青空文庫のおすすめな人気名作21選!短編&長編の面白い作品【無料】
芸術の秋には、気軽に始められる読書がおすすめ。今回は、数多くの名作を無料で読むことが出来る青空文庫の利用方法と、おすすめの作品をジャンルごとにまとめました。今年の秋こそ、青空文庫で無料の名作古典にチャレンジしてみてはいかかでしょうか?
目次
青空文庫とは?
青空文庫とは、作家の没後50年以上経過して著作権の期限が切れた作品をデータベース化し提供している、いわばインターネット上の図書館。ボランティアの方々によって運営されており、完全無料で名作を読むことができるお得なサービスです。
今回はこの青空文庫の利用方法や、無料で読むことが出来る面白い名作古典について紹介していきます。
青空文庫の利用方法
本を読みたいけれど、いちいち新書を買うとお金がかかるし、物も増える。図書館に行けば無料で本を借りられますが、期限内に返しに行く手間があります。一方、青空文庫でなら、インターネット環境さえあれば誰でも簡単に無料で読書を楽しむことができます。
まずは、青空文庫の利用方法について見ていきましょう。
本の探し方
まずは青空文庫の膨大なデータベースの中から、読みたい本を探す方法をご紹介します。
読みたい本が決まっている場合は、作家別・作品名別のインデックスで本を探すことが出来ます。この時注意したいのが、作家別索引は作家名の表記が姓・名となっている点。
例えばコナン・ドイルの著書を探したい場合は、カ行ではなくタ行で探す必要があります。特に外国人作家の作品を探す際は注意が必要です。
また、「青空文庫 分野別リスト」からは、哲学や文学といった分野ごとに作品を調べることができます。何を読もうか迷っているときは、普段触れることがない分野の本を探してみると、面白い作品と出会えるかもしれません。
好きな環境で読める
青空文庫に収録された作品を読むには、インターネット環境さればOK。
例えばパソコンであればそのままブラウザ上で読むこともできますし、専用の電子書籍リーダーを利用すれば通常の文庫本のように縦書きで楽しむことも可能です。
また、青空文庫のデータベースは無料で開放されているため、無料のスマホアプリも多く存在します。しおり機能があったり、ランキングから人気の作品を探すことが出来たりと便利です。面白いアプリが色々ありますので、自分に合ったものを見つけてください。
もちろん電子書籍専用のkindleを使用すれば、長編小説であっても目が疲れにくく、より快適に読書を楽しむことが出来るでしょう。
青空文庫のおすすめな人気名作5選【短編小説編】
ここからは青空文庫で読むことが出来るおすすめの名作について紹介していきます。まずは、空いた時間にサクッと読める短編小説の人気作5選です。
短い文章で読者に物語を伝えきる必要がある短編小説は、ある意味作家の腕の見せ所と言えますが、青空文庫には、5分もあれば読めてしまうような面白い名作短編小説が沢山収録されています。
普段本を読む習慣がない・・・という方はいきなり長編小説を読むのではなく、読みやすい短編小説からトライしてみるのもいいかもしれません。
1.「葉桜と魔笛」太宰治
著者の生年月日 | 1892年3月2日 |
その他の作品 | 「人間失格」「斜陽」「走れメロス」 |
おすすめ度 | ★★★★★ |
<あらすじ>
ある日妹の持ち物の中から恋人との手紙の束を見つけた姉。不治の病に侵された妹を不憫に思った姉は、彼女の恋人のフリをして妹宛に手紙を送る。しかし恋人からの手紙は、実は不治の病に侵された妹が自分自身に宛てて書いた手紙だった―――。
「青春とは、ずいぶん大事なものなのよ。」という、18歳という若さで病に侵され死んでいく妹のセリフが胸に刺さります。青春時代の少女たちの感情描写が見事な短編作品です。作家・太宰治には女性のファンが多いというのもうなずけます。
2.「手袋を買いに」新美南吉
著者の生年月日 | 1913年7月30日 |
その他の作品 | 「ごん狐」「赤い蝋燭」「おじいさんのランプ」 |
おすすめ度 | ★★★★☆ |
<あらすじ>
母ぎつねは子ぎつねが雪で手を冷やさないよう、子ぎつねを人里まで手袋を買いに行かせることにした。子ぎつねの片手を人間の手に変えてやり、きつねだと気づかれないように念を押して・・・。
数多くの童話を残したことで有名な作家、新美南吉。本作は、初めての雪や人間との触れあいを体験する子ぎつねの愛らしさと、母ぎつねの愛情に心温まる短編です。
また、母ぎつねの人間に対する恐怖心など、人間と動物との共生について問いかけてくる作品でもあります。
3.「桜の樹の下には」梶井基次郎
著者の生年月日 |
1901年2月17日 |
その他の作品 | 「檸檬」「冬の日」「のんきな患者」 |
おすすめ度 | ★★★★☆ |
<あらすじ>
桜の樹があんなにも美しく咲くのは、その下に埋まる死体から養分を得るからだと信じる「俺」は、不安で憂鬱な心の均衡を保つため、樹の下に埋まるものについて想像をする・・・。
桜の樹の下には屍体が埋まっている!という衝撃的な一文から始まる超短編。2000文字にも満たないのですぐに読めてしまいますが、読んだ後にはどうしても考え込んでしまうような、不思議な作品です。
4.「蠅」横光利一
著者の生年月日 | 1898年3月17日 |
その他の作品 | 「上海」「純粋小説論」 |
おすすめ度 | ★★★☆☆ |
<あらすじ>
蜘蛛の巣から脱出した蠅(ハエ)が止まったのは、止まった馬車の馬の上だった。馭者は饅頭屋で将棋を打ちながらのんびりとしていたが、やがて乗客が集まり、馬車は走りだす。
蠅の視点から人間の生き様を覗き見る、という面白い設定の短編小説。人間からすると目を覆いたくなるような惨劇も、蠅にとってはただの出来事でしかありません。人間の非力さを再認識させてくれる作品です。
5.「桃太郎」芥川龍之介
著者の生年月日 | 1892年3月1日 |
その他の作品 | 「羅生門」「鼻」「河童」 |
おすすめ度 | ★★★☆☆ |
<あらすじ>
神代の桃の木の実から生まれた桃太郎。育ての親であるお爺さん・お婆さんの様に毎日働くのはごめんだ、と鬼退治で一攫千金を狙おうと考える。桃太郎にはすっかり愛想を尽かしていたお爺さんとお婆さんは、きび団子を持たせて桃太郎を送り出す。
日本人なら誰もが知っている桃太郎伝説ですが、芥川版の桃太郎はとにかく異質で面白い。お世辞にもヒーローとは呼べない傍若無人な桃太郎と、突然平和を壊されたことを恨む鬼たち。果たしてどちらが正義なのか、大人の方々にこそ、読んでほしい作品です。
青空文庫のおすすめな人気名作3選【長編小説編】
次は、青空文庫で読むことが出来る人気長編小説の紹介です。単行本を買ったらかなりの金額になってしまう長編小説ですが、それらがすべて無料で読めるのはとてもお得ですよね。
短編に比べて感情描写やストーリーが濃いのも長編小説の特徴。持ち運びが不便な長編小説こそ、ぜひスマホや電子書籍リーダーを使用してゆっくりと読んでみましょう。
1.「カラマーゾフの兄弟」フョードル・ドストエフスキー
著者の生年月日 | 1821年11月11日 |
その他の作品 | 「罪と罰」「悪霊」「白痴」 |
おすすめ度 | ★★★★★ |
<あらすじ>
ある日、強欲な地主フョードル・カラマーゾフが殺害され、遺産の三千ルーブルが盗まれたことが発覚する。カラマーゾフ家の長男ドミートリィ、次男イワン、三男アレクセイは父の死と一族の揉め事に翻弄されていく。
”人類文学の最高傑作”と評される本作品は、計四部から構成される超長編。宗教や家族、貧困など多くのテーマを含み、また人物の名前が難しく読むのは大変ですが、読了後の達成感は他の作品では味わうことが出来ません。
2.「レ・ミゼラブル」ヴィクトール・ユーゴー
著者の生年月日 | 1802年2月26日 |
その他の作品 | 「ノートルダムのせむし男」「九十三年」 |
おすすめ度 | ★★★★☆ |
<あらすじ>
一つのパンを盗んだことにより投獄されていたジャン・バルジャン。社会の無情さに絶望し荒んでいた彼は無意識に少年から銀貨を奪ってしまった。罪の意識にさいなまれたバルジャンは正直な人間として生きることを誓う。
フランス革命後の混乱する時代に、貧困や無学ゆえに虐げられて生きる人々と、運命に抗う男の物語。ミュージカルや映画でも取り上げられることが多い、不朽の名作といえるでしょう。長編で難易度は高めですので、映画やミュージカル版を観てから読むのもいいかもしれません。
3.「二十四の瞳」壺井栄
著者の生年月日 | 1899年8月5日 |
その他の作品 | 「風」「母のない子と子のない母と」 |
おすすめ度 | ★★★★☆ |
<あらすじ>
第二次世界大戦前。女学校を卒業して「瀬戸内海べりの一寒村」の小学校に赴任した女性教師は、入学してきた12人の生徒たちと触れ合う中で、輝く二十四の瞳を濁らせてはならない、と固く心に誓う。
何度も映画やテレビドラマ化もされている、戦時中の人々の苦難を描いた名作長編です。
作家・壺井栄自身の経験に基づいて執筆され、終戦のたった七年後に発表された本作には、戦争の悲惨さ、そして当時の人々のリアルな日常が描かれています。
青空文庫のおすすめな人気名作5選【ミステリー小説編】
青空文庫に収録されている名作ミステリー小説の中には、現代ミステリーのトリックの元となった作品が多くあります。今では当たり前となった密室トリックも、エドガー・アラン・ポーが自身の作中で使用するまで、誰ひとりとして考えたことがなかったのです。
改めて古典ミステリーを読んでから、現代ミステリ―までの進化の過程を想像するのも面白いかもしれませんね。それでは、人気ミステリー小説5選を紹介します。
1.「ドグラ・マグラ」夢野久作
著者の生年月日 | 1889年1月4日 |
その他の作品 | 「瓶詰の地獄」「少女地獄」「猟奇歌」 |
おすすめ度 | ★★★★★ |
<あらすじ>
男が時計の音で目覚めると、そこは独房の中だった。自分が何者かも思い出せない男に、若林と名乗る教授は、男が九州帝国大学の精神病棟におり、ある一連の事件の真相解明のため、記憶を取り戻す治療を受けていると伝えられる・・・。
一度読むと精神に異常をきたす、とまで言われた夢野久作の名作長編ミステリー。超難解な本作ですが、読んだあとは長編にも関わらず、またすぐに読み返したくなること間違いありません。
2.「モルグ街の殺人」エドガー・アラン・ポー
著者の生年月日 | 1809年1月19日 |
その他の作品 | 「黄金虫」「黒猫」「大鴉」 |
おすすめ度 | ★★★★☆ |
<あらすじ>
パリに滞在する「私」は、ある日C・オーギュスト・デュパンという特出した推察眼をもつ男と出会う。そんな中、ある屋敷に住む母と娘が惨殺されるという事件が起こり、「私」とデュパンは事件解決のために調査を始める。
作者のエドガー・アラン・ポーは推理小説の第一人者と称される作家で、その人気は今も健在です。現代では推理小説の定番となっている密室トリックも、本作で始めて使用されたと言われており、ミステリー小説が好きなら是非一度は読みたい名作です。
3.「赤毛連盟」コナン・ドイル
著者の生年月日 | 1859年5月22日 |
その他の作品 | シャーロック・ホームズシリーズ |
おすすめ度 | ★★★★☆ |
<あらすじ>
ある日ベーカー街に事務所を構える私立探偵・シャーロック・ホームズのもとに、燃えるような赤毛をした初老男性が相談に訪れる。質屋を営む彼は、自分の参加する「赤毛連盟」と名乗る団体について調べて欲しいという。
児童向けの推理小説として名高いシャーロック・ホームズシリーズの中でも人気の作品。ユーモアに溢れ読みやすい作品なので、ミステリー初心者におすすめです。
4.「怪盗二十面相」江戸川乱歩
著者の生年月日 | 1894年10月21日 |
その他の作品 | 「D坂の殺人事件」「鏡地獄」「孤島の鬼」 |
おすすめ度 | ★★★★☆ |
<あらすじ>
ある日、20の顔を持つことで世間を賑わせていた怪盗二十面相から、実業家の羽柴壮太郎へロマノフ王家に伝わる伝説の宝石をもらい受ける、という予告状が届く。羽柴は名探偵明智小五郎に依頼をするが、明智は留守だった。
名探偵明智小五郎シリーズの1つである本作品では、明智の留守を理由に助手の小林少年が事件解決に臨みます。この事件をきっかけに少年探偵団を結成した小林少年の奮闘は必見です!
5.「幽霊塔」黒岩涙香
著者の生年月日 | 1862年11月20日 |
その他の作品 | 「無惨」 |
おすすめ度 | ★★★☆☆ |
<あらすじ>
叔父からの頼みで古い屋敷を訪れた道九郎は、時計塔で謎の女・秀子と出会う。次第に彼女に惹かれていく道九郎は、屋敷で起こる事件に巻き込まれていく・・・。
明治時代に翻案(話を変えず、登場人物や舞台を日本文化に合わせて修正し翻訳すること)として出版された長編作品。後に江戸川乱歩版も出版されているので、読み比べてみるのも面白いかもしれません。
青空文庫のおすすめな人気名作3選【恋愛小説編】
次は、青空文庫で読むことが出来る人気恋愛小説をご紹介します。古典のラブストーリーはどこか奥ゆかしさがあり、現代の恋愛事情とは少し異なる場合が多いようです。それでも、時代や国が違っても人を愛する気持ちは同じなのですから、面白いですよね。
1.「風立ちぬ」堀辰雄
著者の生年月日 | 1904年12月28日 |
その他の作品 | 「聖家族」「菜穂子」 |
おすすめ度 | ★★★★★ |
<あらすじ>
作家の「私」は、軽井沢で執筆中に1人の女性と出会う。後に婚約する2人だが、彼女は死の病である結核に侵されてしまう。結核がまだ不治の病であった当時、結核患者が出来るただ1つのことは療養に努めることだけだった。
八ヶ岳のサナトリウムで病いと戦う節子と、それを支える「私」の物語。宮崎駿監督により同名の映画が発表され人気になったので、耳にした事がある方も多いと思います。「死」と暗いテーマを、透明感のある文章で悲しくも美しく描いた名作です。
2.「三四郎」夏目漱石
著者の生年月日 | 1897年2月9日 |
その他の作品 | 「こころ」「吾輩は猫である」 |
おすすめ度 | ★★★★☆ |
<あらすじ>
東京帝都大学に合格し、上京してきた三四郎。大学で出会った美しい美禰子に一目惚れし、彼女の謎めいた性格に翻弄されてしまう。真面目で堅物の三四郎が、友人や教授たちとの出会いを通じて成長していく様を描く。
作家・夏目漱石が新聞連載で執筆していた作品。今時考えられないほどウブな三四郎の恋心を描く本作は、現代の恋愛小説に飽きてしまった方にぜひおすすめです。
3.「はつ恋」イワン・ツルゲーネフ
著者の生年月日 | 1818年11月9日 |
その他の作品 | 「猟人日記」「父と子」 |
おすすめ度 | ★★★★☆ |
<あらすじ>
16歳の少年ウラジーミルは、ある日隣に越してきた年上の美女、ジナイーダに一目惚れをする。彼女は何人もの男性をはべらせて楽しむような小悪魔のような女性だったが、ウラジーミルは自分の抱く気持ちは間違いなく恋である、と強く確信する。
40代になったウラジーミルが記した手記というかたちで語られる本作品。後半には衝撃の事実も発覚します。一度恋に落ちてしまったら自分を止めることはできない・・・青春時代の、そんな甘酸っぱい思い出にきっと共感出来るはずです。
青空文庫のおすすめな人気名作3選【ホラー小説編】
甘い恋愛小説に飽きてしまったら、今度は背筋の凍るようなホラーを読んでみるのも面白いでしょう。ホラー小説は比較的短編のものが多く、ちょっとした時間に読むにも最適です。
怖い話が苦手な方も、せっかく無料で読めるのですから、この機会にチャレンジしてみては?
1.「信号手」チャールズ・ディケンズ
著者の生年月日 | 1812年2月7日 |
その他の作品 | 「クリスマス・キャロル」「オリバー・ツイスト」 |
おすすめ度 | ★★★★★ |
<あらすじ>
「私」は偶然崖の下で働く信号手を見つけ声をかけた。しかし信号手は「私」を見るなり顔に恐怖の色を浮かべる。聞けば、彼は過去2度も同じ言葉で幽霊に声をかけられた事があり、しかもその後には必ず惨劇が訪れたという。
長編はとにかく長いことで有名な作家・ディケンズですが、こちらは短編怪奇小説です。背筋がゾッとするような怖さですが、推理小説としても読めるという見解もあり、繰り返し読んでも面白い名作です。
2.「影を踏まれた女」岡本綺堂
著者の生年月日 | 1872年11月15日 |
その他の作品 | 「指輪一つ」「中国怪奇小説集」 |
おすすめ度 | ★★★★☆ |
<あらすじ>
江戸時代、子供たちの間でお互いの影を踏み合う遊びが流行していた。糸屋の娘・おせきは「影を踏まれると不吉なことが起こる」という迷信を信じ、影を踏まれることを恐れて外出を避けるようになってしまったが・・・。
劇作家としても活躍していた岡本綺堂による怪奇短編集の中の一作。怖いというよりは奇妙、という言葉がよく似合う綺堂の作品ですが、実は文体も現代小説に近くて読みやすく、不思議な魅力を持っています。
3.「活人形」泉鏡花
著者の生年月日 | 1873年11月4日 |
その他の作品 | 「外科室」「高野聖」 |
おすすめ度 | ★★★★☆ |
<あらすじ>
探偵・倉瀬泰助は、毒を飲み息絶え絶えの青年に出会い、ある館にまつわる不思議な話を耳にする。その館の主はすでに病死しており、妻も変死、挙げ句の果てに二人の美しい娘たちは三年間もの間行方不明になっているという・・・。
日本版ハードボイルドともいえる本作品。ホラーとミステリーが絶妙な描写で混ざり合い、妖艶な雰囲気を醸し出しています。まさしく、ロマン主義作家と言われた泉鏡花の名作と言えるでしょう。
青空文庫のおすすめな人気名作2選【SF小説編】
SF(=サイエンスフィクション)は言葉の通り、科学的な想像をもとに作成された作品群を表します。青空文庫に収録されている古典作品は科学が発展していない時代に書かれたものですので、現代のSF作品と比べると見劣りすると考える人もいるかもしれません。
ですが、古典の中には「SFの父」と呼ばれるジュール・ヴェルヌやH・G・ウェルズ等、まさしくSF創世記の名作が沢山。先人たちの豊かな想像力によって作られた物語を読むと、面白い発見があるかもしれません。
1.「フランケンシュタイン」メアリー・シェリー
著者の生年月日 | 1797年8月30日 |
その他の作品 | 「マチルダ」「最後の人間」 |
おすすめ度 | ★★★★★ |
<あらすじ>
主人公のロバート・ウォルトンは、北極で「ヴィクター・フランケンシュタイン」と名乗る瀕死の若い科学者と出会う。聞けば、彼は生命を作り出す研究の結果自分が生み出してしまった怪物に追われて、逃げてきたという。
人間の身勝手さを描いた本作品は、当時19歳だったメアリー・シェリーによって執筆されたと言われています。
醜い姿のせいで人々から非情な仕打ちを受けたフランケンシュタインの怪物ですが、実際は心優しく聡明でした。現代の映画などではのろまで怪力、知能も高く無いように描かれることが多いので、この辺の違いに着目して読んでみるのも面白いでしょう。
2.「透明人間」ハーバート・ジョージ・ウェルズ
著者の生年月日 | 1866年9月21日 |
その他の作品 | 「宇宙戦争」「タイム・マシン」 |
おすすめ度 | ★★★★☆ |
<あらすじ>
ある宿屋に、顔を包帯で巻き全身を外套で包んだ奇妙な男が訪れた。そんな中、村では盗難事件が起こり、村人たちはあの奇妙な男が犯人に違いない、と男の部屋に押しかける。男は観念し、自分の正体を明らかにするといいながら顔の包帯をほどき始める・・・。
ジュール・ヴェルヌとともに「SFの父」と評されるイギリスの著作家、H・G・ウェルズによる有名SF古典作品です。「透明人間」という人気キャラクターを世に知らしめた作品であり、現代のSF作品の原点とも言える名作です。
無料の青空朗読もおすすめ
本を読みたいけれど、読むのは苦手。読書をする暇がない・・・。そんな方には、何かをしながら名作の朗読を聴くのがおすすめです。声に出して読まれたものを聴くことによって、より情景が鮮明にイメージ出来たり、登場人物に感情移入が出来たりして面白いですよ。
番外編として、無料で名作小説の朗読版を聞くことが出来る「青空朗読」についてご紹介します。
青空朗読とは?
青空朗読とは、プロのアナウンサーによるボランティアで始められた、青空文庫の作品を朗読するプロジェクトです。登録されている音声データはもちろん無料で聴くことが出来ます。ロボットではなく、人による朗読なので言葉のリズムの美しさに気づかされます。
また、現在では朗読を学ぶ一般の方からの応募も受け付けているようですので、興味がある方は青空文庫のお気に入りの作品の朗読にチャレンジしてみると面白いでしょう。
青空朗読の使い方
使い方はいたってシンプルです。特別なソフトやアプリは必要なく、各作品のリンクから「MP3」と書かれたボタンをクリックすると、すぐに音声が再生されます。
もちろんスマホやタブレットからでも視聴が可能です。短編なら毎日の通学・通勤時に気軽に聴けておすすめですので、ぜひ利用してみてください。
秋の夜長は名作古典小説に触れよう
青空文庫で無料で読める人気作品について短編、長編、各ジャンル毎にご紹介してきましたが、いかがでしたでしょうか?寒くなってくるこの時期、家にこもって読書に没頭するのも良いですよね。
この秋はぜひ青空文庫で無料の名作古典に触れ、お気に入りの作品を見つけてみてください。