ナデシコ(撫子,ダイアンサス)の花言葉は?種類や色別の意味や由来
撫子(ナデシコ)という花をご存知ですか?別名ダイアンサスとも呼ばれ、大和撫子(ヤマトナデシコ)の由来にもなった、初夏に咲く可愛らしい花の花言葉とその意味を紹介していきます。色別の花言葉や種類別の花言葉もあわせて紹介していきますので、是非ご覧になってください。
目次
ナデシコ(撫子)とはどんな花?
撫子(ナデシコ)という花をご存知でしょうか。ナデシコの花をすぐにイメージできる方は少ないのではないでしょうか。このナデシコは初夏から夏にかけてにピンクや赤、白、紫など様々な色の可愛らしい花を咲かせます。
ナデシコは世界に約300種が分布していおり世界中で愛されている花です。花言葉も色や種類ごとに様々な花言葉がつけられています。
ナデシコの名前の由来
ナデシコには和名は撫子(ナデシコ)という名前がつけられており、学名のダイアンサスといいます。撫子と書くと日本の花のイメージが強いのですが、ナデシコはナデシコ科ダイアンサス属の総称です。では実際にその「撫子」と「ダイアンサス」の名前の由来をみていきましょう。
和名「撫子」の由来
ナデシコの和名である「撫子」の由来ですが、これは小さく可愛らしい花を咲かせることから「撫でたくなるほどかわいらしい」という意味でつけられました。
かなり昔から撫子という名前は存在し、平安時代の万葉集にも撫子の名前が多くでてきます。
学名「ダイアンサス」の由来
ナデシコの学名である「ダイアンサス」の由来をみていきましょう。ダイアンサスは「Dianthus」と書き、これはギリシャ語の「Dios:神」と「Anthos:花」が合わさってできた名前と言われています。
ナデシコの歴史
万葉集にも詠まれた撫子(ナデシコ)ですが、どんな歴史があるのでしょうか。その歴史を紐解いていきましょう。
ナデシコは、しばしば子供や女性に例えられるために、和歌に多く詠まれてきました。万葉集の他にも、「枕草子」や「源氏物語」などでも取り上げられており、当時の貴族に重用されていたことがうかがえます。
江戸時代の園芸ブームではナデシコの栽培が盛んにおこなわれ、多くの種類の品種が作られました。また、西洋でも15世紀頃には栽培されており、カーネーションの原型となりました。
ナデシコの特徴
ナデシコは夏の花として知られており、6月~9月くらいの初夏から夏にかけて咲く花です。ピンクや赤、白、紫など様々な色の小さな花をつけることが特徴です。
園芸用の品種では、四季咲きの種類も多く存在し、年間を通して甘い香りの花を楽しむことができます。
ナデシコの属しているダイアンサス属は世界に約300種類が確認されています。母の日の花として知られているカーネーションもダイアンサス属に含まれています。
ナデシコの花言葉
ナデシコの特徴などを紹介してきましたので、次はナデシコの花言葉をみていきたいと思います。ナデシコの花言葉は様々な種類があり、色別の花言葉や種類別の花言葉など、それぞれが深い意味を持っています。
それでは、さっそくナデシコの花言葉と意味、その由来をみていきましょう!
ナデシコの日本での花言葉
古くから日本で親しまれていたナデシコですが、日本での花言葉にはどんなものがあるのでしょうか。さっそく日本での花言葉を見ていくことにしましょう!
純愛・貞操
ナデシコの日本での花言葉に「純愛」と「貞操」という花言葉があります。大和撫子を連想させる清楚で素敵な花言葉です。この花言葉はナデシコの花姿がもとになっています。
大胆
ナデシコの日本でのもうひとつの花言葉で「大胆」という花言葉があります。大和撫子とはだいぶイメージの異なる花言葉ですね。この花言葉の由来と意味は別途、後述します。
ナデシコの海外での花言葉
ナデシコの海外での花言葉には何があるのでしょうか。日本での花言葉は、純愛・貞操、大胆ですが、海外ではどうなのでしょうか。
boldness(大胆)
ナデシコの属しているダイアンサスは海外でも300種類以上が確認されており、多くの人々に親しまれています。そんなナデシコの海外での花言葉は、「boldness(大胆)」です。
日本の花言葉でも「大胆」がありますが、海外のこの花言葉が由来になっているようです。花言葉の意味は日本の花言葉と同じ意味になります。
ナデシコの花言葉と意味【色別】
花の中には、色別に花言葉がつけれらている花も多くあります。ナデシコも色別に花言葉がつけられている花のひとつです。色とりどりのナデシコの花にはどのような花言葉がつけられているのでしょうか。さっそく見ていきましょう!
ピンクのナデシコの花言葉
様々な色の花を咲かすナデシコの中でも特に可愛らしいピンク色のナデシコの花言葉は、色の通り恋愛を予感させる素敵な花言葉になっています。
ピンクのナデシコには女性の可愛らしさや愛らしいイメージがあります。また、可憐な花姿から少女をイメージさせるのでこの「純粋な愛」という花言葉がついたのでしょう。
ピンクのナデシコを大切な方に贈るには最適な花ですが、ピンクのナデシコの中でも「フクロナデシコ」は、花言葉が「偽りの愛」なので間違えても大切な人に贈らないようにしてください!
白いナデシコの花言葉
次に、純粋さを想像させる白い花のナデシコですがどのような花言葉があるのでしょうか。白いナデシコの花言葉である「器用」ですが、実はこの花言葉のはっきりとした由来はわかっていません。
白が理知的なイメージをもっているからか、白はどんな色にも変化できることからこの花言葉がついたのではないでしょうか。
白いナデシコの花言葉「才能」についても、その由来ははっきりとしたものがありません。やはり白の理知的なイメージから才能という花言葉がつけられたのではないかと思います
赤いナデシコの花言葉
ピンク色と白のナデシコの花言葉を紹介してきましたが、次は、燃えるような激しい恋を連想させる赤いナデシコの花言葉を紹介します。こちらも色から連想される通り、素敵な意味の花言葉になっています。
赤いナデシコの花言葉の「純粋で燃えるような愛」は、赤いナデシコの外形に由来しています。赤は情熱の色に例えられることと、ナデシコの可憐な花姿からこの花言葉がつけられました。
ナデシコの花言葉と意味【種類別】
色別のナデシコの花言葉を説明してきましたが、次はナデシコの種類別の花言葉を紹介していきます。種類ごとの特徴も紹介しているので、さっそくみていきましょう!
四季咲きナデシコの花言葉
ナデシコ(ダイアンサス属)には一季咲きのものと、季節を問わず花を楽しむことができる四季咲きの種類が存在します。ナデシコの中でも最もポピュラーなものが四季咲きのナデシコです。暑さに強く、寒さにも強いため比較的育てやすい種類の品種のため、園芸種に多くみられます。
四季咲きのナデシコの中で最もポピュラーなテルスターの花言葉は「野心」と「思慕」です。野心とはナデシコの姿形からはあまり想像できない花言葉ですが、ナデシコはどこにでも咲く花なので、その花言葉がついたのでしょうか。
タツタナデシコの花言葉
タツタナデシコは地中海原産のナデシコで広くヨーロッパに分布しています。交配親としてしばしば使われ、カーネーションなどの元にもなっている品種です。
ピンク色の花の中央に赤い輪があることが特徴です。多年草で育てやすい品種のため日本でも園芸用として盛んに栽培されています。
タツタナデシコの花言葉は「いつも愛して」です。その他にも「純愛」など、タツタナデシコの花言葉は愛に関する花言葉が多くつけられています。ピンク色の可愛らしい花を咲かせることがこの花言葉の由来になったと考えられています。
ムシトリナデシコの花言葉
ムシトリナデシコは別名「ハエトリナデシコ」とも呼ばれ、その名前から食虫植物を連想させてしまいますが、食虫植物ではありません。葉の下の部分から出る粘液に虫がついて動けなくなることからこの名前が付けられたといわれています。
ムシトリナデシコの花言葉「誘惑」ですが、もうひとつの花言葉「罠」に由来しています。ムシトリナデシコの粘液は、受粉の役に立たず、ただ蜜を取っていく蟻を粘液で絡めとって動けなくしてしまいます。そのことから「誘惑」や「罠」といった花言葉が付けられました。
こちらの花言葉も良いイメージのない花言葉です。この「未練」もムシトリナデシコの粘液に由来してつけられています。
アメリカナデシコの花言葉
このナデシコにはアメリカナデシコという名前がついていますが、原産地はヨーロッパになっています。「ヒゲナデシコ」とも呼ばれており苞の先端が長い髭のように伸びているのが特徴です。
2センチほどの小さな花を密集して咲かせることから「美女ナデシコ」とも呼ばれており、ナデシコの中でも特に花が美しい品種です。基本的にアメリカナデシコは多年草に分類されますが、暑さに弱いため地域によっては一年草として扱われることもあります。
アメリカナデシコの花言葉「伊達男」ですが、別名が美女ナデシコなのになぜ伊達男なのかと思う方もいると思います。この伊達男ですが、アメリカナデシコは苞の先端が長い髭のようになっており、それが人目を惹くことからつけられました。
アメリカナデシコの花言葉の多くは、あまりナデシコらしい花言葉ではないのですが、ナデシコらしい花言葉もつけられているのです。この「細やかな思い」は、花が小さく密集して咲くことが由来となっているようです。
アメリカナデシコの「勇敢」という花言葉はナデシコらしくない花言葉ですが、この花言葉も髭のような苞をもった外観からつけられた花言葉になります。
ナデシコの花言葉の由来
様々なナデシコの花言葉が登場してきましたが、その由来はどのようなものなのでしょうか。ナデシコの花言葉の中でも特にポピュラーな3つの花言葉の由来について説明をしていきます。
花言葉「純愛」「貞節」の由来
ナデシコの花言葉「純愛」「貞節」の由来ですが、ナデシコの花姿が由来となっています。小さく可憐に咲くナデシコの花の汚れのない清楚な様子が、「純愛」や「貞節」という花言葉の由来になったといわれています。
このイメージが結婚式の花嫁のイメージに合っていることから、結婚式のブーケにナデシコを使う女性も多いそうです。
花言葉「大胆」の由来
ナデシコの花言葉「大胆」の由来ですが、この花言葉の由来は西洋ナデシコからきています。
西洋ナデシコの花の色は赤やピンク色をしているのですが、緑一面の草原の中で、その赤やピンクの花の色が大胆に目立っているという事からこの花言葉がつけられたといわれています。
ナデシコの雑学
様々なナデシコの花言葉を説明してきましたが、次はナデシコのちょっとした雑学を説明していきたいと思います。古くから歌に詠まれるなど親しまれてきたナデシコですが、ちょっと意外な雑学もあるのでみていきましょう。
ナデシコは秋の七草
ナデシコは秋の七草のひとつとされています。秋の七草は万葉集の「山上憶良」が詠んだ秋の七草の歌がもとになっているといわれています。
山上憶良が詠んだ歌とは、「萩の花 尾花 葛花 撫子の花 女郎花 また藤袴 朝顔の花」という歌です。また、ナデシコは古くから瞿麦(くばく)という名前で漢方としても重用されてきました。
ピンク色の語源は実はナデシコだった
私たちが普段言っているピンク色(PINK)の語源ですが、実はナデシコからきています。もともと「PINK」という英語は、ナデシコのことであり、そのナデシコの花の色を指してナデシコ色と言っていました。それがもとになり、PINKという色名が生まれました。
日本では、ピンクは和名として「桃色」と呼ばれていますが、これは桃の花の色に似ているためです。また、桃色を「撫子色」と呼ぶこともあります。また、ピンク色の和名の中に、石竹色という色もありますが、この色もナデシコの品種のひとつである石竹が名前の元となっています。
ナデシコを楽しもう!おすすめスポット3選
大和撫子やピンクの語源にもなったナデシコ。小さく可憐な花を咲かせる、このナデシコを楽しめるおすすめのスポットを紹介します。
ナデシコの季節になったら、是非このスポットを訪れて、色とりどりに咲く可憐な花と甘い香りを楽しんでください!
富士山を背景に見る撫子が魅力 荒川の河川敷(山梨県)
名称 | 荒川河川敷のナデシコ |
住所 | 甲府市千塚 |
見ごろ | 5月中旬~6月中旬 |
山梨県甲府市の荒川河川敷はナデシコのスポットとして知られています。荒川の河川敷に約14,000ものナデシコが咲き乱れます。天気が良い日には、富士山が良く見え、ナデシコとの組み合わせは絶景です。
大自然のピンクの絨毯 南箕輪村のフクロナデシコ(長野県)
名称 | 南箕輪村のフクロナデシコ |
住所 | 長野県上伊那郡南箕輪村9961-1 |
電話番号 | 0265-72-2180 |
見ごろ | 5月下旬~6月上旬 |
30アールという広大な敷地に一面のナデシコ畑が広がります。5月下旬から6月上旬にかけて、この広大なナデシコ畑がフクロナデシコでピンク一色に染まります。自然が作り出す、ピンクの絨毯は一見の価値があります。
撫子摘みも体験できる 成田ゆめ牧場(千葉県)
名称 | 成田ゆめ牧場 |
住所 | 千葉県成田市名木730 |
電話番号 | 0476-96-1001 |
見ごろ | 3月~4月 |
千葉県にある成田ゆめ牧場では、撫子摘みを体験することができます。ナデシコ以外にも様々な花が咲いているほか、牧場で動物たちと触れ合うこともできます。小さなお子様連れでも安心して遊ぶことができるスポットです。
また、ナデシコはビニールハウスで育てられているので、ナデシコの季節よりも早い3月~4月にナデシコを見ることができます。
可憐に咲くナデシコを見つけてあげてください。
ナデシコの種類や花言葉などを紹介してきました。可憐な花に似合った可愛らしい花言葉が多かったと思います。
ナデシコは古くは平安時代から人々に愛されてきました。その後も様々な場所で様々な人々によって愛されてきた花のひとつです。なでしこジャパンの語源にもなった凛として可愛らしい中に、しっかりとした強さをもったナデシコの花。そんなナデシコの花は意外にも私たちの身近で見る事ができますので是非探してみてください。