アクリル絵の具の使い方や描き方!重ね塗りなどの塗り方のコツも紹介

アクリル絵の具で絵を描きたいと思ったことはあるでしょうか。アクリル絵の具は油絵具と水彩絵の具の良い所を合わせたとても扱いやすい画材です。今回は、アクリル絵の具の使い方や、重ね塗りなどの塗り方のコツをご紹介していきます。使い方さえ極めれば、自在に絵が描けますよ。

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目次

  1. 1アクリル絵の具を使ってみよう!
  2. 2そもそもアクリル絵の具とは?
  3. 3アクリル絵の具の特徴
  4. 4アクリル絵の具の使い方《道具編》
  5. 5アクリル絵の具の使い方《描き方編》
  6. 6アクリル絵の具の使い方《注意編》
  7. 7いろいろなアクリル絵の具の使い方・塗り方のコツ
  8. 8アクリル絵の具の特徴を活かしてアートを楽しもう!

アクリル絵の具を使ってみよう!

100均等でも買う事ができるアクリル絵の具は、紙だけでなく木や布、プラスチック等の固いものまで様々なものに描けるのでDIYやネイルアート等、いろんな分野で活躍する画材です。

そんなアクリル絵の具の塗り方をマスターして綺麗な絵を描けるように、重ね塗り等上手なアクリル絵の具の使い方をご紹介していきたいと思います。是非アクリル絵の具を上手に使いこなせるようになってください。

そもそもアクリル絵の具とは?

普段何気なく目にするアクリル絵の具ですが、他によく売られている水彩絵の具や油絵の具と何が違って、どういった特徴があるのでしょうか。絵の具は、色のもととなる顔料と、その色を定着させる展色剤(バインダー)が混ざって作られてものですが、アクリル絵の具はこのバインダーにアクリル樹脂が使われています。

油絵の具にはバインダーとして油、水彩絵の具には水溶剤が使われています。アクリル絵の具は水に溶かすことができて扱いやすい上に、乾くと耐水性がある油絵の具と水彩絵の具の良いところをとった絵の具なのです。

アクリル絵の具は比較的歴史の浅い画材で、1920年代~30年代のメキシコでアーティスト達が壁面に革命の意義を描く絵画運動で安価で耐水性のある画材が求められたことがきっかけとなり開発が進められました。

アクリル絵の具の種類

アクリル絵の具には大きく分けて「透明」と「不透明」の2種類があります。一般的に、透明タイプのアクリル絵の具をアクリル、不透明タイプのアクリル絵の具をアクリルガッシュと呼びます。

透明タイプは、色の透明度が高く、下の色を生かした透明感のある表現ができるアクリル絵の具です。筆跡が残りやすく、ムラになりやすいですが、重ね塗り等でそれを生かした表現ができます。

対して不透明タイプのアクリルガッシュは、マットな質感がありムラができにくいです。透明タイプのものよりも粉っぽく、乾いた後にヒビができやすいデメリットがあります。

アクリル絵の具の特徴

それではここで改めてアクリル絵の具は油絵の具や水彩絵の具と比べてどういった違いがあるのか、特徴をご説明していきたいと思います。

水に溶けるが、乾くと耐水性になる

アクリル絵の具の最大の特徴として、濡れている状態では水に溶けますが、乾くと水に強い耐水性になる点が挙げられます。筆や、絵の具がついてしまった洋服は、油絵の具だと水で洗い流すのは難しいですが、アクリル絵の具だと処理が簡単です。

また、水彩絵の具は乾いた後で水に濡れてしまうと流れ落ちてしまったり、色移りしてしまいますが、アクリル絵の具は一度乾くと水に強く、耐水性がある為ガラスや布にも描くことができます。水彩絵の具の扱いやすさと、油絵の具の耐水性をかねた良いところ取りの画材なのです。

様々な表現に適している

油絵の具は乾くまでに大変時間がかかる為、色を重ねる際に長い待ち時間ができてしまいますが、アクリル絵の具は速乾性があり、柔軟性もあるので油絵の具と同じ様な表現の重ね塗りをとても早くすることができます。

また、透明タイプのアクリル絵の具も種類が豊富だったり、水に薄めて使うことができる為、水彩絵の具のような透明感のある表現も可能です。コツをつかめば様々な表現で絵が描けるところがアクリル絵の具の最大の魅力と言えます。

アクリル絵の具の使い方《道具編》

ご紹介してきた様に、アクリル絵の具は扱いやすく、使い方や塗り方次第で様々な表現を楽しむことができます。では実際にアクリル絵の具を使うには、どの様な工夫やコツがいるのでしょうか。こちらでは、アクリル絵の具を使う際にどの様にすれば良いか、道具別にご紹介していきたいと思います。

水彩絵の具の様に扱いやすいアクリル絵の具ですから、特に塗り方で注意しなければいけないことは無く、自在に描くことができます。また、筆だけでなくスポンジにつけてぼかしたり、ハンコにつけて押したり等自由な使い方で色を乗せられます。

ただ、水彩絵の具を使う際と同じ様に水分が多いと紙がよれてボコボコになってしまう可能性があります。あらかじめ紙に水をふくませ、伸ばした状態で乾かす“水張り”作業をしておくか、比較的よれにくい水彩用の画用紙を使いましょう。

筆には太さや毛先の柔らかさ等、様々な種類があるので自分の表現したい塗り方に合わせて選ぶと良いでしょう。100均でも安価に手に入れることができますが、扱いやすさは値段が高いほど良くなるので、安価な筆で試してみてうまくいかなければ画材屋さん等で売っている本格的なものを買うのがおすすめです。

アクリル絵の具は乾くと水に溶けなくなるので、使い終わった筆は必ず綺麗に水洗いしておかなければいけません。丁寧に洗った後はカビが生えないように風通しの良い場所で干しておきましょう。

紙パレット

アクリル絵の具をパレットに乾いたまま放置しておくと固まって洗い流せなくなってしまうので、アクリル絵の具を使う際には使い捨てのできる紙パレットがおすすめです。

水に強くて便利な紙パレットですが、プラスチック製や金属製のものと違って平面で絵の具を入れるくぼみがないので絵の具を出しすぎたり、水分が多すぎたりするとパレットからはみ出して机や服を汚してしまう危険性があるので注意してください。

紙パレットとして販売されているものを買わなくても、使い終わった牛乳パックの様に水に強い紙で代用できます。また、100均で使い捨ての薄いプラスチック製の仕切りのあるパレットも販売されています。

筆洗

筆洗は、いくつか仕切りがあるものか、プラスチックコップや瓶を複数個用意しておくのがおすすめです。1つだけ水入れを使っていると、筆をあらっているうちに水が汚れて筆が綺麗にならなくなるので、最初の一番汚い筆を洗う用とその後綺麗にする用2つの計3つくらいの水を用意すると長時間、綺麗な筆で作業ができます。

綺麗な色を塗るコツは、こまめに筆洗いをすることです。また、使っていくうちに筆洗自体にお色がついてとれなくなってしまうので、コップ等で代用する場合は筆洗の為だけに使うものを用意しましょう。

雑巾

雑巾は、筆の水気を取る為に使います。筆洗の水が飛び散る場合もあるので、1枚は筆洗の下に敷く形で置いておくと良いかもしれません。こちらも、一度ついてしまった色はなかなか落ちないので、アクリル絵の具を使うとき専用の雑巾を用意しておきましょう。

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アクリル絵の具の使い方《描き方編》

水彩絵の具の様にも油絵の具の様にも、使い方自在のアクリル絵の具ですが、どういった描き方をすれば思い通りの表現ができるのでしょうか。こちらでは、アクリル絵の具をつかった重ね塗りのやり方等、使い方をご紹介していきたいと思います。

色をにじませる描き方

紙の上で色をにじませる描き方として、ウェット・イン・ウェットという塗り方をご紹介します。ウェット・イン・ウェットは、濡れている紙の上に水分を多く含んだ色を乗せてにじませる塗り方です。

紙をあらかじめ水で濡らした上から様々な色を乗せるとグラデーションになったり、水分多めに色を塗った後、乾く前に別の色をのせてぼかすことができます。後で乗せた色がじわじわと広がっていくので、広がりを想定して色を乗せましょう。

透明な色を重ね塗りする描き方

透明な色を重ね塗りするグレーズ技法という塗り方は、油絵の具でよく使われる塗り方で、下地の色に透明な色を重ねて色に変化を出していく方法です。透明アクリルを使い、あらかじめ塗った色に透明のフィルターをかけるイメージで透明な色を重ね塗りします。

例えば、塗った色が明るすぎると感じた場合、茶色等の暗めの色を重ね塗りすることで元の色に深みが出ます。あらかじめ塗った色が完全に乾いてからでないとウェット・イン・ウェットになってしまって滲むので注意が必要です。

半透明の色を重ね塗りする描き方

半透明の色を重ね塗りするのスカンブル技法は、グレーズ技法とおなじ重ね塗りをして元の色のニュアンスを変える塗り方です。重ねる色には不透明なアクリルガッシュを薄めて使うのがおすすめです。

遠くの景色等を薄くもやがかかった様な表現にしたい場合、薄めた白っぽいアクリル絵の具を重ね塗りしていくと綺麗にできておすすめです。このやり方も、重ねる前の色が完全に乾いてから塗って下さい。また、重ね塗りする時に筆でごしごしこすったら元の色が消える可能性があります。

コツとしては、広めの筆で優しく色を乗せていくイメージで重ね塗りしていきます。

油絵のように盛る描き方

アクリル絵の具は油絵具の様な使い方もできる為、美術館で見る油絵の絵画の様なキャンバスに絵の具が立体的に盛られた塗り方も可能です。その様に、絵の具を重ねていく塗り方をインパスト技法と言います。

厚塗りとも言われるこの塗り方は、筆を水につけず、絵の具をそのまま筆ですくう様にたっぷりと取って乗せる様に描きます。アクリル絵の具は油絵具よりも早く乾きますが、乾くと縮むので注意してください。

グラデーションを作る描き方

綺麗に色が変化していく様なグラデーションを描く方法をグラデーション技法と呼び、様々なやり方があります。先ほどご紹介したウェット・イン・ウェットで色をぼかしていったり、グレーズ技法で少しずつ部分的に重ね塗りして色を濃くしていくのも方法です。

また、アクリル絵の具は乾くのが早いことがメリットですが、グラデーションを作る際にメディウムというアクリル絵の具用の混ぜ物をすると乾きが遅くなり、グラデーションを作り易くなります。

アクリル絵の具の使い方《注意編》

アクリル絵の具はメリットの多い素晴らしい画材ですが、乾きやすかったり、乾くと水に溶けないというメリットが、間違えた使い方をすると困ったことにもなります。ここでは、アクリル絵の具の使い方で注意するポイントをご紹介していきます。

絵の具は使用する分だけ出す

水彩絵の具は乾いてしまっても水で溶かせば再び絵の具として使えますが、乾いてしまったアクリル絵の具は二度と使えません。うっかり出しすぎて不要になってしまってもチューブに戻したり、再利用したりできないので、こまめに使用する分だけを出しましょう。

筆はすぐ洗う

アクリル絵の具で絵を描いた後の筆は洗わずに放置しておくと毛先の部分が固まって使えなくなってしまいます。使った筆はすぐにアクリル絵の具を洗い流す様にしましょう。洗う時間がなくても、すぐ水につけておくだけでもしておきましょう。

筆洗の水を捨てる際も注意

アクリル絵の具のついた筆を洗った筆洗の水の扱いにも注意しましょう。流すときに服に飛ぶと色が取れない危険性があります。

また、筆洗の水が残ったままシンクを放置すると、シンクに色が移ってしまうこともあります。筆洗の水を流した後はシンクも綺麗に水洗いしましょう。水道水を流しながら、筆洗の水を排水溝だけに触れる様にゆっくり流すのがおすすめです。

いろいろなアクリル絵の具の使い方・塗り方のコツ

アクリル絵の具の魅力の1つに、様々な素材に絵を描けるというものがあります。ここでは、紙やキャンバス以外にアクリル絵の具を使う場合の使い方や、塗り方のコツをご紹介します。

木材に使う際のコツ

木材に絵を描く際のアクリル絵の具の使い方のコツは、まず下地材を塗っておくことです。木材にそのままアクリル絵の具で着色していくと、木目にそって色がにじんでしまう可能性があります。

ジェッソやリキテックスペーストと呼ばれる下地材をあらかじめ木目に塗っておき、その上からアクリル絵の具で着色してください。

プラスチックに使う際のコツ

プラスチックを着色する際のアクリル絵の具の使い方のコツは、トップコートを塗ることです。アクリル絵の具は堅い素材に塗るとポロポロとはがれてしまう可能性があるので、それを防ぐために塗って乾かした後にニス等のトップコートを塗ると表面が保護されるのでおすすめです。

布に使う際のコツ

布にアクリル絵の具で絵を描く際の、アクリル絵の具の使い方のコツは、アクリル絵の具に布用のメディウムを混ぜることです。アクリル絵の具は水に強いですが、布に絵を描いた後、使ったり洗濯をしているうちに絵の具がはがれてきます。

その、絵の具がポロポロはがれるのを極力避けることができるのが、布に絵の具が定着しやすくなるメディウムです。使い方は簡単で、アクリル絵の具に適量混ぜ、その後通常通りアクリル絵の具で着色するだけです。

ネイルアートに使う際のコツ

ネイルアートにアクリル絵の具を使う際のコツは、アクリル絵の具は早く乾いてしまうので、アクリル絵の具に水を多めに混ぜることです。ネイルアートは細い筆に少量ずつアクリル絵の具をとって描いていくので、絵の具がとても乾きやすいです。

爪はつるつるしているので、水を多めに含んだアクリル絵の具でも発色しやすいです。描きやすい水加減を見つけるまで少しコツが必要ですが、慣れればスラスラ描ける様になります。

アクリル絵の具の特徴を活かしてアートを楽しもう!

油絵具と水彩絵の具の良い所取りの様な便利なアクリル絵の具ですが、その特徴から、向かないものや不便な点もあります。メディウム等の液体を混ぜたり、乾燥に注意したりすることでアクリル絵の具の便利さは無限大に広がるので、是非アクリル絵の具でアートを楽しんでみてください。

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