差し出がましいの意味とは?ビジネスでの使い方や例文・敬語表現も紹介

ビジネスで使われる言葉、差し出がましいがあります。差し出がましいとは、でしゃばるなどの意味で使われます。今回はビジネス敬語での差し出がましいの使い方を例文で紹介します。類語では、紛らわしい言葉の違いを確認してみましょう。

差し出がましいの意味とは?ビジネスでの使い方や例文・敬語表現も紹介のイメージ

目次

  1. 1「差し出がましい」の正しい使い方が知りたい!
  2. 2「差し出がましい」の意味とは?
  3. 3「差し出がましい」と「おこがましい」の違い
  4. 4「差し出がましい」のビジネスシーンでの使い方《例文紹介》
  5. 5「差し出がましい」の敬語表現は?
  6. 6「差し出がましい」の目上の人への使い方《例文紹介》
  7. 7「差し出がましい」の目下の人への使い方《例文紹介》
  8. 8「差し出がましい」のメールでの使い方《例文紹介》
  9. 9ビジネス敬語の使い方の本の紹介
  10. 10周りの空気を読んで「差し出がましい」を活用しましょう

「差し出がましい」の正しい使い方が知りたい!

ビジネスシーンで、さりげなく敬語や謙譲語を上手く使えると、少々無理なこともスマートに言うことができます。自分の立場を、よく理解した上で使うようにしましょう。

今回メインの言葉、「差し出がましい」は、ビジネスシーンでは、横から意見を言う際に、クッション言葉で使われています。しかし、他にも似た言葉があるため、「あれ?どっちを使えばいいのか?」など思うこともあるでしょう。

「差し出がましい」の使い方をマスターして、ビジネスシーンで、使えるように理解しましょう。

「差し出がましい」の意味とは?

・実用日本語表現辞典より

差し出がましいの意味 相手に対して、必要以上におせっかいなことや厚かましいことなどをするさまを意味する表現。目上の者に対して使用することが多い。

「差し出がましい」の意味とは、余計なことをする、でしゃばる、おせっかい等、あまり良い意味ではありません。しかし、ビジネスシーンでは、敬語との組み合わせで、あえて、「差し出がましい」を使うことで、上司に進言することもできます。

「差し出がましい」の類語

次は、「差し出がましい」の類語について紹介します。類語を知っていると、「差し出がましい」の意味も理解しやすいので、例文でも意味を確認してみましょう。

お節介

お節介の意味とは、出しゃばって世話を焼いたりすることです。親切にも見えますが、される側からすれば、あまり嬉しくないことです。

お節介という言葉を試しに検索してみると、「お節介 ウザイ」など選択肢が出てきます。このように、お節介という言葉は、相手から感謝されることはあまりないことになります。
 

お節介の使い方例文 ・あの人は良い人なんだけど、少しお節介なところあるね。
・お節介を焼くふりをして、まるで気が利かない。

出しゃばり

出しゃばるとは、関係のないことや、求められてもいないことに、口を出したり、手を出したりすることを意味します。

本人は良かれと思ってやったことが、裏目に出て、空回りし、傍から見れば、「空気読めないなぁ」と思われているかもしれません。
 

出しゃばり
の使い方例文
・でしゃばった真似をして、申し訳ありません。

余計な口出し

余計な口出しとは、頼まれもしないのに、しゃしゃり出て、人の仕事の手伝いをするなどをする意味です。

また、余計な口出しをする人の特徴は、横から口を挟み、アドバイスと称して他人の仕事にケチをつけたり、邪魔をしにきます。一見親切な人にも見えますが、それを真に受けて、責任を持たせようとすると逃げ腰になります。

「差し出がましい」と「おこがましい」の違い

次は、「差し出がましい」と「おこがましい」の違いについて説明します。「差し出がましい」と「おこがましい」の違いはよく似ているため、使い方を例文も交えて紹介します。

「おこがましい」の意味

おこがましいとは、身の程を弁えずに、目上の人に対し、意見を言ったりするさまを表します。ビジネスでは、「おこがましいようですが~」と先に言うことで、自分の立場を謙るようにして、使います。

差し出がましいとの違いは、使うシチュエーションが変わってきます。差し出がましいは、他人に使う謙譲語です。「差し出がましいようですが、~」と言って、他人に変わって、行動や意見を言うなどをするさまを表します。

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「差し出がましい」のビジネスシーンでの使い方《例文紹介》

次は、「差し出がましい」のビジネスシーンでの使い方を、例文を参考にしながら、確認してみましょう。「差し出がましい」は、さしてして欲しくもないことを進んでやる、お節介なさまを意味します。

「差し出がましい」をクッション言葉で使うことで、相手に色々と気を利かして物事を、上手く進めようとする時に、使う言葉です。

「差し出がましい」と言えば、相手は、「これから、この人が何か進んでやろうとしてる」と察することができます。しかし、「差し出がましい」と言う人に限って、事後報告になってしまうこともありますので、注意をする必要があります。

例文①「差し出がましいようですがお客様の会員カードを更新させていただきました」

この「差し出がましい」の使い方例文では、事後報告で、会員カードを更新したと、差し出がましいを使うことで、クッション言葉にはなっています。

しかし、お客の立場からすれば、本人の了承もせずに勝手にカード更新されたと、あまり良い気はしないかもしれません。ですが、更新前に更新手続きを、お願いをしていたのなら、話は変わってきます。

このように、差し出がましいを使う場合は、前後のビジネスシーンを、よく考慮した上で使わないと問題になることもありますので、注意しましょう。

例文②「差し出がましいようですがカタログを取り寄せておきました」

この「差し出がましい」の使い方は、本人に代わって、カタログを取り寄せたと報告しています。これも事後報告ですが、本人は、気の利く部下を演出したニュアンスのある例文です。

これを、ありがたいと思うか、余計なお世話と思うかは、それぞれのビジネスシーンによって変わります。

例文③「差し出がましくて申し訳ありません」

最後の「差し出がましい」の使い方例文は、謝罪に使っています。前の使い方例文での、差し出がましい行動に対して、相手の顔色が変わった場合は、このように謝罪した方が良いでしょう。出過ぎた真似をした場合は、素直に謝罪しましょう。

「差し出がましい」の敬語表現は?

次は、「差し出がましい」の敬語表現について、確認していきましょう。本来の「差し出がましい」の意味とは、余計なことをする、でしゃばる、おせっかい等、あまり良い意味ではありません。

しかし、「差し出がましい」のビジネスシーンでの、使い方で例文を見てみますと、少々お節介な所もあるけど、割と気が利くビジネスマンにも見えます。

ビジネスでは、敬語表現を合わせて「差し出がましい」と一緒に使うことで、違和感なく使えるでしょう。問題は、相手の気分を損ねない、気配り前提での使い方に注意しないと後々、謝罪するはめになります。

敬語表現が分からなくなったら基本を見直そう

敬語表現が、分からなくなってきた場合は、基本表現を見直しましょう。敬語の種類と基本の使い方を、確認しましょう。
 

敬語の種類 基本の意味と表現例
尊敬語 相手(会話している中心人物)に対して敬意を表現する言葉。
「いらしゃる」や「~られる」等の言葉を使って相手を敬う。
謙譲語 自分や自分の同僚・知人についてへりくだって表現することで、
会話している人物に対して敬意を表現する言葉。
「参る」や「拝見する」「いただく」等を使って表現する。
丁寧語 ものごとを丁寧に表現する言葉。文末を「です」「ます」など
の表現にすることで、丁寧な印象を与える。

「差し出がましい」の目上の人への使い方《例文紹介》

さて、次は、「差し出がましい」を使った、目上の人への使い方を、例文で確認してみましょう。「差し出がましい」は、ビジネスでは、先にお伝えしました、敬語表現の基礎と組み合わせることで、目上の人への気遣いから、意見まで幅広く応用が利きます。

例文①「差し出がましいこととは存じますがA案の方が予算内に収まりますので良い案ではないでしょうか」

①の使い方の、例文の解説をします。状況を見ますと、他にも案があるものの、思案している上司に対して、予算内で通しやすいA案が、一番妥当だと判断した上での進言です。上司なら、最も安いコストの案は当然、視野に入っているはずです。

この部下の発言を、「そんなの最初から知っている」とも思ったりする上司も恐らくいますし、「そうか気づかせてくれてありがたい」と思う上司もいるかもしれません。相手の性格や視野も入れなければ、ウザがられてしまいますので、注意して使いたいところですね。

例文②「差し出がましいことを申し上げますが部長は午後から他の予定がありますのでそろそろ…」

②の使い方の例文の解説をします。上司と第三者が、面談をしている状況が描かれています。そこへ、次の約束があることに気づいた部下が、面談が終了しないことにシビレを切らして、間に入って面談の切り上げを促す、少し強引なシチュエーションになります。

このケースでは、当然上司は次の予定も意識していて、胸中では、「そろそろこの面談を終了させたい」などと思っているかもしれません。しかし、あまりにも話が弾んでいる場合も想定できます。

面談には、様々あり、このように、話を中断させる行為は、褒めたものではありませんが、この後の予定が大切なものであれば、上司が自ら話を終了させない限りは、何等かの手段が必要になります。

「差し出がましい」の目下の人への使い方《例文紹介》

次は、「差し出がましい」の目下の人への使い方を、例文を通して確認してみましょう。

先の例文で、部下が面談中の上司に、「差し出がましいことを申し上げますが、部長は午後から他の予定がありますのでそろそろ…」と口火を切ったあとのシーンでの上司の答えです。

例文①「先方へは私が連絡しておくから君は差し出がましいことはしないように」

ここで、上司は、部下が面談中に、水を差す行為に対して、「差し出がましい」を使うことで、注意をしています。しかし、この後、想定される面談の会話は、面談終了に話を持っていきやすくなります。面談の相手が気を使い、次の面談の日程を合わせるかもしれません。

或いは、「次の約束がありますので…」と上司が改めて、次の面談の機会を作るかもしれません。いづれにしても、そのままの状態でいるよりかは、部下の「差し出がましい」一言があったことによって、予定は守られるでしょう。

その後の、上司と部下の人間関係に関しても、少々気まずさはありますが、それほど悪いものにはなっていないでしょう。しかし、差し出がましい一言は、闇雲に使わずに、それぞれの立ち位置をハッキリ意識した上で使わないと、嫌われていまいますので注意が必要です。

例文②「差し出がましいことはそれくらいにして君は本来の仕事に戻りたまえ」

この例文では、あまりにも部下が差し出がましい行動が目につくようになってきたので、少々きつく注意するのに「差し出がましい」を使っています。

このように、「差し出がましい」は、部下から上司また、その逆も立場の違いを含めてビジネスでは使われますので、知っておくと良いでしょう。

「差し出がましい」のメールでの使い方《例文紹介》

「差し出がましい」のメールでの使い方を例文を紹介します。このメールの例文では、お願いや謝罪で「差し出がましい」を使った表現をしています。

謝罪の場合は、早めにした方がいいですが、時間がない場合は、先にメールで早く謝罪をすることで、後々のシコリにならないようにするといいでしょう。

「差し出がましい」を使った謝罪メール例文

先日は、プロジェクトの件で、私が差し出がましい、意見を申し上げ大変申し訳ありませんでした。

自らの、出過ぎた態度や言動に対し、上司に怒られたなどの場合に、メールで謝罪をする例文です。差し出がましい言動も度が行き過ぎると反感を買いますので、注意しましょう。

「差し出がましい」を使った案内メール例文

お探しのアンティーク品ですが、この度、再度探しましたところ、イギリスの知人のアンティークショップで入手しましたので、差し出がましいようですが、ご案内させていただきます。

商品のご案内の際は、差し出がましいという表現はあまりしません。しかし、この例文では、お客がアンティーク品を探しており、それが入手困難であることから、気を利かせてメールで教えています。

ビジネス敬語の使い方の本の紹介

ここでは、ビジネス敬語についてもっと知りたい人のために、面白くて頭に入りやすい本の紹介をします。

敬語「そのまま使える」ハンドブック: できる人の「この言葉づかい」「この話し方」 (知的生きかた文庫) 文庫

コンパクトな大きさと分かりやすい内容で、購入者の殆どから好評の本です。敬語の使い方の基本を最初に覚えて、実例を見ながら、良い敬語と悪い敬語を紹介しています。

さすが!と言われる ビジネスマナー 完全版 単行本(ソフトカバー)

この本では、敬語だけではなく、ビジネスマナーについても学べる本です。著者はその道の各ジャンルの専門家たちで、多岐ににわたる、ビジネスの基本とされる事柄について、見開き1テーマでまとめた非常に見やすい本です。

1分で話せ 世界のトップが絶賛した大事なことだけシンプルに伝える技術

報告を口頭で伝える場合に、話にまとまりがなくて分かりずらい、など言われたことのある人におすすめの本です。

口頭で伝えるには、短い時間で的確な敬語も選ぶのは、大前提。しかし、問題の話の内容にまとまりがなければ、そもそも、話を聞いてもらえません。

この本は、要点をまとめて話すための、話の組み立て方や、ロジカル思考などが詳しく書かれています。

周りの空気を読んで「差し出がましい」を活用しましょう

今回は、「差し出がましい」の正しい使い方と、意味や類語との違いなどを、例文を交えながら紹介しました。ビジネスシーンで登場する「差し出がましい」は、安易に使うとトラブルの原因になったりしますので、状況を見て使うようにしましょう。

また、使い方で困った場合は、今回の記事の例文を見ながら使うと良いでしょう。メールで使用する場合は、それ程多くはないかもしれませんが、知っておくと、良いでしょう。

敬語表現や、報告の仕方、話のまとめ方など、文章の捉え方を、もっと知りたいという人は、記事中に紹介した本も参考にしてみましょう。

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