ホンジュラスの治安は悪い?観光や旅行での危険度や注意点も紹介

世界一危険と言われるほど治安の悪い国の一つであるホンジュラス。とにかく治安が悪いとされており、観光旅行で行くには注意が必要な国のように思えますが、ホンジュラスは本当に観光するには危険な国なのでしょうか?ホンジュラスへ旅行する際の注意点もご紹介します。

ホンジュラスの治安は悪い?観光や旅行での危険度や注意点も紹介のイメージ

目次

  1. 1ホンジュラスの治安が悪すぎるって本当!?
  2. 2ホンジュラスとはどんなところ?
  3. 3意外と身近?日本人とホンジュラスの関係
  4. 4ホンジュラスの治安の危険度は?
  5. 5ホンジュラスの治安状況
  6. 6ホンジュラスで治安が悪い危険地域6選
  7. 7ホンジュラスへ旅行する際の注意点
  8. 8ホンジュラスの観光スポット3選
  9. 9危険度が低い地域もあるもののやっぱりホンジュラスは危ない国

ホンジュラスの治安が悪すぎるって本当!?

ホンジュラスについて調べると「世界一治安の悪い国」や「殺人事件発生率ワースト1位」など非常に危険な単語がずらりと並びます。平和な日本に住んでいるとホンジュラスの治安の悪さや危険度はどこか映画や漫画中の話のように思えるかもしれません。

今回はそんなホンジュラスの治安や危険度について都市ごとに解説していきます。旅行の際は、ホンジュラスは治安が悪いということを理解した上で向かいましょう。

ホンジュラスとはどんなところ?

ホンジュラスという国名を聞いても「それってどこ?」と思う人は多いのではないでしょうか。ホンジュラスが位置するのはアメリカ大陸の真ん中、中央アメリカ(中米)です。

周りをグアテマラ、エルサルバドル、ニカラグアという国々とカリブ海、太平洋に囲まれた国で、非常に貧しい国だとされています。人口は約800万人、国土面積はなんと島根県程度の大きさしかありません。

公用語はスペイン語で、一部の男性は英語教育を受けていますが、女性の識字率は低いとされています。

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意外と身近?日本人とホンジュラスの関係

観光地や旅行先としてはあまり馴染みのない国のように思えるホンジュラスですが、実は意外と身近にホンジュラスのものがあるんです。それが、コーヒー豆。ホンジュラスの土地は非常にコーヒー栽培に適しており、世界中のコーヒー生産量の4%を占めています。

ホンジュラスコーヒーは酸味と苦味のバランスがよく、飲みやすいのが特徴です。近年では輸出量も増え、日本にもたくさん輸入されるようになっているので、見かけた際はぜひホンジュラスコーヒーを味わってみてください。

そのほか、スーパーではホンジュラス産メロンも並びます。標高が高く、熱帯気候で日照時間の長いホンジュラスはメロンの栽培にも向いています。

カリビアンスウィートと呼ばれるホンジュラス産メロンは2016年に日本への輸入が始まったばかり。今後、デザートやスイーツなどでも使われるようになるかもしれません。

ホンジュラスの治安の危険度は?

それでは、気になるホンジュラスの治安の危険度はどの程度なのでしょうか?ホンジュラスの治安を悪化させている原因は大きく分けて三つ。ギャングと麻薬と貧困です。

ギャングと麻薬と貧困という3つの要因が複雑に絡み合い、悪循環に陥ることでホンジュラスの治安が悪化していると言えるでしょう。

ホンジュラスのギャングって?

ホンジュラスの街中を歩いていると異様に目に付く集団がいたりしますが、彼らは「マラ・サルバトルチャ(Mara Salvatrucha)」という中米を中心に活動しているギャングです。通称「マラス」や「マラ18」、「MS-13」などとも呼ばれています。

ホンジュラスで起きる凶悪犯罪の中心になっているのはこのギャングたちで、縄張り争いや銃器・薬物の密売を巡る抗争などで拳銃を用いて殺人事件を起こします。流れ弾に当たって一般市民が犠牲になることもあるようです。

また、ギャングたちはお店の店主やバスのドライバーのような一般市民からいわゆる「みかじめ料」を徴収し、資金源の一つとしています。みかじめ料の支払いを拒んだ市民は殺害されたり、放火されたりと大きな事件に巻き込まれています。

ホンジュラスの麻薬って?

ホンジュラスはアメリカ大陸の真ん中にある国。実は、ホンジュラスはその立地上、コロンビアやベネズエラのような南米からアメリカへ向けて麻薬が運ばれる中継地点になっているのです。

そのため、ホンジュラス国内には麻薬が大量に流入することになり、麻薬が絡んだ犯罪や争いなどが多発しています。特に、グアテマラやエルサルバドルとの国境付近では犯罪組織の活動が非常に活発になっているので注意が必要です。

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ホンジュラスの貧困って?

ホンジュラスが貧困と暴力という闇から抜け出させない理由の一つとして、19世紀後半にアメリカによってホンジュラス、グアテマラ、エルサルバドルに置かれたコーヒー、バナナなどの大規模プランテーションが挙げられます。

自給するための農地をプランテーションにされた上、安い賃金、長時間労働で人手が取られたため、ホンジュラスをはじめとした3国では飢餓と貧困が深刻な問題となりました。

また、1960年代~1970年代にグアテマラやニカラグアで起こった反政府戦争の影響も、労働力不足、国内に残された大量の武器や兵器などの形で色濃く残っていると考えられます。

外務省ではレベル2

そんなホンジュラスの危険度は外務省が発する海外危険情報では危険レベル1~2。首都であるテグシガルパやグアテマラ、エルサルバドルとの国境付近では「不要不急の渡航は止めてください」という注意情報が出されています。

2011年にホンジュラスは殺人発生率で世界最悪となり、非常に治安の悪い国として悪名を馳せました。それ以降、徐々に発生率は下がってきていますが、それでも、最新のデータでも一日あたり約11人が殺害されており、危険なことに変わりはありません。

ホンジュラスの治安状況

それでは、ここからはホンジュラスの治安状況を詳しく見ていきたいと思います。非常に治安が悪いホンジュラスでは、旅行客を狙った犯罪行為が横行しています。

どのような犯罪が行われているかを知り、実際にホンジュラスを訪れた際に被害に遭わないように注意しましょう。

ひったくり

日本でも起きる可能性の高い犯罪の一つがひったくり。ホンジュラスでは徒歩での移動中のみならず、バスやタクシーを待っている間に車の中から手が伸びてきて荷物をひったくられるなんてこともあるようです。

片時も荷物は手離さない、鞄のファスナーは常に締めるなどの注意が必要です。

喧嘩

ギャングが多く治安の悪いホンジュラスでは、喧嘩もただの喧嘩ではありません。ギャング同士の抗争では拳銃を使用した争いが当たり前。流れ弾が飛んでくることもあるようです。

また、麻薬が絡んだケンカも多く、日本で考える喧嘩とはまったく様相が異なります。運悪く街中で喧嘩の場面に行きあたってしまったら、素早くその場を立ち去るようにしましょう。

スリ・置き引き

ホンジュラスに限らず、海外で多いのがスリや置き引きです。ホンジュラスでは犯罪者がグループを組んで獲物を探しています。一人が話しかけ、その隙に他の人間が荷物を奪ったり、複数人で囲って身動きを取れなくしたりと非常に厄介です。

麻薬

すでにお伝えしたようにホンジュラスには大量の麻薬が流入してきています。リゾート地などで外国人に麻薬を売りさばく売人の姿が見られることもあります。麻薬取引の現場に出くわしてしまったら、関わらないように一刻も早くその場から離れましょう。

白タク

白タクや流しのタクシーは個人で違法に営業しているものが大多数です。それらは、料金は交渉制、ボロボロの車体、風体の良くないドライバーと散々です。中にはフロントガラスが割れていたり、シートに穴が開いていたりすることも。

ただでさえ危険なホンジュラスで白タクに乗るのはあまり賢い方法とは言えません。ホンジュラスでタクシーを利用する場合は、値段は少し高くなりますが「ラジオタクシー」と呼ばれる無線タクシーを使いましょう。

無線タクシーは電話を使って呼ぶことができます。会社が運営しているタクシーなので料金設定がちゃんとあり、ドライバーの対応も白タクよりは丁寧です。ラジオタクシーはどうしても値段が高くなってしまいますが、自分の命はお金には代えられません。

路線バス

ホンジュラスのバスには1等バスと2等バスがあります。1等バスは目的地までノンストップで運んでくれる長距離バスで、管理がしっかりと行き届いています。1等バスではそれぞれの荷物にタグを付けてくれるので取り間違えなども起こりません。

2等バスは各地にあるバス停に停車するいわゆる路線バスです。治安の悪い地域のバス停にも停車し、様々な人が乗ってくる乗り合いのバスとなっています。2等バスは非常に治安が悪く、荷物の管理が行われないどころか、車内で強盗やスリが横行しています。

ホンジュラスでの移動では、可能な限り1等バスを利用するのがいいでしょう。

ホンジュラスで治安が悪い危険地域6選

ホンジュラス国内の治安について見てきました。非常に危険の多い国だということがお分かりいただけたのではないでしょうか。ここからはホンジュラスの都市ごとの特徴を見ていきます。

ホンジュラスには首都サンペドロスーラを有するコルテス県のほか、全部で18の県があります。特に、グアテマラやエルサルバドルとの国境付近にある県は外務省によって危険度レベル2が設定されており、危険な地域と言えるでしょう。

1.サンペドロスーラ

サンペドロスーラ市があるコルテス県はホンジュラスの中でもっとも強盗、窃盗事件の発生率が高い県。その中でも殺人発生率が一番多い都市がサンペドロスーラ。サンペドロスーラが殺人発生件率世界一の凶悪都市と呼ばれる所以(ゆえん)です。

次にご紹介するホンジュラスの首都であるテグシガルパよりもギャングが多く集っているという情報もあり、非常に危険で治安の悪い都市であると言えるでしょう。

【危険度】★★★★★

2.テグシガルパ

ホンジュラスの首都、テグシガルパでは日本人が襲われる事件が多く発生しています。サンペドロスーラ同様にマラスの構成員が多く居住し、滞在には細心の注意を払う必要があります。

比較的きれいなバスターミナルがありますが、利用は乗り換えのみとし、無闇にターミナル内をうろついたり、外に出たりしないようにするのが賢明です。首都ということもあり、価格の安いホテルなどもありますが宿泊は控える方がいいでしょう。

【危険度】★★★★★

3.ラ・セイバ

ラ・セイバ市のあるアトランティダ県の強盗、窃盗事件発生件数はコルテス県に次いで2位。ラ・セイバはカリブ海に面する位置にある都市のため、カリブ海の玄関口ダイビングリゾート地としても知られていますが、同時に麻薬密輸のルートにもなってしまっています。

そのため、麻薬組織に属する犯罪者の姿も多く見られ、旅行者が訪れることの多いラ・セイバでも強盗や誘拐などの事件が発生しています。

【危険度】★★★★

4.バホ・アグアン

ホンジュラスの北東部に位置するバホ・アグアンでは、長年土地の所有権を巡って農民と実業家の間で争いが続けられています。両者の衝突に絡んで襲撃や殺人事件が発生し、治安の悪化を招いていると考えられます。

【危険度】★★★★

5.コマヤグア

コマヤグア県における殺人事件のほとんどがホンジュラスの首都にもなったことのあるコマヤグア市で発生しています。その他、山間部においては強盗団の活動も見られ、警察との銃撃戦に発展することも。

【危険度】★★★★

6.コパン

古代マヤ文明の大都市としてユネスコの世界遺産にも登録されているコパン遺跡はホンジュラスの観光名所の一つ。そんなコパン遺跡があるのがコパン・ルイナスという街です。

コパン・ルイナスの街並み自体はのどかで平穏な雰囲気があり、実際に滞在した人の話では「想像していたよりはるかに治安がいい!」とのこと。

しかし、コパン・ルイナスがあるコパン県は観光名所ということもあり警備が強化されているにもかかわらず、他の地域同様、殺人事件などが発生しています。

また、コパン県はグアテマラとの国境ということもあり、麻薬組織の活動も見られるため、危険な地域であることに変わりはありません。

【危険度】★★★★

ホンジュラスへ旅行する際の注意点

世界一危険な国だと言われながらも、ホンジュラスを訪れる人はゼロではありません。それでは、ホンジュラスへ旅行する際に注意するべきポイントにはどのようなものがあるのでしょうか。

徒歩で出歩かない

まず、一つ目の注意点として必ず徹底したいのが、街から街への移動や観光名所巡りなどをする場合、徒歩で出歩かないということ。ホンジュラスの街の中を一人でうろうろしていてはスリや強盗などの格好の的です。

現地で長く住む人でも、盗られる可能性のある荷物を所持している場合は、どんなに短い距離でもタクシーを使うというコメントもありました。観光客であればなおさら、移動の際は必ずラジオタクシーか1等バスを利用するようにしましょう。

夜間は外出しない

ホンジュラスは日中でも堂々と犯罪が起きる可能性のある国ですが、夜になれば事件の発生率は更に上がります。明るい中でも異様な雰囲気を持つ街中が、暗くなると余計にその恐ろしさを際立たせます。

薄暗くなって人の顔が見分けづらくなったな、と思ったらすぐに宿泊先に戻って戸締りをして朝が来るのを待ちましょう。

派手な服装やアクセサリーをしない

基本的に海外の人たちからすると日本人はお金を持っている人種だという認識があります。そのため、旅行だからといって派手な服装やアクセサリーでオシャレをするのは「お金を持っています」と自らアピールしているようなもの。

ホンジュラスのような治安の悪い国を訪れた際は、できるだけ地味な服装で目立たないように過ごすことが大切です。

カメラやスマホを路上で使用しない

ホンジュラスのように貧しい国で生活する人々にとって一眼レフのカメラやスマホは非常に高価なアイテムです。街中でそれらを使用することによって、強盗に遭う可能性が非常に高くなってしまいます。

旅先の風景をカメラに収めたり、情報を収集したりすることも大事ではありますが、やむを得ず使用する場合はさっと使ってすぐに鞄の中にしまうようにしましょう。

誰が来てもホテルのドアは開けない

「訪問者をよく確認せずにドアを開けたら、目の前に銃を持った強盗がいた」日本では考えられないようなことですが、治安の悪いホンジュラスではごく当たり前のように起こり得ます。

また、親切そうに見えた人も実は犯罪者だったということ少なくありません。訪問者がどんなに人の好さそうな顔をしていても、知らない人間ならドアは開けないようにしましょう。

ホンジュラスでは「基本的に他人のことは信用しない」という気持ちを持つことが重要かもしれません。

ホンジュラスの観光スポット3選

ホンジュラスの治安の悪さや危険度をご紹介してきました。ここからは、ホンジュラスの観光スポットをご紹介していいきます。

治安の悪さばかりが取りざたされていますが、ホンジュラスにはコパン遺跡をはじめ魅力的な観光スポットがあります。いつかホンジュラスが安全な国になったら行ってみてはいかがでしょうか。

1.コパン遺跡

ホンジュラスの西部にあるコパン遺跡は古代マヤ文明の頃の大都市の跡。精巧な造りの遺跡が非常に良い状態で残っているのを見ることができます。圧倒的な雰囲気を持つ彫刻群が数多く残っており、神秘的で厳かな空気を感じ取れること間違いなし。

1980年にはユネスコ世界遺産にも登録されているという価値のある遺跡です。ホンジュラスの観光地の中でも、訪れる価値のある観光名所の一つだと言えるでしょう。

2.天使の谷

首都であるテグシガルパから車で30分のところにあるバジェ・デ・アンヘレス。日本語で「天使の谷」という名前の小さな街です。治安の悪化したテグシガルパとは打って変わって、のんびりとした空気の流れる穏やかな雰囲気が魅力。

工芸品やアクセサリーのようなお土産を売っている露店が並んでいたり、本格的な美術館があったりと「天使の谷」という名前通りの平和な時間が過ごせます。

3.ロアタン島

世界でもっとも美しいビーチの一つとしても数えられるロアタン島はカリブ海に浮かぶホンジュラス領の島です。美しいビーチはもちろん、スキューバダイビングのライセンスを安く取得できることも人気の秘訣。

危険なホンジュラス本土経由ではなく、アメリカ経由で向かうことができるのも嬉しいポイントです。ただし、外務省の危険情報ではロアタン島の危険度もレベル1。ロアタン島であってもしっかりと自衛の心を持つことが重要です。

危険度が低い地域もあるもののやっぱりホンジュラスは危ない国

いかがでしたか?ホンジュラスについて国全体の治安や都市ごとの様子、観光や旅行での注意点などをお伝えしました。

外務省によると首都や国境付近などは危険度はレベル2に設定されており、不要不急の渡航は避けなければなりません。また、その他の地域においても全土でレベル1の危険が予測されます。

実際にホンジュラスを訪れたり、滞在したりする人もいますが、危険な土地への旅行に慣れてない人や面白半分の観光目的の人にとっては、決して訪れるべき国ではないと言えるでしょう。

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