キンセンカ(金盞花)の花言葉は?種類や色別(黄,オレンジ)の意味
暖かみのある色味と華やかさが印象的なキンセンカ(金盞花)。きっと花言葉も柔らかな物が多いのだろうと思われがちですが、実はキンセンカの花言葉は、そのイメージと違う物が多いようです。そんなキンセンカの花言葉や種類・色別の意味についてご紹介します。
目次
キンセンカ(金盞花)とはどんな花?
キンセンカ(金盞花)は、北・中央アメリカや南ヨーロッパで主に栽培されている花で、一年草として扱われています。
花の色は黄色またはオレンジ色の暖色系で、花弁がサフランの代用品として扱われることもあるようです。
今回はこのキンセンカ(金盞花)について様々な見方からご紹介します。
キンセンカ(金盞花)の名前の由来
和名「キンセンカ(金盞花)」の由来
漢字で書く「金盞花」は、花弁の色が黄金色をしていて、杯(さかずき)のような形をしているように見えることが由来となっています。
また、お隣の中国では、「賭けに勝ったら、お金よりも金盞花(=高価な花)を手に入れて、それを売った時のお金を手に入れた方が良い」という意味の言い伝えが残っています。この言い伝えから、「金銭花」という表記もあったようです。
英名「カレンデュラ」の由来
カレンデュラという名前は、「月の最初の日」を意味する「Calendae」という単語に由来しています。
なぜこの単語が由来しているのかということについて詳しくは分かっていませんが、一説では花がひと月の間咲き続けることからと言われています。
また、「ポットマリーゴールド」という別名も持っています。
キンセンカ(金盞花)の歴史
ヨーロッパでは、古来よりハーブとして愛されている花でもあるため、幅広い種類の用途で人々に親しまれ、利用されていました。
また中世の頃には、キンセンカ(金盞花)を眺めているだけで、視力が好転するとも言われていました。キンセンカ(金盞花)が日本にやってきたのは江戸時代。中国から渡来したと言われています。
キンセンカ(金盞花)の特徴
比較的寒さに強いのが特徴の1つで、日本では主に観賞用として親しまれています。日当たりの良い場所でよく育ち、品種によっては5ヶ月もの長い間、花が咲き続けるものもあります。
生育が比較的簡単で、黄色やオレンジ色などの目に鮮やかな花が育つため、ガーデニングに向いている花の1つです。
キンセンカ(金盞花)の花言葉
黄色やオレンジ色の明るい花弁をもつキンセンカ(金盞花)。この花が持つ花言葉には様々な種類があります。
そんなキンセンカ(金盞花)が持つ花言葉の意味をいくつかご紹介しましょう。
キンセンカ(金盞花)の日本での花言葉と意味
明るい見た目とは正反対の意味を持った花言葉が多いと言われるキンセンカ(金盞花)。
まずは、日本における数種類の花言葉をご紹介します。
別れの悲しみ
この花言葉は、とあるギリシア神話が由来となっているそうです。どんな神話が関わっているのかは、後ほどじっくり紹介します。
変わらぬ愛・誠実
これもまた、とあるギリシア神話が関わると言われている花言葉です。キンセンカ(金盞花)の花言葉の中では、比較的明るい意味を持っています。
その他
寂しさ・失望・絶望・悲哀・静かな想い・忍ぶ恋・初恋このように、悲しく切なげな意味の花言葉を数種類持っている花だということが分かりますね。
キンセンカ(金盞花)の海外での花言葉と意味
キンセンカ(金盞花)には、先ほどご紹介した日本での花言葉以外にも、海外での花言葉が数種類あります。
grief
「悲嘆」という意味の花言葉です。これもギリシア神話にまつわる花言葉です。後ほど、そのストーリーをご紹介します。
despair
明るい見た目からは想像が出来ない、「絶望」という意味の花言葉です。
sorrow
「悲しみ・悲哀」という意味です。どうやらキンセンカ(金盞花)は悲しい花言葉と切っても切れない縁にあるようです。
キンセンカ(金盞花)の色別の花言葉
花の種類によっては、色の違いが花言葉の違いに繋がることがあります。キンセンカ(金盞花)の場合はどうなのでしょうか?
黄色とオレンジ色では花言葉が違う?
キンセンカ(金盞花)は花びらの色が黄色とオレンジ色の2種類に大きく分かれますが、結論から言うと、色の違いで花言葉が変わることはありません。
いずれの色でも、花言葉は同じものとなります。
黄色系の花の花言葉に注意
黄色やオレンジ色などの黄色系の花の花言葉には、その見た目に反して、特に不吉だったりマイナスだったりする意味を含んだ物が多くあります。その理由の1つとしては、欧州では黄色が不吉な色とされる場合があるからです。
というのも、キリスト教において黄色という色は、「キリスト教を迫害したローマ皇帝の象徴」、「裏切り者のユダの服」を連想させる色として扱われる場合があるのです。
このことが由来の1つで、黄色やオレンジ色が眩しいキンセンカ(金盞花)にもマイナスな意味の花言葉が多くあることが説明できます。
ちなみに、キンセンカ(金盞花)だけではなく、黄色やオレンジ色系統の花びらを持つ他の花には、どんな花言葉がつけられているのかもご紹介します。
マリーゴールドには「嫉妬・絶望・悲しみ」、黄色いカーネーションには「軽蔑」、黄色いバラには「愛情の薄らぎ・嫉妬」、黄色いチューリップには「望みのない恋」、黄色いキクには「破れた恋」…このように、いずれも悲しげな意味を持つ花言葉ばかりです。
誰かに黄色やオレンジ系統の花をプレゼントする際には注意が必要です。
贈る相手によって意味が変わる場合も
先ほどご紹介した数々の黄色やオレンジ色の花のように、暖かな色合いの花弁を持つ花には、その由来から意外とマイナスな意味の花言葉がついている場合が多いのは確かです。
しかし、贈る相手によっては、その花が持つ花言葉の意味合いが大きく変わることもあります。
例えば、本命であり意中の女性に対して黄色のバラを渡す場合の花言葉は、「あなたに恋します・可憐」。
恋愛対象以外の女性に対して黄色のバラを渡す場合の花言葉は、「愛情の薄らぎ・嫉妬」。このように、贈る相手によって花言葉の意味が大きく異なる場合があることがお分かりいただけたのではないでしょうか。
もしも、貴方が意中の女性に対して花束を贈ろうと考えているなら、贈る花の花言葉とその意味や由来について、事前にリサーチしておくことをオススメします。きちんと由来や意味を知っていれば、素敵なプレゼントとして喜ばれるでしょう。
キンセンカ(金盞花)の花言葉の由来
花言葉に付き物なのが由来です。キンセンカ(金盞花)の場合、花言葉の由来はどんなものがあるのでしょうか。
花言葉「別れの悲しみ」「悲嘆」の由来となる神話
花言葉「別れの悲しみ」「悲嘆」の由来となるギリシア神話があるのでご紹介します。
ある時、水の精であるクリティが太陽神アポロンに恋をしました。しかし、アポロンはレウトコエ王女と恋仲にありました。そのことに嫉妬したクリティは、恋敵であるレウトコエ王女の父親に、アポロンと王女の仲を密告します。
怒った王女の父親は、レウトコエ王女を生き埋めにしてしまいました。レウトコエ王女が生き埋めにされたことを知り、自分の行いを恥じたクリティは、9日間もの間地面に座ったまま、空を通り過ぎるアポロンを眺めていましたが、やがてキンセンカに姿を変えてしまいました。
花言葉「変わらぬ愛」「誠実」の由来となる神話
水の精クリティの神話の他に、もう1つキンセンカ(金盞花)にまつわるギリシア神話があります。
シチリア島に、クリムノンという少年が住んでいました。クリムノンは太陽神アポロンを大変崇拝していました。クリムノンは、アポロンがやってくる昼間はとても幸せでしたが、アポロンの姿を見ることができない日没後は大変悲しみ、打ちひしがれながら日々を過ごしていました。
アポロンはクリムノンからの気持ちに気付き、特別に彼のところには温かい光を与えるようになりました。
そんな二人の関係に嫉妬したのが雲の神。雲の神はアポロンの姿を、雲で隠して見えなくしてしまったのです。
雲の神に隠されてから9日後、ようやく再び姿を現すことができたアポロンがクリムノンの所へやってくると、クリムノンはアポロンの姿が見えない悲しさから、命を落としてしまっていました。
クリムノンの死を哀れんだアポロンは、クリムノンの姿をキンセンカに変えることにし、ヘリアントゥス(太陽の花)と呼ぶことにしました。こうしてクリムノンは、太陽の神であるアポロンから最も近い存在になることができたのでした。
キンセンカ(金盞花)の種類
キンセンカ(金盞花)にもいくつか種類があります。ここでは代表的な4種を紹介しましょう。
カレンデュラ・オフィシナリス
キンセンカ(金盞花)といえば、この「カレンドゥラ・オフィシナリス」を指すといっても過言ではないくらい、広く栽培されている種類です。春から初夏にかけて黄色やオレンジ色の花が開き、花びらが重なった八重咲きの姿が一般的に知られています。
オフィシナリスは、「薬用の」という意味を持っており、切り傷などの怪我に効果があるハーブとして使用され、重宝されることもあります。
殺菌効果があるため消毒に有効で、出血状態にある患部に使用した場合には、出血を抑制し、痛みを和らげる効果を発揮することがあります。
フィエスタ・ギタナ
カレンドゥラ・オフィシナリスが比較的小ぶりな花を咲かせるのに対し、大輪の花を咲かせるのが、この「フィエスタ・ギタナ」という種類です。
花びらの色はオレンジ系統のものが多く、何重にも重なった花びらの様子は見た人を圧倒します。
冬しらず
地中海原産の種類で、その名の通り真冬でも花を咲かせることができるのが、この「冬しらず」です。
大体11月から4月頃にかけて、黄色系統の小ぶりな花を楽しむことができます。日が差すと花が開き、夕方には閉じてしまう一年草です。
中安
切り花にも使用することができるくらいに丈の長い種類が、「中安」です。綺麗なオレンジ色の花を咲かせます。
鉢植えだけでなく、特に花壇に植える花に向いている種類の1つです。
キンセンカ(金盞花)の様々な用途
キンセンカ(金盞花)には、生花を愛でる以外にも、何種類かの楽しみ方があります。
キンセンカ(金盞花)は、傷ついた皮膚や粘膜、血管を修復したり保護したりする役割を持っているビタミンAやフラボノイドを含んでいます。このことから、古来の西洋では皮膚薬として使われていたようです。
また、現代では薬だけではなく、乾燥させた花びらを油に浸して抽出したオイル(カレンドゥラオイル)を配合したスキンケア用品もたくさん登場しています。
それから、日本でも最近よく目にするようになったエディブルフラワー(可食の花)としても使われるようになっています。キンセンカ(金盞花)の持つ鮮やかな黄色やオレンジ色が、料理に彩りをプラスしてくれそうですね。
マイナスな花言葉が目立つキンセンカ(金盞花)ですが、このように色々な種類の用途があることが分かります。
ハーブティーや美容関係の商品など、花言葉を気にせずに普段使いできる種類の物なら、誰かにあげるプレゼント候補の1つとして十分に候補に挙げることができるでしょう。
キンセンカ(金盞花)を楽しもう!おすすめスポット3選
ここからはキンセンカ(金盞花)を楽しむことができる国内のスポットをご紹介します。
小貝川ふれあい公園でキンセンカ畑を堪能!
小貝川ふれあい公園は、茨城県下妻市にある小貝川周辺に整備された公園です。およそ100万本の花が黄色系統とオレンジ系統に分けられて一面に植えられているため、まるで絨毯のような花畑を、遠くに見える筑波山をバックに目一杯楽しむことができます。
例年5月中旬から6月初旬にかけて見頃を迎えます。キンセンカ(金盞花)の見頃より少し前には、この花畑でポピーが見頃を迎えるので、時期によってはどちらの花も堪能できる花畑です。
田んぼを利用した花畑で堪能!
静岡県賀茂郡松崎町には、その名も「田んぼをつかった花畑」という大規模な花畑があります。この花畑事業は平成12年にスタートしたもので、約6万2千ヘクタールの農閑期の田んぼを花畑として利用し、訪れる人々の目を楽しませています。
この花畑の特徴は、アフリカキンセンカ、るりからくさ(ネモフィラ)、姫金魚草、つましろひなぎく、ひなげし、矢車草の6種類の種が、3月上旬から次々に開花していくことで、花畑に色彩の変化が生まれることです。
時期次第では開花トップバッターのアフリカキンセンカと、その次に開花するネモフィラを同時に楽しむことができ、色のコントラストを堪能することができる花畑です。
浦島太郎ゆかりの地で堪能!
香川県三豊市の荘内半島にあるフラワーパーク浦島では、1年中温暖な気候のため、露地栽培のキンセンカ(金盞花)を年末から4月頃にかけて楽しむことができます。
フラワーパークからは、瀬戸内海の島々と一面に咲くキンセンカ(金盞花)の両方を、丸ごと一緒に堪能することができる場所です。
この荘内半島は昔話でおなじみの浦島太郎ゆかりの地としても知られており、島の中には浦島太郎伝説に関係の深い地名がついた場所が複数あったり、竜宮城をモチーフにした街灯やガードレールがあったりと、花畑だけでなく、観光を楽しむことができるポイントも多く存在します。
見た目と裏腹の花言葉を持つキンセンカ(金盞花)
キンセンカ(金盞花)は、暖色系の明るい花びらを持ちつつ、花言葉は悲しげなものが多いことをご紹介しました。
しかし、花言葉は関係無しに、昔からたくさんの人々の暮らしのそばに様々な形で寄り添ってきた花でもあります。
もちろん、花として誰かにプレゼントする時に花言葉の意味に気をつけることも大切ですが、キンセンカ(金盞花)が持つ様々な効果を期待して、薬やハーブティー、美容オイルなどをこれから使ってみてはいかがでしょうか。