ウォルマートの日本進出は失敗?既に撤退した?現在まとめ

売上額では世界最大の企業であるアメリカ本社のスーパー「ウォルマート」。西友を買収して日本へ進出しましたが、最近では「ウォルマートと楽天の業務提携」というニュースもあり、話題になっています。日本に進出したウォルマートは、現在どうなっているのかまとめました。

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目次

  1. 1ウォルマートとは?
  2. 2ウォルマートの日本進出ってどうなったの?
  3. 3日本のウォルマート進出は失敗?
  4. 4日本のウォルマートの店舗数
  5. 5ウォルマートと日本のスーパーとの違いによる失敗
  6. 6日本のウォルマートもオンライン販売はあるの?
  7. 7日本のウォルマートの現在!売上・業績は?
  8. 8楽天との業務提携という新たな挑戦に挑むウォルマートに注目!

ウォルマートとは?

私たちの生活になくてはならないスーパーマーケット、日本全国に多くのスーパーマーケットの企業や店舗はありますが、世界的に有名なのがウォルマートです。

世界各国に進出し、日本にも進出していますが、街で名前を目にする機会は少ないです。ウォルマートがどのような会社なのかご紹介します。

アメリカで創業したスーパーマーケット

ウォルマートは、1962年にアメリカのアーカーソー州で創業しました。本社は、現在もアメリカのアーカーソー州にあります。

基本的には「EDLP(Everyday Low Priceの略)」という、販売戦略を敷いており、徹底的な安売りを行っています。特売日を設けて安売りをするのではなく、毎日いつでも安いを徹底することが、店舗運営の基本になっています。

現在は、日本をはじめ世界15か国に進出しています。店舗数は、全世界で約11000店舗、うち本社のあるアメリカの店舗数が約5000店舗と大きな割合を占めています。

売上金額は世界最大!

ウォルマートの全世界での売上金額は、最新の決算期(2018年1月期)で5003億4300万ドルと、過去最高を記録しました。日本円に換算すると、約50兆円強になります。

この売上金額は、本社のあるアメリカでは全企業で最大の売上金額になります。

世界を見ても、スーパーマーケットでは世界最大なのはもちろんですが。全世界の企業の中でも最大の売上なのです。

ちなみに、日本に本社のあるスーパーマーケットで、最大の売上金額のスーパーマーケットは、イオングループの約8兆2000億円です。

日本に本社のある会社で最大の売上金額を誇る企業は、トヨタ自動車の約27兆6000億円ですので、ウォルマートがいかに大きい規模なのかが分かります。

ウォルマートの日本進出ってどうなったの?

世界最大のスーパーマーケット・ウォルマートは2002年に日本進出を果たしていますが、ウォルマートの日本での展開は、現在どのようになっているのでしょうか?

西友と業務提携し日本進出!

ウォルマートは、2002年に西友と業務提携をし、日本進出を果たします。西友はバブル崩壊後から多額の不良債権を抱え、ピーク時には1兆円を超える不良債権を抱えていました。

西友はセゾングループの中核企業でしたが、セゾングループを離れて住友商事と提携します。しかし、業績は伸び悩んでいました。

その後、2002年にウォルマートとの業務提携が決まり、株式の一部をウォルマートが取得する形で、業務提携をすることになりました。

チラシを出さず毎日がお買い得という「EDLP」を推し進めましたが、チラシを見て買いに行く店を決める日本の文化に中々馴染むことが出来ず、ウォルマートとの業務提携をした当初は、年間1000億円以上の損失を出していました。

西友は、ウォルマートのノウハウやシステムを導入して経営の改善を図っていましたが、2005年末には西友はウォルマートの子会社になります。それでも業績は改善せず、低価格路線を推し進め、次々と値下げ策を実施し、業績の改善を図ります。

また、西友のブランド名で展開していたため、ウォルマートは日本から撤退したと思われることもありました。

「ウォルマート」という名前が浸透していないと考えられていたため、現在では日本国内でも「ウォルマート」の名前を前面に出すようになります。

東京都北区にある西友本社に「ウォルマート」のロゴを掲げるようになり、ウォルマートカードの発行、さらに将来的には店舗ブランドを「ウォルマート」に変えることを示唆しています。

なかなか西友の業績が改善しないため、「ウォルマートが日本から撤退するのではないか」という噂もありましたが、現在でもウォルマートは日本からは撤退せず、スーパーマーケット事業を展開しています。

楽天とも業務提携

2018年にはウォルマートと楽天が業務提携を発表しました。まずは、共同でネットスーパーを運営することが発表されています。

ネットスーパーという形態は、スーパー各社が力を入れている形態です。

日本ではネットスーパーを展開する一方で、アメリカでは楽天の電子書籍サービス「楽天Kobo」をウォルマートの量販店で独占的に販売をする方針です。

なお、日本で展開するネットスーパーは、専用の配送センターを設立して商品を発送します。加えて、西友の店舗から生鮮食品や加工食品を発送します。

加えて、楽天市場の商品も扱います。しかし、この発表について、ウォルマートは楽天と運営するネットスーパーに集中し、実店舗によるスーパーマーケット事業からは撤退するのでないと推測する方もいます.

しかし、商品の発送は、店舗から行うことを想定しており、今後も西友からは撤退せず、事業を行っていくことになっています。

日本のウォルマート進出は失敗?

ウォルマートが西友と業務提携をして、今年で16年が経ちました。ウォルマートの日本での子会社、西友の業績を見てみると、失敗し撤退するのではないかと言われています。

近年は、売上金額の増加や収益の改善が見られましたが、それでも売上・利益ともに改善が見られず、一時期は新規出店が凍結されていました。

既存店舗の改善、もしくは不振店舗の閉鎖があり、店舗数も減少の一途を辿っていました。このように、数字だけを見た場合、日本進出は失敗と言われています。地域によっては、大量閉店し西友が撤退したところもあります。


ウォルマートの販売手法は、それまでの日本のスーパーマーケットの販売手法と大きく異なり、日本の消費者に受け入れられなかったのが、失敗の原因と言われています。

そもそも西友は、ウォルマートの子会社になった段階で、経営危機の状態でしたが、その改善が見られないことからも、ウォルマートの進出合わせて、西友のウォルマート傘下入りは失敗だったのではないかと言われています。

一方、西友ではインターネットで注文を受け、個人宅に商品を発送する「ネットスーパー事業」をウォルマート提携する前の2000年から開始しました。

生鮮食品もなども発送しており、好評を得ていたので、楽天と提携し、それまでの実店舗での失敗を取り戻そうとしているのではないかと言われています。

日本のウォルマートの店舗数

全世界での店舗数は約11000店を超える、ウォルマートですが日本やアメリカでの店舗数はどのくらいなのでしょうか。日本での店舗数、および本社のあるアメリカの店舗数の推移を調べてみました。

日本の店舗数

ウォルマートの日本法人である、西友の店舗数は2018年5月16日現在で335店舗になります。なお、2014年10月末には373店舗あったので、店舗数は減少傾向にあります。

もっとも店舗数が多いのは東京都の78店舗です。2番目に店舗数が多いのは福岡県の60店舗、3番目に店舗数が多いのは長野県の43店舗になっています。

事業を展開しているのは、23都道府県ですが、地域によって店舗数に偏りが見られます。一度は店舗を展開していましたが、撤退したところもあります。

これは、西友がウォルマートの子会社になる前に遡るのですが、西友はもともと西武百貨店の子会社とし創業しました。それから、店舗を西武線沿線を中心に出店していきました。

それから、地方に本社があるスーパーマーケットと業務提携、あるいは買収し、店舗数の拡大を図ります。例えば、仙台に本社のある「エンドーチェーン」、長野に本社があった「魚力」、愛知県に本社のあったあった「ブイ・マート」、福岡県に本社のある岩田屋がもっていたスーパー「サニー」などが挙げられます。

これら、地方に本社のあるスーパーは、西友傘下でも「西友」という店名ではなく、各々の店名を名乗っていました。中には、もともと業績悪化を理由に業務提携した会社も多く、西友の業績悪化もあり、店舗を大量閉鎖し撤退した会社もあります。

そういった点から、地方の消費者には、西友との業務提携は失敗と思われているところもあります。

アメリカの店舗数

本社のあるアメリカでのウォルマートの店舗数は2018年5月で5358店舗となっています。

アメリカのウォルマートの店舗は様々な種類があり、主流はスーパーセンターで3561店舗あります。他にディスカウントストアが400店舗、食品スーパーが701店舗、会員制店舗597店舗、小型店舗などその他が99店舗となります。

アメリカのウォルマートは、日本と比べて大型の店舗が多いのと、安売りを徹底しているのが特徴です。

個人商店しかない地方に出店して、安売りを徹底して展開し地元の個人商店を倒産、競合店舗を撤退に追い込むというやり方が問題になっています。

個人商店を閉店に追い込んだ後、不採算を理由に撤退し、地域から小売店舗が無くなって、その地域経済を崩壊させてしまうため、出店反対運動が展開されている地域もあります。

ウォルマートと日本のスーパーとの違いによる失敗

ウォルマートの日本進出を失敗したと考える方々は、ウォルマートと日本のスーパーマーケットの文化の違いを失敗の理由にあげます。

その理由のいくつかをご紹介します。

「EDLP」と「チラシ特売」

ウォルマートの販売戦略は「EDLP」です。毎日いつでも商品が安いのが「EDLP」なのですが、「いつでも安いからチラシはいらないのではないか」という考えから、西友では新聞の折り込みチラシを廃止しました。

日本のスーパーマーケットは「チラシ特売」が販売戦略の基本になっていて、「チラシ商品を安売りをして、お客さんを集める」というのが、日本従来のやり方です。

そして、チラシを見て買い物に行く店を選ぶのが、日本の文化なのです。ところが、西友は折り込みチラシを廃止したために、チラシを見るという消費者からすると、選ぶ店の中に西友が入っていないため、客足が減少してしまったのです。

そのため、「EDLP」がウォルマートの失敗の原因と言われています。

その後、折り込みチラシの復活などもありましたが、現在ではふたたび「EDLP」を基本とした経営になっています。

「まとめ買い」と「その日買い」

アメリカの消費者は、スーパーマーケットに行った際はまとめ買いをするのが当たり前で、一週間の食料を一度に買うのが普通です。しかし、日本ではまとめ買いではなく、その日に必要な分を買う「その日買い」が主流です。

これは、先ほどの「チラシ特売」とも関わってくるのですが、毎日チラシを見ていく店を決めるので、日によって行く店が変わるのです。そのため、安いときに買うということになり、アメリカのようなまとめ買いをする事は少ないのです。

特に駐車場が少ない、都心部はその傾向が顕著です。アメリカのスーパーマーケットは駐車場が広く、自家用車での来店を想定したつくりになっています。

日本のウォルマートもオンライン販売はあるの?

ウォルマートはアメリカではオンライン販売を行っています。日本では西友がネットスーパーを展開していて、生鮮食品や加工食品を店舗から自宅に発送していますが、アメリカのオンライン販売は、日本のネットスーパーとは少し違います。

アメリカのオンライン販売では、生鮮食品や加工食品の発送だけでなく衣料品や家電商品などの販売と発送を行っています。そのため、ウォルマートのオンライン販売で、生活に必要なものはほとんどを発送してくれるので、非常に便利なものになっています。

しかし、西友のネットスーパーでは、アメリカ並みの商品の販売や発送は行っていません。また、アメリカのウォルマートのオンライン販売も、日本への発送は行っていません。

また、世界を見ると、オンライン販売の大手であるAmazonのシェアが大きく、ウォルマートは今後対抗していかなければなりません

そこで、日本でのオンライン販売を強化し、アマゾンに対抗するために、ウォルマートは楽天と業務提携を行ったのです。

楽天は楽天市場をはじめ、楽天トラベルや電子書籍などオンライン販売を多く手掛けている実績があります。

これに、西友のネットスーパーのノウハウを融合し、日本でのオンライン販売を強化し、アメリカのように衣料品や家電商品の販売・発送を日本でも行っていく考えです。

日本のウォルマートの現在!売上・業績は?

一時は日本からの撤退が噂されたウォルマートですが、現在の売上や業績はどのようになっているのでしょうか。

日本のウォルマートの現在

ウォルマートは、西友でのスーパーマーケット事業が主流で、西友ではスーパーマーケットの他に、大型百貨店「LIVIN」、ショッピングセンター「ザ・モール」を展開しています。

新規出店を再開し、既存店舗のリニューアルや不採算店の閉店などを行っています。

先ほどもご紹介した、楽天と業務提携を行い、ネットスーパー・オンライン販売の強化を行います。

日本のウォルマートの売上・業績は?

西友の最新の決算ですが、非上場企業のため売上・利益などはホームページでは公表がされていません。売上はウォルマートの世界全体の売上額と、アメリカ以外の売上額が公表されています。

アメリカ以外の売上額は1181億ドルで、前年比1.7%の増収となっています。日本単独は不明となっていて、日本経済新聞などに掲載されている、小売業売上ランキングも西友の売上は記載されていません。

しかし、店舗数の減少が続いており、業績はあまりよくないのではと推測されます。

楽天との業務提携という新たな挑戦に挑むウォルマートに注目!

西友を日本法人の子会社にして展開してきたウォルマートですが、これからを見据え、楽天との業務提携という新たな局面を迎えました。

順調とは言えない、ウォルマートの日本での展開ですが、楽天との業務提携でどのようになっていくのか、注目されています。

西友の展開を含め、ウォルマートのこれからに注目が集まります。

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