メンタルの意味とは?メンタルという言葉の使い方などを紹介!
メンタルとは一体どういう意味なのでしょうか?何気なく使っているメンタルという言葉に焦点を当て、その意味や慣用句・ことわざなどについて見ていきます。メンタル・マインドの対義語であるフィジカルとは何なのかについても触れていきます。
目次
メンタルってどんな意味?
私たちは、何かにつけて「メンタル」という言葉をよく使っています。日常生活だけでなく、スポーツやゲームなど、様々な場面でメンタルという言葉は用いられています。
このメンタルとは、どういった意味を持っているのでしょうか?本稿では、メンタルのとは何か?という意味から活用法、対義語である「フィジカル」にも触れていきたいと思います。
知っていても敢えて言葉を再確認してみよう
メンタルという言葉は、英単語としても存在していますが、既に日本語と考えて差し支えないくらい、私たちの生活で浸透しています。英語由来の日本語は、再確認の意味も込めて一度調べてみると、新たな発見があるはずです。
私たちが普段どういった「メンタル」の言葉の使い方をしているのか、メンタルの基本の意味から何か?とはから紹介していきます。
メンタルの意味を再確認!
メンタルとはだいたいどういう意味なのか、おおよそ分かっている人も多いと思います。そして、その対義語であるフィジカルについても同様でしょう。この二つの言葉は、様々な場面で、多様な使い方をされています。
まずは、メンタルという言葉の元々の使い方を見ていきましょう。
メンタルという言葉の意味
メンタルとは、「精神面・心の持ちように関すること」という意味の言葉です。精神と身体(フィジカル面)の関係性には、とても深いものがあります。身体と精神はしばしば分けて捉えられますが、私たちは経験上、精神の不安が身体にも影響することを知っています。
「メンタル」「フィジカル」という異なる使い方の言葉が分かれて存在することは、身体と精神を明確に分けて理解しようとする考えの表れですが、実際のところは両者は大きく影響し合っているのです。
2つは対義語として扱われていますが、「病は気から」ということわざもあるように、メンタルとフィジカルの繋がりは昔から認識されていたとも言えます。
メンタルが強いという時の意味
「メンタルが強い人」という使い方があります。精神面が強い、と聞いてあなたはどんなイメージを持ちますか?強い精神を持っている人は、根性面が優れていてどんな努力も成し遂げることができる……といった感じでしょうか?
「メンタルが強い人」というのは、心の持ちようがしっかりしている人のことを意味します。これは、必ずしも根性に長けているという意味とイコールではありません。辛いことを無理にやり遂げることの力を、「メンタルが強い人」とは表現しないのです。
「メンタルが強い人」とは簡単に動揺しにくい人のこと
心の持ちようがしっかりしているというのは、即ち自分を見失わず、動揺しにくい人のことです。
私たちは日常生活で、先のことをある程度予測した上で過ごしていますが、ある時には想定外のことも起こるものです。メンタルがあまり強くない人だと、想定外のことが起こった場合、混乱して慌ててしまいます。
しかし、メンタルの強い人は違います。直後は慌てるかもしれませんが、すぐに自分を取り戻し、「ではどうすればいいか?」をすぐに考えることのできる冷静さを持っています。
メンタルが弱いという時の意味
「メンタルが弱い人」の意味は、「メンタルが強い人」の逆を考えると分かりやすいでしょう。
突発的な出来事が起こるとすぐに慌ててしまったり、緊張や責任感に飲まれて自分を見失ってしまう……こういったメンタルの人を、しばしば「メンタルが弱い人」と表現しています。
恋愛で、恋人に振られたあとにずっとそのダメージを引きずる人がいます。この人はある意味、「メンタルが弱い」と言えるのかもしれません。
メンタルが弱い人は不利?
大人数を前にしてのプレゼンや、人生がかかった入学試験など、緊張してしまう場面は多いはずです。緊張を感じたときに、メンタルの弱い人はもしかするとそれに飲み込まれてしまうかもしれません。
とすれば、メンタルが弱い人は人生の様々な局面で不利なのではないか?と考えてしまうかもしれません。その場合は、自分の緊張を減らすにはどうすればいいか?を常に考えてみる必要があります。
緊張は誰でもするものであって、それにどう対処するかは各個人に委ねられた「課題」なのです。
スポーツの世界で使われるメンタルの意味
スポーツは本来、高い身体能力を前面に出して競い合うものです。しかし、フィジカルでいい結果を出すには「良いメンタル」も欠かせません。
このことから、スポーツの世界でもメンタルが重視されています。スポーツでは「メンタル」がどういった使い方をされているのかについて、見ていきましょう。
スポーツでのメンタルの意味は?
スポーツを経験したことのある人の多くは、緊張を経験したことがあるはずです。スポーツとは極端に言えば、緊張との戦いです。個人競技でも集団競技でも、競技中は緊張が常に付きまといます。
程よい緊張は競争心を高めてくれる効果があるものの、過度な緊張はむしろマイナスに働いてしまいます。練習試合などでは高いパフォーマンスを見せていたプレイヤーが、重要な試合では力を発揮できずに負けてしまったという例は少なくありません。
そういった場合、「緊張で負けた」という表現がしばしばされますが、スポーツ選手にとっては「緊張にどう打ち勝つか」が重要なテーマであると言えます。
スポーツで強い人はメンタルもすごい
トッププレイヤーとして戦い続ける選手は、厳しい局面を幾度となく越えてきた猛者ばかりです。彼らは、緊張を乗り切るためのメンタルトレーニングも惜しみません。
フィジカル面でのトレーニングだけでは勝てない、ということを経験から感じているためです。身体能力を鍛えるのは勿論ですが、さらに上を目指すにはメンタル面での向上も欠かせないのです。
メンタルヘルスとは?メンヘラとは?
「メンタル」には、対義語や関連語が多く存在しています。ここからはその関連語として、「メンタルヘルス」「メンヘラ」を取り上げたいと思います。
ネット上などでこの2つの使い方を見たことがある、という人もいるかもしれません。具体的にどんな意味を持っているのかを復習も兼ねて見ていきましょう。
メンタルヘルスとは?
「メンタル」は精神面・心の持ちようという意味でした。そして「ヘルス」は、英単語にもあるように健康という意味です。つまり、「メンタルヘルス」で”精神面での健康”という使い方をします。
昨今の医療では、身体的な病気なども勿論ありますが、メンタル面での治療も大きな課題となっています。仕事における過度なストレスやうつなどは、完全に治療するのが難しいとも言われています。
メンタル面での健康をどう維持していくかが重要なテーマとなっており、メンタルヘルスの必要性も増しているのです。
メンヘラとは?使う時は注意!
「メンヘラ」はいわゆるネットスラングで、日常生活ではそれほど使われません。というのも、リアルな場で使うことはあまり好ましくない表現でもあるからです。
メンタルヘルスという言葉が、「メンヘル」と省略され、そこに-erをつけて「メンヘラ」という言葉が生まれました。”メンタルで障害を持った人”・”心の病気を患った人”という意味です。
メンタルヘルスは医療にかかわる言葉でしたが、メンヘラには、ポジティブな意味は含まれていません。ネット上では、蔑視的な意味を込めて用いられています。
メンタルに異常がある人が「メンヘラ」?
もともとメンヘラは、2ちゃんねるの「メンタルヘルス板」にいる人を指す言葉でした。それがいつからか、「心に病気を持った人」を悪く言う表現に変化しました。
かなり乱暴な言葉であるため、リアルの場では、メンヘラという言葉を使うのはおすすめしません。
メンタルの対義語はフィジカル
メンタルについて多くのことを紹介していきましたが、ここからはそのメンタルの対義語「フィジカル」に焦点を当てて行きたいと思います。
メンタル同様にフィジカルも、日本語として定着した感のある言葉ですが、メンタルほどには頻繁に用いられないイメージがあるかもしれません。
フィジカルとは?
フィジカルとは、英単語にもあるように「物理的」「身体的・肉体的」という意味を持っています。このことから、メンタルと対比して「身体能力面」「身体の方」を指す使い方がされてきました。
心と体、それぞれに「メンタル」と「フィジカル」が存在しているという覚え方でOKです。
対義語「フィジカル」の使われ方
メンタルの対義語としてのフィジカルは、どういった使い方がされているのでしょうか。
例えば先ほど紹介したスポーツの場では、「フィジカルトレーニング」という表現があります。これは端的に言えば体を鍛えることなので、私たちが部活動でやってきたような走り込みや筋トレなどに相当するものと考えて良いでしょう。
メンタルの重要性を先ほどは取り上げましたが、言うまでもなく、強靭な肉体なしではスポーツの世界を戦い抜くことはできません。プロ野球選手のように1シーズンが長いスポーツだと、まともにシーズンを戦い抜くことも厳しいでしょう。
フィジカルの対義語は「メンタル」だけではない!
メンタルの対義語はフィジカルと紹介しましたが、フィジカルの対義語が「メンタル」だけであるとは限りません。同じような意味を持った言葉はたくさんあるものであり、メンタルに近い意味のものも多く存在しています。
例えば、フィジカルの対義語としては「スピリチュアル」「マインド」「心」が挙げられます。日本語で最も親しみやすいのは「心」ですが、昨今では「スピリチュアル」「マインド」の認知度も高くなってきました。
フィジカルの対義語「スピリチュアル」とは?
フィジカルには「物理的」という意味もあったことを覚えていますか?その対義語として、「スピリチュアル」があります。
これは「霊的なもの」「霊魂」を示す言葉で、物理的概念を持ちません。そのことから、フィジカルの対義語とされているのです。
スピリチュアルは、宗教と結び付きの強い言葉です。宗教的な行事から、教会などの宗教的建造物、更には「自然を超越した」という使い方もされます。
マインドとメンタルの違いに注意!
フィジカルの対義語として考えて差し支えない「マインド」「メンタル」ですが、この2つにはどういった違いがあるのでしょうか?
マインドとは?
日本語として考える上では、マインドとメンタルにはあまり違いはありません。英語では、mindが名詞(もしくは動詞)、mentalが形容詞であるという違いはあるものの、日本語ではどちらも特別意識せず使い分けることができます。
マインドの関連語として、近年注目を集めているものに「マインドフルネス」があります。これについて掘り下げて見ていきましょう。
マインドフルネスとは?
マインドフルネスとは、「今この瞬間に起こっている経験に注意を向ける心理的な過程」とされています。
マインドフルネスの手段の1つとして、呼吸が挙げられます。数分間の間、呼吸だけに意識を集中させることで、精神を安定させる効果があると考えられています。
宗教における瞑想などは、このマインドフルネス効果を大切に考えています。マインドフルネスを有効に活用することで、穏やかな精神状態で生活を送ることに役立つからです。
メンタルにかかわる慣用句
メンタルの強い人・弱い人、その対義語などについて紹介してきました。ここからは、身近にあるメンタルの言葉に注目してみましょう。
日本語では、メンタル・心にまつわる多くのことわざや慣用句が存在しています。まずは慣用句について、頻出のものを見ていきましょう。
慣用句①心温まる
1つ目は「心温まる」です。これは「あたたかい人情を感じてなごやかな心になる」という意味であり、周囲の人とのかかわりを重視してきた日本人の生活をよく表している慣用句です。
人付き合いはむしろ精神をすり減らすもの、と考えている人もいるかもしれません。しかし私たちの生活は、周囲の人の助けで成り立っています。周囲の人のあたたかい人情に思いを寄せて、「心温まる」状態を体感してみてはどうでしょうか。
慣用句②心が折れる
2つ目は、「心が折れる」です。「心の支えを失い、意欲がなくなる。障害にぶつかってくじける」という意味で、メンタルが弱い人はしばしばこうなってしまいがちです。
メンタルが強い人と弱い人の最大の違いは、障害を乗り越える意欲があるかどうかです。メンタルが弱い人は、障害を全て無くそうと考えながら行動しがちですが、予想だにしない障害が現れると、「やっぱりダメだ!」と諦めてしまいます。
一方でメンタルの強い人は、ある程度の障害はあって当然と考えており、それを乗り越えることで目標に近づくのだという認識を持っています。障害を恐れず、それに立ち向かう心構えができているのです。
慣用句③心ここにあらず
3つ目の慣用句は、「心ここにあらず」です。これは「何か他のことに気を取られ、肝心のことが疎かになっている」という意味です。短く言えば「集中力を欠いた状態」ということになります。
仕事や勉強、スポーツでいい成果を出すには、集中力は欠かせません。なるべくまとまった時間を確保し、一気に集中してやること以上に成果の出る努力はありません。メンタルで強い人・弱い人の違いは、努力でどれだけ集中したかにも表れるため、侮れません。
細切れの時間を使って勉強していくのも大切ですが、「本当に大切なもの」であれば、まとまった時間を確保して努力することを怠ってはいけません。
メンタルにかかわることわざ・故事成語
慣用句について3つ紹介しましたが、ここからはことわざ・故事成語です。
昔の日本では「メンタル」という言葉こそありませんでしたが、「精神」という概念は広く認知されていました。そういった歴史を通じて現代にも残っている言葉について、見ていきましょう。
健全なる精神は健全なる肉体に宿る
読んで字の如くということわざですが、とても大切なことわざでもあります。
精神と肉体は分けて考えられることもありますが、やはり深い関係のもとで活動していると考えるのが自然です。疲れた体で難しい考え事をするのは難しいですし、ストレスまみれの中で激しい運動をすることもできません。
実はこのことわざは、古代ローマ時代の詩人・弁護士であるユウェナリスが残した言葉でもあります。遥か昔の時代に、精神と肉体の存在をちゃんと考察していたのは興味深いと言えます。
心頭を滅却すれば火もまた涼し
「心の持ち方ひとつで、いかなる苦痛も苦痛と感じなくなる」という意味です。火を熱いと感じなくなるのはかなり困難ですが、日常生活の中にある苦境・困難に対してこのことわざが持つ意味はとても大きいものがあります。
辛い局面に出会った時に、「もうおしまいだ」と思うのか、「これを乗り越えればもっと強くなる」と感じるかどうかで、メンタルの強い人・弱い人の差が生まれます。
ほとんどの苦境は、失敗したからといって死ぬほどのものではありません。失敗したら次頑張る!くらいの意志を持った人は、メンタルの強い人と言えるでしょう。メンタルの弱い人は、「最悪」をより悪く見積もってしまう傾向があります。
メンタルの対義語「フィジカル」にかかわる慣用句
メンタルの対義語であるフィジカルには「物理的」「身体的」という意味があると解説しました。このうち「物理的」「もの」に注目し、フィジカルという言葉にかかわる慣用句について、見ていきましょう。
慣用句①ものが分かる
あまり使われなくなったかもしれませんが、「ものが分かる」という慣用句があります。これは「物事の道理や人情の機微がよくわかっている」という意味です。
ものが分かる、という短い言葉にこれだけの意味が凝縮されているのは驚きです。
慣用句②物ならず
「たいしたことではない」「問題ではない」という意味を表す慣用句です。「物」は、物理的なものという意使い方以外にも、「重要なこと」という使い方があります。
その他メンタルに関連する造語など
メンタルや精神に関連した言葉は他にもたくさんあります。ネットスラングやメディアを通じて生まれた言葉が、若者を中心に一気に広まるのは現代でよく見られる流れでもあります。
ここでは、2つのメンタル関連の言葉について見ていきましょう。
豆腐メンタルとは?
「豆腐メンタル」という言葉を聞いたことがありますか?端的に言うと、ものすごくメンタルが弱い人を表した言葉です。
豆腐は、少し衝撃を与えただけで崩れてしまいます。その様子をメンタルに置き換えて、壊れやすいメンタルの持ち主を「豆腐メンタル」と呼んでいるのです。
スポーツの世界、特に団体競技で、メンタルの弱い人はしばしば「豆腐メンタル」と揶揄されることがあります。
メンタルリセットとは?
これは、ある芸能人が発した言葉です。聞いたことはありますか?
この言葉を使ったのは、シンガーソングライターのGACKTさん。新年恒例のテレビ番組『芸能人格付けチェック』に出演した際に、この言葉が使われました。
それまで出演するたびに「一流芸能人」をキープしていたGACKTさんですが、チームの仲間があるクイズで失敗し、チームとしての連勝記録が途絶え、「一流芸能人」から陥落してしまったことがありました。
連勝記録が途絶えたことで落ち込むGACKTさん。しかし直後のクイズへ自らが挑んだときは、見事正解。チームとしての記録は途絶えましたが、「個人としての連勝記録」を伸ばすことに成功しました。
正解したときにGACKTさんが喜びのあまり発したのが、この「メンタルリセット」でした。GACKTさんの個人連勝記録は今でも続いており、新年のこの番組を多くの人が待ち望んでいます。
メンタルを磨くと強い人になれる!
スポーツ・ビジネスなどいずれの世界でも、成功者は強靭なメンタルを持っています。少々の困難ではへこたれず、自らの目標に向かって進み続けています。
メンタルをよく理解することは、私たちの生活においてとても大切です。メンタルの弱い人は、肝心な場面で自分の最高のパフォーマンスを出せず、苦労してしまいます。自分のメンタルをうまくキープするにはどうすればいいか、考えることは大切です。
よく使われる「メンタル」は意外と深い!
メンタルという言葉の使い方から、メンタルに強い人・弱い人の紹介などをしてきました。普段から何気なく使っているメンタルという言葉は、多様な意味があり、生活においてもとても大切であることが分かりました。
メンタルの使い方を勉強することで、日常のいろいろな面で活用することができます。マインドフルネスなど、昨今話題の事柄について勉強してみるのも面白いでしょう。