モルモン教とは?特徴やキリスト教の違いを徹底調査!

モルモン教とは、いったいどんな宗教でどんな戒律や禁止事項の特徴を持っているのでしょうか?モルモン教と言えば、ガーメントという下着、一度結婚すると離婚はできない、避妊を禁止している、一夫多妻制を容認している、自転車での勧誘活動、食事の制限など風変わりな教えが特徴的です。怪しい危惧すべき宗教なのでしょうか?戒律をひとつずつ見て危険なものかどうか確認してみましょう。

モルモン教とは?特徴やキリスト教の違いを徹底調査!のイメージ

目次

  1. 1斉藤由貴さんの不倫で注目を集めているモルモン教!
  2. 2モルモン教とはどんな宗教なのか簡単に説明
  3. 3モルモン教とキリスト教の違いは?
  4. 4モルモン教の特徴①戒律と禁止事項
  5. 5モルモン教の特徴②ガーメントの着用
  6. 6モルモン教の特徴③自転車に乗った二人組の勧誘
  7. 7モルモン教の特徴④一夫多妻制を認める理由
  8. 8モルモン教の特徴⑤結婚と避妊禁止の戒律
  9. 9モルモン教の特徴⑥食事の制限
  10. 10モルモン教の特徴⑦安息日(日曜日)は事実上ない
  11. 11モルモン教の特徴⑧十分の一献金について
  12. 12モルモン教は現代に適応したカトリック系キリスト教です

斉藤由貴さんの不倫で注目を集めているモルモン教!

キリスト

敬虔な信者であるとされる斉藤由貴さんが、また男女問題を起こしたことで脚光を浴びているモルモン教。なぜ男女問題とモルモン教がセットで語られるのか?と気になっている方は多いのではないでしょうか。

モルモン教にはガーメントという下着着用の風習や、結婚に関する戒律、避妊の禁止や一夫多妻の容認、自転車での勧誘、食事の戒律など、風変わりな決まり事がたくさんあります。モルモン教とはどんな宗教か?から始まり、風変わりな戒律の成り立ちや特徴についてひとつずつ解説していきます。

モルモン教とはどんな宗教なのか簡単に説明

モルモン蝶

モルモン教とはどんな宗教なのでしょう?噂が先行しているイメージがありますが、不思議な戒律や禁止事項を知る前に、正確な情報を知っておきましょう。

モルモン教とは?

モルモン教

モルモン教は正式名称を「末日聖徒イエスキリスト教会」と言います。この教団内で使われている経典のことを「モルモン書」と言い、そこからモルモン教と呼ばれるようになりました。宗教としては歴史は浅く、1830年にジョセフ・スミスという人物により創設されました。キリスト教系の新興宗教という位置づけです。

世界中に1500万人の信者がいます。日本では約13万人の信者がいて、国内に200以上ある教会で日曜日に礼拝が行われています。

教えの内容は基本的にはキリスト教に準ずるのですが、独自解釈で派生したと思われる戒律があります。謎の多いガーメントという下着、自転車で近寄ってくる二人組の勧誘、一夫多妻や避妊禁止の慣習、一度結婚すると戒律により離婚できないという噂、食事面の禁止事項など、独特な教えが印象的です。

モルモン書について

モルモン書

モルモン教の経典は主にモルモン書ですが、信者は新約・旧約聖書も読み込まないといけません。その他に聖約という経典も読まないといけないので、合計4冊を熟読する必要があります。

第一はモルモン書なので、どうしても新約・旧約聖書の読み込みが浅くなり、源流キリスト教信者からは基本の教えの知見が浅いと言われています。

モルモン教とキリスト教の違いは?

宗教画

モルモン教ではイエス・キリストを崇拝し、聖書を経典として使っていることから見ても、キリスト教の一派だということが解りますが、どんな部分が違うのでしょう?

モルモン教とキリスト教の関係と違いを見ていきましょう。

モルモン教とキリスト教の関係

教会

モルモン教もキリスト教も「神」という言葉を使いますが、意味合いが変わってきます。キリスト教で神という時は、万物を創造した唯一神を指しますが、モルモン教で言う神は人間の内面を指します。人間の中に眠る潜在的な能力を神と捉え、より良く開花させていこうという考え方です。

教祖のジョセフ・スミスは「信者一人一人が神になれるよう学びましょう」と言う教えを残しています。

モルモン教の大きな特徴!原点は原始キリスト教

カトリック

神の概念がまったく違いますが、基本的には原始キリスト教や旧約聖書を新解釈した教え・戒律となっています。旧約聖書は部族社会を前提とした教えの色が濃いですが、それを近代社会に蘇らせようとしているのがモルモン教だと言われています。要するにカトリック系キリスト教の一派です。

カトリック系だと考えると、結婚の戒律や、避妊や不貞行為の禁止、食事の戒律もなんとなく理解できます。勧誘活動もどの宗教でも頑張ってるものです。自転車は移動に便利なものを使っているだけなので、特におかしなことではありません。

しかしガーメントの風習や一夫多妻の容認はちょっと異様です。カトリックの歴史を見てもガーメントの風習はないようです。どのような意味で着用させるのかも合わせて、モルモン教の風習をひとつずつ見ていきましょう。

モルモン教の特徴①戒律と禁止事項

祈り

モルモン教ではどんな戒律と禁止事項があるのでしょう?また、戒律を破った時はどんな罰を受けるのか?も合わせて見ていきましょう。

基本的な戒律

キリスト

キリスト教系の戒律はモーセの十戒が基礎になっています。偶像崇拝をしてはならない、親を敬う、殺してはならない、姦淫を犯さない、盗みを働いてはならない、むさぼってはいけないなどの掟がありますが、モルモン教の戒律はこの基礎に沿いながら、一部辻褄が合わない思想を取り入れているのが特徴です。

結婚して家族を持ち敬いながら生きる、避妊は神の意志に背くので禁止、むさぼってはならないので食事は控えめに、文明の利器(自転車や電車など)を使って勧誘活動に勤しむ…ここまでは基礎の戒律に沿っているように見えます。

しかし、ガーメントや一夫多妻制を認めているのは拡大解釈だとして、キリスト教信者や一般人、時には内部からの批判の的となっています。

禁止事項は絶対ではない

祈り

では、モルモン教の戒律を守らないとどうなるのかと言うと、一説によると教団からペナルティーを受けるという噂もありますが、実際はそれほど厳格でもなく、個人の裁量に委ねているのが現状です。

モルモン教では、お酒や煙草、コーヒーなどのカフェイン類の摂取、ギャンブル、婚前交渉や避妊は禁止となっていますが、信者の中にも敬虔な人からただ所属しているだけの人もいて、信仰に熱心でない人は禁止事項を守らない人もいます。その人達が厳しい罰を受けるのか?というとそうでもないようです。

お酒や煙草やギャンブルがいけないのは理解できますが、カフェイン類などはいろんなものに入っています。いちいち含まれるものを確認してから食べるのは現実的ではありません。どうして禁止しているのかの基本理念を逸脱しなければ、食べても罪にはならないとされています。

モルモン教の特徴②ガーメントの着用

経典

モルモン教の独特の風習「ガーメント」とは一体どんなものなのでしょう?ベールに包まれたモルモン教最大のシークレット「ガーメント」を解説していきます。

ガーメントとは何か?

儀式

ガーメントとはモルモン教徒が着用する下着です。すべてのモルモン教徒が着用するものではなく、エンダウメントと言う儀式を神殿で受けた人だけが与えられるもので、神に忠誠を誓う敬虔な人だけが着用できる下着となっています。

由来はアダムとイブにまでさかのぼります。アダムとイブの裸を覆うために神が与えた「皮の衣」に由来していると言います。これに習って、神の霊的な守りを受ける着衣としてモルモン教独自で作り出したものがガーメントという布の衣になります。

ガーメントは特別な作りではなく、普通の下着と同じような素材を使い、上着とズボンの2パーツになります。上はTシャツのような形で、下はステテコのような形をしています。女性物は女性の体のラインに沿うようなカッティングになっています。

不自由が多く疑問を抱く信者もいる

嘆き

ガーメントは、水着になる時や入浴する時、夜の営みの時には脱いでいいことになっていますが、基本的にはずっと着けていないといけないものです。それが信仰の証なのですが、女性などはガーメントの存在が邪魔をして、着ることができないデザインの服もあり不便があります。

男性にとっては普通の下着の形なのでいいですが、女性は普通の人が着ていない下着の形になるので、人前では恥ずかしくて絶対に服を脱げないと言います。

そして、エンダウメントを受けてガーメントを授かった敬虔な信者が、途中で信仰に疑問を抱き不活発になる例もあります。そういう人はガーメントの着用をやめるかどうかにとても頭を悩ませると言います。

エンダウメントの儀式で、このガーメントが悪から身を守ってくれ、着用を怠ったり粗末にすると天罰が下ると教えを受けるのが敬虔な信者を縛っているようです。しかしガーメントは半年も着ると破けてくる粗悪な作りで、しかもソルトレイクシティにある神殿でのみ購入できるという不便さで辟易している信者さんも多いと言います。

モルモン教の特徴③自転車に乗った二人組の勧誘

自転車

モルモン教と言えば「自転車で勧誘活動をしている男性二人組」のイメージを思い浮かべる方も多いようです。布教活動とは思えない現代的な格好が印象的です。

しかしモルモン教の布教活動は自転車を使う方法ばかりではありません。他にも布教の方法がありますので例を見ていきましょう。

タレントにもモルモン教の宣教師がいます

テレビ

最近はあまりテレビで見かけなくなりましたが、20年ほど前はよくテレビで見た、ケント・ギルバートさんとケント・デリカットさん。あの方たちはモルモン教の宣教師として日本にやってきた人達です。テレビは一度に多くの人に周知できるので布教活動には打ってつけです。

しかしテレビで布教活動を行うことは一般的ではありません。勧誘はよく自転車に乗って二人組で行われています。声をかけられた人も多く、モルモン教と言えば自転車に乗った二人組をイメージする人も多いようです。

自転車の他には、ほぼボランティアの英会話教室を開き、そこで勧誘活動を行っているパターンもよくあるので、勧誘にあいたくない人は気をつけてください。

若い男性信者は2年間伝道に出るよう奨められます

自転車

信仰心豊かで積極的に活動している18~25歳の男性信者は、約2年間宣教師となって伝道するよう推奨されています。女性信者は強制ではありませんが、19歳以上で志願すれば1年半の布教活動に出ることができます。男女で差があるのは身の危険の度合いが違うからです。

伝道に出て帰ってくると信者の中で一目置かれる存在になれるそうです。そのため、教団幹部の子息ほど勧誘活動に出るよう強制される一面もあるようです。

勧誘の旅の資金はほぼ自己負担となります。モルモン教徒の子供は若い頃から貯蓄をするように指導されますが、それは将来勧誘活動に出るための資金を蓄えるためです。必要な経費に達しない時は、家族や仲間からの支援や宣教師基金からの支援も受けますが、基本的には自己資金での旅となります。

お金も貯めて仕事も辞めて二人一組となって協力し合いながら2年を乗り切ります。自転車の二人組をよく見るのはそのためです。自転車は資金をそれほど目減りさせない便利な乗り物だから広く利用されているようです。スポーツ用の自転車であれば性能もよく移動距離も長く取れます。

教団側が自転車での移動を推奨しているわけではありません。単純に便利だから利用されているだけのことです。自転車であちこち移動しながら通行人に声をかけたり、戸別訪問したりしています。

モルモン教の勧誘はそれほどしつこいものではないという意見が大半となっています。断るとあっさりと引き下がりどこかへ行ってしまうので、しっかり断りさえすれば困ったことにはなりにくいでしょう。

モルモン教の特徴④一夫多妻制を認める理由

ハーレム

モルモン教が奇異の目で見られる最大の原因となっている一夫多妻制の容認ですが、そもそもローマのカトリック教会が一夫一婦制を認めて浸透したのが今の結婚制度です。そのカトリックの決め事とは真逆に行ってしまったのはどうしてなのでしょうか?

一夫多妻制を認める歴史的背景

一夫多妻

もちろん、一夫多妻ができるのは法律で許されている国だけですが、モルモン教は国が許せば一夫多妻制を認めています。認めるに至った歴史的背景ですが、西部開拓時代にモルモン教に反対する宗派から迫害を受け、村にいた男性信者が多く殺されたことに由来すると言われています。

一方、教祖のジョセフ・スミスには40人もの妻がいました。教祖がやっていたことを否定することはできません。元々は教祖の行いがあって、批判をかわすために歴史的背景をくっつけたと見る人が多いのは事実です。

一夫多妻容認の矛盾点はいつも批判の対象となるため、批判をかわすために、モルモン教は男女問題には特に厳格だと言われています。教祖もやっていた一夫多妻と不貞を一緒にされては困るということです。こういう背景があったから、モルモン教徒である斉藤由貴さんの不倫が大きな波紋を呼んだのでしょう。

同性婚について

LGBT

モルモン教は教義上では結婚は男女間のみとしています。要するに同性婚は認めていません。実際、20世紀までは世間の風潮と同様、同性愛を罪としていましたが、21世紀に入ってからは同性愛を認めはしないものの、否定もしない立場に変わりました。同性愛者の入信も認めています。

しかし、モルモン教の本拠地でもあり、モルモン教徒が6割を占めると言われるユタ州は、アメリカ全土で同性婚を認めるという連邦地裁の判決に反対し控訴しています。よって現在でもユタ州では同性婚はできません。

この現状がモルモン教の総意です。アメリカではユタ州とモルモン教会への批判が高まっています。

モルモン教の特徴⑤結婚と避妊禁止の戒律

教会

宗教と結婚が結びつくと、教団以外の人との結婚は禁止されているイメージがありますが、モルモン教はそこまで厳しい戒律はありません。伴侶となった一般人がモルモン教に改心しないといけないということもありません。ただし、不貞行為や避妊については厳しめです。モルモン教の結婚観について見ていきましょう。

結婚の戒律について

結婚指輪

教団は基本的には信者同士の結婚を奨励していますが、誰と結婚してもペナルティはありません。モルモン教徒の元に子供が生まれたらその子を敬虔な信者に育てることも奨励しています。しかし子供が思い通りに育たないことも多く、叶わなかったとしてもペナルティはありません。

斉藤由貴さんの不倫の件で話題になった「モルモン教は離婚できない」についてですが、確かに離婚はいけないという戒律はありますが絶対ではないようです。離婚しただけで破門ということもありません。

家族を第一に考えて仲睦まじく寄り添うことが奨励されているので、離婚は教えの真逆にあるということで禁止事項にはなっていますが絶対ではありません。実際に離婚なさっている信者の方は大勢います。

避妊をしてはいけないって本当?

ベッドルーム

避妊の禁止は、神からの授かりものを人がコントロールしてはいけないというカトリック系の考え方から来ている戒律ですが、家族計画は信者本人に任せているので事実上は奨励目標といった感じです。

しかし、敬虔な信者はこの避妊の禁止を守るので、敬虔な信者ほど大家族になっている比率が高いと言われています。

モルモン教の特徴⑥食事の制限

食事

モルモン教では、食事してはいけないものがいくつかあります。敬虔な信者はその禁止事項のせいで少し苦労しているようです。

どんな食事をしてはいけないのでしょうか?禁止されている食事を見ていきましょう。

モルモン教で食べてはいけないもの

酒

モルモン教で禁止されている食事はアルコール、カフェイン、コーラなどの飲料系が多くなります。肉は食べても良いですが控えめにするようにとの戒律があります。

カフェインがだめなのでお茶を飲む時は苦労されているようです。飲むなら麦茶やどくだみ茶などのカフェインが入ってないものを選びます。ソフトドリンクは飲んでも良いですが、コーラにはカフェインが入っているので禁止です。

嗜好品ではタバコも禁止なのですが、アルコール、カフェイン、ニコチンの共通点として「依存性」があります。モルモン教では依存する心の弱さを戒めているようです。

それほど厳格な決まりはない

モルモン教

アルコールやカフェインが禁止になると、料理に入ったお酒や抹茶のお菓子はどうなんだ?と追究すればするほど、食べられないものが増えてしまいます。そんな時に判断の基準となるのが「依存して習慣になるかどうか」です。

アルコールは依存も怖いですが、酩酊してうっかり不貞行為や禁止事項を犯しやすいので、戒律に触れる原因となるものは徹底排除していこうという考え方から禁止となっています。

アルコールほど強い作用はなくても、依存してしまって、それがないと気分がイライラして心が乱れやすいものを禁止しています。料理に入ったお酒はアルコールが飛んで依存することはないし、抹茶のお菓子もカフェインを求めて繰り返し食べるということはありません。

そういうものは信者の判断で食事されているようです。イスラム教のように絶対に食してはいけない!という禁止事項ではありません。

モルモン教の特徴⑦安息日(日曜日)は事実上ない

ミサ

キリスト教系の信仰では日曜日にはミサがあり参加を奨励していますが、モルモン教では参加を強制してくる傾向が強いと言われています。日本人なら日曜日も構わず仕事が入ることがありますが、日曜日が必ず休みになる仕事に転職するように勧められたりすることもあります。

しかし、いくら強制と言っても罰則があるわけではなく、プレッシャーをかけてくる程度なので気にする必要はない教えのようですが、日曜もゆっくり休めず不満を抱いている信者さんやその家族はいるようです。

モルモン教の特徴⑧十分の一献金について

お金

モルモン教で悪しき慣習として語られるのがこの「十分の一献金」です。例えば年収が300万円なら年間30万円の献金を要求されるというものです。しかしこれはキリスト教系の宗教ではおなじみの慣習でモルモン教だけに限った教えではありませんが、モルモン教は強制度が高いという話があります。

恵まれることが続くとバランスをとるために不幸がやってくるバランスの法則という考え方があります。貯め込むばかりでいるといつか大きな不幸が来るので、事前に十分の一を開放して小さな不幸を作っておこうという考え方からこの十分の一献金は発祥しています。

ちなみに、この考え方は仏教にも存在し、仏教国日本でも独自に行なっている人がいます。ですので十分の一献金自体はおかしな教えではないのですが、その強制具合によって印象が変わってくるということでしょう。

モルモン教は現代に適応したカトリック系キリスト教です

モルモン教会

一夫多妻やガーメントの風習、そして避妊や食事の禁止など、一部理解に苦しむ戒律はありますが、総合的に見るとカトリック系の源流を汲んだ宗派だと考えると納得ができます。世界に1500万人もの信者がいることを考えると、カルトというより発展途上の新興宗教だと言うことができるでしょう。

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