マッチポンプの意味や語源・使い方の例とは?自作自演で利益を得る?

マッチポンプとはどういう意味かご存知でしょうか。マッチポンプとは、ビジネスにおいて、自作自演によって利益を上げる商法を意味する言葉です。本記事では、マッチポンプの意味や語源についてご紹介します。また、実際の使い方について、具体例を挙げながら解説します。

マッチポンプの意味や語源・使い方の例とは?自作自演で利益を得る?のイメージ

目次

  1. 1「マッチポンプ」という言葉を聞いたことありますか?
  2. 2「マッチポンプ」の言葉はどのように誕生した?
  3. 3マッチポンプの使い方の例
  4. 4マッチポンプ商法の例
  5. 5なぜ世の中はマッチポンプだらけなのか
  6. 6マッチポンプにだまされないためには?
  7. 7マッチポンプにだまされないように!

「マッチポンプ」という言葉を聞いたことありますか?

マッチポンプという言葉の意味を聞いたことがあるでしょうか。言葉だけは聞いたことがあったとしても、ほとんどの人にとってあまり馴染みのない言葉です。しかし実は誰にとっても、マッチポンプは非常に重要な言葉です。

普段何気なく生活していると気づきにくいですが、マッチポンプはさまざまなところで行われています。マッチポンプ商法やマッチポンプビジネスと言われる方法によって、私たちはいつのまにかお金や健康な、大事なものを失っている可能性があります。

今回はそんなマッチポンプという言葉について、意味や使い方、例文などをご紹介します。また、マッチポンプ商法やマッチポンプビジネスと言われるものにだまされないようにする方法も合わせてご紹介します。

マッチポンプの意味は「自作自演」

マッチポンプの意味とは、一言で言うと「自作自演」です。マッチポンプとは、マッチで火をつけて、その火を自らポンプの水で消すことを意味しています。

つまり、自分で問題を起こしておいて、その問題を自ら解決することによって利益を得ることを意味します。マッチポンプは主にビジネスや政治でよく使われる言葉ですが、実際はさまざまなところで行われています。

マッチポンプで利益を得るということは、マッチポンプによって損をさせられる人がいることを意味するので、マッチポンプという言葉は悪い意味で使われます。

マッチポンプは和製外来語

マッチポンプとは、日本の造語です。マッチは英語で、ポンプはオランダ語なので、日本人が組み合わせて作った言葉です。英語でマッチポンプと同じ意味の言葉には、「sock puppet」や「staged photo」「hoax」があります。

「sock puppet」とは、靴下で作った指人形という意味です。指人形を使って何人かいるように見せかけることを意味しています。「staged photo」とは、舞台用の写真という意味です。舞台用の写真は作られたものなので、つまり自作自演という意味です。

「hoax」とは、直訳で「でっちあげ」という意味です。マッチポンプとほぼ同じ意味の使い方をします。

マッチポンプの類義語

マッチポンプと同じような意味を表す言葉として、陰謀や秘密工作やインサイダーなどがあります。陰謀とは、相手にばれないように悪事を企てることを意味します。

秘密工作とは、政治的に敵対する相手を陥れたり、自分たちの都合の良い方向に政治が動くように仕向けることを意味します。

インサイダーとは、自ら株価が上がるような情報を流し、株価が上がったところで自分自身やインサイダー取引の相手が売り抜ける手法のことを言います。

「マッチポンプ」の言葉はどのように誕生した?

マッチポンプという言葉が使われるようになったのは、1966年の「黒い霧事件」からです。

黒い霧事件とは、当時自民党の国会議員だった田中彰治さんが、国会で問題提起をし、その問題の当事者に、お金を払えば提起した問題を取り下げる、と要求していた事件のことです。

このような事件がきっかけで広まった言葉なので、マッチポンプとは悪い意味で使われるようになりました。

マッチポンプの使い方の例

ここでは、マッチポンプの使い方例をさまざまな場合に分けてご紹介します。

マッチポンプを使った例文①政治の場合

「国会議員が差別的な発言をしたのは、差別問題に目を向けさせるマッチポンプだったようだ」

政治の場合のマッチポンプは、この例文のように、国会議員が自分の党の問題を隠すための使い方があります。例えば、あえて炎上するような発言をして、マスメディアが問題発言に注目している間に、本当にの問題をうやむやにするという自作自演があります。

政治の世界では、日本に限らずどこの国でも常にマッチポンプが行われています。敵対する党や政治家を潰すためや、マスメディアから情報を隠すためなど、ありとあらゆる使い方をします。

マッチポンプを使った例文②芸能人の場合

「テレビ番組で喧嘩していたあの2人、同じ番組で今度は仲直りして視聴率を稼いでいたが、これは制作会社のマッチポンプだ」

芸能人や有名人で最も多いマッチポンプの使い方は、炎上商法です。この例のように、あえて過激な発言をしたり、喧嘩をしたりと、炎上させて視聴者を引きつけ、トラブルによって視聴率などを稼ぎます。

例えば現在テレビに引っ張りだこの有名司会者は、喧嘩腰の発言や共演者への暴言で話題作りをし、視聴率を稼ぐというマッチポンプの使い方をしています。嫌いな芸能人で常に上位に入っているにもかかわらず、テレビ出演はどんどん増えています。

マッチポンプを使った例文③詐欺の場合

「パソコンウイルスにかかって、お金を払ったら直すという表示が出てるけど、あからさまなマッチポンプ詐欺だ」

最近何かと話題になるインターネットウイルスでも、マッチポンプ商法が使われています。

この例文のように、ウイルスを仕掛けて、お金を払えばウイルスを取り除くといったマッチポンプ商法の使い方をしています。自ら問題を作って解決してあげるという、典型的なマッチポンプ商法です。

マッチポンプを使った例文④商売の場合

「食器洗剤の会社がハンドクリームも販売するマッチポンプ商法で利益を得ている」

この例文のように、自社の商品を使うことによって出てきた問題を、自社の製品で解決するというマッチポンプ商法の使い方があります。ビジネスの世界では、このようなマッチポンプビジネスで稼いでいる企業がかなり多く存在します。

消費者に実害があっても、儲かれば何でも良いというマッチポンプビジネスは、悪質に感じますが、今のところ法律で取り締まれないものがほとんどです。

マッチポンプを使った例文⑤経済の場合

「外資系証券会社が、IT企業の評価を2段階上げて株価を釣り上げた後、IT企業株を売却するマッチポンプを行った」

この例文のようなマッチポンプの使い方は、金融業界では多く行われています。インサイダー取引などで取り締まられる場合もありますが、法律にかからないようにうまくやっている場合が多いです。

特に力のある金融機関や、国や政治家が絡んでいる金融機関は、堂々とマッチポンプ商法をやっているところも多く存在します。

マッチポンプ商法の例

マッチポンプの使い方例をご紹介しましたが、実際にどのようなマッチポンプ商法が現実では行われているのかをご紹介します。

戦争で利益を得るアメリカ式ビジネス

アメリカは昔から戦争のマッチポンプによって莫大な利益を得てきました。自国の軍事産業に利益をもたらすために、他国の内紛を煽ります。また、反政府組織に武器を渡して、政権を転覆させ、その国の資源エネルギーを奪います。

そして用済みになると、今度は武器を供給するなどして味方をしていた相手を敵扱いし、潰しにかかります。アメリカは世界の警察を自称しながら、このような戦争マッチポンプビジネスを行ってきました。

しかし、アメリカが誤算だったのは、完全に潰すはずだったテロリストたちを潰しきれなかったことです。その結果が、今世界中で暴れているイスラム原理主義のテロリストです。テロリストが大きな力を付けたのは、アメリカのマッチポンプ商法が原因です。

新聞社や週刊誌の記事捏造問題

新聞社や週刊誌は、これまでさまざまなマッチポンプ商法を行い、そのうちいくつかは自作自演だったことがばれて大きな批判にさらされました。例えば有名なところでは、朝日新聞の珊瑚記事捏造事件があります。

珊瑚記事捏造事件とは、朝日新聞のカメラマンが沖縄県の海で珊瑚に落書きをし、日本人のモラルが低下しているとして記事にした事件です。

この他にも新聞社や週刊誌はマッチポンプビジネスで利益を得てきました。時には捏造がばれても懲りることなく、捏造記事を作り続けています。

反社会勢力の恐喝商法

反社会勢力が行うマッチポンプビジネスの定番が、美人局(つつもたせ)です。美人局とは、仲間の女性とターゲットに体の関係を持たせ、その後で彼氏や夫を名乗る男性が脅迫する、自作自演の手口です。

この他にも、反社会勢力や半グレ集団は、自作自演で相手の弱みを握り、金銭を要求するというマッチポンプで利益を得てきました。最近ではインターネットを使って、高度化した自作自演で利益を得るマッチポンプ商法も増えています。

薬漬けにして利益を得る病院と製薬会社

世界中で行われているマッチポンプが、薬漬けビジネスです。薬漬けビジネスとは、病院と製薬会社が組んで、患者に大量の薬を処方します。薬の副作用によって新たな病気が発症するので、さらにその副作用を抑える薬を処方します。

こうして薬漬けのマッチポンプ商法が蔓延しています。病院と製薬会社のマッチポンプ商法は長い間問題視されてきたのにもかかわらず、止めることはできていません。

病院と製薬会社には政治家との癒着があるので、強い権力に守られて変えることは不可能に近い状態でした。日本では昔よりも良くなってきてはいますが、一部の心療内科や精神科ではいまだに大量の薬を処方する医者が残っています。

自作自演の誤発注商法

一時期SNSで大きな話題になったのが、誤発注商法です。誤発注商法とは、商品を大量に誤発注してしまったことをSNSでアピールし、見た人に買ってもらう方法です。

最初は本当に誤発注で困っているお店がいましたが、後にわざと誤発注のふりをして話題になり、商品を売ろうとする自作自演のお店が出てくるようになりました。自作自演を疑われたお店はSNSで大批判されて、逆に大損するお店が出るようになりました。

なぜ世の中はマッチポンプだらけなのか

どこの国のどの業界でも、マッチポンプ商法は蔓延しています。なぜこれほどマッチポンプ商法が使われるのでしょうか。それは、簡単に大きな利益を得ることができるからです。

お金を稼ぐには、誰かの問題を解決することが必要です。問題が大きければ大きいほど、得られる利益も大きくなります。しかし、たくさんの人があらゆるビジネスを行っている現代では、問題を見つけて稼ぐことは簡単ではありません。

しかし、マッチポンプ商法であれば、自ら問題を作り出すことができます。しかも好きなタイミングで自由な大きさの問題を作り出すことができるのです。他人をだましてでもお金儲けをしたい人にとっては、理想的な手法です。

マッチポンプにだまされないためには?

あらゆるところに仕掛けられているマッチポンプ商法ですが、だまされて損をしないためにはどうしたら良いのでしょうか。

誰が利益を得ているか考える

マッチポンプは、広い意味で見るとすべての人が日常的に使っています。例えば、彼氏に冷たくした後で優しくして、彼氏の気を引くこともマッチポンプです。

有名人や政治家などの言動を何となく流すのではなく、その言動によって得をするのは誰か、損をするのは誰なのか、考える癖をつけると、見え方が変わってきます。

慣れてきたら、日常生活の中でも、誰にとってどんな利益になっているかを考えるようにすると、合理的な判断ができるようになっていきます。

複数の視点から物事を見る

人は生まれた時から、決まった価値観の中で成長していきます。学校や会社、テレビのワイドショーなどでも、1つの目線からだけで物事を語ります。

それが当たり前だと思って生きていると、だまして利益を得ようとする人たちのマッチポンプに引っかかることになります。

多くの人とは逆の視点から物事を考えてみたり、反対の立場の人目線で考えてみたりするなど、たまにはひねくれた考え方をしてみると、意外な事実が見えてくることがあります。

疑問を持つ癖をつける

研究者などがよく言うことですが、何にでも疑問を持つ癖をつけることは大事です。特に、みんなが当たり前だと思っていることほど、本当にそうなのかと疑問を持つことです。

実際に、世の中で常識だと言われていたことがどんどん変わっています。社会や理科の教科書は、毎年のように内容が書き変えられているほどです。

人間に対して必要以上に疑う必要はありませんが、妄信することも危険です。世の中の仕組みについては、疑いすぎなくらい疑うくらいでちょうど良いくらいです。

目の前の問題に焦らない

マッチポンプ商法も詐欺と同じように、だまされる人の精神を揺さぶってきます。問題が起きて動揺しているところに、解決策がありますよ、と言い寄ってきます。焦ってその話に乗ると、その問題は解決されますが、最終的には損をさせられています。

感情を基準に行動するタイプの人ほど、マッチポンプ商法に引っかかりやすくなってしまいます。何か問題が起きたら、ひと呼吸置いて冷静に対処することです。そして、目の前の損得だけでなく、先々の損得も合理的に計算することで、だまされにくくなります。

マッチポンプにだまされないように!

マッチポンプの意味や使い方、マッチポンプにだまされない方法などをご紹介してきました。ほとんどの人にとってあまりなじみのない言葉であるにもかかわらず、知らないうちに損をさせられているのがマッチポンプです。

マッチポンプに気付いて、損をさせられないようにしましょう!逆に自分がマッチポンプを行う時は、ばれないように気をつけてください!

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