大阪の河内弁の汚い!怖い方言の特徴や例文を一覧で紹介

日本にはさまざまな方言がありますが、関西の方言の中でも、大阪の河内弁には怖い・汚いという印象が多くの人に持たれています。河内弁はどうして怖い・汚いと感じてしまうのでしょうか。河内弁の怖いと思われる特徴や、例文を一挙ご紹介していきましょう。

大阪の河内弁の汚い!怖い方言の特徴や例文を一覧で紹介のイメージ

目次

  1. 1怖い?汚い?ちょっとイメージが悪い河内弁
  2. 2大阪の方言・河内弁とは?
  3. 3河内弁の特徴
  4. 4河内弁と泉州弁の違い
  5. 5上品な大阪弁もある?
  6. 6河内弁が怖い・汚いイメージの理由
  7. 7怖い・汚いイメージの河内弁一覧
  8. 8口は汚いが人情味のある河内弁

怖い?汚い?ちょっとイメージが悪い河内弁

関西弁と聞くと、どのような言葉をイメージするでしょうか。多くの人が関西弁に対して、お笑いや商売人など、気さくで親しみのある印象を持っていることもありますが、しかし、それとは反対に、「怖い」「汚い」というイメージを持っている人がいるのも事実です。

関西の中でも、特に怖い・汚い方言というイメージがあるのは大阪の河内弁ですが、いつからこのように河内弁を「怖い・汚い方言だ」と、解釈するようになったのでしょうか。それらをご紹介していきましょう。

大阪の方言・河内弁とは?

関西弁とひとくくりにしていますが、関西弁とは近畿地方の方言全般のことを総称して関西弁と指しており、大阪弁だけを関西弁と指しているのではありません。

関西弁の中に大阪弁があり、その大阪弁の中には、「河内弁」「根津弁」「泉州弁」の三つの方言が含まれています。

河内弁が使われる地域

河内弁は、大阪府の東に位置している「河内」という地域を中心に使われている方言です。河内の地域には14つの市が所属しており、それぞれ北部、中部、南部と三つに分類され、北河内、中河内、南河内と呼んでいます。

南河内は泉州弁とのつながりが強く、北河内は京言葉に強い影響を受けているので、もっとも河内弁らしいとされているのは、中河内にある寝屋川市、守口市、大東市、東大阪市、八尾市の5つの市となっています。

河内弁の特徴

汚い・怖い方言だというイメージが強い河内弁は、同じ大阪府内に住む人でも、「河内弁は少し怖い感じがする」という感想を持つほど、クセのある方言となっています。初めて河内弁を耳にした人も、その方言に圧倒されてしまう人も多くいるようです。

では、なぜこのように河内弁が汚い・怖いと感じてしまうのでしょうか。それらを具体的に解説し、河内弁の特徴をご説明しましょう。

①アクセント

河内弁の言葉のほとんどには、語尾や母音に強いアクセントがついています。これは京阪式アクセントと呼び、このアクセントはハッキリと母音を発音する特徴を持っています。

河内弁の語尾によく使われる「~け」という言葉が、より言葉全体をハッキリと強調して発音されるため、相手はその言葉や語感から威圧感を覚えて、「怖い」と感じ取ってしまうとされています。

そのため、同じ大阪弁である「違いますか」という意味を持つ「違うやんか」という言葉でも、河内弁では「違うやんけ」と、相手を突き放すような印象を受けてしまうのです。

②巻き舌

河内弁で怖い・汚いというイメージを持つ特徴の一つとして、巻き舌で言葉を発音している特徴も、怖い・汚い印象を与える一つとされています。河内弁は固有名詞以外のラ行は、すべて巻き舌を使って発音しています。

特に、「あなた」「君」「お前」などの二人称を示す言葉として「われ」や「おのれ」という言葉を相手に向かってよく使うので、自然と巻き舌で話す回数も多くなります。

また、これがさらに訛ることで「おんどれ」「おんどりゃ」と、言葉の響きも悪く感じてしまうのです。

河内弁と泉州弁の違い

泉州弁も同じく、河内弁のように怖い方言のイメージがついているため、どちらが河内弁でどちらが泉州弁なのかと、区別することが難しい人もいるかもしれません。泉州は、大阪の南西部にある地域を指しており、9つの市と4つの町で構成されています。

泉州弁も河内弁と同じく、強いアクセントと乱暴に感じる方言がありますが、河内弁とはどういった点が異なるのでしょうか。

泉州弁の特徴

泉州弁は河内弁と同じく、語尾に「~け」とつける特徴があります。しかし、泉州弁の中でも特徴的なのは、方言の中に敬語というものが存在しないということです。敬語が存在しないため、上司などに対してもタメ口のように言葉を使います。

多くの方言がありますが、敬語のない泉州弁は特に珍しい方言となっています。タメ口のように分け隔てなく話すことが通常となっているため、泉州弁の特徴を知らない人からすれば、「なんて失礼な人なんだ!」と、誤解してしまうことも多くあります。

上品な大阪弁もある?

河内弁の印象から、大阪弁全般が怖い・汚いイメージを持ってしまっている人も少なくありません。しかし、どの大阪弁もアクセントの強い方言なのではなく、中には優しく丁寧な言葉遣いをしている「上品な大阪弁」もあります。

大阪弁を構成するのは、主に「泉州弁」「河内弁」「根津弁」の三つですが、そのうちの「根津弁」は「上品な大阪弁」と呼ばれています。根津弁は、大阪府の北中部から、兵庫県の南東部までの地域で使われている方言です。

元々、江戸時代以降に商人たちが当時使っていた「船場言葉」という、丁寧な言葉遣いが今に至るまで伝承されており、汚い言葉や怖いイメージがある「河内弁」「泉州弁」と違って、「根津弁」は大阪弁の中でも「柔らかい大阪弁」とされています。

河内弁が怖い・汚いイメージの理由

実際に河内弁を聞いたことや、河内弁を使う地域に足を運んだわけではない人でも、なぜか河内弁と聞くと怖いイメージが付きまとっています。

確かに、河内弁の言葉は人を圧倒するようなクセのある方言が多いですが、それではなぜ、実際に耳にしたことがない人でも「河内弁は怖い」とイメージがついたのでしょうか。それには、メディアによる影響などが大きく関連しています。

ヤクザ映画やヤンキー漫画

ヤクザ映画やヤンキー漫画に出てくる登場人物の多くが、河内弁に似た言葉を多用しています。元々の河内弁のハッキリとした発音や、巻き舌が人に対する威圧感を与えることから、ヤクザやヤンキーの言葉として採用されたのです。

これらのことから、河内弁自体に「ヤクザやヤンキーが使っている言葉」としてのマイナスなイメージがつき、河内弁を使う人は怖い、河内弁は汚い言葉だ、などといった偏見ができてしまったのです。

また、ヤクザ映画やヤンキー漫画に出てくる言葉は実際の河内弁とは異なり、事実よりも多少の誇張を含んでいます。現在の地域では使われていない古い河内弁もあるので、それらにより大きく誤解を受けてしまっている点もあります。

「河内のオッサンの唄」

ヤクザ映画やヤンキー漫画以外にも、河内弁の印象にマイナスイメージを与えてしまったものがあります。この「河内のオッサンの唄」は、1976年、大阪を中心に活動していた男性シンガーソングライター・ミス花子の手により作られた楽曲です。

この「河内のオッサンの唄」の歌詞は、すべて河内弁で構成されており、そのインパクトの強さから、80万枚もの売り上げを記録するという大ヒットを起こしました。また、同年には大手の映画制作会社「東映」により映画化されるという偉業も成し遂げています。

しかし、「河内のオッサンの唄」は河内弁のプラスのイメージどころか、マイナスイメージを大きく印象付けてしまう結果になってしまいました。

これにより、八尾市の市民団体がこの楽曲に対して猛抗議をし、そのことがニュースや新聞などで報じられるなど、悪い意味で大きく世間に広がり、河内弁に対するマイナスイメージが浸透してしまったのです。

怖い・汚いイメージの河内弁一覧

よく聞く大阪弁と比較して、河内弁の言葉のイメージだけは特別怖い・汚いという印象を受けています。それでは、特にどのような河内弁が怖い・汚いというイメージがあるのでしょうか。

河内弁の中でも怖い・汚いイメージがある方言と、その方言の実際の使い方や言葉の意味をご説明いたします。

1.「おんどれ」

「あなた」「お前」「君」という二人称を示す言葉として、河内弁での「おんどれ」という方言があります。訛りが強くなると、「おどれ」「おどりゃあ」「おんどりゃあ」と、さらに語気が強い言葉遣いになります。

「おんどれ」と似た意味を持つ二人称を示す言葉として、「われ」という言葉も同じく「あなた」「君」「お前」といった意味を持っています。

河内弁「おんどれ」の使い方《例文紹介》

河内弁は、相手を圧倒する威圧感を覚えることから、そのどれもが喧嘩腰の口調に聞こえるかもしれませんが、「おんどれ」という言葉は単なる二人称として使われているので、普段の日常会話として使用されています。

おんどれ、話聞いてんのけ? あなた、話を聞いてますか?
おんどれ、一点張りやな あなたは融通がききませんね

2.「ぬかす」

「ぬかす」という言葉は、「言う」「しゃべる」「話す」といった意味を持っています。単なる「言う」「しゃべる」という言葉ではなく、それらを強調する際に「ぬかす」という言葉を使うことが多くあります。

河内弁「ぬかす」の使い方《例文紹介》

こちらの「ぬかす」という方言は、日常的に使うよりも、相手の言葉に疑問を持ったり、相手の発言に注意を呼び掛けるときに使う傾向があります。

何ぬかしとんど、われ? 何を言ってるんですか、あなたは?
げすいことぬかすな 下品なことを言うな

3.「いちびる」

「いちびる」という方言は、「調子に乗る」「ふざける」「いたずらする」などの意味を持っています。

特に子供に対して使うことが多く、「いちびってばかりいるさかい、怪我すんねやろ!」と、「はしゃいで騒いでいるから、怪我をするんでしょ!」と、たしなめるときに使います。

河内弁「いちびる」の使い方《例文紹介》

また、「いちびり」という方言では「目立ちたがり屋」「お調子者」という意味を指しています。

いちびるな! 騒ぐな!
あいつ、いちびりやな あの人はお調子者だ

4.「いぬ」

一見すると、「いぬ」という方言は、「いない」という意味に捉えられてしまいがちですが、河内弁では「いぬ」は「帰る」「退出する」という言葉の意味を持っています。「ほな、ぼちぼちいぬわ」というように、会話から離脱するときに使います。

河内弁「いぬ」の使い方《例文紹介》

また、自分自身に対して使うだけではなく、相手に対して使う場合は「いね」と命令形になります。「はよいね!」は、語感だけで捉えると突き放されたように感じますが、「早めに帰りなさいよ!」と、相手の行動を促す以上の意味は持っていません。

はよ、いね! 早く帰りなさい!
ほなら、わし、いぬわ そうしたら、私は帰りますね

5.「おちょくる」

「おちょくる」という方言は、「からかう」「ちゃかす」「馬鹿にする」といった意味を持っています。「いちびる」と同様に、「ふざけるな」という意味で使っている場合もあります。

河内弁「おちょくる」の使い方《例文紹介》

相手の態度が横柄だった場合に、堪忍袋の緒が切れて「おちょくるのも、たいがいにせえよ」と、注意をする意味で使うことがあります。その他にも、相手のからかいに対して「何おちょくっとんねん」と、ツッコミのように使うこともあります。

おんどれ、何おちょくっとんねん あなた、何を馬鹿にしているんですか
おちょくるのも、たいがいにせえよ 馬鹿にするのもほどほどにしてください

6.「いわす」

「いわす」という方言は、相手との喧嘩の時や、怒ったときに使います。この方言には、「相手を負かせる」「痛めつける」という意味が含まれています。

河内弁「いわす」の使い方《例文紹介》

また、相手に対して言うのではなく、自分に対して「いわす」と使う場合は、「痛めた」という意味で使います。特に体の部位を負傷した際に、「腰いわしたわ」と、「腰を痛めてしまった」といった意味で使われます。

いわしたろうか! やっつけてやろうか!
腰いわしたわ 腰を痛めてしまった

7.「さらす」

「さらす」という方言は、「する」という言葉を強調した意味を持つ方言となっています。「ぬかす」と同じく、日常的に使うのではなく、相手に対して注意喚起を促すときに使います。

河内弁「さらす」の使い方《例文紹介》

注意喚起の他にも、「えげつないこと、さらしよる」と、相手の行動に対して「なんて酷いことをするんだ」と、怒りを持って使うこともあります。

えげつないことさらしよる 酷いことをする
何さらしとんど、われ 何してるんですか、あなた

8.「しばく」

「しばく」という方言は、「殴る」「蹴る」「暴力を振るう」といった意味で使われる言葉です。相手の行動に対して、怒りを感じた時に「しばくぞ!」と、怒りを表現する言葉として使われています。

中には、冗談で「しばくぞ!」と言うケースもあるので、相手の表情を見て、どちらの意味で使っているのかを確かめる必要があります。

河内弁「しばく」の使い方《例文紹介》

また、その他にも、どこかへ「食べに行く」「飲みに行く」「遊びに行く」といった意味でも「しばく」という方言が使われます。

ええかげん、しばくぞ! いい加減にしないと、怒りますよ!
茶しばきにいこか お茶を飲みにいきましょうか

9.「けったい」

「けったい」という方言は、「変な」「奇妙な」「おかしな」「不思議な」といった意味を持っています。疑問や不思議に思ったことに対し、「けったいな本や」「けったいな人やな」といったように「けったい」という方言が使われます。

河内弁「けったい」の使い方《例文紹介》

相手を否定する意味で使うのではなく、「ちょっと変わった人だな」「不思議な人なんだな」という気持ちで「けったい」という方言を使うことが多くあります。

けったいな奴やな おかしな人ですね
けったいな格好しよる 不思議な格好をしている

10.「けったくそわるい」

「けったくそわるい」という方言は、「いまいましい」「不愉快だ」「気分が悪い」「イライラする」などの意味を持っています。相手の言動に対してイライラしたり、体の調子が悪いときに「けったくそわるい」という言葉を使います。

河内弁「けったくそわるい」の使い方《例文紹介》

漢字では「卦体糞」と書き、それが訛って「けったくそ」となりました。「卦体」という言葉は、元々占いの結果を示す言葉であり、占いは「奇妙なこと」という意味も含んでいたことから、「縁起」の意味にも使われていました。

そのため、「けったくそわるい」という方言は、「縁起が悪い」状態に陥ったときに、使われる機会が多くあるのです。

なんや、けったくそわるいの なんだか、むかついて気分が悪い
あー、けったくそわる ああ、イライラするなあ

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口は汚いが人情味のある河内弁

河内弁に対して、言葉の語感の強さや威圧感を感じて恐怖を感じてしまうかもしれませんが、誰もが喧嘩をしようと思ってこのような言葉を使っているのではなく、地元の言葉として親しんで使っている人がほとんどです。

他の大阪弁と同じく、河内弁を使う人は地元愛に溢れた人情味のある人ばかりなので、偏見を持ちすぎず、河内弁のクセの強さも一つの個性として、尊重していきましょう。

関西の方言はこちら!

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