博愛主義の意味とは？博愛主義者の特徴や恋愛の仕方を紹介！

性別や年齢、人種や国籍、宗教や政治理念や思想、そして貧富の差、等々。人は色々な事で自分と相手を区別し、場合によってはそれが争いの元になります。自分と相容れない事を認めるのは難しいのです。

しかし世の中には、このような事にはとらわれず、全ての人を認め、全ての人の平和と幸せを願う人々が存在します。あなたの周りにも、そんな人がいるのではないでしょうか。

今回は、そんな人たちの性格や特徴などについて考えていきましょう。

辞書で「博愛主義」という言葉の意味を調べてみると、「人種・国家・階級・宗教などの違いを超えて、人類は広く愛し合うべきであるとする主義」と書かれています。

また、「博愛」という言葉の意味は、「全ての人を平等に愛すること」と書かれています。（いずれも「大辞泉 増補新装版（デジタル大辞泉）」より引用）

博愛主義とは、人類、平等という言葉をキーワードに、様々な違いを乗り越えて愛し合うという考え方で、それを実践している人を博愛主義者と呼ぶようです。

博愛とは博く（ひろく）愛するという意味でしたので、その対義語と言えば、「偏愛」ということになります。

偏愛の意味を同じく辞書で調べてみると「ある物や人だけをかたよって愛すること。また、その愛情」と書かれていました。（「大辞泉 増補新装版（デジタル大辞泉）」より引用）

つまり、博愛主義者は特定の物や人のみを愛する人とは対極の位置にいる人のようです。

一見すると、博愛主義者も八方美人も、同じように平等に人を愛しているように見えますが、博愛主義者と八方美人は同じ人を指すのでしょうか？

同じく、八方美人の意味を辞書で調べてみましょう。「（どこから見ても難点のない美人の意から）だれに対しても如才なく振る舞うこと。また、その人。非難の気持ちを込めて用いることが多い」と書かれています。（「大辞泉 増補新装版（デジタル大辞泉）」より引用）

如才ないとは「気がきいていて、抜かりがない」事、振る舞うとは「ことさらにつくろう」事を意味します。つまり、博愛主義者はその考えの下に自然と行動していますが、八方美人は何かの目的のためにわざとそのような行動をしているという事です。

そこには、利己的な意図が含まれている事を意味しており、だからこそ辞書には「非難の気持ちを込めて用いることが多い」と書かれているのでしょう。

では、博愛主義者について、もっと詳しくみていきましょう。まずは、博愛主義者の性格に関する特徴とはどのようなものなのかについて、みていきます。

博愛主義者は、「人は違いを超えて愛し合うべき」だと考え、それを実践しようとしているので、相手を尊重して認めようとします。大抵の人は、相手の事を理解できないとなかなか受け入れられずに距離を置こうとしますが、博愛主義者は、相手を理解しようと努力します。

その結果、たとえ理解できなかったとしても、それで距離を置くのではなく、理解できる部分をみつけて、その点を基点に少しでも相手に寄り添おうとします。つまり、自分の考え方に固執し、相手の考え方を認めないという事はありません。

そのため、博愛主義者には偏屈者とか頑固者と言われるような性格の人はいないと言えるでしょう。

博愛主義者は、「人は違いを超えて愛し合うべき」だと考え、それを実践しようとしているので、争い事を好みません。したがって、博愛主義者は平和主義者でもあります。

もちろん、戦争のような大きな争い事だけではなく、身の回りの小さな争い事も好みません。したがって、博愛主義者は相手に対して戦闘的な態度を取る事がなく、口調も静かに落ち着いた感じになります。

そのため博愛主義者には、温厚な性格の人と思われている人が多い傾向があります。

博愛主義者は、「人は違いを超えて愛し合うべき」だと考え、それを実践しようとしていますが、実はその対象は人だけにとどまりません。生物種の違いをも超えて、生きとし生けるもの全ての命を平等に価値あるものとして考える人が多いのです。

したがって、博愛主義者は人も動物も植物も、生きているもの全てに「平等な命」として優しく接します。博愛主義者は、優しい性格な人のです。

博愛主義者は、「人は違いを超えて愛し合うべき」だと考え、それを実践しようとしています。しかし、博愛主義者も一人の人間ですから、全ての人を余さず理解する事は不可能です。したがって、前述した通り自分が理解できる部分を基点に共感し、寄り添おうとします。

しかし、それは第三者からすると「その場を繕っている」ように見えたり、「考え方の軸がぶれている」ように感じたりします。

そのため、博愛主義者には、性格が優柔不断だと思われている人が多いとも言えるでしょう。

次に、博愛主義者の特徴を、その考え方からみていきたいと思います。性格と考え方は、表裏一体なので、性格の特徴面と対比して、博愛主義者の考え方の特徴を掘り下げたいと思います。

博愛主義者が相手を尊重して認めようとする事は、前述の通りです。しかし、博愛主義者も一人の人間ですから、全ての人を等しく理解するには無理があります。そのため、博愛主義者は相手の中にある自分が理解できる部分を取り出し、そこに共感します。

その共感できる部分を基点に相手の気持ちに寄り添おうと努力します。共感できる部分が多ければまくいきますが、共感できる部分が少ない場合、難しい作業になってしまいます。共感できる部分が少ない相手には、かなりの努力を以って理解しようとするのです。

そのため、博愛主義者は歳（経験）を重ねれば重ねるほど、色々な考え方を身につけたり、知識を身につけている事が多いようです。相手を尊重して認める事は、博愛主義者自身の成長をも助けていると言えるでしょう。

博愛主義者が争い事を好まない事は、前述の通りです。戦争まで大きな話になってしまうと、個人ではなかなか手出しできる話ではありませんが、身近な揉め事に関しては、極力もめ事を納めようとするのが博愛主義者です。

博愛主義者は常に周囲をよく観察しています。分け隔てなく全ての人に平等に気持ちよく過ごして欲しいので、もめ事が起きそうになると早急に察知し、事が大きくならないように気を遣います。しかし、「分け隔てなく」という考え方から、特定な人だけに限定したグループは好みません。

あらゆる考え方、個性の方達を一堂に集め、揉め事を起こさないように気を配るので、博愛主義者は、ある意味自分で自分の苦労を招いているようなところがあるとも言えるでしょう。

博愛主義者が、生きとし生けるもの全ての命を平等に価値あるものとして考えるという事は、前述の通りです。博愛主義者は、動物に対しても植物に対しても、「同じ価値ある命」として接しようとするのです。

しかし、今の世の中は、動物にも植物にも人と同じという考え方を貫くには厳しい面があります。その中で博愛主義を貫き通すのは、かなり強い意思を持っていなければなりません。時には、人から変人という目で見られる事もあるでしょう。

なお、自分に関係のある人、動物、植物だけを大切にしている人は、博愛主義者とは言えません。自分の身内や一緒に暮らしている動物、植物以外の人、動物、植物に対しても等しく愛を注ぐ人が、博愛主義者なのです。

博愛主義者が優柔不断な面を持っている事は、前述の通りです。

博愛主義者は相手の考えの共感できる部分を基点に寄り添おうとしますので、発言内容が相手によって異なってしまう事があります。また、共感できる部分とできない部分との矛盾点が見えてしまったりする事もあり、第三者から優柔不断だと思われがちです。

しかし、実際には、博愛主義者自身が一番その矛盾点を意識し、なんとかしようと苦労しているはずです。博愛主義者も一人の人間ですので、博愛主義を貫こうとすればする程、苦労も尽きないという事です。

では、博愛主義者の行動面の特徴をみていきましょう。

博愛主義者は、困っている人を放っておけません。目の前に困っている人が現れると、つい手を差し伸べてしまいます。道に迷っている、荷物が重くて運ぶのに苦労している、具合が悪そうだ等、見て見ぬ振りはできません。

しかし、その場で手助けをしてそれでおしまいというケースは良いですが、それが縁で何でもかんでも頼られてしまい、自分の生活をどんどん侵食されてしまうなどという事態になってしまうと厄介です。

博愛主義者は、利己的な考え方から支援をやめてしまうことができないからです。博愛主義者が、助け続ける事が結局は相手のためにはならない事に気付ければ良いですが、そうでない場合は、博愛主義者はただのお人好しになってしまいます。

博愛主義者は他人の悪口を言いません。利己的な考えではなく、真に全ての人に平等に愛をと考えているので、本人が側にいてもいなくても、決して悪口は言いません。

悪口とは、「人を悪くいう事」という意味ですが、そこには多かれ少なかれ悪意があるものです。したがって、博愛主義者は悪口を言わないのです。しかし、悪意がなく、真剣に改善すべき点があると考えている場合は、その事を口にするでしょう。

しかし、悪意がありませんので、真意を汲んで耳を傾けていれば、それが助言であって悪口ではない事がわかるはずです。

性格や考え方の特徴でも記載した通り、博愛主義者は生きとし生けるもの全ての命に平等な重さがあると考えています。したがって、動物や植物を、自分の家族として大切に育てている博愛主義者は多いことでしょう。

特に動物を育てている場合、ペットショップで購入するのではなく、保護された動物を引き取って育てているケースが多いでしょう。

しかし、保護された動物を引き取って自分で育てる事には限界があります。自分で引き取る行為から、次第に里親を探すとか、多頭飼育崩壊を防いだり、殺処分の削減に寄与するような活動に移っていく事が多いようです。

では、博愛主義者との恋愛ついて考えてみましょう。博愛主義者との恋愛で、注意すべきことなどはあるのでしょうか。

博愛主義者は、あなたにとても優しく接してくれます。しかし、時間が経つとあなたは博愛主義者が誰にでも優しい事に気づくでしょう。

あなたが、恋人の愛を独占したいタイプの場合、博愛主義者との恋愛は辛いものになる可能性が高いでしょう。誰にでも優しくするのではなく、あなただけを愛して欲しいと望んでも、それは叶わぬ夢だという事にいずれは気づく事になるはずです。

博愛主義者は、誰にでも分け隔てなく優しいので、基本的に人から好かれる傾向にあります。そして、誰のことも皆、尊重しようとしますので、「いい人」から「好きな人」に変わりやすい人だと言えるでしょう。

したがって、博愛主義者を恋人に持った人は、相手がモテる人だということを認識する場面が多くなります。しかし、博愛主義者が自らモテようとしている訳ではなく、博愛主義者の性格が自然と相手を惹きつけてしまった結果なのです。

博愛主義者と恋愛をする時は、いちいち博愛主義者に思いを寄せる相手に嫉妬してはいけません。私の彼氏はこんなに魅力的な人なのよと思うくらいの気持ちでお付き合いをした方が平穏な恋愛ができるでしょう。

片方が博愛主義者で、もう片方がそうではないカップルの場合、博愛主義者の考え方や行動に理解できず、だんだんとうまくいかなくなっていく事が予想されます。

しかし、双方が博愛主義者同士の場合は、お互いの事を尊重しあい、かつその考え方にも共感できる部分が多くなるため、とても良いカップルになれる可能性は高いでしょう。

博愛主義者といっても、誰もが100％完全な博愛主義者ではありません。もし、あなたが博愛主義傾向の高い人なのだとしたら、恋人にも、博愛主義の傾向が高い人を選ぶと、良いカップルになりやすいといえるでしょう。

では、博愛主義者との恋愛の長所と短所をそれぞれ少し具体的にみていきましょう。博愛主義者との恋愛には、どのような長所があり、どのような短所があるのでしょうか。

それを知っておく事で、より、博愛主義者との恋愛をうまく成就する事ができるかもしれません。

まずは、博愛主義者との恋愛の長所について、みていきます。

博愛主義者は、とにかくあなたを尊重してくれます。他の人だと「わがまま」だととられてしまう言動についても、あなたの真意を汲み取り、理解しようとしてくれます。したがって、博愛主義者はあなたのことを頭ごなしにけなしたり、怒鳴りつけたりする事はありません。

あなたの要求のほとんどを、容認し自由にさせてくれる事でしょう。万が一それが原因で失敗をした時も、冷静に失敗した原因を判断し、助言してくれるでしょう。博愛主義者との恋愛で、あなたが窮屈な思いをする事はほとんどないでしょう。

ただし、尊重とは「価値あるもの、尊いものとして大切に扱う事」という意味です。つまり、あなたにも尊さが求められているのです。それを自覚し、責任を持った行動をとらないと、単なるわがままな人になってしまいますので注意しましょう。

博愛主義者は、恋人に対しても穏やかで優しく接してくれます。紳士的で、声を荒げるような事はありません。それは、人前ではもちろんですが、二人きりの時でも同じです。人前でもそうでなくても、態度を変えないのが博愛主義者の特徴でもあります。

いつでも穏やかで優しく接してくれる恋人に、文句を言う人はあまりいないでしょう。しかし、力強く自分を引っ張っていってくれるようなタイプの相手を望んでいる人には、物足りないかもしれません。強引な男らしさのような要素があまりないからです。

次に、博愛主義者との恋愛の短所について、みていきます。

博愛主義者の場合、下手をするとただのお人好しになってしまう可能性があります。現状をきちんと把握し、正しい判断を下した上で人と接するようにしないと、博愛主義に付け込まれ、ただのお人好しになってしまうからです。

あなたのパートナーが博愛主義者の場合、あなたは第三者としてパートナーのことを注意深く見守り、パートナーがただのお人好しにならないように注意してあげなければいけません。

もしも相手に付け込まれているのなら、これ以上助ける事は相手のためにならないと教えてあげるべきです。そうしないと、相手の思うままにずぶずぶと手を差し伸べて、自分たちの生活がうまくいかなくなってしまうリスクが高くなります。

博愛主義者は、あなたのことを尊重してくれます。そのため、博愛主義のパートナーが、欲望の赴くままに浮気をするという心配はないでしょう。しかし、誰にでも分け隔てなく優しく、誰のことをも尊重し、傷つけまいと行動します。

その結果、優柔不断な面もある事は、前述の通りです。また、博愛主義者は誰にでも優しいので、誰からも好ましいと思われがちで、自然とモテてしまう面もあるでしょう。

そのため、博愛主義者の意図するところではなかったとしても、結果として浮気になってしまうというリスクは、低いとは言えないかもしれません。

では、あなたの博愛主義者度がどのくらいなのか、簡単な質問に答える事で診断してみましょう。簡単な診断なので、正確な博愛主義者度を診断できる訳ではありませんが、あなたの博愛主義者度が高いのか、中位なのか、低いのかをある程度診断できます。

あなた自身や周りの方を診断してみると、今まで理解しずらかった部分も理解できるようになるかもしれません。診断結果を参考にしてみてください。

以下の質問の内、あてはまると思うものが幾つありますか。あてはまる項目の数で診断を行います。

□嫌いな人や苦手な人は、あまりいない

□テレビや物語で悲しい話を見聞きすると、泣いてしまうことが多い

□相手に反対意見がある場合は、冷静に、相手の立場に立って反対意見を伝えられる

□人から、考えが甘すぎると指摘されることが多い

□基本的に、友達の誕生日は覚えている

□友達の話が長くて退屈なときでも、最後まで話を聞いている

□人のために行動をする時に、見返りを求める気持ちは持っていない

□世界平和を願っている

□急いでいる時に声をかけられても、立ち止まって相手の話を聞く

□人も動物も、命の重さに違いはないと思っている

【0〜3個あてはまった方の診断結果：博愛主義者度は低いです】
あなたの博愛主義者度は低く、自分の世界をとても大切にしている人です。もう少し、周りの人の事を考えても良いかもしれません。

【4〜6個あてはまった方の診断結果：博愛主義者度は中位です】
あなたの博愛主義者度は中位です。周りの人達と仲良く平和に過ごそうと心がけているといえるでしょう。

【7個以上あてはまった方の診断結果：博愛主義者度は高いです】
あなたの博愛主義者度は高いです。自分を犠牲にしてでも周りの人達のために尽くそうとしています。しかし、度が過ぎるとただのお節介とも取られてしまいますので注意しましょう。

博愛主義者の性格や特徴をみてきました。が、完全なる博愛主義者というのは、現実的には少ないと思います。何故ならば、世知辛い世の中で、完全なる博愛主義を貫くのは大変な事だからです。

しかし、平和な世の中で、人々が幸せに暮らせる日々を願わない人はいないと思います。もしも身近に博愛主義者がいて、現実と理想の間で悩んでいる場合、優柔不断だと一刀両断にせず、理解を示してあげてください。

少しでも博愛主義者度の高い人が増えれば、世の中はもっと幸せになっていくのではないでしょうか。