グルーポンおせち事件の真相!中身はスカスカ!その後どうなった?

グルーポンのおせち事件をご存知ですか?2011年に水口憲治社長が経営するバードカフェがグルーポン上で販売した中身スカスカのおせち料理が問題となりました。その後ネット上でも画像が拡散し、スカスカおせちのフィギュアが販売されるなど大きな話題となりました。

グルーポンおせち事件の真相!中身はスカスカ!その後どうなった?のイメージ

目次

  1. 12011年に起きたグルーポンおせち事件について
  2. 2配送遅れでおせちの中身はスカスカ!クレームが殺到!
  3. 3グルーポンおせち事件が起きた原因は?
  4. 4グルーポンおせち事件の問題点
  5. 5グルーポンおせちの販売元バードカフェについて
  6. 6グルーポンおせち事件から4年後に復活!【夢のおせち】
  7. 7グルーポンおせち事件からその後!2018年現在は?
  8. 8グルーポンに代表されるフラッシュマーケティングとは?
  9. 9安かろう悪かろうという言葉があります

2011年に起きたグルーポンおせち事件について

グルーポンとは、共同購入型クーポンサイトです。簡単に言うと、サイトを通してたくさんの人がお店に商品を発注することで、サイト経由で購入した商品の単価が安くなるというサービスです。遊園地でも団体だと入園料が安くなりますよね。それと似た理屈です。

2011年に発生したグルーポンおせち事件は、安価なことで予想を超えた発注が集まってしまい、その後おせち料理の生産が間に合わないままサービスを提供してしまった事件でした。

その後実際に配達されたおせち料理の画像がネット上で拡散し、それを再現したフィギュアまで登場するというネット上のネタとしての側面も強く、またこの事件をきっかけに、その後日本での共同購入型クーポンサイトへの風当たりが強くなった感があります。

配送遅れでおせちの中身はスカスカ!クレームが殺到!

グルーポンおせち事件は、バードカフェが製造し配達したおせち料理の内容のひどさに注目が集まりました。購入者が撮影した画像がネットで拡散し、騒動は広がっていきます。

事前に宣伝していた画像と違い、おせち料理の量があまりにスカスカだったこと、中の食品が腐敗していたことが大きな問題となり、その後共同購入サイトというもののあり方が議論を呼ぶことになりました。

価格1万円!安価で充実した内容に注文が殺到!

2010年11月25日〜27日の正午までの出品で、グルーポン上にバードカフェの「バードカフェ 謹製おせち」が登場します。通常2万1,000円の商品ですが、グルーポン上で規定の人数が共同購入することで半額の1万500円で購入できるという内容でした。

ちなみに規定の人数はもともと100人でしたが、予約状況が予定より好調だったため、500人に人数を増やしました。おせち料理の商品イメージ画像・中身の豪華さも相まって、「バードカフェ 謹製おせち」は無事500人を達成しました。

商品イメージ画像を見ると、中身は伝統的なおせち料理に加えて、キャビアやアワビ、フカヒレ、カニ、生ハムなど…洋風の品目もありなかなか手が込んでいる印象です。

写真と実物が違っていたグルーポンおせち【画像】

さて、年末に届いたおせち料理を開けてみたところ中身はスカスカで、グルーポンに乗せられていた画像とは似ても似つかない粗悪品だったというのがネットで広がり騒ぎになります。

具体的には「33品目と謳っていたのが実際には25品目ほどだった」「4人分の量にはとても満たない量で、見た目もスカスカ」「仕切りが崩れており、中でおせち料理がぐちゃぐちゃに混ざっていた」「肉や魚からは腐敗臭がした」というものでした。

実際の商品画像のひどさにネット上でも格好の話題となり、その後、中身がスカスカのおせち料理のフィギュアまで発売されました。雑な仕切り、中で飛び散るおせち料理、一つ一つ丁寧に汚く作ったという具…。

このフィギュアも話題となりました。ちなみにフィギュアのサイズは実物の1/12で手のひらに乗るサイズです。スカスカな中身のおせち料理のフィギュア…。

今となってはあまり需要がなさそうなフィギュアですが、当時イベント会場で2,000円で発売したところ開始20分で売り切れたそうです。

ちなみにこのイベントはワンダーフェスティバル2011。国内外のフィギュアやプラモデルなどの展示・販売を行う世界最大のガレージキットの展示会です。

この展示会が1月の下旬だったため、おせち事件が報じられてからわずか3週間あまりの間に製作されたフィギュアということになります。

スカスカおせちのフィギュアは、ワンダーフェスティバルの開催直前に製作途中のフィギュア画像をweb上に公開した時点で大きな話題となりました。このフィギュアの製作者はサークル「張り子とロケット屋」の「薬のお灸」という人物。

画像を見ると、おせちのフィギュアは外箱も忠実に再現されており、蓋に金文字で記載の「バードカフェ」もそのまま再現されています。金文字同書体で「バーカ」と記載されたシールも付属しており、風刺の姿勢がバズったフィギュアでした。

「中身はスカスカだけど実際の商品画像に忠実に再現された、非常に精巧な汚らしいおせち料理のフィギュア」と評価は高く、結果当日も即完売。ネット上のフィギュアのランキングでも数日間1位を獲得するなど、フィギュア界にも大きく世相が反映されました。

肉からは腐臭!クール便ではなく普通便で配送された!

そして肉や魚からの腐敗臭の原因の一つとして、本来クール便で発送するべきものが普通の宅配便で配送された点が挙げられます。

また、調理場や調理スタッフの服装が衛生的とは言えず、おせち料理を作る環境自体にも問題があったことがその後発覚しております。実際ネットに落ちているバードカフェの従業員がおせちを作る画像も、とても飲食店とは思えない服装や環境で行われていました。

配送方法にしても製造方法にしても、飲食店として普通ではない運営がされていたと言っていでしょう。

グルーポンおせち事件が起きた原因は?

なぜこのようなスカスカな中身のおせちが提供されてしまったのでしょうか。調べていくうちにおせち料理提供元のバードカフェの運営に問題があることがわかってきました。

年末に食材が揃わなかった

2011年11月25日〜27日の3日間で500人の予約を達成した「バードカフェ 謹製おせち」でしたが、その後12月に入り仕入れられる食材が全く足りないことが判明します。もともと100名の予定だったものを500名まで増やしたことが一番の原因と考えられます。

ただ、この販売数に関しては、バードカフェだけが完全に悪いかというと正直不明な点もあります。というのも、グルーポンの規約上「クーポンの販売枚数の決定権はグルーポン側にあり、店舗側にはない」からです。

つまり、おせち料理の売れ行き好調を見たグルーポン側の担当者が勝手に枚数を増やしたという可能性もあるのです。

バードカフェの担当営業が、グルーポンの直販の営業マンなのか代理店の営業マンなのかはわかりません。しかし販売枚数が伸びれば当然自分の売り上げが伸び成績が上がることは変わりません。

営業マンの立場からすると、勝手に枚数増やせるのであればいくらでも増やすことは想像できます。

実際にグルーポンのこの販売枚数に関する規約で被害に遭っている個人店は多いようです。一例を挙げると、従業員3人の小規模のヘアサロンが、600枚のクーポンを販売し予約はさばけずスタッフは過労で倒れという事案が発生しています。

この600枚のクーポンもグルーポン側が店舗に相談なく勝手に枚数を増やしたということでした。

このバードカフェのおせちに関して、グルーポン側が相談なく枚数を増やしたかどうかは不明です。ただ、グルーポンを販促する営業マンも相当調子のいい人間が集まっているようです。

「伝説を作りましょう!」「定価を上げて割引後の価格が安く見えるようにしましょう!」「どこの店も儲かってます!」など景気のいい言葉でしつこく枚数を増やすようにアタックしてくるわけです。

気の弱い人なら「そこまで言うなら…」と営業マンに任せてしまう方も多いでしょう。営業マンは販売をすることが仕事なので、一概に悪だとは言えませんが、店舗のキャパシティを考えて枚数を決めてくれるわけではないようです。

バードカフェにおせち販売のノウハウがなかった

バードカフェ自体、この事件以前におせち料理を実際に調理、販売したことはなかったということです。

バードカフェの責任者で運営元である株式会社外食文化研究所の水口憲治社長(当時)は「わたしたちにおせち料理をつくるだけの力がなかった」ということを認めています。

そもそもバードカフェは食品工場や仕出しの製造ではなく、普通の飲食店でした。水口憲治社長によれば「弁当を作る感覚と同じで始めてしまった」ということですが、品目33の500個のおせち料理を弁当と同じ感覚で…というところに驚きます。

その後、キャンセルも考えたそうですが「配送業者が取りに来るタイミングが迫っており、注文した人に電話連絡をするのも間に合わない。そこで、できるところまでやろうという判断になった」と水口憲治社長は語っております。

「その日のことはあまり記憶がない」と語る水口憲治社長。現場の人手不足もあり大パニックの中で発送されたおせち料理は中身はスカスカ、仕切りはテキトーで中身はぐちゃぐちゃ、肉や魚は腐りかけというひどい代物でした。

その後、お客さんによっては2つ目のおせち料理が届いた方もいたそうです。こちらも中身はスカスカ、ぐちゃぐちゃ。

お詫びのつもりなのか配送ミスなのかは不明ですが、とにかくも、飲食業としてありえないずさんな体制であったことは間違いありません。

事件中および事件後、水口憲治社長から直接お詫びの電話があったという購入者によると、「おせちを作るだけの力がなかった」ということを繰り返し謝罪されたそうです。その後おせち料理の購入者に対して全額返金、罰金等も発生し、水口憲治社長は辞任します。

グルーポンおせち事件の問題点

グルーポンおせち事件は、おせち料理自体の品質が話題になりましたが、それ以外にもネットでの商品販売における問題点が取りざたされた事件でした。

二重価格商法

「通常10,000円で販売の商品を、なんと今回に限り5,000円にてご提供!」

このような売り文句はスーパーやデパートなどの実店舗、またはネットショップ上でも日常的に目にします。当然安い、お得だ、今だけだと思って消費者は購入するわけですが、そもそも通常10,000円というのは根拠があるのでしょうか。

当然「通常10,000円」というのはいつもは10,000円で販売している、もっというと10,000円で販売したことがあるということになります。

仮に常に5,000円で販売している商品を、お得感を出すために「通常10,000円、今回だけ5,000円」とうたったならばそれは「二重価格商法」になります。

実際には販売実績のない価格を虚偽表示をしたことになり、2年以下の懲役または300万円以下の罰金が課されます。

バードカフェのおせち事件で社長の水口憲治氏は「おせちを作るノウハウがなかった」ということを認めております。つまり、これまで21,000円でおせちを販売したことがなかったのです。ですので、「通常21,000円を10,500円」という販売方法は二重価格商法にあたります。

食品偽装の可能性

また、おせち料理の中身自体も予約時の宣伝、商品サンプル画像とは異なっています。

「33品目と謳っていたのに、届いたら25品目だった」「カマンベールチーズといわれていたがクリームチーズだった」「キャビアといわれていたのが実際は偽キャビア(代替品で使われるホテイウオの卵)だった」など。

このおせち料理の中身は食品偽装にあたりますので、大きな問題になりました。

グルーポンおせちの販売元バードカフェについて

この事件のスカスカな中身のおせち販売元であるバードカフェとは一体どのような法人、水口憲治社長とはどのような人物なのでしょうか。その後はどうしているのでしょうか。

バードカフェ会社概要

バードカフェは株式会社外食文化研究所が運営する飲食店でした。2011年当時で横浜店と湘南藤沢店がバードカフェ名義で営業を行っていました。

運営元は「株式会社外食文化研究所」

このバードカフェの運営元の外食文化研究所は水口憲治社長が代表を務めており、このおせち事件を受けて水口憲治社長は辞任します。その後代表に就任したのが水口氏の父親だったということで、結局何も変わらないではないかと批判を受けることになりました。

現在水口憲治社長はSURF CUPP INC.という法人名義で飲食店の運営をしています。この法人が外食文化研究所の後継と言っていいでしょう。

次々と店舗を変更!2014年には食中毒事件

さてバードカフェですが、批判を浴び閉店に追い込まれます。しかし、事件直後の2011年2月、同じ場所に水口憲治社長は「THE GRANCH」という店名で新店をオープン。これは当初株式会社外食文化研究所の運営と謳ってはいませんでした。

しかし求人広告サイトに掲載した店舗内観画像が系列店舗の使い回しで、スタッフ集合の画像に水口憲治社長が映っていたこと、店舗の内装がバードカフェのものだったのでばれてしまい、ネットで炎上します。結果この店の出店は頓挫します。

この年3月に東日本大震災が発生したため、世間の注目をうまくすり抜ける形で4月に「OKANO HOUSE」という店名で新店をオープン。こちらもお店のぐるなびのURLがバードカフェと同じだったということから、水口憲治社長の運営であることがばれています。

3度目の店名変更は「チーズ工房カマンブルー」。こちらはそこそこ人気店舗だったようです。ところが、2014年に食中毒が発生し保健所の立ち入り調査を受けています。2018年6月現在は既に閉店しており、かつて店があった住所ではいきなりステーキが営業しています。

このいきなりステーキが全く違う会社の運営なのか、水口憲治社長によるFC運営なのかは不明です。

グルーポンおせち事件から4年後に復活!【夢のおせち】

グルーポンは2011年以降、おせち料理のサイト上での販売を停止します。2014年に安心できる商品をお届けできる体制が整ったとして、「ぎゅうぎゅうおせち」として販売を再開しました。バードカフェの中身スカスカおせちを逆手にとったようなネーミングで、賛否両論ありそうです。

そしてちょうどおせちの販売を復活した2014年にバードカフェの後継店舗であるチーズ工房カマンブルーで食中毒が発生します。なにか因縁めいたものを感じるタイミングではあります。

補足ですが、グルーポンはスカスカおせち事件の際、「販売の場を貸しただけ」との判断がされ行政から処分はされていません。あくまで販売実績の確認等をしてからサイトに掲載するようにとの要請を受けただけでした。

グルーポンおせち事件からその後!2018年現在は?

水口憲治社長は現在年商7億円、年収1,500万のフードベンチャーの成功者として返り咲いています。

事件のその後はSURF CAPP INC.名義で神奈川県内で12の飲食店を経営しています。うる虎、COLTS、いち禀、Cinnamon's Restaurant、ハイサイうる虎、プクプク、プクプクべっ亭。横浜や藤沢で店舗展開中です。

またグルーポンはアメリカ本社の業績悪化で2015年に1100人規模のリストラを敢行しました。またトルコ、ギリシャ、モロッコ、パナマ、フィリピン、プエルトリコ、台湾、タイ、およびウルグアイなどでも不調のためサービスの運用を停止します。

その後2017年には東南アジアにおけるサービスの拠点であったグルーポン・シンガポールを売却。企業としてはいい状況とは言えないようです。

グルーポンに代表されるフラッシュマーケティングとは?

ところで、グルーポンが提供しているサービスは一般的にフラッシュマーケティングと呼ばれる手法です。これは商品やサービスに割引価格がついたクーポンを、24〜72時間程度の短時間でインターネット上で販売するというものです。

共同購入型クーポンサイトの栄枯盛衰

もともとAmazonなどでも短期間のみの割引を設定した販売方法はされていました。これに共同購入という要素を追加してサービスを始めたのがグルーポンです。この手法は大ヒットし2011年までに230ものの企業が参入するネットビジネスとなりました。

しかしながら競争が激しく、中小のサイトの統廃合が続いた結果、2011年中に70サイトまで減少しました。その後、現在まで残っている主要な共同購入型クーポンサイトは「グルーポン」「ボンパレ(リクルートが運営)」など結果大手です。
 

トラブルが多発!共同購入型クーポンサイト

この共同購入型クーポンサイトによるフラッシュマーケティングは、非常に多くのトラブルが報告されています。

グルーポンは販売場所を提供しているだけで、実際に商品を手配するのは販売者と明確に分かれているため、商品に関する問題は発生後にしかわからないというデメリットがあります。実際にiTunesカード1万枚が蓋を開けてみたら届かなかったという事案があります。

また、おせち料理事件と似たような件だと名古屋のひとよしという料理店が提供した料理のコースのチケットの事案があります。

グルーポン上での売り上げが1200枚にも達し、困った店側がクーポンの使用期限の6月まで予約で一杯とクーポンの購入者に嘘をついたことでネットで炎上。こちらは返金対応がされました。

商品自体の問題や販売元と顧客との間のトラブル以外に、前述した二重価格表示の問題もあります。フラッシュマーケティングという手法の性質上、短期間で購入させるメリットを強力に打ち出す必要があるため、値引率を大きく見せようとする販売業者が後を絶ちません。

公正取引委員会は「衣料品などの季節商品は1ヶ月、食料品などは2ヶ月続けて販売していた価格」を販売実績のある価格としています。

また大手ネット通販サイトの楽天は、2017年に新たな価格表示ルールを発表しました。2週間以上の販売実績があればその価格と、割引価格を同時に掲載していいというものです。

つまり、販売実績がない価格を、値引き前の価格として掲載することができなくなったということです。

安かろう悪かろうという言葉があります

いかがでしたか?今回は2011年に発生したスカスカおせち事件をご紹介いたしました。

安かろう悪かろうという言葉があります。安いものは品質やサービスが悪いに決まっているといった意味ですが、一般的なイメージの価格より破格に安いものはどこかで無理をしているから安い価格になっているのです。

今回の事件で言えば、通常ではありえない量の受注が来るから安くできた、しかし受注量が限界を超えており結果サービスが粗悪になったということです。格安のサービスを利用する際は何かあるということを頭に入れておくのがよいでしょう。

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