気をつけることが、適切な対処法です。

サイコパスへの対処法としては、サイコパスなど気づいた場合は絶対に流されないように自分に言い聞かせることです。ちょっと甘い言葉や弱々しい態度を投げられても、絶対に揺らがないように、相手のことを疑ってかからなければなりません。

そうでないと、つけ入る隙を与えたら心に入り込まれ、ボロボロにされてしまいます。自分の心は自分で守らなければなりません。

サイコパスは、自分がサイコパスだと気づかれたら懐柔にかかります。中途半端な付き合い方ではなく、がっちりと型にはめにかかってきて、懐に入れようとします。そうなったときに、どんな誘惑や言葉の攻撃や嘘に聞こえない嘘にも取り込まれないように心を強く持ちましょう。

心を強く持てば、嘘も嘘だと見破れます。どんな囁きからも自分を守ることができます。

人は性善説によって物事を考えがちです。知り合う人に対して、最初から警戒心を抱いたり、疑いを持ったりしません。基本的には「いい人だろう」という前提の下で人間関係を構築していきます。しかし、サイコパスは性善説で語れる範囲の人間ではありません。性悪説があてはまる人間とも言えます。

決して人間は善い人間しかいないと思い込まないようにしましょう。良心を全ての人間が持っていると考えるのは思い込みだと知りましょう。良心を持たない人、すなわちサイコパスも存在するということを頭でも心でもしっかり理解してください。

それが理解できれば、ある程度の対処法を持っておけばサイコパスと表面上だけの付き合い方をすることができます。

それではサイコパスは、何故生まれるのでしょうか。考えられうる理由は次の通りです。

サイコパスが生まれる理由の一つとして考えられているのが、幼少期の虐待です。親から愛情をもらえない、身体的精神的虐待を受けた結果愛着行動が身に着かない、ネグレクトで育ったため共感性がわかないなど、虐待は受けた子供の心身の発達に大きな影響を及ぼします。

親が自分にしたことを繰り返す子供もいれば、親から愛情を受けなかったため他人への愛情や愛着が一切わかないなど、サイコパスが生まれる原因になります。

サイコパスが生まれる理由をもう1つ挙げるとすれば、親からの遺伝です。親がサイコパスの場合、子供もサイコパスの気質を持って生まれる可能性が高いと考えられます。

全員がサイコパスとして生まれるというわけではないと考えられますが、普通の親から生まれるよりも、サイコパスの親から生まれる確率の方が高くなるでしょう。

サイコパスの人を治療する治療方法は、現在の時点でまだ確立されていません。発症してしまうと、治す方法がないため、完全に治癒するということが難しいと言えます。

現在試されている治療方法としては、まずその症状にあった薬物療法です。薬物療法は、サイコパスの症状に伴って起きてくる情緒不安定さや不安を緩和することを目的とした治療方法です。

そして弁証法的行動療法と言われる治療方法があります。弁証法的行動療法とは、禅と認知行動療法を組み合わせた治療方法で、行動療法・薬物療法・個人精神療法などを組み込みます。そうすることで、サイコパスの人の生活の質の向上と症状の安定化を図る治療方法です。

また、新たな治療方法として、近年はサイコパスの患者同士で自助グループを作る方法もあります。このように、サイコパスの治療方法は極めて少なく、現在未来にかけて治療方法の研究が待たれるところです。

サイコパスの割合は全米で人口の4％と考えられています。日本では正確な統計はありませんが、全く存在しないわけではないことは理解しておきましょう。理解した上で、サイコパスと関わり合いにならないように気をつけなければいけません。

自分に落ち度がなくても、サイコパスと出会うことで不幸に陥れられる可能性が誰にでもあります。そうならないように、怪しい人とは親しくならないといった危険察知も必要になってきます。

サイコパスは身近にいるかもしれません。夢物語と思わずに、実際に存在するのだと知っておきましょう。そして、自分の身は自分で守ってください。