水仙(スイセン)の花言葉は?種類や色別(白,黄)の意味や由来

冬の花として知られている水仙(スイセン)。白や黄色が主な色種の可愛らしい花です。水仙には多様な種類があり、その種類によって花言葉の意味や由来などが異なります。水仙にはどんな種類があるのか、また種類ごとの花言葉その由来などをご紹介します。

水仙(スイセン)の花言葉は?種類や色別(白,黄)の意味や由来のイメージ

目次

  1. 1水仙(スイセン)とはどんな花?
  2. 2水仙の花言葉
  3. 3水仙の花言葉と意味【色別】
  4. 4水仙の花言葉と意味【種類別】
  5. 5水仙の花言葉の由来と神話
  6. 6水仙を楽しもう!名所3選
  7. 7多様な側面を持つ花スイセン

水仙(スイセン)とはどんな花?

一般的にスイセンは冬の花として知られています。開花時期は10月から4月にかけてですが、これは全てのスイセンがこの期間咲くわけではなく、種類ごとに開花時期が違うことから、総じてこの期間とされています。

私たちが野生で見る事ができるスイセン。名前から日本古来の花のような印象を受けますが、その歴史や名前の由来はどんなものなのでしょう。

水仙の名前の由来

「スイセン」という名前は、中国名の「水仙」を音読みしたものです。なぜ古代中国でこのような名前がつけられたかというと、水辺を好んで繁殖する事と凛とした姿から水の仙人と呼ばれた事が由来です。

また、中国には「仙人は、天にあるを天仙、地にあるを地仙、水にあるを水仙」とい古典があり、そこから「水仙」と命名されたという由来もあります。

水仙の歴史

水の仙人が名前の由来であるスイセンですが、原産はスペインやポルトガルなどのイベリア半島や地中海沿岸地域です。約300年ほど前からヨーロッパで栽培されていたという歴史があります。中国へはシルクロードを渡り伝わったと言われています。

日本へは中国の文化と共に、平安時代末期から室町時代にかけて伝わって来たのではないか、と言われています。また、松尾芭蕉や与謝蕪村などの俳人や華道でも格調高い花として古くから愛されています。

水仙の特徴

スイセンはヒガンバナ科の花で球根から花茎を伸ばします。花茎は長いものだと40cmほど伸び、その先に1〜数輪の花を咲かせます。このスイセンの花茎はたびたびニラと間違えられ、中毒事故を引き起こしています。

基本的には花びらが6枚で中心に副花冠という花びらがあります。この副花冠がラッパ状や杯状に広がりスイセンの特徴的な姿を作っています。

主な色は白と黄色で、白のスイセンは真ん中の副花冠が黄色くなっています。黄色のスイセンは全体が黄色です。そして、日本水仙やラッパスイセンなど種類がいくつかあるのもスイセンの特徴です。

水仙の花言葉

誰かに花をプレゼントする時、そして花をいただく時に気になるのが花言葉。添えられたメッセージにさらに深みを出してくれる花言葉は、知っておくと花を贈る楽しみや受け取る喜びが増すものです。

古くからヨーロッパや日本で愛されてきたスイセンにはどんな花言葉があるのでしょうか。

水仙の日本での花言葉

スイセンの花言葉は色や種類で変わってきますが、まずはじめにスイセンという花全体の花言葉が日本ではどのような意味があるのか見ていきましょう。

うぬぼれ

「うぬぼれ」という言葉にはあまりいい印象を持ちにくいと思います。しかし、人を惹きつける人というのは自分に対しネガティブな評価をせず、自分に自信がある傾向にあります。

水の仙人に例えられたスイセンは、水辺に映る己の姿を見て仙人の如し自分自身への自信を確信しているとなぞらえてできた意味なのかもしれません。

自己愛

自己愛もうぬぼれのように少々偏った印象の意味を持つ言葉です。しかし実際に自分を愛するというのは非常に難しい事でもあります。ありのままの自分を愛するということは、強くそして優しいものです。

水がなければ地球上にある生命は生きていく事ができません。自己愛の意味を持つスイセンはやはり水の仙人と言ってもいいでしょう。

水仙の海外での花言葉

日本でのスイセンの花言葉の意味は、見た目からは少々イメージし難い花言葉でした。次にスイセンのルーツである海外ではどのような意味の花言葉があるのか見ていきましょう。

self-love(自己愛)

「self-love」はself(自分)とlove(愛)からできている、和訳をすると自己愛や利己愛といった意味の言葉です。日本の花言葉と同じ言葉になりますが、self-loveには他に「気まま」や「誇り」といった意味合いもあります。

自分を愛するということは、周りに振り回されず自分に誇りを持ち、時には気ままにいきていく事も必要という事でしょう。

egotism(自己中心、うぬぼれ)

「egotism」は和訳をすると自己中心やうぬぼれを意味する言葉です。日本語読みをするとエゴティズムと読み、「エゴな人だ」いったように日常でも耳にする言葉です。

暖かい気候と水辺を好み群生するスイセン。とても自己中心やうぬぼれという言葉が思いつきませんが、それはある神話が由来となったと言われています。これはまた後にお話しします。

unrequited love(報われぬ恋)

「unrequited love」は和訳をすると報われない恋、つまり片思いを意味します。全体的に見てスイセンの海外での花言葉の意味は、少々切なく孤独を感じさせます。

少しうつむいたような姿が、片思い特有の恥ずかしさや自信のなさを表現しているのかのように感じますが、こちらもある神話が由来となっているのです。

水仙の花言葉と意味【色別】

スイセンの色は主に白と黄色です。先にお話ししたように、スイセンの花言葉の意味は色でも変わってきます。スイセン全体の花言葉の意味とは少し異なってくるところもありますが、決して別物というわけではありません。

白い水仙の花言葉

日本では通常スイセンと認識されるスイセンの色は白です。この白い色をしたスイセンの花言葉は「神秘的」「尊敬」です。

白には神聖や浄化、ニュートラルといった色のイメージがあります。仙人に例えられた白スイセンの凛とした佇まいは、まさに神秘的で尊敬の念を持てると言えるでしょう。

神秘的といった白スイセンの花言葉の意味は、全体の花言葉にあった自己愛やうぬぼれといったような、簡単には理解できないようなところからきているのかもしれません。

黄色い水仙の花言葉

有彩色の中で一番明るい色、黄色。元気はつらつといったイメージがありますが、そんな黄色のイメージとは裏腹に、黄色のスイセンの花言葉は「もう一度愛して欲しい」「私のもとに帰って」です。

黄色には明るい、快活といったポジティブイメージがありますが、それと同時に不安や緊張といったネガティブイメージがあります。その不安からきてるだろうと思わせる黄色スイセンの花言葉の意味は、全体の花言葉にあった「片思い」と繋がるような花言葉です。

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水仙の花言葉と意味【種類別】

スイセンには白や黄色といった色の種類があることをお話ししましたが、花の形にも種類がいくつかあります。それによってもまた、花言葉の意味が変わってきます。

同じ白のスイセンであっても種類が違えば花言葉の意味が変わってくる、というわけです。組み合わせがたくさんあってとても面白いのですが、どのように変わってくるのでしょうか。

日本水仙の花言葉

日本水仙(ニホンズイセン)は中国から伝わり、四国や九州の沿岸地域に野生化した事からこの名前がつきました。私たち日本人が一般的にイメージするスイセンはこの日本水仙となり、とても馴染み深いスイセンです。開花は12月〜2月となっています。

この日本水仙の花言葉は「自己愛」です。先にお話しした日本でのスイセンの花言葉の意味と同じです。これは、日本のスイセン=日本水仙だから、ということになるでしょう。

ラッパ水仙の花言葉

ラッパスイセンとは、通常のスイセンに比べ副花冠が花弁と同じ長さかもしくはそれ以上の長さがあるものを言います。副花冠が長くなることで、ラッパのように見える事からこの名前がつきました。

ラッパ水仙の色も白か黄色で、開花時期は3月〜4月にかけてと日本水仙より遅い開花です。はじめに発見されたのはスペインのピレネー地方と言われており、かつてのウェールズ公国(現在のイギリス・ウェールズ地方)の国花・国章でした。

このラッパスイセンの花言葉は「尊敬」「心遣い」「報われぬ恋」です。これまでにお話しした少々ネガティブな花言葉に比べると、ポジティブな印象を受けます。イギリスに併合された歴史のあるウェールズが国花にした理由が花言葉から伝わってきます。

黄水仙の花言葉

黄水仙はその名の通り黄色の水仙です。原産は他のものと同じようにヨーロッパですが、黄水仙が日本へ渡ってきたのは江戸時代末期です。日本水仙と比べると、まだ新しい花になります。開花時期は3月〜4月です。

黄水仙の鮮やかな黄色は植物染料にも使われており、他には日本酒の名前にも使われたりと観賞以外にも活躍している花です。

この黄水仙の花言葉は「愛に応えて」「気高さ」です。まるで真逆のような花言葉は、現代の働く女性には共感するものがあるのではないでしょうか。この花言葉の由来は先に色別の花言葉にも繋がるものがあり、後ほどお話しします。

口紅水仙の花言葉

口紅水仙とは、真ん中の副花冠の縁が鮮やかな紅色をしたスイセンです。口紅水仙は数種類あるスイセンの中では一番遅い4月〜5月に開花をします。

この口紅水仙の花言葉は「素敵な装い」「詩人の心」です。白の花のと中央の紅色が織りなす鮮やかなコントラストはまさに素敵な装いと言っていいでしょう。その派手ではない主張性と美しさが詩人の心を魅了したのでしょう。

房咲き水仙の花言葉

房咲き水仙とは、一本の茎からたくさんの花が房のように咲くスイセンの事です。開花時期は晩秋から冬にかけてと、スイセンの中では一番早い開花となります。

この房咲きスイセンの花言葉は「記念」「思い出」です。このような花言葉になったのは、後にお話しする神話が由来と言われていますが、少しうつむいたような、首を傾げているような姿が思い出に浸っているような姿と重ねたからなのかもしれません。

水仙の花言葉の由来と神話

これまでにお話しした花言葉に対し、神話に由来があるという事を何度かお伝えしました。なぜそのようにお伝えしたかというと、スイセンの学名と花言葉と神話は切っても切れない関係にあるからです。

スイセンの学名(英語名)は「narcissus(ナルシサス)」です。これからお話しする神話から、この学名と花言葉の由来がどう関わっていくのか探っていきましょう。

花言葉「私のもとへ帰って」の由来となる神話

大地の女神デメテルにはペルセポネという愛する一人娘がいました。そのペルセポネに冥界の王ハデスが恋をしてしまします。そしてハデスはスイセンの花でペルセポネを誘い出し、水辺で花を摘んでいるところを大地を割って現れ、連れ去ってしまいます。

愛する愛娘の異変に気づいた母デメテル。この出来事がゼウスが仕掛けた策略と知ると大激怒します。どんなに講義をしても受け入れてもらえず、ついには大地の女神としての仕事を放棄してしまうのです。

ペルセポネが連れ去られた時に落としたスイセンがが黄色いスイセンになった事から、母デメテルの愛するペルセポネへの気持ちが花言葉となったのです。

花言葉「報われぬ恋」の由来となる神話

この「報われぬ恋」の由来となる神話は、先にお話しした冥界の王ハデスと、大地の女神デメテルの娘ペルセポネとの物語です。

冥界に連れ去られてしまったペルセポネは、ハデスの想いを一切受け入れず食べ物も口にしませんでした。妻というのは名ばかりで、ハデスのペルセポネへの想いは一方通行だったのです。

ペルセポネの母デメテルが大地の女神としての仕事を放棄したため、作物が全く育たなくなりました。そこでゼウスはペルセポネをデメテルに返そうとペルセポネに遣いを送ります。

しかしペルセポネはハデスの勧めで禁断のザクロの実を口にしてしまい、母の元へは戻れたものの1年の3分の1は冥界で過ごさねばならなくなりました。

「報われぬ恋」は、ハデスの届かぬ想いから来ています。また、この神話は四季の元になったとも言われています。

花言葉「あなたを待つ」の由来となる神話

スイセンの学名が「narcissus(ナルシサス)」というのはこの項のはじめにお話ししました。これは、ギリシャ神話に登場するナルキッソスという一人の美少年が由来になっています。

このナルキッソスはその美しさから人々だけでなく精霊からも求愛されました。精霊であるエーコーもナルキッソスに恋をする一人でしたが、ナルキッソスはどの求愛にも応じず、冷たくあしらうのです。

そのせいでエーコーは非常に落ち込み、どんどんやつれていってしまいます。そしてエーコーは姿を失い、声だけの存在になってしまったのです。

そんなエーコーの姿を見た復讐の女神ネメシスは、ナルキッソスに自分自身に恋をしてしまう呪いをかけます。水面に映る自分の姿に恋をしたナルキッソス。

彼はそこで求愛に応えてもらえない苦しさを味わい死んでしまします。そして水面を覗いている姿がスイセンとなったのです。

姿を失いはしたものの、声だけは存在しているエーコー。ナルキッソスが死んでしまった事でもうその姿を見る事ができなくなってしまいました。そんなエーコーの気持ちから「私の元へ帰って」という花言葉になったと言われています。

水仙を楽しもう!名所3選

スイセンの花言葉は少々悲しい物語ばかりでした。しかし、寒い冬の中凛と咲き誇り春の訪れを伝えるスイセンは日本だけではなくヨーロッパでも「希望」のシンボルとして愛され続けています。

ここではスイセンを存分に楽しめる名所を3つご紹介します。

福井県越前海岸の水仙畑

スイセンの日本三大群生の中で、唯一の日本海側である福井県丹生郡越前町梨子ヶ平(なしがだいら)にある越前海岸の水仙畑は、絶景の越前岬一面に広がるスイセンの群生が美しい場所です。

この越前海岸一帯に咲くスイセンは「越前水仙」といい、ブランド化されています。その特徴は、冷たい潮風に揉まれて花が引き締まっていて香りが強い事です。積もった雪にも折れない強さも持ち合わせています。

開花は12月〜1月にかけて、越前水仙の白と空や海の青が織りなすコントラストが絶景のポイントなので、是非晴れの日を狙ってお出かけください。

兵庫県南あわじ市灘黒岩水仙郷

甘くて美味しい玉ねぎや人形浄瑠璃で有名な瀬戸内の島、兵庫県淡路島。温暖な気候の淡路島もスイセンの日本三大群生の一つです。

灘黒岩(なだくろいわ)水仙郷は、淡路島の四国側に位置する南あわじ市にあります。約500万本の日本水仙が斜面に広がる水仙卿の歴史は古く、江戸時代末期の1820年に海岸に漂着した球根を植えたのがはじまりです。

こちらの水仙卿は12月の下旬から2月の下旬にかけてが見頃となっています。淡路島の冬の風物詩を是非堪能してみてください。

千葉県安房郡鋸南町水仙祭り

南房総というと、多様な花の栽培で有名です。その南房総に位置する鋸南町(きょなんまち)では、毎年12月中旬〜2月初旬まで水仙祭りというイベントを行なっています。

江月地区という場所では江月水仙ロードという約3kmに渡る町道があります。こちらではイベント期間中地元農家の方達が農産物の販売等行なっていて、スイセンの鑑賞以外も楽しめます。

他、をくづれ水仙郷では佐久間ダム公園でライトアップも行なっています。イベント終盤の1月下旬にはシーズン終了を迎えるスイセンと早咲きの梅のコラボレーションも楽しめます。

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多様な側面を持つ花スイセン

スイセンはヨーロッパで生まれシルクロードを経て日本へやってきました。その過程では切ない神話や仙人と比喩されそして日本の文化に馴染んでいくという、多様な側面を持つ花でした。

ギリシャ神話からくる花言葉は、プレゼントするには躊躇をしてしまう内容でしたが、人間は時に根拠のない自信やうぬぼれる程自分自身を愛し、信じる事も必要です。捉え方によっては励ましたり勇気付ける事もできるかもしれません。

寒空の下、様々な人々の想いを乗せて咲き続けるスイセンを是非群生で楽しんでみて下さい。

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