人生山あり谷ありの意味とは?ことわざの使い方を例文を用いて紹介
皆さんは、人生山あり谷ありという言葉の意味を知っていますか?この「人生山あり谷あり」という言葉の意味や使い方を例文を交えて詳しく説明していきます。これからの長い人生の中で色々悩むこともあるかと思いますがこれを読めばきっと前向きになれますので是非ご覧ください。
目次
「人生山あり谷あり」の使い方が知りたい!
「人生山あり谷あり」という言葉を皆さん一度は聞いたことがあるかと思います。ですが言葉は聞いたことがあるけど実際に使ったことがないという方は多いのではないでしょうか。
この「山あり谷あり」にはどんな意味があってどのように使うのでしょうか。この記事では名言や例文とともに、その言葉の意味や使い方を詳しく解説していきます。
「人生山あり谷あり」の言葉の意味とは?
「人生山あり谷あり」の言葉はどのような意味をもっているのでしょうか。よく「人生には良い事もあれば悪い事もある」という意味でとらえられますが、実はその他にも奥深い意味があるのです。
ここではその言葉の意味や類語、関連する四字熟語を合わせて説明していきます。それでは早速「人生山あり谷あり」の意味をみていきましょう!
「人生山あり谷あり」の意味
冒頭でも説明しましたが、「人生山あり谷あり」という言葉は、「人生には良い事もあれば悪い事もある」という意味で捉えられている方が多いのではないでしょうか。実はこの言葉にはほかにも意味があります。
そのひとつが、山を登るのも下るのも大変なことから、「人生いつでも苦労がついてまわる」というものです。今でこそふたつの意味がある言葉ですが、本来は別の意味がある言葉です。
同じ「山あり谷あり」でも、物事の捉え方によって、まったく逆の意味になってしまうことが判るかと思います。
もともとの意味は、自然の中には山や谷、川など様々なものがありそれぞれ見える景色が違うことから、「人生にはいろいろな事があるが、物事の見方によって幸や不幸も変わってくるので、大きな視点を持ちましょう。」という意味があります。
「人生山あり谷あり」の類語
「人生山あり谷あり」の類語としては、「人生楽あれば苦あり」という言葉があります。水戸黄門の主題歌になった歌の歌詞にも出てくる言葉ですが、この言葉も同じように、人生の中で楽しい時もあればつらい時もあるという意味になります。
この「人生楽あれば苦あり」という言葉は、江戸いろはかるたの一つになります。意味が似ているようですが、使い方は若干異なります。「人生楽あれば苦あり」の場合は、楽しい事とつらい事が交互に起こる様を表していますが、「人生山あり谷あり」は交互に起こる様を表しているわけではありません。
「人生山あり谷あり」の四字熟語
「人生山あり谷あり」を表す四字熟語は、「波瀾万丈(はらんばんじょう)」です。波瀾万丈とは、物事の変化が激しい様子を表す四字熟語で、起伏の激しさを表現しています。「波瀾万丈の人生を送る」のような使い方をします。
もうひとつ「人生山あり谷あり」の意味と似た四字熟語に、「人生行路(じんせいこうろ)」といものがあります。こちらは、人の一生には山あり谷ありで容易ではないことを表している言葉になります。使い方としては、「これからふたりは、長い人生行路を手を取り合って進むことになります」というような使い方をします。
ことわざ「人生山あり谷あり」の使い方《例文紹介》
「人生山あり谷あり」の意味や類語などを説明してきましたが、実際どのように使うのでしょうか。使い方を例文とともに紹介していきます。日常の会話で使えるものもあるので機会があれば是非使ってみてください。
「人生山あり谷あり・のんびり進んでいきましょう」
この例文は、見方によって物事の感じ方が変わるという意味の「人生山あり谷あり」の例文になります。人生には色々なことがあるけど大きな視点をもって、焦らずにいきましょう。という意味合いになります。
「人生山あり谷ありさ・すぐに良い事もあるはずだよ」
こちらの例文は、人生には良いことも悪い事もあるという意味の「人生山あり谷あり」の例文です。人生では悪い事が続いても、必ず良い事が訪れるという意味の使い方です。
「毎日大変なことばかり・人生山あり谷ありだね」
3つ目の例文になりますが、こちらの例文は、人生いつでも苦労がついてまわるという意味の例文です。苦労ばかりで良い事がないというネガティブな意味での使い方です。
「人生山あり谷あり」名言集
「人生山あり谷あり」という言葉には、色々な方の名言が存在します。奥深い意味をもった言葉ばかりですのでさっそくみていきましょう!
本田圭佑の名言
サッカーの日本代表で有名な本田圭佑氏は、「人生山あり谷あり」についてこんな名言を残しています。
「僕は人生は山あり、谷ありだと思っている。谷はどれだけ深くてもいいんです。その谷も、できるだけ人が体験したことのないぐらいの谷を経験した人間だけが高い山に登ることができる。それが僕の哲学。」
苦労を経験した人だけがより飛躍することができる。自ら苦労することを選ぶ、ストイックな本田選手の人柄がよく表れている素晴らしい言葉です。
藤原洋の名言
株式会社ブロードバンドタワーの代表取締役であり、インターネット総合研究所の代表取締役も兼務している日本の企業家で科学者でもある、藤原洋氏の「人生山あり谷あり」の名言はこちらです。
「人生は山あり谷ありで、谷は深いほど価値があります。そこから這い上がれば更なる可能性が広がるでしょう。」
本田圭佑氏と同じように、苦労すればするほど成長できるということを表現されています。やはり成功する方の特徴として、自らの苦労を厭わないという気持ちの持ち方があるのでしょう。
ミゲル・デ・セルバンテスの名言
有名な小説「ドン・キホーテ」(Don Quijote de la Mancha)の著者として知られているスペインの文学者、ミゲル・デ・セルバンテス氏は、「人生山あり谷あり」についてこのような名言を残しています。
「人生は山あり、谷ありである。しかし、山だの谷だのと思って、うろたえていたのは、結局は自分がちっぽけで、翻弄されていただけの話ではなかったか。」
この名言は、大きな視点で物事をとらえれば今現在、自分が置かれている状況はそれほど困難な事ではないということを意味しています。
ミゲル・デ・セルバンテス氏は、この名言の他にも数々の名言を残していますが、もうひとつ、意味の似ている名言があるので紹介します。
「どんな困難な状況にあっても、解決策は必ずある。救いのない運命というものはない。運命というのは、災難が起きれば、必ず一方の扉を開いて、救いの道を残してくれている。」という名言です。
みんなの「人生山あり谷あり」エピソード
著名な方々の名言を紹介してきました。みなさんには「人生山あり谷あり」にどんなエピソードがあるのでしょうか。「人生山あり谷あり」にまつわるエピソードをいくつか紹介していきます。
不妊宣告から奇跡の妊娠・出産
ひとつめの「人生山あり谷あり」のエピソードは、ある夫婦にまつわるエピソードです。
ある夫婦は子供をほしがっていたのですが、医者からは「子供をつくることはできないでしょう」と言われていました。その夫婦は途方に暮れていましたが、あきらめずにいたところ、なんと、子供を授かる事ができたそうです。それどころか数年後には第二子まで授かることができたということです。
諦めずにいれば必ず良い事が訪れるというエピソードですね。
苦難を乗り越えての結婚
ふたつめのエピソードは、数々の困難を乗り越えて結婚までたどり着いたカップルのエピソードです。
あるカップルは長い交際期間を経て、ようやく婚約をしたころに、男性に海外転勤の辞令が出てしまいました。彼は婚約者とのこともあるので転勤を拒否したところ退職する羽目になってしまいました。
すぐに再就職先は決まったのですが、勤務先がかなり遠方の会社になってしまいます。女性のほうも仕事をしていたので遠距離恋愛に。その結果、お互い結婚の話もしなくなり破談寸前まで追い込まれてしまいます。
しかし、お互い歩み寄ったおかげで無事に結婚ができ、幸せな結婚生活を送ることができたということです。困難な状況だったからこそ、逆に絆が深まったのでしょう。
谷が深いほど、上った時の可能性が広がるという藤原洋氏の名言を体現するようなエピソードです。
山あり谷ありのサラリーマン人生
次は、昇進と降格を繰り返した末に成功を収めた、あるサラリーマンの山あり谷ありのエピソードを紹介します。
このサラリーマンはバリバリ営業のできるセールスマンでした。優秀な営業成績を収めていたため、あっという間に営業課長に昇格しますが、トラブルに巻き込まれ降格されてしまいます。しかし、その降格をバネに奮闘した結果、支店の支店長に昇進します。
その後、別の支店へ異動になりましたが、派閥争いに巻き込まれ、またも降格されてしまいます。ですが、この方は、そこであきらめることなく、今まで以上に奮起した結果、現在では役員まで昇格を果たすことができました。
普通ならあきらめてしまうような状況でも、苦難をバネにしてさらに飛躍するという、まさに山あり谷ありのエピソードです。
戦国武将の山あり谷ありエピソード
最後のエピソードは、有名な戦国武将「前田利家」の山あり谷ありのエピソードを紹介します。前田利家といえば加賀百万石の戦国大名として有名です。この前田利家は「槍の又左」というあだ名がつくほどの槍の名手で数々の武功をあげました。その結果、織田信長の信頼を得て出世頭になります。
ところがある時、織田信長の機嫌を損ねてしまい、一転浪人の身となってしまいます。しかし、浪人となって名声を失ってしまった後も、自らそろばんをもって前田家の財政を取り仕切りました。そして後の世に語り継がれるほどの倹約家として名前を残すこととなりました。
一度挫折して谷に転落しても、そこからまた這い上がって成功を収めるという、成功者に共通する山あり谷ありのエピソードです。
「人生山あり谷あり」と同じ海外のことわざ
「人生山あり谷あり」ということわざは日本でよく使われていますが、海外ではどうなのでしょうか。実は海外にも、この「人生山あり谷あり」と同じことわざが存在します。海外ではどのようなことわざなのでしょうか。さっそくみていきましょう。
英語圏での「人生山あり谷あり」
英語圏での「人生山あり谷あり」は、「Life has its ups and downs」と言います。意味はほぼ直訳に近く、「人生には上りも下りもある」という意味になります。
この表現ですが、次のような表現として使うこともあります。「Life is like a roller coaster. It has its ups and downs. But it's your choice to scream or enjoy the ride.」(人生はジェットコースターのようなもの。上がったり下がったりする。でも、ただ叫ぶのか、それを楽しむのかは、あなた次第です。)
韓国の「人生山あり谷あり」
韓国での「人生山あり谷あり」は、「새옹지마」(セオンジマ)で、日本での塞翁が馬と同じ意味「人生の禍福は転々として予測できない。」という意味のことわざです。
中国新疆ウイグル族の「人生山あり谷あり」
中国での「人生山あり谷あり」は、「人生有起有落」ですが、新疆ウイグル自治区に住むウイグル族のことわざはちょっと変わったものになっています。
新疆ウイグル族の「人生山あり谷あり」にあたることわざは、「ジャパンナ テキ オブタノ」です。意味は「辛さの裏にゴールドがあります」という意味だそうです。
「人生山あり谷あり」の山と谷はどちらも必要
本田圭佑氏や藤原洋氏の名言にもあるとおり、谷が深ければ深いほど高く上ることができます。高くジャンプするには一度低くしゃがむ必要があります。谷も同じで山に登るために必要な過程であり成長するための準備期間なのです。
全ての困難には意味があります
「人生山あり谷あり」にまつわる著名人の名言にもあるとおり、谷が深いほど登ったときにより成長できます。人生の中には困難なことがたくさん訪れます。
しかし、その困難は自分を成長させるために与えられた試練なのです。どんな困難や苦労も無駄なものはありません。いつか必ずその苦労した経験が役に立つ時がやってくるはずです。
山もあって谷もあるから楽しいのです
常に平坦な道(人生)を歩んでいると結局のところ、幸せは感じないでしょう。常に幸せな状態、ここでいう山ばかりでは、それが当たり前になってしまって幸せを感じなくなります。
逆に、困難、ここでいう谷ばかりでもつまらない人生になってしまいます。ですが、困難やつらい事を経験して初めて、幸せというものを実感することができるのではないかと思います。
つまり、人の人生には山も谷も必要で、その存在が人の人生を豊かにしているということなのです。
発想の転換で人生を楽しいものにしましょう
今回は、人生山あり谷ありについて、意味や使い方などを説明してきました。「人生山あり谷あり」の意味の中で、物事の捉え方によって全く意味が違うふたつの解釈があることも判ったかと思います。
人生も同じで、物事の捉え方ひとつを変えるだけで見えるものがまったく違ってきます。自分の現状に対しての視点を少し変える事でつらいと思っていることが、逆に楽しいものに思えることもあります。今の苦労が後々の糧になると思うと、また違った気持ちで物事に向き合えるようになると思います。
発想の転換で谷を山に変えて、是非これからの長い人生を楽しいものにしていってください。