お試し行動の原因や対応方法!大人を困らせる子供って?

小さい子供が、急に周囲の大人や親を悩ませるようなことを頻繁にするようになるということはよくあるでしょう。そのような行動は、「試し行動」と呼ばれています。今回は、その試し行動の原因や対応方法などについて、詳しく解説していきましょう。

お試し行動の原因や対応方法!大人を困らせる子供って?のイメージ

目次

  1. 1あなたを困らせる子供の行動は「試し行動」かも!?
  2. 2試し行動とは?
  3. 3試し行動の原因
  4. 4試し行動への対応方法
  5. 5子供の年齢別に見る試し行動への対処
  6. 6試し行動へのNGな対応
  7. 7試し行動をとりやすい子供の特徴
  8. 8大人がとる試し行動とは?
  9. 9試し行動に隠されている子供の切実な想いに応えよう

あなたを困らせる子供の行動は「試し行動」かも!?

困ったことや悪いことをする小さい子供に、どのように対処したら良いのかと困ったことがる親御さんは多いでしょう。おもちゃを投げたり大きな声で泣き叫んだりと、大人を困らせるような子供の行動は、「試し行動」と呼ばれることがあります。

この試し行動の裏には、親や周囲の大人への切実な想いが隠れているので、適切な対処をしないと子供を大きく傷つけることになってしまうでしょう。そこで、今回は試し行動の意味や、試し行動への正しい対処方法などを、詳しく取り上げていきたいと思います。

特に試し行動をする子供に戸惑っている親御さんは、ぜひ注目してみてください。

試し行動とは?

子供の「試し行動」という言葉を、あまり聞いたことが無い人もいるでしょう。試し行動とは、子供が周囲の大人からの愛情を確かめる行為とされています。

あえて大人が困ることや悪いとされていることをして、周囲の大人がどのくらい深く自分を愛してくれているのか、試そうとしているのです。

そのため、大人が子供の試し行動に対応する時には、行動の裏に隠れた子供の真剣な想いを汲み取り、愛情を示すことが重要になります。

以下では、試し行動の例や原因などについて、詳しく説明していきましょう。子供の試し行動に悩んでいる親御さんも、ぜひ注目してみてください。

試し行動の例

試し行動とは、周囲の大人や親に対して、自分にどのくらいの愛情を向けているのかということを試す行動とされています。主に1歳~7歳くらいの子供に特によく見られる行動で、大人たちが困惑することをあえて大人の前でやってしまうのです。

例えば、物を人に向かって投げたり、おもちゃを破壊したりと、普段からやってはいけないと言われていることも行います。

壁に落書きをしたり、全力で泣き叫んだりもするでしょう。また、食事中にわざと食べ物を吐き出したり、友達に噛みついたりしてしまうこともあるのです。

試し行動の原因

子供はなぜ試し行動をしてしまうのでしょうか?子供は、様々な理由から試し行動を起こします。対応方法も、その理由別に変える必要があります。以下では、子供の試し行動の原因を、個別に解説していきたいと思います。

子供の試し行動の原因が分からず困っている人は、ぜひ以下の原因から探ってみてください。

愛情を確認したい

子供の試し行動の主な原因には、周囲の大人からの愛情を試したいという心理が挙げられます。自我が芽生え始めると、周囲の大人や親から向けられる愛情に不安を抱くこともあるのです。

周囲の大人から、信頼に足る愛情が自分に向けられているのか確認したいという欲が生まれます。しかし、ストレートに愛情を確かめると、自分が傷つく恐れがあるので、大人を困惑させる行動を起こして確かめようとします。

虐待を受けている子供は、特にこのような理由から激しい試し行動をすることがありますが、虐待を受けていない子供も起こすことがあるのです。

環境の変化による不安

試し行動の原因には、環境が大きく変わることへの大きな不安も挙げられます。引っ越しやクラス替え、妹や弟の誕生などで自分を取り巻く環境が大きく変わると、子供は漫然とした不安を覚えやすくなるのです。

その不安を周囲の大人に言葉で上手く伝えられないために、試し行動を起こして不安を伝えようとします。

気を引く方法がわからない

試し行動の原因には、周囲の大人から関心を向けてもらおうとする心理も挙げられます。下の兄弟の世話や仕事で親が忙しくしていると、子供は親に注意を向けてもらいたくなるでしょう。

しかし、親の興味を強く惹くことが分からないと、悪いことや困らせることをして、親から注目してもらおうとしてしまうのです。

知らない人へのテスト

子供は、知らない人や会ったばかりの大人にも試し行動をすることがあります。例えば、幼稚園や保育園、小学校などで新しい先生に出会うと、信用できる大人かどうか試すために困った行動を起こしてしまうのです。

どのような人なのか知るために、あえて試し行動を起こすこともあります。この原因の裏には、自分を受け入れてくれる大人かどうか確認したいという切実な想いがあるのです。

親子の関係が上手く築けてない場合も

親が困り果てるほど激しい試し行動を起こす場合は、親子の基本的な信頼関係が構築できていないことが根本原因とも考えられます。親からの虐待だけでなく、連れ子や里子などの複雑な家庭環境などでも、親子の信頼関係が築けなくなってしまうことがあるのです。

信頼関係が無いと、より子供は周囲の大人からの愛情に強い不安を覚えるので、試し行動も激しくなってしまいます。

試し行動への対応方法

子供の試し行動に、周囲の大人はどのように対応すべきなのでしょうか?以下では、子供の試し行動への正しい対応方法を、いくつか解説していきましょう。

子供の試し行動への対応が分からず困っている人は、ぜひ以下の対応方法を試してみてください。

言葉や態度で愛情を伝える

子供の試し行動の裏には、信頼したい大人からの愛情や環境などへの不安があります。本当に親はどのような自分にも変わらない愛情を向けてくれるのか、確認したいという真剣な想いから試し行動をする子供も多いのです。

そのため、子供の試し行動には、はっきり言葉や態度で愛情を伝え、子供を安心させるようにしましょう。根本原因である不安が解消されないと、試し行動が長く続してしまうこともあります。

試し行動が長く続くと、大人も子供も疲弊してしまうので、しっかり愛情を伝えて子供の不安を解消させてあげましょう。

ダメなことはきちんと叱る

不安が強い子供は、試し行動もより苛烈になります。周囲の大人や子供に暴力的になったり、他の人の物を破壊したりした時には、試し行動であってもきちんと叱る必要があるのです。

子供の悪い試し行動に対処する際には、なるべく感情的にならず、しっかり子供の目を見て叱るようにしましょう。そして、子供が反省や後悔を見せた時には、優しい態度や言葉で愛情を伝えてください。

厳しく叱った後は、必ず愛情を伝える言葉や態度を出すことで、子供により真剣な愛情が伝わりやすくなります。叱る時と愛情を伝える時のメリハリを意識すると、上手くいきやすいでしょう。

子供の年齢別に見る試し行動への対処

子供の試し行動への適切な対応は、年齢別に合わせて変わっていきます。まだ難しい言葉を理解できない低年齢の子供の試し行動には、より慎重に正しい対応をする必要があるでしょう。

以下では、年齢別に子供の試し行動への対処法を、具体的に見ていきたいと思います。

1歳の子供の試し行動への対処

試し行動はまだ言葉を理解できない1歳頃から始まることもあります。手あたり次第に物を投げたり、夜泣きが酷くなったりしやすいでしょう。1歳の子供には、言葉で叱ってもあまり意味がありません。

赤ちゃんであっても親の愛情に不安を覚えるので、スキンシップを増やして優しく対応するようにしましょう。

2歳の子供の試し行動への対処

2歳頃の子供は、周囲の大人に対して反抗しやすくなります。「イヤイヤ期」と呼ばれる時期で、親の愛情への不安も高まりやすくなり、結果的に試し行動も起きやすくなるのです。

この時期には簡単な言葉ならば通じるので、本当に危険なことをした場合は、しっかり指摘するようにしましょう。しかし、まだ複雑な言葉は理解できないので、叱ることよりも愛情を態度で示すことを重視する対応をするようにしてください。

4歳頃の子供の試し行動への対処

ある程度の言葉は分かるようになる4~5歳頃の子供の試し行動には、毅然とした対応も必要になります。周囲の人に危害を加えようとしたり、怪我をする危険が高いことをしたりした時には、冷静かつ厳しい言葉と態度で叱るようにしましょう。

しかし、叱っただけで対応を終わらせてしまうと、子供は親への不信を募らせてしまいやすくなります。そのため、しっかり叱った後には、必ずスキンシップや言葉で愛情を示し、子供の心をフォローしましょう。

試し行動へのNGな対応

試し行動への対応方法をマスターしたい人には、避けるべき対応方法も確認しておくことをおすすめします。以下では、試し行動に対する良くない対応方法も、詳しく見ていきましょう。

試し行動をする子供に困っている人は、以下の対応を自分が行ってしまっていないか、確認してみてください。

無視やうんざりした態度をとる

子供が急に試し行動を繰り返すようになると、対応に困り子供の前で心底うんざりした態度を見せてしまいやすくなります。また、仕事で忙しいと、子供のしつこい試し行動を無視してしまいたくなることもあるでしょう。

しかし、これらのような対応をしてしまうと、子供は親に否定されたと感じ、自己肯定感を持ちにくくなってしまいます。

健全な精神の成長に欠かせない自己肯定感が薄くなると、将来様々な精神疾患を発症しやすくなったり、反社会的な行動を起こしやすくなったりしてしまうのです。

子供に疎外感を与える

試し行動を繰り返す子供に対して、子供を突き放すような対応をすることも良くないとされています。

愛情を試すための行動で、親に見放されてしまうと、親への不信感が強くなってしまうのです。その不信感が、親子関係の土台となる信頼関係の崩壊に繋がってしまうこともあります。

子供の試し行動に疲れていても、「勝手にすれば」と子供に疎外感を与えるような冷たい言葉や態度は出さないようにしましょう。

Thumb疎外感の意味とは?疎外感を感じる人の心理!
あなたは疎外感を感じたことがあるでしょうか。今回は疎外感とはどんな意味の言葉なのか、疎外感を...
Thumb自己肯定感が低い人の特徴!自分を肯定できない原因とは?
素の自分を自分で受け止める感覚である自己肯定感。その自己肯定感が低い人の中には、なぜ自分を認...

試し行動をとりやすい子供の特徴

試し行動を起こしやすい子供には、共通する特徴がいくつか見られます。以下では、試し行動をしやすい子供の特徴について、詳しく説明していきましょう。普段から様々な子供の世話をしている人は、ぜひ以下の特徴を覚えてみてください。

養子の子供

試し行動を起こしやすい子供の中には、養父と養母に育てられている子供がたくさんいます。養子の子供は、血のつながりの無い養母と養父が、本当に自分を愛してくれているのかと、不安になりやすいのです。

養子になる前に、実の親から虐待を受けていたり、周囲の大人に不信感を持つようなことがあったりすると、より試し行動が激しくなりやすいでしょう。

思春期の子供

思春期の子供も、試し行動がでやすい子供と言えます。試し行動は主に1歳~7歳頃の子供に起きやすいですが、10代の思春期に試し行動が出る子供もたくさんいるのです。

思春期になると、環境の変化だけでなく、自身の体や心の急激な変化にも直面します。人間関係も複雑になりストレスも抱えやすくなるので、大きな不安に苛まれやすくなるのです。その中で、身近な大人からの愛情への不安も、高まりやすくなります。

思春期の子供の試し行動は、過激になりがちなので、大人は叱るべき時に毅然とした態度で叱る必要があります。

しかし、その行動の裏にある不安も考慮し、抱きしめたり優しい言葉をかけたりして安心させる必要もあることを忘れないようにしましょう。

発達障害の子供

アスペルガー症候群やADHDなどの発達障害がある子供も、試し行動を起こしやすい子供と言えます。発達障害の子供は、周囲の子供や大人とのスムーズなコミュニケーションが難しいので、伝えたいことが上手く伝わらないストレスを頻繁に感じているのです。

そのストレスが溜まり辛くても、その辛さを言葉にすることも難しいので、親に試し行動で伝えようとします。親は周囲の大人の力も借りて、愛情深く対応する必要があるでしょう。

Thumb片親の子供の性格や特徴とは?片親が育てる時の注意点や子供への影響
片親であることは子供に影響があるのでしょうか?家庭の事情等でどうしても片方の親と離れなければ...
Thumb親の愛情不足で育った子供や大人の特徴や症状!愛情が足りない人って?
親の愛情不足で育った人は、様々な悪い症状があらわれる場合があります。それほど親の愛情は大切で...

大人がとる試し行動とは?

試し行動は子供が起こすことが多いものですが、大人も試し行動を起こすことがあります。大人の試し行動の原因は、恋愛関係にある人への不安が原因と考えられるのです。

例えば、信じていた恋人に浮気の疑いが生じた時には、特に強烈な不安も生まれるでしょう。その不安から、わざと恋人が怒ることや困ることをして、自分に確かな愛情があるのか調べようとしてしまいます。

恋人への不安が強いために、自分もわざと浮気を疑われるようなことをして、相手の反応を伺おうとする人もいるでしょう。

また、恋人に浮気の疑いが無くても、恋人から自分への愛情が冷めているような雰囲気を感じとった時にも、大人の試し行動が起きやすくなります。

大人であっても子供であっても、試し行動の根底には、信じたい人からの愛情への不安があると言えるでしょう。

試し行動に隠されている子供の切実な想いに応えよう

今回は、多くの親を悩ませる子供の試し行動について解説しました。子供の試し行動は、子供自身の不器用さや不安感から生じることが多いようです。

普段からいけないと教えられていることを、試し行動としてわざとしてしまう子供への対応に、悩んでしまう親御さんも多いでしょう。

しかし、親の愛情を確認するための試し行動は、子供が親を心から愛しているからこそ起きる行動です。そのため、子供が試し行動を起こした時には、その行動に込められている子供の切実な想いに応えるように、愛情深く子供に接しましょう。

関連するまとめ

人気の記事

人気のあるまとめランキング

新着一覧

最近公開されたまとめ