沙織事件の概要・犯人!18禁の誕生はこれ!【画像あり】
沙織事件の概要を知る人はあまりいません。しかし沙織事件はアダルトゲーム業界の改新のきっかけとなったものです。まだアダルトゲームに対してあまり規制がなかった時代に起きた沙織事件ですが一体どんな事件だったのでしょうか。概要や沙織事件のその後などご紹介します。
目次
沙織事件とは?
1991年にある中学生が起こした行動をきっかけに成人向けアダルトゲーム業界の規制内容が変化しました。
沙織事件がもたらしたものは当時のずさんな規制を明るみにしたことと同時に今では当たり前となった18禁のシールやアダルトゲームの発売には不可欠なあの機関が設立されたきっかけと作った事でしょう。
沙織事件は本来ならそこまで大きな事件になる内容ではなかったのですがなぜここまで沙織事件という名前までついて話題となったのでしょう。そんな沙織事件の概要をみていきましょう。
沙織事件の概要
沙織事件は1991年京都府の男子中学生があるコンピューターゲームを万引きしたのが始まりでした。そのゲームは成人向けアダルトゲーム(現在の言い方だとエロゲーとも言う)の【沙織ー美少女達の館】です。
このタイトルから沙織事件と呼ばれているようです。
本来なら万引きで終わる筈の事件が
沙織事件の犯人である中学生男子がしたことは万引きという窃盗罪の罪に違いはありませんがなぜこんなに大きな事件となってしまったのでしょうか。
それは【万引きをした中学生が悪い】という考えから【中学生が、万引きしてでもほしくなるアダルトゲームを作った会社が悪い】という考えに世間がシフトしてしまったからです。
この事から沙織事件の元となったアダルトゲームを制作した開発会社や親会社、家電販売店には強制捜査が入り実際に開発会社の社長と販売責任者は猥褻図画販売目的所持罪で逮捕されてしまったのでした。
沙織事件の2年前に起きた殺人事件
沙織事件は本来なら万引きで捕まった犯人の男子中学生が処分を受けて終わる筈でした。しかし実際はアダルトゲームソフトの会社や販売責任者が逮捕されるまでの事件となってます。それは何故なのでしょう。
これには沙織事件の2年前に起きた連続幼女誘拐殺人事件が関係しているといいます。東京・埼玉連続幼女誘拐殺人事件と聞いて覚えている方も多いでしょう。
犯人の宮崎勤は既に死刑判決で刑を受けこの世にはいません。ではこの事件がなぜ今回の沙織事件に関係しているのでしょうか。沙織事件との関係を知るために連続幼女誘拐殺人事件とはどんなものか概要をまとめました。
東京・埼玉連続幼女誘拐殺人事件の概要
沙織事件と関係していると言われる連続幼女誘拐殺人事件の概要とは以下の通りです。1988年から1989年にかけて4人の小さな命が奪われたこの事件で4歳~7歳の全て女の子が犠牲となりました。犯人の宮崎勤は被害者に優しく声をかけては山林などで裸の写真を撮ったりした後首を絞めて殺害しました。
また殺害した後の遺体にわいせつ行為をするなど異常性が話題となりました。そして彼女達の遺体を野焼きにして遺族に送り付けたり遺体をバラバラにしたりと残酷極まりない行為でした。
1989年7月に犯人の宮崎勤は東京都八王子市で幼い姉妹を狙ったわいせつ事件を起こします。その後姉妹の父親に取り押さえられ現行犯逮捕となったのです。
逮捕後連続幼女誘拐殺人事件について警察に取り調べを受けると宮崎勤は犯行をほのめかすような供述をしたと言います。その後に犯人である宮崎勤の生活していたコンテナが公開されると中から有害コミック(今でいう18禁コミック)が大量に発見されたと言います。
当時有害コミックの問題が注視されていたことから有害コミックを持っていた事が=犯罪に繋がったとメディアは報道したのです。
以上が連続幼女誘拐殺人事件の概要でしたが、この事件以降いわゆる【オタク】と呼ばれる人物へのバッシングが激しくなりオタクは犯罪者予備軍とまで言われました。
当時はコンピューター自体があまり普及していなかったことからコンピューターを持っている人物も少なからずオタクの部類だと思い込んでいる人はいたようです。
そんな事件の熱も冷めないうちに起こった今回の沙織事件とはまさにバッシングの対象となってしまうアダルトゲームだったのでしょう。これが沙織事件と幼女誘拐殺人事件が関係していると言われる理由です。
沙織事件のあった時代背景
沙織事件が起きるより前の1986年に刑法177条の強制性交等罪をモチーフにしたコンピューターゲーム【177】が国会で激しく非難を受けました。内容自体はこんなに異常なものではありませんでしたが、当時のコンピューターゲームに性的なシーンが含まれていることが問題だったようです。
更には沙織事件のアダルトゲームを18歳以下でもお金さえあれば購入出来てしまうことも大変な非難を受けました。これが沙織事件の時代背景と言えるでしょう。
沙織事件で問題になったアダルトゲーム作品とは?
沙織事件の名前にもなっている【沙織ー美少女達の館】は勿論ですが、当時のアダルトゲームの中で沙織以外にも問題となり発売禁止(自主回収)となったものがあります。
その原因としては沙織同様に画像に対してのモザイクの濃さだったり、あまりにも過激な画像、描写など猥褻図画販売目的所持罪になり得るからといったことでしょう。では沙織以外の作品とはどんなものでしょうか。
沙織ー美少女達の館
沙織事件の元となったこのゲームはフェアリーテールという会社から発売されたアダルトゲームです。まだ18禁という規制もない時代だったので成人向けと言われていましたが誰でも購入出来てしまいました。
沙織のゲーム概要はアダルトものなだけあって近親相姦や同性愛も含んでいました。過激な内容にも関わらずモザイク処理が一切されていないことも当時は売りにしていたようです。
ドラゴンシティX指定
1991年1月に発売されたドラゴンシティX指定は沙織事件で封印されることとなった作品です。この作品の特徴は当時しっかりとした年齢制限をしていないにも関わらず、男女の性器がモザイク処理されていない状態で発売されていました。
当時のコンピューターゲームの技術では画像もそこまで鮮明には出来なかったのでその当時の精一杯のモザイク無し画像だったと言えるでしょう。この作品は沙織事件が起きたその後に自主回収となり封印されました。
天使たちの午後3 番外編
沙織事件が起こるより少し前の1990年に発売されたこの作品はジャストから出ました。作品概要としては登校中に遭遇するお嬢様を口説き落とすのが目的のゲームです。
このゲームは沙織事件後に一度回収されましたが1993年にジャストが作品名を【反省版】と変更し、画像修正などもした状態で発売しています。
天使たちの午後IV ~ゆう子~
1991年に発売されたこの作品は沙織事件が起きた直後だったことからほとんど概要を知られていません。しかし沙織事件の摘発の対象となった本作品は一度回収されましたがジャストにより沙織事件後に画像修正や作品名を【天使たちの午後 collectionⅡ】と変更して再度発売されています。
作品概要はアダルトゲームではありますがサスペンスを盛り込んだ推理ものでもあったようです。
レイティング規制のきっかけとなった沙織事件
沙織事件はこれまでの販売規制に喝を入れる結果となった事件です。当時も画像処理や内容によっては適正年齢の表示は最低限あったようです。しかし現在の18禁シールのようなものはありませんでした。
今では当たり前のようになっている規制も沙織事件が起きる前はなかった時代があるというのは怖い気もしてしまいますね。では具体的に沙織事件が起きたその後に出来た規制とはどのようなものだったのでしょうか。
開発元会社も摘発される結果に
沙織事件の始まりは京都府の中学生男子の万引きでした。窃盗という意味での犯人はこの中学生ですが世間はそうではありませんでした。アダルトゲームを開発した会社社長や販売責任者が沙織事件の犯人という形で逮捕されています。
そして摘発されたのは沙織の販売元であるフェアリーテールだけではありませんでした。同じようにフェアリーテールブランドを有するキララと親会社のジャストという会社が摘発の対象となっています。しかしこの二つの会社の対応は全く違うものでした。
キララの対応
フェアリーテールブランドを有するキララは沙織事件で摘発を受けた後、その摘発に該当する作品全てを廃盤とすることを決めました。キララにとってはこの対応が最善であり、一番わかりやすく世間に謝罪を示す事だと思ったのでしょう。
廃盤となった後は作品の一覧からも綺麗に消されていて沙織事件がなかった事にするようにさえ見えましたがキララの精一杯のけじめなのでしょうね。
ジャストの対応
沙織事件で摘発を受け社長が逮捕されるまでに至ったジャストはどういった対応をしたのでしょう。キララ同様に該当する作品を廃盤にしたまでは同じでした。しかしジャストは全てというわけではなかったのです。
ジャストは一部のアダルトゲーム作品の内容と作品名を修正して再度発売をしました。勿論画像処理で問題となった箇所は画像修正をした状態です。ジャストはキララとは違う反省の意思を出したといえます。
画像修正版を発売する事で、再び過ちをしませんという誓いの表れにも感じるでしょう。この二つの会社の対応の違いは当時アダルトゲーム業界に衝撃を与えました。
18禁シールが貼られるようになった
沙織事件後にアダルトゲームの制作会社が集まって会合を開きコンピュータソフトウェア倫理機構を設立しました。コンピュータソフトウェア倫理機構(以後ソフ倫)はレイティングとして【全年齢対象】【18禁】などの年齢規制を設けました。
今までのやり方を全面的に変更し、ソフ倫の審査を通していない成人向けアダルトゲームを販売した場合、流通を通さないように問屋に要請しました。
その結果、商業ベースには未審査の成人向けアダルトゲームは事実上出回らなくなりました。
そもそもコンピュータソフトウェア倫理機構とは
沙織事件後に設立されたコンピュータソフトウェア倫理機構は現在もその役目を果たして成人向けアダルトゲームには18禁のシールが貼られていますね。
しかしソフ倫という言葉は知っているけど詳しく何をしているのかは知らない人が殆どでしょう。ではソフ倫とはどんなことをしているのかご紹介します。
コンピュータソフトウェア倫理機構とは、とてもシンプルに言えば日本の成人向けアダルトゲームを中心としたコンピュータソフトウェアなどの倫理的な規制や審査、レイティングを行っている機関の事を言います。
沙織事件が起きたその後、ソフ倫が設立され世間に出回っているアダルトゲームは審査済みのものとなっています。
その後年齢制限が更に規制された
沙織事件が起きたその後に出来たソフ倫ですが、初めは一般指定(全年齢)と18禁の二つでした。その後の1994年6月に新たに「15禁」というレイティングに該当するR指定が義務付けられたのです。
またアダルトゲームとは別の区分である美少女ゲームに分かれる事によって2011年10月から今までの15禁を撤廃しました。そして一般ソフトの区分を細分化する事にし、【12歳以上推奨】【15歳以上推奨】の二つの区分を作りました。
こういった細分化を図る事で学園もののソフトなども15禁ではなく【12歳以上推奨】と視野を広げられました。更にはゲーム会社がしっかりと責任をとれるようにした規制だったといえるでしょう。
またこういった規制はソフ倫だけではなく他にもあるそうです。それはメーカー側の規則などでありその内容は厳しくしているようです。
沙織事件が起きたその後に作られた18禁シールは今では当たり前のように貼られているものです。それはメーカー側からの消費者に対する防衛手段にも思えます。
沙織事件の規制後は?
沙織事件はアダルトゲーム業界のゆるい規制を明るみにし、メーカー側にも消費者側にもしっかりとした規制を与えました。それによりメーカー側もこの先沙織事件のように逮捕されるようなことがないようにしたのでしょう。
沙織事件では犯人と言える人物は考え方により複数います。万引きの犯人である中学生、画像処理や販売規制の甘さによって犯人となった開発会社の社長達と罪も様々でしたが沙織事件で規制が新たに作られたその後とは一体どんな様子だったのでしょう。
18歳未満の作品に対しての規制
沙織事件が起きるまでうやむやになっていた学園をテーマにしたゲームで18歳未満のキャラクターの呼称を決めました。沙織事件後、ソフ倫は18歳以上なのかわからないキャラクターなどに対しては【女子高性】や【学園、学院】という言葉を用いるように処置されました。
また児童ポルノとの関係で18歳未満作品に関して細かい規制が必要となりました。なので例えば18歳以上のキャラクターでも児童ポルノを想像させるランドセルやそういった服装などが禁止ワードに指定されたのです。
そのことから18歳以上のキャラクターに関してメーカー側は【大学】というワードを使用するようになりました。
こういったことからアダルトゲーム業界の視野は狭まりました。しかし沙織事件が起きたことでアダルトゲームと児童ポルノの区別がはっきりと付けられ、今後メーカー側から逮捕者を出さない為の規制となったのです。
そして今までは年齢制限もなかったアダルトゲームです。沙織事件の最初の犯人である中学生男子ももし万引きをせずにお金があれば購入が可能だったという事です。それを沙織事件でソフ倫が出来たことでしっかりと販売できる年齢を提示しグレーの状態を無くしました。
コンピュータソフトウェア倫理機構という所が出来て規制がされるようになり確実に守られるようになったものもあるのです。
沙織事件以降にも起きた!アダルトゲームに関する事件
沙織事件概要からその後の対応まで見てきて色々な人を守れるようになったアダルトゲーム業界ですが、沙織事件以降にもアダルトゲームに関係した事件が起きているようです。
では沙織事件以降に起きた事件とはどのようなものなのでしょう。
下級生2-ディスク叩き割り事件
下級生2とは2004年8月にelfより発売されたゲームです。このゲームのヒロインである「紫門たまき」がこの事件の発端です。エロゲーの王道であった幼なじみキャラにも関わらず、ゲーム開始から既にDQN彼氏が存在しています。
これだけで既に危ない雰囲気があったのに個別ルートに突入するとヒロインが既に処女でない事が判明していまうのです。これにユーザー達は憤り、一部のユーザー(この事件の犯人)がディスクをたたき割って返品するという所業に出たことが話題となりました。
その衝撃的な画像と返品の際に送られた文言のおかしさからネット民の間で一気にこの事件は広がりましたが今では都市伝説のような話となっています。
北海道・東京連続少女監禁事件
この事件は2001年2004年にかけて起こった連続監禁事件です。この監禁事件の犯人は当時「監禁王子」と呼ばれていました。その名前で知っている人もいるかもしれません。
監禁王子と呼ばれた犯人は一度逮捕された後にもう一度同じような監禁事件で逮捕されています。まずはこの事件の概要からご紹介します。
犯人の男は青森県の資産家の家に生まれとても裕福な暮らしをしていました。しかし男の母親が亡くなったことから大きなショックを受け家出同然に実家を出ました。男は周囲の人に「ハーレムを作る」などと話していたそうです。
実家を出て札幌市内で知り合った当時20歳の女性を家に連れ込みました。そして2週間にわたり監禁しペット用の首輪を女性に付けて「ご主人様」と自分の事を呼ばせていました。
女性は監禁から解放された後、警察に被害届を提出し男は監禁致傷容疑で逮捕されたのです。この事件で男は懲役3年、執行猶予5年の判決が言い渡されました。
その後、執行猶予中に男は東京に転居しました。その時にチャットで知り合った女性(当時18歳)と交際を始めましたが2004年に女性を脅迫して上京させ都内のマンションやホテルにて前回同様、首輪を付けて3ヶ月間にわたり監禁しました。
男は女性に「俺は病気だから捕まらない」と話していたようです。この監禁事件で男は再度逮捕され取り調べにより他にも3人の女性を監禁していたことが判明しました。
これにより懲役14年の判決が言い渡されました。男は実家にいる頃から18禁アダルトゲームに熱中していたことからアダルトゲームの内容に感化されての監禁かと言われています。
以上がこの事件の概要です。他にもアダルトゲームに関する事件は大小あるようですが有名なものは上の二つでしょう。18禁ゲームはその存在だけで堂々と「持っている」「やっている」と言えるものではありません。
沙織事件もそうですがこういった事件が起きるとやはり他の事件よりも悪目立ちしてしまうのも18禁ゲームの悩めるところでしょう。
ハピメアーバール割り事件
上の二つ以外にもう一つアダルトゲームに関する事件をご紹介します。比較的まだ記憶に新しい2013年に起きた事件です。2013年2月に【ハピメア】というソフトが発売されましたが、ニコニコ生放送の主でもあった犯人の男がツイッター上で「ハピメアを割った」と発言しました。
割るとは違法ダウンロードの事を意味する隠語であり、その発言に販売元のpurple softwareの石川氏にまで広がり石川氏は男に突っ込みを入れましたが男は更に暴言を吐き炎上しました。他のゲームユーザー達も男に対し批判の言葉を浴びせるなど一気にその発言は広がっていったのです。
しかしpurple側が公的な期間に働きかけたことで事態は収束に向かっていきました。違法ダウンロードがあった事が認められ男は保護者同伴で謝罪、次やったら訴訟も受け入れると約束させ誓約書も書かせました。そしてこの事から犯人が未成年だったことも騒動を知ったユーザー達は驚いたそうです。
沙織事件後のアダルトゲーム業界
沙織事件はコンピューターが普及していない時代に起きた事件とはいえ、その当時のコンピューターゲームの規制のゆるさを表したと言えるでしょう。
沙織事件は18禁シールの徹底やコンピュータソフトウェア倫理機構を設立しました。その後のアダルトゲーム業界は今までのように何歳でも購入出来ることはなくなりメーカー側も消費者もお互いに犯罪に手を染めないような規制が出来ました。
沙織事件の元となったゲーム【沙織ー美少女達の館】の販売元、フェアリーテールは倒産こそ免れましたが沙織事件の反響は大きくその後のゲームの売り上げにも影響は出たようです。
しかし沙織事件は、【漫画、アニメ、ゲーム=犯罪に繋がるもの】という子供を持つ親の思想を僅かでも変えたのではないでしょうか。それは18禁ゲームを販売する側からすると喜ぶべきところでもあります。
沙織事件が起こった当時は前にご紹介した幼女誘拐殺人事件もあり、【オタク】と言われる人たちが犯罪者予備軍とされていました。
18禁アダルトゲームは画像処理もそれほど細かくされておらず裏技を使うとそのモザイクでさえ消せてしまうのです。(D・O作品と呼ばれているソフト)そんな事が出来てしまう世の中でしたから余計にオタクと呼ばれる人への批判はすごかったのでしょう。
アダルト業界が抱える問題とは
一人の中学生が起こした万引きが引き金となった沙織事件ですが、この事件がなかったら今の18禁シールやコンピュータソフトウェア倫理機構は出来ていなかったかもしれません。
いい意味でも悪い意味でも沙織事件はコンピューターゲーム業界を変えたことでしょう。しかし規制が生まれるとその後にはまた新たな問題も生まれてきます。それは便利になった現在だからこそ起こる問題なのでしょう。
再び誰にでも視聴可能な時代へ
沙織事件の起こった時代は、パソコンも各家庭に一台なんて時代ではありませんでした。だからこそパソコンはお金を持った大人の人が持っているイメージでした。
アダルトゲームは大人の男性が購入してやるものでしたが現在はどうでしょう。今や各家庭に一台ではなく一人一台も当たり前になっている時代です。それは18歳以下の未成年も同じことでしょう。
更には携帯電話もほとんどの人がスマホになり音楽や動画、画像も昔より手軽に見る事ができます。それが便利でもあり同時に危険でもあるのです。
沙織事件当時に比べたら格段と便利になった世の中ですが、アダルトゲーム業界は変化したんでしょうか。現在もソフ倫や18禁シールはしっかりと貼られていますし、販売するときの年齢確認などもしている所は多く見かけます。
規制もバッチリに見えますが、パソコンゲームだけでなく今やアダルト動画やアダルト画像、アダルト漫画、アニメと幅広く出回っています。それが大人だけでなく未成年でも簡単に無料で見られてしまうのが現在の問題点でしょう。
アダルトコンテンツを利用する際は18歳以上か確認する工程がありますが何か身分証を提示する訳でもなく質問にyesを選びさえすればサイトに入れてしまうのです。
他にも無料動画サイトのような所で簡単にアダルトビデオの一部が視聴できたりモザイク処理など勿論ない状態で一般人が投稿したアダルトな内容の動画も見れてしまいます。
ソフ倫が審査出来る範囲外で起きていることなので基準などありません。もはやインターネットの普及はアダルト業界からしたら無法地帯と化してしまっているでしょう。
沙織事件は保護を与えると同時に各開発会社へ厳しい規制を約束させました。それは今も変わりませんがネット社会となった現在ではあまり18禁という言葉も意味がなくなっているのが現状です。
中学生や高校生だけでなく小学生にだって見ようと思えば見れてしまう今の時代の課題はこの無法地帯となったネットにあふれるアダルトコンテンツをどうやって規制していくかでしょう。
正直いたちごっこのようなもので何かを取り締まればすぐに次の問題が出てきます。しかしそれでもやっていかなくては現状は打破できません。
沙織事件から学んだ事とこれからすべき課題
沙織事件はアダルトゲームという事でより偏見的な見方をされた事件でした。沙織事件が起こる前は誰も変だと声をあげなかったモザイクの濃さや購入時の年齢制限のゆるさなどに対しておかしいといった声があがりそれは瞬く間に広がりこのような逮捕劇にまで至ったのです。
アダルトゲームをやるような人物はいつか犯罪を犯す、ならばこんなもの発売するなと偏った意見も多数あったそうです。犯罪者の卵を作っているかのようないわれようでしたが当時は仕方ない面もあったのでしょう。
現在でもそういった【オタク】と呼ばれる人達への風当たりは沙織事件の時ほどではないにしてもやはりまだあります。
現在も何か事件があれば必ずと言っていいほど犯人の事を報道する際、【オタク】だったという言い方をする場合があります。アダルトゲームを熱中してやっていたから性犯罪を犯すとイコールにするのはやはり疑問が残ります。
しかし実際にそういったアダルトゲームや漫画、アニメに夢中になり想像だけでなくリアルにその内容を求める人がいるのも確かです。正直それを未然に防ぐのは至難の業でしょう。ただ判断力に乏しい未成年にアダルトコンテンツを利用できないようにすることは全てとは言えませんが可能です。
自己責任でそういったサービスを利用できるようになるまでは私達大人が、しっかりと規制していかなくてはいけないのではないでしょうか。今後の課題の一つとして改めてアダルト業界は健全な業界を目指してほしいと思います。