Aleph(アレフ)とは?オウム真理教の後継団体がやばいと話題に!
オウム真理教は地下鉄サリン事件を起こし、Aleph(アレフ)と名称を変えた今も公安調査庁の監視下に置かれるやばい団体です。毎年100人ペースでAleph(アレフ)入信者が増加し、活動を続けていることに施設周辺住民は不安をつのらせています。
目次
アレフ(旧オウム真理教)とは?
2018年7月6日、地下鉄サリン事件など重大事件に関わり、死刑が確定していたオウム真理教の関係者7名の死刑が執行されニュースになりました。
オウム真理教は、派手なパフォーマンスや真理カルタなど、伝統的な宗教と一線を画す活動で信者を集める一方、国家転覆を狙うテロ行為を行った教団です。現在も、名前をAleph(アレフ)などに変えて布教活動を行っています。
オウム真理教が名称を変えたAleph(アレフ)とはどんな団体なのか、詳しくみていきましょう。
2000年2月にオウム真理教からアレフとして改称
オウム真理教は、地下鉄サイン事件などの重大犯罪を犯し、国家転覆を図る団体として監視が必要な団体ですが、それまでの法律では対応が難しく、1999年12月に『無差別大量殺人行為を行った団体の規制に関する法律』(通称オウム新法)が施行されました。
教団本部は、組織を守るため、責任を認め被害者への保証、教団名の一時使用停止、大概的な宗教活動休止などを発表しました。また、法人として破産し、破産管財人を立てており、破産管財人からオウムの名称を使用禁止されていたことからも、改称の必要があったのです。
2000年2月にアレフに改称。松本死刑囚逮捕後に代表代行を努めていた村岡達子が初代代表でした。新法逃れを狙った改称とも言われていましたが、オウム新法成立後であり、アレフは監視対象団体となりました。
その後、2002年元オウム真理教幹部の上祐史浩(現在『ひかりの輪』代表)がアレフ代表になり、松本死刑囚を本尊としない路線に切り替えました。
2008年にAlephとして改称
組織本部を守るためとはいえ、松本死刑囚を本尊としない上祐史浩体制に反感を持つ信者との対立がくすぶり続けていたこともあり、2003年にはオウム時代の長老部が運営を仕切り、事実上の代表本部を務めるようになりました。
上祐史浩が新教団『ひかりの輪』を設立しアレフを離れた2008年には、さらにAlephと改称し、旧オウムの教義に回帰する傾向が進んだのです。
アレフでは、祭壇に松本死刑囚を本尊として写真を飾り、真理カルタや、ジェンガ(積み木)が使われています。一方の、上祐史浩のひかりの輪では、アレフのように松本死刑囚を拠り所とする真理カルタは使いません。
ヨガ教室などできっかけを作り、人間関係を深めるまではアレフの名を伏せておき、入信をすすめても良いタイミングをはかってアレフの名を明かします。若年層にも松本死刑囚を尊師とする真理カルタで教義を浸透させるなど、布教活動を続け、西荻を本流派本部道場としています。
対外的には読みやすいアレフという表記で扱われることも多いですが、改称当初とは内容が変わってきており、2018年現在も公安調査庁の観察処分対象団体です。
アレフの施設数・入信者数
アレフ改称から18年が過ぎた2018年現在、施設数や信者の数はどれくらいなのでしょう。
松本死刑囚を本尊とする本流派、上祐史浩代表の光の輪、山田らの集団の3派に分裂し、かつてより信者数を減らし、宗教法人ではなくなりましたが、その入信者数や資産は意外な規模を維持していたのです。
全国に9箇所の道場を持つアレフ
アレフの公式サイトでは北海道(札幌市)、茨城(水戸市)、東京(杉並区)、神奈川県(横浜市)、愛知県(名古屋市)、京都府(京都市)、大阪府(大阪市)、四国徳島県(徳島市)、九州福岡県(福岡市)の9箇所のアレフ道場が紹介されていますが、公安調査庁では26施設があるとしています。
アレフ本部は東京西荻施設、ただし教団事務所は越谷施設。ひかりの輪本部は東京烏山施設。
北海道 | 札幌施設 札幌白石施設 |
滋賀県 | 水口施設 甲賀信楽施設 |
東京都 | 足立入谷施設 新保木間施設 西荻施設 稲代施設 保木間施設 武蔵野施設 南烏山施設(ひかりの輪) |
埼玉県 | 大宮施設 北越谷施設 越谷施設 新越谷施設 越谷大里施設 八潮伊勢野施設 八潮施設 |
茨城県 | 水戸施設 | 千葉県 | 野田施設 鎌ヶ谷施設(ひかりの輪) |
神奈川県 | 横浜施設 横浜西施設(ひかりの輪) |
石川県 | 金沢施設 |
京都府 | 京都施設 | 徳島県 | 徳島施設 |
大阪府 | 生野施設 東大阪施設(ひかりの輪) |
愛知県 | 名古屋施設 豊明施設(ひかりの輪) |
福岡県 | 福岡施設 福岡福津施設(ひかりの輪) |
長野県 | 小諸施設(ひかりの輪) |
宮城県 | 仙台施設(ひかりの輪) |
参考サイト:北海道警察『オウム真理教の動向』より
公安調査庁では3派をオウムとして監視
旧オウム真理教を母体とし、上祐史浩が代表を務める『ひかりの輪』などを含めると、34ヶ所の拠点施設、信者数およそ1650人、10億円を超える推定資産を持っており、やばい規模を保っています。
今も松本死刑囚を本尊とする本流派のアレフ、そこから分裂した上祐史浩派のひかりの輪、金沢支部の山田美沙子らの集団の3派を、公安調査庁では監視対象団体としており、やばい団体なのです。
若年層を狙うアレフの宗教勧誘
アレフは、真理カルタの使用など、旧オウム同様に松本死刑囚を本尊とする活動、東京拘置所の周囲を信者が歩き回るなど、オウムの教義を引き継いだ行動が確認されており、オウムから派生したやばい団体です。
そんなやばい団体に入信した人の多くは若年層です。未成熟で危うさがあり、事件をリアルタイムに知らない世代が宗教勧誘され、毎年100人にものぼる人が入信。北海道札幌の施設が入信者数ナンバーワンだと話題になっています。
オウム真理教を知らない世代がターゲット
アレフの前進オウム真理教は、死者13名、被害者は6300人の被害を出した地下鉄サリン事件をはじめ、松本サリン事件、坂本堤弁護士一家殺害などの数々のやばい事件を起こしています。宗教としてこうした教団に入信するのは戸惑いがあって当然のことです。
しかし、当時のことをリアルタイムに知らない若者の中には宗教団体だということを知らずに、深みにハマって行くケースも多いのです。アレフでは、表面に団体名を出さない方法で近づきます。(街頭や書店で声をかける、SNSでや友人を通じてヨガや宗教に興味のある人に接触するなど)
現実社会と自己実現のギャップに悩む若者の心に、言葉巧みに入り込んでいき、アレフ側の人間と、個人的な人間関係を作ります。アレフ側の人間を、大切な理解者だと思い込まるまでは、松本死刑囚の写真をみたり、真理カルタを使うことはありません。
旧オウム真理教のアレフだと知って入信を迷った末、ひかりの輪に入会するというパターンもあります。ひかりの輪は、宗教団体ではなく学習会を行う学びの場という立場を取っていますが、公安調査庁では、旧オウムの一派として、監視下に置いています。
何気ないやり取りのはずがハマってしまう不思議
いきなり真理カルタを見せられたり、勧誘の話をされると抵抗を感じるかもしれませんが、気持ちの準備ができるまでアレフの気配を感じさせません。
実際にアレフのヨガ教室に通っていた人たちは、ヨガや精神世界に興味があり、気軽に体験する気持ちだったと言います。ましては宗教に入信だなんて予想外。勧誘された意識はなく、興味のある世界に近づいていったらアレフだったというケースが入信者には多いのです。
実直で真面目な人ほどアレフの手法が刺さりやすい可能性があります。ストイックに基礎から積み上げて極めていくような『熱中できるものを求めている人』は、そのエネルギーを受け入れてくれる相手を求めているからです。
アレフも入信者に洗脳行為をしている?
新興宗教やスピリチュアルにハマってマインドコントロールにかかると、親元に帰ることを拒否する、財産をすべて差し出す…といった状態になり、客観的な判断ができなくなります。
オウム真理教では、死に対する恐怖を植え付け、極限状態の修行によって判断力を失わせる洗脳行為や、教団が唯一の理解者だと思わせるようなマインドコントロールが行われていました。前身がオウム真理教であるアレフでは洗脳行為を行っていないのでしょうか。
マインドコントロールで他人の人生を巻き込む
厳密には、洗脳は拷問や暴力に訴えて相手の心を支配する行為、マインドコントロールは、気持ちの隙間に巧みに入り込む行為です。アレフへの勧誘方法は、心の隙きに入り込み次第に支配していくマインドコントロールの手法にほかなりません。
入信した人は、アレフによって自分の悩みや苦しみを解決できたと信じています。満たされない思いや悩みを抱えた人に近づき、他人の人生を巻き込んでいくのです。自ら選んで没頭していると信じさせてしまうところが、マインドコントロールのやばいところです。
アレフでは、オウム時代のような激しい修行が行われているかは不明ですが、アレフ側の人間が大切な理解者であり、心の救済者であると信じさせるマインドコントロールを利用しています。
教義の浸透には、真理カルタやジェンガ(積み木)用い、子どもや若年層に働きかけていることがわかります。真理カルタは、松本死刑囚の似顔絵が描かれ、本尊とする信仰心を育てる効果を狙っています。
真理かるたの内容
真理カルタの内容は、『そんし そんし あさはらそんし』、『くるしいときこそ きえのじっせん』、『むじょうをこえる オウムのおしえ』、『わたしは てんから おりてきた』といったもの。繰り返し日常的に松本死刑囚を本尊とする思想を刷り込むのが真理カルタなのです。
ジャンガは、棒状の積み木を積み上げて引き抜いていくバランスゲームですが、アレフでは『立位礼拝』、『マントラ』、『アーサナ』といった修行に使う言葉や、『帰依するぞ』、『グルは素晴らしい』といった言葉が手書きされ、真理カルタ同様の目的に使われています。
他にも絵本やすごろくを使って、子どもでも教義に親しみやすくする工夫がみられます。
施設内で使われている真理かるたなどは、松本死刑囚を麻原尊師として教える教具となっているのです。
オウムは考えを変えアレフに生まれ変わったと見せていましたが、信仰の中身は変わっていないやばい団体だと公安調査庁も警戒しています。2018年1月には、観察処分が2021年3月まで更新されました。
アレフ信者は地下鉄サリン事件をどう考えるのか?
地下鉄サリン事件は、世界史的にみてもこれまでにないタイプの凶悪なテロ行為です。6000人を超える被害者を出し、命を落とした方が13名、事件後も後遺症を抱えている方も多数いらっしゃいます。
これだけの事件を起こした教団を前身にもつということを、アレフの信者は、どのように認識しているのでしょう。
アレフは国家陰謀説を持ち出す
アレフに入信する人は、若年層が多く、23年前の地下鉄サリン事件をリアルタイムでは体験していません。
桁違いの凶悪犯罪に実感がわかず、精神的な苦痛を抱え続けている方や、実際に障害を持っている方がいることに目を向けていません。
アレフとつながりを持つきっかけで多いのは、知り合いに紹介されたセミナーや、ヨガ教室。スポーツで体を痛め、リハビリのつもりで通った道場がアレフにつながっていたというケースもあります。
地下鉄サリン事件を意識する前に、その内容にのめり込んでいたり、スタッフとの関係が深まっていた場合、『国家の陰謀説』を信じてしまうのです。
健全な判断力が奪われるカルトな世界
当時のオウムで殺人を正当化するときに使われた『ポアする』をざっくり説明すると、『慢心した人間がこのまま生きて悪行を重ねて地獄に落ちるより、徳を積んだものがその命を絶って高い世界に生まれ変わらせることが良い』という思想です。
公安調査庁がアレフ教団内に立ち入り調査
7月6日の死刑執行日には、不足の事態に備えて公安調査庁がアレフ教団内に立ち入り調査を行いました。
所属信者数が全国一の北海道白石区の施設の様子はどうだったのかみていきましょう。
札幌市白石区に最大規模の施設
アレフの本部は東京杉並区西荻、事務所本部は埼玉越谷ですが、全国最大施設の施設は北海道札幌市にあり、およそ300人あまりが所属。2016年札幌に道場が開かれたときから入信者数が3倍になっています。
死刑執行日の7月6日には、お昼ごろから2時半かけて立ち入り調査が行われ、10名の公安調査庁職員が施設内に入りました。カーテンで締め切られ中の様子は外からはわかりませんが、これと言ったトラブルはありませんでした。
国道に面した数百名が収容できる規模の4階建てビルで、10人ほどの信者が生活の場としています。信者は35歳以下の女性が多く、小さな子ども連れで出入りしている様子が目撃されることもあります。
北海道のAleph(アレフ)が拡大している背景には、北海道民は殆どが移住者で、ほかの土地から移住してくる人に対して良く言えばおおらか、別の言い方をすると無頓着だというところが利用されています。
白石施設はJR札幌駅から離れているものの、適度に人口が密集し、5km圏内に大学、高校など学生が多い場所だというところもやばいです。ターゲットと考える若者人口が多いエリアなのです。
東白石地域オウム真理教(アレフ)対策住民協議会
周囲の住民は、やばい団体として警戒しており、道場のある北海道札幌市白石区では住民協議会が作られています。
以前の所有者は、オウム関連の団体とは知らずに、シェアハウスにするなどの説明を受けて売却しましたが、マスコミからの注目、信者がどんな奇行に及ぶのかなど不安が絶えません。
道場では、ヨガの集中セミナー、真理カルタなどを通じて、麻原彰晃への帰依を唱える修行が現在も行われ、北海道警察本部も動向に注意を払っています。
アレフの分派について【ひかりの輪・山田らの集団】
上祐史浩を代表とするひかりの輪、山田美沙子を代表とする金沢支部を拠点とする集団の分派があり、アレフと共に公安調査庁の観察処分対象になっています。
どんな団体なのかみていきましょう。
代表は旧オウム真理教幹部の上祐史浩【ひかりの輪】
上祐史浩は、オウムのスポークスマンとして連日テレビに出ていた幹部でした。地下鉄サリン事件については、偽証罪で懲役を受けました。出所後、アレフ代表を村岡達子から引き継ぎました。
アレフでは、松本死刑囚を信仰の対象にする本流派と、信仰の対象にしない上祐史浩派に分裂したため、上祐史浩を代表とするひかりの輪が2007年に設立され、東京都世田谷区烏山生に本部がおかれました。
ひかりの輪は、思想哲学の学習教室という立場をとり、宗教団体ではないとしています。
松本死刑囚を信仰の対象とせず、アレフからの脱却支援を行うなどの活動を行っており、アレフの最大規模の拠点がある北海道にも出向いて数十名を脱却支援を行っています。
ひかりの輪は、アレフや旧オウムとは教義が違うとアピールしていますが、公安調査庁では、オウムの一派として注視しています。
代表は旧オウム真理教幹部の山田美沙子【山田らの集団】
金沢支部では、2013年ころより松本死刑囚の次男をアレフに復帰させる動きが出ていました。獄中の松本死刑囚は、後継者として、長男、次男を指名したと言われており、妻の松本知子らがアレフ本流派と距離をおくようになりました。
その結果、2015年ころからオウム真理教元幹部の山田美沙子を代表とした集団が形成され、アレフの本流派と異なる活動をしています。公安調査庁では、便宜上、『山田らの集団』と呼んで注視しています。
オウム後継団体をやばいと思える価値観を大切に
オウム後継団体のAleph(アレフ)が、オウム真理教から改称して18年。北海道札幌市白石区の施設では入信者が毎年増加しやばい事態が懸念されています。名前を変えても本部の思想は、松本死刑囚を本尊とする教義を持つ宗教団体のままです。
本部を解体をさせ徹底的に活動を禁止すると、地下組織化し、行動がつかめなくなり監視が難しくなります。こうしたことも踏まえ、公安調査庁ではオウム後継団体の監視を続け、社会への影響が出ないよう対応する方針を取っています。
大きな挫折や不条理を感じているときは、判断力が鈍り投げやりになってしまいます。やばいと話題になっているからと興味本位で関わると、ミイラ取りがミイラになるということにもなりかねません。心の弱みにつけ込まれない、客観的な判断のよりどころを持っていたいものです。