2018年11月09日公開
2018年11月09日更新
気兼ねなくの意味や類語とは?気兼ねなく話せるなどの使い方も紹介
「気兼ねなく」という言葉は、よく耳にする言葉ではあります。使い方によっては失礼な言葉にもなるので、しっかりと意味を理解した上で使いたい言葉です。「気兼ねなく」は類語も多く存在し、場所や相手によって使い分ける必要も社会に出たら出てくるでしょう。
目次
「気兼ねなく」を正しく使いたい!
「気兼ねなく」という言葉は社会やビジネス以外の会話では、あまり使わない言葉です。いざ社会に出た時にしっかり使えるためにも事前に意味を知って、勉強しておくのが大事になるかもしれません。
日常会話でもそうですが、ちゃんと意味を知らずに使っている言葉というのは意識していないだけで、意外と多く存在しています。
子供のうちは許されることも多いかもしれません。しかし大人になってからではそうはいきません。言葉1つで、その人の教養などが疑われる原因の1つとなります。
過去の言葉ではありますが「無知は罪なり」という言葉もあります。「気兼ねなく」だけでなく社会に出てからよく使う言葉というのは多く存在します。
社会人になってから言葉の使い方を間違えると、それだけで相手からの印象が悪くなる事や、相手との関係が悪化してしまうこともあります。
「気兼ねなく」という言葉だけではないですが、言葉を正しく使うためには、まずその言葉の意味をしっかりと学んでおくことが必要なのではないでしょうか。
「気兼ねなく」の意味とは?
「気兼ねなく」という言葉には「相手に遠慮をする」という意味の「気兼ね」と、それを打ち消す言葉である「なく」が2つ合わさった言葉です。
なので「気兼ねなく」とは「遠慮をしないでください」という意味の言葉になります。他にも気軽という表現や、気楽という言葉にも置き換えられる言い方でもあります。
そのため「遠慮をしないでください」という使い方だけでなく、もっとフランクに「気楽にしてください」や、「気軽にどうぞ」という意味で使われることも多いです。
ビジネスシーンでは「気兼ねなく~~して下さい」という使い方はよく耳にする事があるのではないでしょうか。
「気兼ねなく」の敬語表現
そもそも敬語表現がしっかり理解できているでしょうか。学校で習った言葉ではありますが、しっかりと意味を理解してない人も多いかもしれません。
敬語表現とは主に尊敬語、謙譲語、丁寧語の3つの言い方を表す言葉です。ここでは、今回のテーマである「気兼ねなく」という言葉の敬語表現について説明します。
「気兼ねなく」の尊敬語
「気兼ねなく」という言葉がそのまま社会で使われることもあるため、「気兼ねなく」の尊敬語はあまり認知されていないかもしれません。
「気兼ねなく~~して下さい」という言葉はよく耳にするというのは先にも述べましたが、あえて尊敬語にするのであれば「して下さい」の部分を「なさって下さい」にする表現方法があります。
このような表現方法にすることで、「気兼ねなく」という言葉を尊敬語として使うことができます。
あまり使う事はないかもしれませんが、知っているのと知らないのとでは社会人にとって大きな違いになるでしょう。
「気兼ねなく」の謙譲語
もともと「気兼ねなく」とは相手に対して「気軽に」や、「気楽にどうぞ」という意味が含まれる言葉です。そして謙譲語というのは自分をへりくだった表現方法になるので、「気兼ねなく」という言葉の謙譲語は存在しないと言えるでしょう。
「気兼ねなく」の丁寧語
「気兼ねなく」という言葉を使いたい時に相手に対してもっと丁寧に使いたいという場面はビジネスシーンでは多くあることでしょう。
そんな時は「気兼ねなく」に「お」という言葉を付けると、より丁寧な言葉となります。
「お気兼ねなく~~して下さい」。「お」を前に付けるだけで、より丁寧な気持ちが伝わるのではないでしょうか。
もし相手がとても目上の人や大事な取引先の場合、この使い方は非常に大事になってきます。社会人であるならば覚えておいて損はしない使い方の1つと言えます。
「気兼ねなく」の類語
「気兼ねなく」という言葉に類語は存在するのか。これは非常に難しいと言えます。理由の1つとして「気兼ねなく」という言葉が万能に近い言葉であることが挙げられます。
この記事でも述べたように「気兼ねなく」という言葉の中に「気軽に」や、「遠慮せずに」という意味が含まれているため、類語も同じ言葉になってしまうからです。
あえて類語を挙げるとすれば次の表にも記載している言葉になります。表の後に詳しい説明などを紹介します。
気楽に |
気軽に |
遠慮せずに |
気を張らずに |
気楽にしてください
「気兼ねなく」という言葉が主にビジネスシーンで使われる言葉とするならば、類語の1つである「気楽に」という言葉は日常会話でよく使われる言葉ではないでしょうか。
「気楽」とは言葉の通り、気分が楽なことをいいます。相手から「気楽に」と言われた場合は、「普段通りのびのびしてください」という意味と取って問題ないでしょう。
「気楽」という言葉は時として相手を下に見ている時にも使われます。「明日の対戦相手は気楽だ」という言い方をした場合。自分が優位であると確証している事が多いです。
このように類語の1つである「気楽」という言葉は使い方1つで意味が全く変わってしまうので注意が必要です。
気軽にしてください
「気楽」という言葉が気分や、気持ちの部分を意味しているのならば、「気軽」とは行動に関しての意味として使う場合が多いです。
この「気軽」という言葉も日常会話で多く使う言葉の1つです。そもそも類語の1つである「気軽」という言葉に「深く考えずに行動する様子」という意味もあります。
先に述べた「気楽」との違いを分かりやすくすると、「気楽に話しましょう」という気持ちを考えた言葉と「気軽にご飯に行きましょう」という行動を考えた使い方があります。
最近では、混同して使っている人も多いですが、こういう細かい言葉遣いが出来ると様々な場面で、自分にとってプラスとなることがあるかもしれません。
遠慮なさらずに
「気兼ねなく」の類語として一番近い言葉が、この「遠慮せずに」という言葉ではないでしょうか。「遠慮」という言葉には相手に対して言動を控えるという意味があります。
「遠慮せずに」と言われた場合は、「普段通りにしてください」という意味で使われる事が多いとされています。
これは先に述べた2つの類語である「気楽」と「気軽」両方の意味も含まれていることが多く、「気兼ねなく」と同じく万能であると言えます。
気を張らずに
「気を張る」とは気持ちを引き締めるという意味があります。このことから「気兼ねなく」の類語の1つとされる「気を張らずに」という言葉には「緊張せずに」という意味で使われる事が多いです。
またスポーツの応援や自分を奮い立たせる時によく使われる言葉でもあり、「気張っていきましょう」という言葉はよく耳にするのではないでしょうか。
これまで「気兼ねなく」の類語を紹介しましたが、漢字1つ違うだけで、言葉の細かい意味や使い方が別れていることが分かります。
このように細かい違いですが、この違いをしっかり理解している人は意外と少ないのかもしれません。
「気兼ねなく」の使い方
「気兼ねなく」とはビジネスシーンで良く使われる言葉ですが、使い方を1つ間違えると相手に失礼になってしまう難しい言葉でもあります。
そもそも「気兼ねなく」とは基本的に、目上の人が目下の人に対して使う言葉であることを忘れてはいけません。
「気兼ねなく」が「」気軽に」や、「気楽に」の敬語表現であることから、深く考えずに使っている人もいるかもしれませんが、相手によっては失礼に値します。
どうしても目上の人などの使う場合は先にも紹介した「お気兼ねなく~~下さい」を必ず使うようにした方がよいでしょう。
「気兼ねなく」を使った例文
「気兼ねなく」の使い方が難しいというのは紹介しましたが、実際にどういった使い方をすればいいのか分からないという人はいるかもしれません。
ここでは例文を挙げて紹介します。これからの参考にしてください。
気兼ねなくお越しください
「気兼ねなくお越しください」は日常でもよく目にするのではないでしょうか。日常生活でよく使われるのは住宅展示場などです。少し入るのに勇気がいるような場所の場合に「気兼ねなくお越しください」という文字がよく使われます。
これは「遠慮なくお越しください」という意味で、ビジネスシーン以外ではパーティーに誘う時などにもよく使われる言葉です。
気兼ねなくご相談ください
「気兼ねなくご相談ください」は主にビジネスシーンで使われる事が多いです。「遠慮せずに相談してください」という意味で使われることが多く、説明会などでも使われます。
何かの説明会で書類の最後に添えられる言葉としても多く使われ、よく目にする言葉でもあります。
気兼ねなく連絡ください
これは主に取り引き先のような身内ではない人に対して添えられる言葉として使われます。「いつでも気兼ねなくご連絡ください」のように、何か用件がある時は遠慮しないで連絡してください。という意味です。
社会人であれば使用したことも、されたことも多いのではないでしょうか。
「気兼ねなく」と「お気遣いなく」の違い
「気兼ねなく」とは、自分から相手に対して使う事が多く、「お気遣いなく」とは相手の配慮に対して自分が返す場合に使う事が多い言葉です。
「気兼ねなく~~して下さい」に対して「お気遣いなく~~お願いします」といったような使い方をすることが多いのではないでしょうか。
気兼ねなく話せる人とはどんな人?
「気兼ねなく」という言葉が「遠慮せず」という意味も含まれていることは、これまでにも説明してきた通りです。
気兼ねなく話せる相手とは遠慮することなく話せる相手ということになります。これは気持ちの問題が大きく関係してきます。たとえ年齢が離れていても気兼ねなく話せる相手というのはいます。
逆に同い年でも気兼ねなく話すことが出来ない人もいるでしょう。簡単な例を挙げるとすれば、片思いの相手には気兼ねなく話すことは恐らくできないでしょう。
これは相手に嫌われたくないという気持ちから遠慮してしまう部分があるからです。このように相手に遠慮をしてしまう場合、気兼ねなく話せる相手とは言えないでしょう。
同僚や部下に対しては気兼ねなく話せる場合が多い
あなたが社会人であるなら、恐らく自分の周りには大きく分けて、上司、同僚、部下の3つに分類されます。
この場合、気兼ねなく話せるのは同僚か部下に限られるでしょう。上司に対して遠慮しない社会人はまずいません。
しかし相手が同僚や部下といった場合、そこまで遠慮する必要はありません。もちろん、最低限のマナーとしての遠慮は必要です。
このことから同僚や部下に対しては気兼ねなく話せる人も多いのではないでしょうか。ただし、あまり接点がない場合は、どうしても遠慮がちになってしまうので、必ずしも当てはまるわけではありません。
お互いにどういった人間かを知っている場合
立場上、相手に遠慮しなければならない時はあります。しかし友人に関しては同じ立場の場合が多いので、立場を考える必要はありません。
友人の中でも気兼ねなく話せる相手と、そうでない相手がいるのは皆さんも経験があるのではないでしょうか。この場合、お互いのことをどれだけ知っているかが重要になるかもしれません。
お互いの事を知らない場合、これを言ったら相手を傷つけてしまうかもしれない不安から言いたい事が言えない状況になることがよくあります。
こんな状況では遠慮せずに話すことは出来ません。お互いを知っている場合は、そういう不安が一切なくなるので遠慮せずに気兼ねなく話せる相手となるでしょう。気兼ねなく話せる相手とは気心が知れた仲ということなのかもしれません。
間違えやすいビジネスシーンでの言葉
「お気兼ねなく」という言葉が使い方を間違えると失礼に値するように、他にも使い方を間違えやすい言葉というものは多くあります。
少しだけですが紹介しますので、間違った使い方をしてないか確認してみてください。
「すいません」は2つの意味があります
おそらく日本人が1番使っている日本語ではないでしょうか。この「すいません」には2つの意味があることはよく知られているでしょう。
「感謝」と「謝罪」です。両極端な意味が「すいません」には含まれています。会社によっては謝罪の意味で使うことを許してない会社もあります。
しっかりと「ありがとうございます」「申し訳ございません」を使い分けるようにしましょう。
「了解しました」に敬意はありません
「了解しました」とは一見、敬意がある丁寧な言葉のように感じるかもしれませんが、実際には敬意はありません。
もしビジネスシーンなどで使う場合は「承知しました」という風に置き換えて使いましょう。
「気兼ねなく」は単体で使わないように
よくビジネスシーンで使われる間違い方として「気兼ねなく」を単体として使っている人がいます。たとえ丁寧な感じになる「お」を付けたとしても単体で使うべきではありません。
これは上司などに対して「良いお年を」だけで年末の挨拶を済ませるようなものです。こう言えば、いかに失礼かが分かりやすいかもしれません。
社会人であれば「良いお年をお過ごしください」と言えるはずです。「お気兼ねなく」はよく使う言葉ではありますが、しっかりと「お気兼ねなく~~ください」と最後までしっかりと使うことをオススメします。