いけず石の意味とは?京都によくある置石?違法で裁判にもなる?

日本の歴史を感じられる街として、日本人はもちろんのこと外国人からも親しまれている京都ですが、京都の街にはいたるところにいけず石と呼ばれる置石が見られます。あま耳慣れないいけず石とは、何なのでしょうか。いけず石の意味やいけず石の問題点を紹介します。

いけず石の意味とは?京都によくある置石?違法で裁判にもなる?のイメージ

目次

  1. 1京都でよく見かけるいけず石って何なの?
  2. 2いけず石とは?
  3. 3いけず石に違法性はあるのか?
  4. 4いけず石に似ているものを紹介
  5. 5京都人の特徴とは?
  6. 6観光名物ともなっているいけず石

京都でよく見かけるいけず石って何なの?

いたるところで日本の風情を感じられるとして、京都は多くの観光客から人気の街です。趣のある石畳に、威厳を感じられる寺、古き良き日本として京都は親しまれています。

そんな京都の街中で、家屋の脇にぽつんと佇んでいる置石を見たことはないでしょうか。この置石は「いけず石」と呼ばれており、京都の街中ではごく一般的な文化なのです。

しかしながら、京都に観光に来た方の中では、車で道を通るのに邪魔に感じたり、歩いている際にいけず石に躓いてしまったりなど、何かと不便を感じている方もいるそうです。

いけず石とは?

いけず石は京都近辺での独特の言葉なので、なかなか耳慣れないという方も多いのではないでしょうか。いけず石はなぜ設置されているのか、いけず石の置石としての目的などを紹介します。

いけずの意味とは

そもそも「いけず」の言葉の意味から紹介したいと思います。「いけず」とは京言葉で「意地悪」という意味を示します。意地悪といっても、笑って済ますことができるくらいの軽い意味合いと言われています。

例えば、友達からちょっとしたいたずらをされたときなどに「もう、いけずやね」といった風に使うのが一般的です。ちなみに「いけず」のイントネーションは「い↓け↑ず↓」だそうです。

いけず石の目的

いけず石は京都の街もいたるところで見つけることができますが、いけず石の多くは狭い車道の角や家屋の脇に設置されていることが多いです。なぜそのような邪魔な場所に設置されているのでしょうか。その理由としては、いけず石の目的が深く関係しています。

いけず石は、それ以上敷地の中に入ってこられないように阻止をする目的で設置されています。京都は道幅が広くない場所が多いので、車と家屋の接触事故が多いそうです。

いけず石を道路脇に設置することで、車がそれ以上敷地に侵入することができないようにしているのです。実際いけず石を設置したことで、車と家屋の接触事故やそれによるトラブルは減少したといわれています。

いけず石に違法性はあるのか?

いけず石はあくまで敷地の所有者が独自に設置している置石になります。そのため、設置場所によっては違法性があると考えられる場合もあります。

合法である場合はいけず石を傷つけてしまった側の責任が問われることになりえますし、違法である場合は設置主の責任が問われることになります。では一体、そのようないけず石が合法であるのか、違法であるのかを紹介したいと思います。

敷地内であれば合法

いけず石が敷地内にある場合は合法とされています。また私道であっても基本的には合法となります。そもそも他人の敷地内に無断で侵入すると不法侵入となりますので、うっかり敷地内に車で乗りあげてしまった場合でも対象となります。

敷地内に設置されたいけず石によって車体が傷ついてしまったなどのトラブルがあった場合でも、下手に設置主に噛みつくことは避けたほうが良いでしょう。

敷地外であれば違法

敷地内のいけず石は合法でしたが、逆に言うと敷地外にいけず石を設置した場合は違法になります。道路交通法第76条によると、「何人も、交通の妨害となるような方法で物件をみだりに道路に置いてはならない」定められています。

したがって、もし敷地外に設置されていたいけず石に車を擦ってしまった場合やその他トラブルが生じた場合は、設置主に対して損害賠償等を請求できる可能性があります。また、求めれば撤去してもらえる可能性もあります。

セットバックにある場合は?

そもそもセットバックとは、私道であっても建物を建ててはならないと定められている場所を指します。4メートル未満の道幅の狭い道路などが対象となります。災害時の対応等の理由で、このように定められているそうです。

セットバックに該当する範囲では、自分の敷地であっても門や塀さえ建てることが認められていません。植木や花壇等の私物も同様ですから、当然のことながらいけず石の設置も認められていません。

ぶつけた場合は罪になる?

上で紹介したように、いけず石が敷地内にある場合は基本的に合法、敷地外の場合は違法になります。そのため、敷地内に設置したいけず石によって車が傷ついたというトラブルになっても、設置主は咎められることはほぼありません。

一方で敷地外に設置されたいけず石は違法ですので、それによって車が傷ついたというトラブルになれば、設置主は損害賠償を求められる可能性があります。実際に、いけず石によるトラブルで裁判に発展したというケースもありました。

設置場所が公道であるのか私道であるのかを見極めるのは非常に困難とされていますが、無用なトラブルを避けるために、あいまいな場所にいけず石を設置するのは避けたほうがよさそうです。

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いけず石に似ているものを紹介

いけず石は、敷地内に他人の車が侵入してくることを防いだり、車体によって家屋が傷つくのを防ぐために設置されていました。このような目的で設置されているのは、実はいけず石だけではありません。

私たちのごく身近なところにもいけず石のような目的を果たすものが存在しておりますので、その中でもいくつかをピックアップして紹介したいと思います。

犬矢来

まずは「犬矢来(いぬやらい)」です。犬矢来も京都の文化にちなんだもので、京都の街中で特に見かけることができます。軒下に設置された防護柵のようなもので、竹でできたものや金属でできたものなどが存在します。

犬矢来は、犬による放尿を防いだり、車による泥はねや雨による家屋の腐食を防ぐなど、幅広い目的で利用されています。効果もさることながら、見た目も芸術的で美しいと評判です。

京都の景観を損なうことなく、木造家屋の街並みに自然に溶けこむ犬矢来の姿は、非常に風情が感じられるものです。

コミケでのウーロン茶

いけず石は、実はコミケのようなイベント会場においても応用されています。コミケは会場の広さに対して非常に多くの人が訪れますので、常に混雑している状態になります。そのため人が机に衝突し、商品が崩れるなどのトラブルが多々ありました。

そこでウーロン茶のペットボトルを机の角に設置したところ、ウーロン茶を避けるように人が動くようになり、机へ衝突するトラブルが減ったそうです。それにより陳列された商品が崩れたり破損するといったトラブルも激減しました。

ガードレール

もっとも身近なところで例をあげるとすれば、ガードレールでしょう。ガードレールもまた、運転手に対しての注意喚起や車道の逸脱防止を目的としたものです。ガードレールの設置により、逸脱車両による2次被害は非常に抑えられています。

ガードレールの設置は1958年だそうで、最近になって普及し始めたものであるといえます。ガードレールには凹凸があり、凹凸によって強度が非常に高くなっているそうです。

京都人の特徴とは?

京都の方は上品で奥ゆかしいイメージが一般的ですが、いけず石や犬矢来などの文化によって、一部では「陰湿」や「皮肉屋」といったマイナスなイメージを持っている方もいるそうです。

全ての京都の方がそのような性格をしているわけではありません、ぜひ京都の方のいい部分も知っていただきたいと思います。

争いごとを嫌う

京都の方は、他人との無用な争いごとを嫌うという性格をしています。いけず石のような文化が根づいたのも、そのような性格が理由ではないでしょうか。

縁石に車を擦ってしまったときに「仕方ない」と諦めるのと同様に、いけず石に車を擦ってしまった場合も諦めるという方は多いそうです。

いけず石があることで他人からケチをつけられるケースが減り、また家屋を傷つけられるトラブルに巻き込まれずに済んでいるのです。

あけすけに本音を言いたがらない

「京都人は陰湿」と言われることがありますが、それは京都の方があまり相手に本音を言いたがらないという性格のためかもしれません。相手にストレートに不満を伝えることで対人トラブルになる可能性もあります。京都の方はそのような争いごとを嫌うのです。

例えば、来客に帰ってほしい時など「そろそろ帰っていただけませんか」とストレートには伝えません。その場合「その時計いいですね」と言うのです。相手をほめながらも、相手に真意を気づかせるセリフを選びます。

一見すると「性格が悪い」や「陰湿」と思われがちです。しかし、相手とのトラブルを避けたい、相手と関係を悪化させたくないという京都の方の優しさとも考えられるのではないでしょうか。

人を持ち上げるのが上手

京都の方は相手をよく観察しがちで、相手の良い部分と悪い部分を瞬時に見つける能力に長けているといわれています。そのため、いい部分を強調して相手を持ち上げるのが上手とされています。

俗にいうよいしょ上手であり、接待や取引先では非常に好感が持てるそうです。しかしながら、あまりよいしょが過ぎると、逆に嫌味に聞こえてしまうというケースもあるそうです。

観光名物ともなっているいけず石

家主にとっては自分の家屋を守ってくれる存在としていけず石が重宝されていますが、いけず石によって車を傷つけてしまった人や躓いてしまった人からは苦情が寄せられています。撤去を求める声もあがってきているそうです。

しかし一方で、いけず石は京都人の性格を象徴しているとして「面白い」ととらえる方もいるようです。最近ではいろんな種類のいけず石を探し、写真を撮っている観光客も増えているようです。

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