経験則の意味とは?使い方を例文を用いて解説!

ビジネスにおいて経験則とはどのような意味を持つのか、経験則という言葉の使い方や例文を通してご紹介します。普段何となく使っている経験則という言葉について見直し、ビジネスで活用しましょう。またビジネスで使える経験則の例もありますので是非ご覧ください。

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目次

  1. 1ビジネスでよく使われる「経験則」
  2. 2「経験則」の意味とは?
  3. 3「経験則」の使い方
  4. 4経験則の実例
  5. 5裁判は経験則によって判定される
  6. 6「経験則」を使う際に気をつけること
  7. 7経験則も大切にしつつ自分の直感を信じよう

ビジネスでよく使われる「経験則」

KKD(ケーケーディー)という言葉をご存知でしょうか。これは「勘」と「経験」と「度胸」という日本語の頭文字をとった言葉です。これは製造業の現場でよく使われるビジネス用語です。

長年培った「勘」と「経験」により計画をたて、「度胸」を持って実行するという意味です。主に、作業見積もりの時に使われたりします。このように、経験則はビジネスにおいて決断や判断を下す時に、非常に重要な要素として扱われてきました。

でも、この経験則という言葉をビジネスで何となく使っている人は多いのではないでしょうか。本記事では、経験則の意味や使い方についてご紹介します。

「経験則」の意味とは?

経験則という言葉はなんとなく使っている人は多いのではないでしょうか。経験則とは辞書によると「法則としての因果的必然性がまだ明らかになっておらず、経験上そう言えるというだけの規則」という意味です。

原理や原因、要因などの細かな理由は分かっていないけれど、なぜかこうなるという物事。それが経験則です。

「経験則」の使い方

経験則の意味は分かっても、使い方に自信がないという人もいるかと思います。普段何となく使っている経験則という言葉の使い方があっているか。また、自分がつい言っている使い方が正しいかの参考にしてください。

「経験則」を使った例文

「経験則」とは、ビジネスの場でよく使う言葉ですので、使い方を間違えると自分の評価を落とすことにもなります。使い方を少し間違えるくらい、いいのではないかという方もいるかと思います。

しかし、日本語がおかしいと教養が無いと相手に思われてしまいます。ですので、使い方にも注意しましょう。ここでは、経験則を使った例文を6つご紹介します。

例文①経験則上

「経験則上」の例文は、次のようになります。「社会通念上及び経験則上妥当と認められる方法を用いています。…」という使い方です。

これはマニュアルや、ビジネスでの書類などで使われるような表現です。堅苦しい使い方だと感じますが、裁判記録や論文に使う表現として、ぴったりです。

例文②経験則として

「経験則として」の例文は、次のようになります。「ビジネスに大いに役立つ経験則として、先人たちがこのような言葉を残しています。…」という使い方です。

口語表現として使い易く、きちんとした話し方をしている感じがします。スーツを着てプレゼンをするビジネスマンの口調にぴったりです。広く聴衆に伝える時の表現として使うことができます。

例文③経験則に従う

「経験則に従う」の例文は、次のようになります。「経験則に従うとその価値は10倍になります。…」という使い方です。

「従う」とは、「他からの働きかけを受け入れて逆らわない」という意味です。「経験則に従う」と表現することで、大いなる流れに身をまかせるというような意味を持たせ、なるべくしてなるのだと相手に思わせることができます。

例文④経験則に基づく

「経験則に基づく」の例文は、次のようになります。「ここでは経験則に基づく方法を3つご紹介します。…」という使い方です。

「基づく」とは、「そこに基礎・根拠を置く。よりどころとする。」という意味です。「経験則に基づく」と表現することで、経験という土台の上に論理展開していることを表すことができます。

論理の基礎となる部分ですので、基となる経験とは何なのか、聞いている人にとって重要なものになります。

例文⑤経験則によると

「経験則による」の例文は、次のようになります。「このような経験則による決めつけは、若い人でも起こります。…」という使い方です。

「経験則による」と表現することで、経験則に起因して次に何が起こったのかを指し示し易くなります。例文では経験則が原因となり「決めつけ」という凝り固まった考えになってしまったことを表しています。

経験則の実例

経験則とは、人が生きていく中で経験したことを基にしているため、えてして持論になりがちです。ですので、経験則は生きている人の数存在していると言っても過言ではありません。昨今のインターネットの普及により、経験則は年々爆発的に増えています。

Twitterでも、毎日様々な経験則が呟かれ、その中には内容の面白さで、バズるものもあります。しかし、ここでは最近の経験則では無く、ビジネスでよく使われている経験則に焦点を当て、その中から6つをご紹介します。

また、ここでは紹介しませんが新しくて面白い経験則はたくさんあるので、是非Twitterで探してみてください。

ムーアの法則とはICチップの性能向上の経験則

IT関連のビジネスマンであれば、ムーアの法則はご存知かと思います。ムーアの法則は世界最大の半導体メーカーであるインテル社創設者のひとりであるゴードン・ムーア博士が提唱した経験則です。

半導体の集積密度は18~24カ月で倍増し、チップは処理能力が倍になってもさらに小型化が進むという法則です。PCやスマホ、タブレットが年々小型化、高速化しているのはこのムーアの法則の通りにチップの性能が上がっているためです。

ムーアの法則という言葉が出てきた時は、PCなどのチップの性能向上のことだなと思ってください。

ハインリッヒの法則とはヒヤリハットの原型

ビジネスマンであれば、「ヒヤリ・ハット」という言葉を聞いた事があるのではないでしょうか。これは、文字通りひやりとした、はっとした大事故に繋がる気づきのことです。事故が起きてもおかしくなかったと思う場面での感情を表した言葉からきています。

この「ヒヤリ・ハット」の元となるのは、アメリカのハーバート・ウィリアム・ハインリッヒが提唱したハインリッヒの法則です。これは労働災害が起きる原因や要因を分析して出た経験則です。

1つの大きな事故・災害の裏には、29件の軽微な事故・災害、そして300件の事故には至らなかったもののヒヤリとした、ハッとした事例があるというもので、「1:29:300の法則」とも言われています。

この経験則は、大きな労働災害を未然に防ぐため、日々小さなヒヤリ・ハットを無くして行く事が大切だと教えてくれています。製造工場や医療現場などで取り入れられ、その汎用性の高さから様々な業種にも広がっている経験則です。

クスッと笑えるマーフィーの法則

「マーフィーの法則」という本があります。これは経験則をブラックユーモアでまとめた本で、1990年代に日本でベストセラーとなりました。記憶に新しい人もいるのではないでしょうか。

代表的な文は、「落としたトーストがバターを塗った面を下にして着地する確率は、カーペットの値段に比例する」です。トーストが落下するとバターを塗った面が下になる事が多い経験をクスッと笑えるジョークにしています。このような経験則を集めた内容です。

例として出したトーストの話には続きがあります。カーペットは安いものにすることというアドバイスです。これは危機管理についての見解で、事故が起きても被害を最小限に抑えるように日頃から考えておくことを示唆しています。

ビジネスにおいては、経験則を基に様々なことを想定しておく事が要求されます。色んな角度から物を見る訓練にもなりますので、読んでいない方は是非ご一読ください。

働きアリの社会にも通じているパレートの法則

パレートの法則とはイタリアの経済学者ヴィルフレド・パレートが発見した法則です。パレートの法則は、2割の要素が全体の8割を構成しているという経験則です。20:80の法則とも呼ばれています。

ビジネスにおけるパレートの法則には次のような例があります。2割の顧客が、全体の8割の売上げを占めている。2割のできる社員が全体の8割の売り上げに貢献している、などです。

また、このパレートの法則と同じ意味合いの法則で働きアリの法則という物があります。働きアリの法則を聞いた事がある人は多いのではないでしょうか。

働きアリの法則とは、アリ社会の中で働いているアリは全体の2割にすぎず、残りの8割は休んでいるというものです。この働きアリの法則の面白いところは続きがあるところです。

働いている2割のアリを取り除いても残りのアリの中で、また2割の働くアリが出てくるという点です。この法則は人間社会でも当てはまるところがありますね。

会社で活躍できないと悩んでいる人は、自分の所属する会社が活躍できる環境にないのかもしれないです。そういう場合は転職をお勧めします。

組織のあり方を見直すためのパーキンソンの法則

パーキンソンの法則は、英国の歴史学者パーキンソンが提唱した経験則です。英国の官僚制度が持っている問題点を観察したことで見出した組織についての経験則です。その主張は2つから成っています。

1つ目は「仕事の量は、完成のために与えられた時間をすべて満たすまで膨張する」です。これは、仕事の締め切りまで時間がある場合、その仕事量や人員はそれに合わせるかのように増え続けるというものです。

プロジェクトが進んでいると人がどんどん増えていき、プロジェクトとは関係がないよくわからない作業が増えていたりすることはないでしょうか。これはパーキンソンの法則の第1法則が起きていると考えられます。

2つ目は「支出の額は、収入の額に達するまで膨張する」です。人はお金があれば使い切ろうとしてしまいます。あれば使ってしまうのは人の性なのです。いくら収入が増えても貯金ができない人はこの法則に当てはまっていると言えます。

パーキンソンの法則からあなたが所属している組織の問題点は何か考えてみるのも良いかと思います。

認知の歪みであるハロー効果

ハロー効果の「ハロー」とは、挨拶の意味ではありません。聖人などの肖像画において、聖人の後ろに描かれる後光(halo)の事です。

ハロー効果とは、ある対象を評価する際に、その対象が持っている目立つ特徴に引きづられて他の特徴の評価が変わってしまうという、認知の歪みのことです。

分かりやすい例は次になります。服装に無頓着でダサい人がいるとします。その人の学歴が東大大学院卒だとわかった場合、皆さんであればどう評価するでしょうか?

「服装に無頓着なのは学問や研究に興味がありすぎるためなのかも知れない。すごい人だ。」と勝手な評価をしてしまったりしていませんか?逆に学歴が中卒の場合なら、「服がダサいのは馬鹿だからだな。」と考えたりはしていないでしょうか。

これは学歴という後光がダサい服装に影響を与えています。学歴関係なく、服がダサいというのは同じ事実です。でも学歴という要素が加わったことで、対象の認識が変わってしまいます。

このように事実を事実として捉えられなくなる心理現象をハロー効果と言います。ビジネスではこのハロー効果を上手く使ったマーケティング手法があります。ハロー効果の際たるものが、テレビCMです。

製品の紹介をするときにCMでは製品の特徴を並べ立てたりはしません。イメージの良いタレントを起用しCMを作ります。CM視聴者は、何度も視聴したCMのイメージによって認知に歪みが生じます。

製品そのものではなくCMのイメージで商品を気に入って、購入します。これがビジネスにおけるハロー効果です。

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裁判は経験則によって判定される

経験則が重要視されるのは法曹界です。裁判では事実を証明しなければなりません。証言、自白、録画映像などの直接的な証拠がない場合は、周辺の関節的な事実を元に、裁判官が経験則で判決を下すことになります。

よって裁判官にとって経験則は間違えることのできない重要なものなのです。しかし裁判官も人間です。全ての業界の常識に明るい訳ではありません。そのような場合は、その業界に精通している専門家を呼び、その業界の経験則を補完したりします。

「経験則」を使う際に気をつけること

経験則を使う際に注意することは、裏付けがないということです。経験則は、これまでに経験した事実を元にした未来の推測や予測です。それは科学的に証明されたものではありません。状況が似通っていたとしても同じ結果が訪れる保証はどこにもないのです。

特に現代はネットの隆盛により、全ての物事の価値の陳腐化が早くなっています。過去に成功したビジネスモデルがあったとしても、その1年後も成功するとは限りません。

経験則はビジネスを行う上でとても役に立ちますが、逆にその経験則に縛られるあまりに時機を逸することも起こります。

経験則も大切にしつつ自分の直感を信じよう

経験則を元にして自分の中で論理を組み立てて判断することも大切ですが、時には直感も大切です。直感は、何となく生まれるものではありません。直感も経験から生まれるものだからです。

経験則は、経験を自分の中の法則として明文化したものですが、直感は自分の中に蓄積した経験からくるアイデアです。直感的にいけると判断したものはヒットすることがあります。

また、一見筋が通っていそうなことでも、直感が警鐘を鳴らしているから辞めて正しかったということもあるでしょう。テストでもはじめに書いた答えが正しいことが多いように、パッと閃いた答えの方が正しいということは往々にしてあります。

ビジネスにおいての決断は、経験則と直感の両天秤にかけた時のバランスが大切です。

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