勿忘草(ワスレナグサ)の花言葉は怖い?種類や色別(白,紫,青,ピンク)の意味
白や青など色彩豊かな勿忘草は、世界中で園芸に利用されている人気の花です。しかしその勿忘草の有名な花言葉を、怖いと感じる人は多いでしょう。本当にその花言葉には怖い意味が込められているのでしょうか?そこで今回は勿忘草の花言葉について、詳しく見ていきたいと思います。
目次
勿忘草(ワスレナグサ)とはどんな花?
「私を忘れないで」という一見怖い花言葉が付いてることで有名な勿忘草(ワスレナグサ)ですが、その本当の意味や由来はあまり知られていません。さらに勿忘草には、青やピンクなどの色毎に花言葉がありますし、種類別にも花言葉が設定されているのです。
今回はそんな勿忘草の花言葉の意味を、詳しく見ていきましょう。勿忘草の花言葉の由来となった伝説や、海外の勿忘草の花言葉なども紹介していくので、勿忘草の花言葉が気になる人はぜひ注目してみて下さい。
勿忘草の名前の由来
勿忘草の名前の由来はドイツに伝わる、とある伝説とされています。その伝説とは、騎士が恋人の為に勿忘草を摘もうとした時に足を滑らせ、川に流されて亡くなってしまったという物語です。
騎士が流される直前に「僕を忘れないで」と叫んだという逸話から、「勿忘草」という名前が付いたとされています。
勿忘草は温帯から亜寒帯に属する多くの国々に存在する花ですが、どの国でも「私を忘れないで」という意味の名前が勿忘草に付けられているそうです。
勿忘草の歴史
勿忘草はヨーロッパの国々に自生していた花です。寒さに強いため、次第に温帯や亜寒帯に属する国々に広まっていきました。日本にも明治時代にヨーロッパ産のノハラワスレナグサが輸入され、野生化して全国に自生するようになります。
勿忘草はヨーロッパでは昔から薬としても利用されていますが、日本では鑑賞用の花として親しまれてきました。また日本では明治時代以前から、北海道や長野県に勿忘草の一種であるエゾムラサキが自生していたようです。
勿忘草の特徴
勿忘草の最大の特徴は、6mm~1cmほどの可憐な花でしょう。楕円形の5枚の花弁も可愛らしく、栽培もそれほど難しくないので、世界中で人気のある花です。
3月~5月頃にピンクや白、紫などの色の花が開きます。寒さに強く暑さに弱いという特徴ももっており、日本では夏を越せないため、一般的に秋に種をまく花とされているのです。
勿忘草の英語名の意外な由来
勿忘草は英語ではMyosotisと表記されます。この名前の由来はハツカネズミを意味するギリシャ語「myos」と、耳を意味するギリシャ語「otis」とされているのです。
勿忘草の葉の形が、ハツカネズミの耳に似ているということにちなんで、そのような名前が付けられました。繊細な印象の勿忘草に、ハツカネズミの耳という意味の名前を付けているとは驚きです。しかし勿忘草の可愛さが、伝わってくる名前でもあります。
勿忘草の花言葉
昔から世界中で親しまれている勿忘草の花言葉には、多くの花言葉が付けられています。日本と海外では、勿忘草の花言葉にどのような違いがあるのか、気になる人もいるでしょう。
そこで以下では日本と海外に分けて、勿忘草の花言葉を紹介していきたいと思います。
日本での花言葉
日本では「私を忘れないで」という一見怖い花言葉が、勿忘草の花言葉として特によく知られていますが、実は他にも数多くの花言葉が存在しています。以下では日本に伝わる勿忘草の花言葉を、確認していきましょう。
真実の友情
勿忘草の花言葉の1つが、「真実の友情」です。勿忘草の減産国であるヨーロッパの国々では、昔から勿忘草は友情や誠実さを象徴する花として愛されてきました。そのため日本でも、勿忘草に「真実の友情」という花言葉が付けられたそうです。
真の愛
先に紹介した勿忘草の名前の由来である、ドイツに伝わる伝説からも花言葉が付けられています。その花言葉が「真の愛」です。
恋人へ贈る花を取ろうとしたために、亡くなってしまった伝説の騎士の恋人への深い愛情にちなんで、「真の愛」という花言葉が付けられたのでしょう。恋人に贈る花選びで悩んでいる人は、ぜひ「真の愛」という花言葉を持つ勿忘草を選んでみて下さい。
勿忘草の海外での花言葉
勿忘草の花言葉は海外にもあります。以下では日本以外の国に伝わる、勿忘草の花言葉を取り上げていきましょう。ぜひ日本の勿忘草の花言葉と比較してみて下さい。
思い出
勿忘草の名前の由来となった伝説が生まれたヨーロッパでは、「思い出」という花言葉が勿忘草に付いています。
伝説では恋人に勿忘草を贈ろうとして亡くなった騎士の死後、騎士の恋人は思い出を忘れないように、勿忘草をずっと身に着けていたそうです。その逸話にちなんで付けられた花言葉で、主に忘れたくない恋人との思い出を意味しています。
真実の恋
海外の勿忘草の花言葉には「真実の恋」というものもあります。日本の勿忘草の花言葉「真の愛」とほぼ意味も由来も同じです。しかしヨーロッパではこの花言葉から、恋に関するおまじないに勿忘草が使用されています。
そのおまじないとは、偶然見つけた勿忘草を左わきに挟んで帰宅すると、その後に会った人から伴侶となる人の名前を知らされるというドイツのおまじないです。
さらにスイスでは、勿忘草をポケットに入れたまま好きな人に会いに行くと、その恋が成就するというおまじないがあります。興味がある人は、ぜひ勿忘草のおまじないを試してみて下さい。
勿忘草の花言葉と意味【色別】
勿忘草には青や紫の他にも、ピンクや白などの色があります。その色毎にも、様々な意味の花言葉が付いているのです。以下では色別に勿忘草の花言葉を見ていきましょう。
白い勿忘草の花言葉
白い勿忘草の花言葉は「私を忘れないで」です。白の純粋なイメージが、勿忘草の代表的な「私を忘れないで」という花言葉の切なさをより引き立てています。
白い勿忘草の希少さも、「私を忘れないで」という特別な想いが込められた花言葉にぴったり合っているのです。
青い勿忘草の花言葉
青い勿忘草の花言葉は「真実の愛」です。世界中で清廉さをイメージされる青色と、名前の由来となった伝説にちなんで、誠実な愛情を意味する花言葉が付けられました。
この花言葉は様々な解釈ができるため、青い勿忘草は贈答用の花束によく使用されるのです。
ピンクの勿忘草の花言葉
ピンクの勿忘草の花言葉は、「真実の友情」です。ヨーロッパでは勿忘草は友情を象徴する花であり、ピンクは優しさを象徴する色であるため、この花言葉が付けられたのでしょう。
友達にプレゼントを贈るときは、ぜひこの花言葉のメッセージを添えて、ピンクの勿忘草を贈ってみて下さい。
紫の勿忘草の花言葉
紫の勿忘草には花言葉がありません。紫の勿忘草が少ないため、花言葉が付けられなかったようです。
日本で自生していた唯一の勿忘草である「エゾムラサキ」という種類の勿忘草は、綺麗な紫色をしています。日本でも紫の勿忘草には花言葉が付いていませんが、実は紫の勿忘草は日本と縁が深いのです。
勿忘草の花言葉「私を忘れないで」の由来は怖い?
勿忘草の代表的な花言葉である「私を忘れないで」を、少し怖いと感じる人が多いのではないでしょうか?しかしその由来は怖いというよりも、悲しい伝説とされています。
以下では「私を忘れないで」という花言葉の由来となった伝説について、詳しく取り上げていきましょう。勿忘草の花言葉を怖いと感じている人は、ぜひ注目してみて下さい。
花言葉の由来となる悲しい伝説
勿忘草の「私を忘れないで」と「真実の愛」という花言葉の由来は、ドイツに中世から伝わる悲しい伝説です。
伝説ではルドルフという騎士が、恋人であるベルタという娘のために、ドナウ川の岸辺にあった小さな花を摘もうとして川に流され、亡くなってしまいます。流されるときにルドルフがベルタに向かって「僕を忘れないで」と叫びながら、摘んだ花を投げたそうです。
この悲しい伝説から、ルドルフの最期の言葉がそのまま花言葉になりました。また伝説ではルドルフの死後恋人のベルタは、ずっとその花を身に着け続けています。そのベルタとルドルフの深い愛情にちなんで、「真実の愛」という花言葉も生まれたそうです。
勿忘草の種類
勿忘草の種類は、現在50種類以上あるとされています。日本では約18種類の勿忘草が生息しているそうです。そんな種類豊富な勿忘草には、種類毎にも花言葉が付いています。
勿忘草の種類別の花言葉とは、どのようなものなのでしょうか?詳しく見ていきましょう。
シナワスレナグサ
シナワスレナグサは中国の高山地帯で発見された勿忘草で、5~7月に紫や白、ピンクなどの可愛い花を咲かせます。
通常の勿忘草には花の中央が黄色くなりますが、このシナワスレナグサは花の中央が黄色くなっていません。シノグロッサムや大瑠璃草とも呼ばれています。
花言葉は「真実の愛」です。主にアジア圏で親しまれている種類の勿忘草ですが、その花言葉は西洋の花言葉とほぼ同じになっています。
ノハラワスレナグサ
3~6月に庫山地帯で咲くノハラワスレナグサは、淡い青やピンクの色の花弁が特徴的な種類の勿忘草です。日本では園芸用の勿忘草として親しまれています。
英語圏の国々では高山の勿忘草という意味の、「alpine forget me not」という名前で知られているのです。
そんなノハラワスレナグサの花言葉は「私を忘れないで」とされています。淡い色調が勿忘草の代表的な花言葉を、際立たせているのです。
ハマワスレナグサ
ハマワスレナグサは園芸用に改良された種類の勿忘草で、直径2mmほどのとても小さな花を咲かせます。また花の色が黄色から青色に変化するのです。
そんな見ていて楽しいハマワスレナグサの花言葉は、「私があなたを愛するようにあなたも私を愛して下さい」だとされています。好きな人と両想いになりたいという願いが込められた、情熱的な花言葉です。
エゾムラサキ
エゾムラサキは、元々日本の北海道の根室市や長野県の松本盆地で自生していた種類の勿忘草です。3~6月頃に、薄い紫や青の可憐な花を咲かせます。「ガク」に毛のような組織があることも、特徴の1つです。日本では園芸用の勿忘草として、広く知られています。
ミヤマワスレナグサやムラサキグサとも呼ばれているエゾムラサキには、「真実の愛」と「清楚」という花言葉が付いているのです。清楚で可憐な姿から、そのような花言葉が付いたのでしょう。
勿忘草が注目された最近の出来事
勿忘草は2018年5月19日にイギリスで執り行われた、ヘンリー王子とメーガン・マークルさんの結婚式で注目されたことを皆さんは覚えていますか?
勿忘草はヘンリー王子の母親であり、暖かい人柄から日本でも人気が高かったダイアナ妃が好きだった花なのだそうです。そのため結婚式のブーケは、白い勿忘草で作られました。
ヘンリー王子は今は亡きダイアナ妃と、伴侶となるメーガンさん両方へ向けた愛情を、勿忘草で示したそうです。
「真実の愛」という勿忘草の花言葉が、まさにヘンリー王子の心情を表わしています。結婚式は暖かな雰囲気の中で進行し、その様子は日本でも大きな話題になったのです。
大流行した日本の勿忘草が登場するアニメ
2011年に放送されたアニメ「あの日見た花の名前を僕はまだ知らない」には、勿忘草が重要なアイテムとして登場しています。「あの花」と略されて大人気になったこのアニメは、幼馴染たちの暖かい交流をノスタルジックに描いているのです。
切なさも交えて進む物語の中で、勿忘草は印象的に登場します。後半にはまさに勿忘草の「私を忘れないで」という花言葉と重なるシーンもあり、その切ない演出で多くの視聴者を魅了しました。
まだ観たことがないという人は、ぜひ今回紹介した勿忘草の花言葉の意味や由来と照らし合わせながら、「あの花」を観てみて下さい。
勿忘草を楽しもう!おすすめスポット2選
日本には、白色やピンク色など様々な色の勿忘草を鑑賞できる場所が豊富にあります。そこで以下ではその内の2つのスポットを紹介していきましょう。ぜひ足を運んで、勿忘草を間近で鑑賞してみて下さい。
見事な紅葉の景色も楽しめる「開田高原」
長野県木曽郡にある開田高原では、9月~11月頃まで青色やピンク、白色などのカラフルな勿忘草を楽しむことができます。開田高原の勿忘草は、昔その土地に嫁いできた女性が、花嫁道具と共に持ってきた勿忘草の種の子孫とされているのです。
蕎麦の花やコスモスなども鑑賞することができますし、素晴らしい紅葉の景色も見どころの1つと言えるでしょう。
ハギの花の巨大トンネルも鑑賞できる「向島百花園」
東京都墨田区にある向島百花園も、白色や青紫色などの勿忘草を楽しめる名スポットです。9月~11月には解放的な公園内で、数多くの種類の勿忘草を鑑賞できます。
9月に見られるハギの花で作った約30mのトンネルは、圧巻です。都内で勿忘草を楽しみたい人は、ぜひ一度訪れてみて下さい。
怖いというよりも切ない勿忘草の花言葉
今回は色別、種類別に勿忘草の花言葉を紹介しました。勿忘草の代表的な花言葉である「私を忘れないで」には、怖いイメージを抱いていた人は多いでしょう。
しかしその花言葉の由来となった悲しい伝説をよく見てみると、その花言葉には怖いというよりも切ない、悲しい意味が込められていることが分かります。
日本では約18種類の勿忘草を楽しめるので、勿忘草の花言葉に興味がある人は、ぜひ日本にある全ての種類の勿忘草の花言葉を調べてみて下さい。