アイヌの現在!アイヌ民族の暮らしや文化・人口を詳しく解説!

アイヌの現在とアイヌ民族の暮らしや文化をご紹介します。歴史だけではなく、アイヌ民族の現在の人口や文化・生活ぶりはどうなっているのかという情報も解説します。現在まで残る差別の歴史や純血のアイヌ民族についてもお伝えしますので、アイヌ民族の文化を確認してください。

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目次

  1. 1アイヌ民族の現在
  2. 2アイヌ民族の歴史
  3. 3アイヌ民族は現在どれくらいいるの?
  4. 4アイヌ民族の暮らしや文化
  5. 5アイヌ民族差別とは?
  6. 6アイヌ民族以外にも日本には少数民族が存在する
  7. 7北海道にあるアイヌ語の地名
  8. 8アイヌは過去のものではない

アイヌ民族の現在

アイヌ民族の現在というと立証するのが難しい部分もあるのですが、純血のアイヌ民族はすでに絶えているという見方も有力になっています。

しかし、広大な北海道の地で、未開の山奥などに純血のアイヌ民族がひっそりと生活し暮らしていたとしても不思議はないですし、未開の地ではなくとも、公言しないというだけで、純血を守り続けて生活し暮らしている人達がいてもおかしくはありません。

『ほとんど』という話をすれば、ほとんどのアイヌ民族は現在の北海道民との混血が進んで純血といえる状態で、生活している人はいないですし、文化も北海道民と同じものになります。

純血のアイヌ民族は絶えたという話がある一方で、未だに100人前後の純血のアイヌ民族が生活し暮らしているという説もあるので、どちらも正確に立証するのは極めて困難でしょう。

DNA研究が進んだ現在でも、すべての人を対象に調査することはできませんし、自ら協力した人以外を無理に調査することはできないのですから、すべてを確かめるのはほぼ不可能と言えます。

アイヌ民族の歴史

アイヌ民族の歴史は非常に古く、現在から何千年とも言われています。北海道と呼ばれる以前、そしてこの国が日本と呼ばれる以前から、現在の北海道の地で生活し暮らしており、非常に貴重な歴史文化です。

現在の北海道にもその名残が色濃く出ていて、かつ非常に分かりやすいものが、北海道の地名の数々です。読みづらかったり、言いづらかったり、覚えづらいような、聞き覚えのない変わった名前が多いのは元はアイヌ語の地名だったからです。

現在ではアイヌ語ではなく、漢字や読みやすい地名に直されているところも多くなりましたが、それでも地名がアイヌの長い歴史を物語っています。

アイヌ民族の「アイヌ」

アイヌ民族の「アイヌ」というのは、もともとアイヌ語で「人間」という意味になっていて、世界的に見ても、民族の言語で「人間」を指す言葉がその民族の呼称となることは少なくありません。たとえば、イヌイットなども同じです。

ただ、アイヌ民族の中での「アイヌ」は本来は良い行いをするものだけに使われた言葉で、怠けていたり、働かず動かずの人間で、生活にも困るような人に対しては「ウェンペ」という「悪いやつ」という言葉が使われていました。

歴史的に言われるアイヌの蝦夷地

現在では北海道となっていますが、歴史上でアイヌが住む地は蝦夷や蝦夷地と呼ばれ、討伐の対象とされ侵略を受けてきた歴史もあります。

時の将軍のことを『征夷大将軍』と呼ぶのは蝦夷地を征伐するための司令官というような意味が含まれています。直接的に『アイヌ民族を征伐する』という意味ではありませんが、そのような関わりがあるということです。

アイヌ民族は現在どれくらいいるの?

さきほどもお伝えしましたが、純血のアイヌ民族というのは表向きはいないとされているので、純血のアイヌ民族というと人口は0人ということになります。

それは、いちおう北海道内だけの話ではなく、日本全国、また近隣外国なども含めて、純血のアイヌ民族がいるという照明はされていません。

そして、混血といっても、やはり『血筋』というのはどんどん広がっていくものなので、完全に人口調査するのは困難です。

アイヌの血を引く末裔というところで考えると、北海道だけではなく日本全国にも広がりますし、ロシアやそれ以外の諸外国にもアイヌの血筋・人口は広がっていると考えられます。

その部分を調査するとなると途方もない調査になってしまうので、北海道、そして日本国内に限ったものについて、人口調査の報告を共有していきます。

北海道の現在の人口は?

少し古いものになりますが、1970年の人口調査では、北海道内で77,000のアイヌ人口があったとされているので、少なくともその時点では8万人前後のアイヌ人口が北海道にはありました。

そして、2006年の調査では23,000人までアイヌ人口が減少しています。ただし、どちらについても自ら『アイヌだ』と表明した人を対象に人口調査したものなので、確実なものとは言い難い部分もあります。

単純計算であれば、36年の間に54,000ものアイヌ人口が減少したということになりますが、『北海道内で』、『自ら表明のあったもののみ』になりますので、現在アイヌの血筋自体が減少したとは言えません。

日本全国の現在の人口は?

現在、日本全国にどれだけのアイヌの血筋がいるのか、ということですが、北海道内だけでも困難な正確な人口把握ですから極めて困難なものだと言わざるを得ません。

北海道内ならまだしも、さすがに外の地に純血のアイヌ民族は暮らしていないはずですし、アイヌの文化や生活を考えても都会の中に純血のアイヌ民族がいるというのは少々不自然です。

というところからも、混血のアイヌの『血筋』ということになりますので、それを判別して調査するのは困難だというのは仕方のないことでしょう。

しかしながら、1970年の調査ではいちおう全国に20万人のアイヌの血筋がいたとされていて、これが混血しながらも増え続けていったら、現在はさらに多い人数になっているでしょう。

そこから考えると、北海道内でアイヌ人口が減少していたのは、本島に移住しているなどの理由から減少している可能性も考えられ、現在の日本全国にどれだけのアイヌ人口があるかは正確には把握できません。

首都圏だけでも1万人を超えるという見方もあるので、全人口からアイヌ人口だけを正確に、どれだけ生活し暮らしているのか割り出すのは難しいでしょう。

アイヌ民族の暮らしや文化

アイヌ民族はどんな生活をし、どんな暮らしをしていたのでしょうか。またどんな文化を持って歴史を育んできたのでしょうか。

現在まで何千年も続くアイヌの血筋は、どのような流れを経て、現在の形になったのか。アイヌ民族の文化や生活、そして歴史を見ながら確認していきましょう。

アイヌ民族の暮らし方

アイヌ民族の歴史は古く、何千年とも言われていますから、今よりも圧倒的に開発の進んでいない現在の北海道の大地で生活していました。

それだけ古い歴史なので、夏はとても短く、冬は極寒の地で生活しています。そして大地そのものを神と考えている民族でもありました。

そんな北海道の大地で生活していた古来のアイヌ民族は、自然環境を熟知し、食べ物については獣や魚を狩猟して生活していました。

獣や魚の狩猟だけではなく、アワやヒエ、木の実などを栽培したり、身体を温める役割も果たしてくれる酒も造って生活していたとされています。

また、アイヌ民族以外の文化との交流も閉鎖的ではなく、当時の様子を知るものとして中国から伝わったであろう衣服が見つかっていたり、本土に生活していた侍から受け取ったであろう陣羽織なども見られました。

アイヌ民族の現在の暮らし方

現在のアイヌ民族の生活は、ほとんどが混血で文化をしっかりと継承しているというわけではないところからも、北海道民とほぼ同じ生活をしています。

当時のアイヌ民族の生活ぶりを示すものとしては、アイヌの末裔からというよりは、そういった施設や文化財から知ることになっています。

アイヌ民族差別とは?

アイヌ民族への差別というのは実際にあったとされる意見が多く、2016年2月に内閣府による調査でも、アイヌの人々は72.1%が「差別があると思う」と答え、アイヌ以外の人は17.9%が「差別があると思う」と答えています。

差別を受ける側のほうがその意識は強いためのこの数値だと考えられますが、実際に差別を受けたことがあるという割合も36.6%と、低くない数字になっているため実際に差別は存在しているでしょう。

ただし、その差別の具体的な内容についてはあまり明かされていません。アイヌ民族が関わる差別の問題は、アイヌ以外の人からアイヌ民族への差別ということで認知されていましたが、その逆もあるということが確認されています。

アイヌ民族のほうが多数派となるような環境では、アイヌ以外の人が差別される対象になる事例も確認できているのです。

そうは言っても、アイヌ民族のほうが多数派になる環境は少ないのが現状なので、多くはアイヌ民族側が差別を受けていた形になると考えてよいでしょう。

現在も残り続ける差別問題

歴史的に、もともと北海道で生活していたのはアイヌ民族で、侵略していったのは本土の人びとだというだけで、差別を受ける言われはないのですが、特に人生の節目での差別がよく語られています。

つまり結婚時に身辺調査をされアイヌ人だと分かったら婚約を破棄されたという話や、子どもが生まれた際に、アイヌの血筋だからという理由で姑から「うちの子ではない」と言われたという話もあります。

また、就職の際などにも差別は存在していて、アイヌの血が濃い人々は『顔』もアイヌと分かる場合もあり、友人と一緒に面接を受けに行くと「顔を見て自分が落とされる」という経験を語る人もいます。

他にも、恋愛や結婚に関しては一切差別のようなことを経験していないが、自分が中学生のときに就職支援を受けようと教員に相談したところ、「あなたはアイヌ人だから」と支援してくれなかった経験がある女性もいます。

このように、実際の声や経験に基づく情報からも、大なり小なりの差別は存在していて、それは今も表に見えない部分で起こっていると考えられます。

アイヌ民族以外にも日本には少数民族が存在する

歴史的に見てもアイヌの人々は存在していますし、他にも少数民族は確実に存在しているにも関わらず、日本は単一民族だと言われています。

それはアイヌなどの他の民族も含めて「昔からの日本国民」という意味で言っているのであれば問題ないのですが、少数民族の存在を打ち消すためであれば、問題発言とも言えるでしょう。

日本に存在するアイヌ民族以外の少数民族ですが、樺太にいる少数民族として、ウィルタがいます。また同じく樺太で、ニヴフという民族もいます。

また考え方としてですが、沖縄や奄美大島など昔の琉球王国の住民を琉球民族と考える見方もあり、そう捉えた場合にはここも少数民族として考えられます。

北海道にあるアイヌ語の地名

現在の北海道にある地名のうち、その8割がアイヌ語由来のものだと言われています。現在ではそのほとんどが漢字表記にされているため普通に読める漢字であれば、気づかない人も多いです。

しかし、実は難しい読みの漢字でもなく、よく見聞きするような北海道の地名であっても、アイヌ語由来の地名だというところのほうが多くなっています。8割なのでほとんどの地名がそうであると考えても良いです。

アイヌ語地名の由来

たとえば小樽などのように、よく聞く地名ではあっても、こちらもアイヌ語のオタルナイという名前に由来しています。アイヌ語の意味では「砂の解ける小川」という意味になっています。

この小樽のように本来のアイヌ語由来の音に現在の漢字やカタカナを当てはめたものの他に、滝川のように、アイヌ語の『意味』に合わせて漢字を当てたものがあります。

ちなみに滝川は「ソラプチペツ」というアイヌ語の名で「滝の下る川」という意味から、滝川という漢字が当てられた例です。

他には函館や千歳などのようにアイヌ語の呼び名とはまったく関係がない地名もあり、大きく分けるとこれらの3種類から現在の北海道の地名はつけられています。

アイヌ語での地名はその地域の土地の特徴であったり、その土地で採れるものからつけられたり、その地域でよく行われる行為などからつけられています。

アイヌ語の地名例

北海道のアイヌ語由来の地名を聞き覚えのあるような著名な地名をいくつかご紹介していきます。
 

旭川(あさひかわ) チュップペツ 朝日の出る東の川
網走(あばしり) アパシリ 漏る所(漏る・地)
帯広(おびひろ) オペレペレケプ 川尻がいくつにも裂けているところ
長万部(おしゃまんべ) オシャマンペ カレイの居るところ
釧路(くしろ) クスリ・クシュル・クッチャロ 温泉・通路・のど
札幌(さっぽろ) サットポロ 乾燥した広大な地
知床(しれとこ) シリエトク・シレカンライ 大地の頭の突端・国土の先
苫小牧(とまこまい) トーマコマナイ 沼の後ろにある川
中標津(なかしべつ) シベツ サケの多くいるところ
長沼(ながぬま) タンネトー 長い沼
登別(のぼりべつ) ヌプルペツ 色の濃い川、濁れる川
函館(はこだて) ウスケシ 湾の端
富良野(ふらの) フラヌイ イオウ臭い火炎の土地
別海(べっかい) ペツイイエ 破れ川
室蘭(むろらん) モエルラン ゆるやかな下り道
門別(もんべつ) モベツ 静かな川
夕張(ゆうばり) ユーパロ、ユーパロペツ 鉱泉のわき出る川
利尻(りしり) リイシリ 高い島
稚内(わっかない) ヤムワッカナイ 冷水沢
神居古潭(かむいこたん) カムイコタン 神のいます所、神聖な里

アイヌは過去のものではない

普通に生活していれば、直接関わりのない人のほうが多く、純血という意味ではほぼ出会うことがないアイヌ民族ですが、今でも確実に存在していて、自分たちと同じ社会を生きているということを確認しましょう。

また、地名など数々のものにこれだけ影響を与えていることを考えると、過去のものではなく、今もなおその地に生き続けているのが分かるはずです。

『違う者』や『迫害』の意味ではなく、日本国内の数少ない少数民族の文化としても貴重なものなので、しっかりと認識しておくべきものです。

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