ベネズエラの治安は最悪!カラカス旅行の危険性や注意点も紹介

世界でもっとも危険な国の一つであると言われるベネズエラって本当に危険なの?治安は?何に注意すればいいの?などベネズエラ旅行の安全性について調査しました。治安悪化の原因や旅行時におすすめの安全対策など注意事項もご紹介します。

ベネズエラの治安は最悪!カラカス旅行の危険性や注意点も紹介のイメージ

目次

  1. 1ベネズエラは危険な国?治安はどうなの?
  2. 2ベネズエラとはどんなところ?
  3. 3ベネズエラが抱える政治的な問題
  4. 4ベネズエラの治安が最悪な原因
  5. 5ベネズエラの治安が悪い危険な地域
  6. 6ベネズエラを旅行する際の安全対策
  7. 7その他ベネズエラで注意したいこと
  8. 8ベネズエラの観光スポット3選
  9. 9闇両替はアウトな行為
  10. 10ベネズエラの治安の悪さは折り紙付き!興味本位な旅行は控えて

ベネズエラは危険な国?治安はどうなの?

世界で一番危険な国としてホンジュラスや南スーダン、ナイジェリアなどに並んでトップに挙げられるベネズエラ。

失業率も高く、長期間インフレが続いている国ですが、ベネズエラの治安はどのくらい悪いのでしょうか。治安悪化の原因や背景について詳しく見ていきます。

また、ベネズエラに旅行する場合に必要な安全対策についてもポイントを説明します。特に治安の悪い地域や注意するべき行為などもあわせてご紹介していきます。

ベネズエラとはどんなところ?

ベネズエラの正式な国家名は「ベネズエラ・ボリバル共和国」です。ベネズエラが位置するのは南アメリカの北部。西はコロンビア、南はブラジルといった国と国境を接し、北側はカリブ海に面している国です。

首都はカラカス、公用語はスペイン語。人口は約3,000万人とされています。ちなみに、南アメリカ大陸にある国々のうちでも自然が豊かなことでよく知られています。

ベネズエラはかつては南米トップレベルの経済レベルを誇る国でしたが、相次ぐ失策のために国力が低下。今では国民の8割が飢えに直面しているような状況です。経済の面でも治安の面でも大変な危機的状況に陥ってしまっている国だと言えるでしょう。

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ベネズエラが抱える政治的な問題

ベネズエラは元々莫大な石油資源を持つ国であり、1980年代までは豊かな国の一つとして数えられていました。しかし、貧富の格差や政権の腐敗と失策などにより次第に国勢は傾いていき、現在に至るまで深刻な貧困問題、治安の悪化のような社会問題を抱えています。

2019年現在では、ベネズエラ国内にマドゥロ氏とグアイド氏という2人の大統領が並び立つという異様な状況に陥っています。旧体制を引き継ぐマドゥロ政権と大統領選挙の再実施を叫ぶ反マドゥロ政権の暫定大統領グアイド氏が争っているという構図です。
 

ベネズエラが陥っている経済破綻はマドゥロ政権以前からの政策の失敗が大きな原因となっていると考えられています。しかし、マドゥロ政権はこれを認めず、米国をはじめとした海外諸国からの支援物資の受け入れを拒否。

反対にグアイド暫定政権は各国に支援を求めていますが、支援物資の搬入はマドゥロ政権によって阻止されている状況です。このように不安定な政治が、ベネズエラにおける食料や医薬品の欠乏、物価上昇、治安悪化などの問題解決を阻害していると言えるでしょう。

ベネズエラの治安が最悪な原因

ベネズエラの危機の大元の原因だと考えられる政治状況について簡単にご紹介しました。ベネズエラでは国内全土で危ない状況が長く続いているようです。もはや、ベネズエラには安全だと言える場所は存在しないのかもしれません。

それでは、そんな凶悪な国と化してしまったベネズエラの治安が悪化した具体的な原因とはどのようなものが挙げられるのでしょうか。

不況による失業者の増加

治安悪化の原因の一つが不況による失業者の増加です。お伝えしたとおり、ベネズエラの経済はすでに破綻していると言っても過言ではありません。その状況はなんと169万%のハイパーインフレ、35%を超える失業率として数字に表れています。

マドゥロ政権前のチャベス政権とマドゥロ政権による失策が原因となり国内の産業は衰退。人々は働く場所を失い、お金を得る手段を失い、どんどんと困窮していったのです。

そういった貧困問題の解決、失業率の改善を求めて、ベネズエラではデモや抗議集会などが頻繁に発生していますが、治安当局との衝突で多数の死傷者が出る事態に陥っており、治安の悪化に拍車をかけています。

警察官の不足

治安悪化のもう一つの原因が警察官の不足です。本来、市民の安全を守る存在であるはずの警察官の数がベネズエラでは圧倒的に足りていません。

警察官が不足している理由としては、警察官の待遇の悪さが挙げられます。最低賃金程度のお金、不十分な装備などが原因で警察を辞める人がとても多いのです。

また、ベネズエラの刑務所はどこも常時収容率100%を超えており、逮捕された犯人がすぐに仮釈放となってしまいます。こういった状況もやる気の低下に繋がっており、ベネズエラでは警察官を離職する人が後を絶ちません。

ベネズエラの治安が悪い危険な地域

ここまでは、ベネズエラの国全体の治安状況についてご紹介してきました。治安の悪化と言っても国外との紛争ではなく、国内政治の影響が強いことがお分かりいただけたのではないでしょうか。

続いてはベネズエラの国の中でも特に危険な治安の悪い地域についいてご紹介します。中でも特に注意が必要な二つの地域について見ていきましょう。

ブラジルとの国境地帯

ベネズエラの中でも特に危険だとされるのは、ブラジルとの国境地帯です。外務省の海外安全ホームページでは、この地域の危険レベルは3の「渡航は止めて下さい」という渡航中止勧告になっています。

すでにお伝えしたように、マドゥロ政権下では国内において海外からの支援物資を受け取ることができません。そこで、ベネズエラ宛の支援物資は隣国であるブラジルやコロンビアなどの国へと届けられます。

しかし、2019年2月、支援物資を搬入しようとする人々とそれを阻止しようとする治安当局および政権を支持するギャングたちの間で激しい衝突が勃発。多くの死傷者が発生することとなりました。

支援物資は今後も継続して届けられる予定のため、国境付近の地域は非常に危険な状況が続きます。国境付近は安全からもっとも離れたエリアだと言えるでしょう。

【危険度】★★★★★

カラカス首都圏

ベネズエラの首都であるカラカスも非常に危険な地域となっています。外務省の海外安全ホームページで指定されている危険度は、国境地帯と同じくレベル3です。

カラカスでは政権交代を求めるデモや生活インフラの向上と整備を求めるデモなどが頻発。デモの参加者はしばしば暴徒化し、治安当局と衝突する事態となっています。

衝突の際には、銃器が使われることもあり死傷者も多数発生しています。自分がデモに参加していなくても流れ弾に当たる可能性もあります。国の状態が落ち着くまでは絶対に近寄らないようにしましょう。

【危険度】★★★★★

ベネズエラを旅行する際の安全対策

外務省の海外安全ホームページによるとベネズエラの危険度は最低でもレベル2の「不要不急の渡航は止めてください」となっています。これはベネズエラ全土において非常に危険性が高いことを示しています。

しかし、中にはどうしてベネズエラに渡航せざるを得ない人もいるかもしれません。そんな人のためにベネズエラを旅行する際の安全策をご紹介します。

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移動は公式タクシーを利用

ベネズエラに限らず、危険な地域では流しのタクシーや白タクと呼ばれる個人のタクシーは使用しないようにしましょう。

違法なタクシーを利用してぼったくりに遭う程度ならまだマシです。知らない場所に連れていかれて命が危険にさらされることもないとは言い切れません。お金で安全が買えるのであれば安いものです。

また、徒歩の移動も誘拐や強盗の危険が高くおすすめできません。ベネズエラ国内の移動は短い距離であっても、公式のタクシーを利用するようにしましょう。

カラカス市内の安宿は利用しない

カラカスは長引く不況のせいで非常に治安が悪化しています。日中であっても強盗のような事件が発生し、片時も気を抜くことができません。

そんなカラカスにはバックパッカー用の料金の安い宿がいくつもありますが、そのようなホテルがあるエリアはカラカスの中でも特に注意が必要な地域です。

一泊や二泊のお金を気にして安い宿に泊まるのは自分の命を天秤にかけているようなもの。できるだけ世界的に名の知れた有名ホテルに宿泊するようにしてください。

旅行者とわかる行動は控える

観光客はお金を持っていることが多く、どうしても現地では犯罪に巻き込まれやすくなってしまいます。特に、日本人はお金を持っているという認識を持たれているため、注意が必要です。

派手な格好をしない、カメラを首からぶらさげない、長時間スマホを触らないといった行動に気をつけ、常に周りを警戒しておくことに越したことはないでしょう。

夜間の一人歩きはしない

ベネズエラでは警察官が不足していることもあり、日中であっても犯罪件数が増加しています。日中でさえ平気で犯罪が起こる地域なのですから、夜ともなれば余計に危ないことは子どもでも分かります。

夕方だからまだ大丈夫だとは思わず、薄暗くなってきた時点でホテルに戻り、大人しく朝が来るのを待つようにしましょう。

その他ベネズエラで注意したいこと

ベネズエラを訪れた際に気をつけるべきポイントを具体的に挙げました。どのポイントも国を問わず海外旅行をする時には気をつけたいことばかりです。

しかし、世界一治安が悪いとされるベネズエラで注意したいことはそれだけではありません。治安悪化の一途をたどるベネズエラでは、他にも注意するべきことがあります。

偽警官・軍人

「高級ホテルに泊まっていたら、突然部屋に警察が訪れたのでドアを開けたら強盗だった」このような事件がベネズエラでは当たり前のように起こります。こういった偽の警察官や偽の軍人などによる被害は後を絶ちません。

どんなに信頼できる見た目であっても、知らない人から訪問された場合はドアを開けないようにしましょう。あまりにしつこい場合はフロントに問い合わせるのも一つの手です。

また、ベネズエラでは警察官の地位や給料が低く待遇が悪いことから、現職の警察官が誘拐などの犯罪に手を染めているパターンもあります。警察の制服を着ていても安易に信用しないようにしましょう。

暴動・クーデター

不況と混乱が続くベネズエラでは市民による反政府運動が活発に行われています。デモや抗議集会も頻繁に開かれ、一部参加者が暴徒化するという事態に発展したこともあります。

そういった暴動やクーデターは首都カラカスをはじめ、ベネズエラ全土で発生する可能性があります。政治的に混乱しているうちはいつどこで起こってもおかしくはありません。

ベネズエラ国内が混乱している間は観光などは諦め、用がある時以外は極力外出は控えるようにすることをおすすめします。

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ベネズエラの観光スポット3選

ベネズエラのことを知れば知るほど、旅行には不向きな国のように思えますが、実はベネズエラへは世界中から多くの旅行者が訪れています。危険を冒してまでも見たい!と人々が熱狂するベネズエラの観光スポットをご紹介します。

1.エンジェル・フォール

ベネズエラの有名な観光スポットと言えば、エンジェル・フォールと呼ばれる雄大な滝。地上から約1,000メートル上空までそびえるテーブルマウンテンと呼ばれる絶壁から流れ落ちる荒々しい滝は、見る者に畏怖の念を起こさせます。

あまりに上空から落ちてくるため、大量の水は途中で霧となって霧散します。その結果、この滝には滝つぼが存在しません。ベネズエラでは、まさに「絶景」と呼ぶにふさわしい光景を眺めることができます。

2.ギアナ高地

ギアナ高地はベネズエラの他、コロンビアやブラジルなど6つの国と地域にまたがっている世界最後の秘境です。上でご紹介したエンジェル・フォールがあるのもこのギアナ高地。手つかずの自然が残る秘境として多くの旅行客を魅了する土地です。

ギアナ高地の中心部にはベネズエラのカナイマ国立公園があり、その面積はなんと3万平方キロメートル。中国地方の大きさに相当します。

カナイマ国立公園は1994年、ユネスコの世界遺産にも登録された非常に貴重な場所で、あまりに広い公園内には未だに人類が足を踏み入れたことのないエリアも存在するほど。そんな世界最後の秘境にはまだ見ぬ動植物が息づいているかもしれません。

3.ボリーバル広場

「ボリバル広場」とも呼ばれる広場は、南アメリカ独立運動の指導者であるシモン・ボリバルを称えて作られた広場です。ベネズエラだけでなく、コロンビアやペルーにも同じ名前の広場が存在します。

ベネズエラのボリーバル広場は首都カラカスの中心にあり、広場の周りには市役所や教会、政府の機関など重要な建物が配置されています。

広場中央にはシモン・ボリバルの像が立ち、市民の憩いの場ともなっていますが、カラカス内ということもあり治安の悪さは否めません。旅行者にとっては非常に危ない場所になりますので、近寄らない方が賢明です。

闇両替はアウトな行為

経済が破綻してしまっているベネズエラでは、正規レートと闇レートという二つの換金方法が存在します。旅行者にとっては、当然闇レートの方がお得ではありますが、単純にお得だからといって闇レートで換金することはおすすめできません。

闇レート取引はあきらかに法律違反。警察までが腐敗しているベネズエラで違法な行為に手を出すことは大きな危険を伴う行為です。みんながやっていることだからといって安易に手を出さないようにしましょう。

ベネズエラの治安の悪さは折り紙付き!興味本位な旅行は控えて

いかがでしたか?ベネズエラの治安の悪さやその原因、旅行時に注意するべきことなどをご紹介しました。

実際にベネズエラを訪れている日本人もたくさんいますが、国ごと経済危機に陥っているベネズエラは、もはやいつ何が起こってもおかしくない状況です。ベネズエラの国内に安全な場所はないと言っても過言ではないかもしれません。

外務省でも渡航を控えるよう警告がなされている通り、ベネズエラへの旅行は治安が安定するまでは避けた方が無難です。万が一、ベネズエラを訪れる際は細心の注意を払い、できるだけ危険を回避できるよう気を配って過ごすことが必要でしょう。

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