2018年12月09日公開
2018年12月09日更新
内省的の意味とは?内省的な人の特徴も紹介
「内省的」と言うと聞き慣れない言葉で、初めて耳にした人もいるかもしれません。内省的の意味とは、どんなものなのでしょう。その特徴やメリットとデメリットはどのようのものなのでしょうか。内向的との違いも合わせて、1つずつご紹介します。
目次
あまり聞き慣れない言葉「内省的」
「内省的」と言う言葉はあまり聞き慣れない言葉です。いったい、どんな意味なのでしょうか。内向的と言うのは、よく耳にしますが、内省的と何が違うのでしょう。
内省的について、読み方や意味・性格的な特徴や行動の特徴、メリットとデメリットなど、1つ1つ詳しく見て行きましょう。
「内省的」の読み方と意味とは?
「内省的」は「ないせいてき」と読みます。意味は、自分自身の心の内側を省みると言うことです。人間は、自分のことをわかっているようで、意外とわかっていません。
表面的な自分や他人と接しているときの自分、心の奥底に眠っている自分など、自分を表現する言葉はたくさんあります。心の内側を省みるのは、なかなか難しいと言えるでしょう。
内省的な人の特徴【性格編】
では、そんな自分の心の内側を省みる人の性格的な特徴は、どのようなものなのでしょう。内省的な人には共通する特徴があります。真面目で働き者であることが多いようです。
ここでは、性格的な特徴を4つピックアップしてご紹介していきます。自分に当てはまるところが多くあれば、内省的な人だと言えるでしょう。
1 自分に厳しい人
内省的な人は、自分に厳しいところがあります。自分自身の行動を見つめて、分析しています。何かをする前に、自分にとってプラスになるのか、マイナスになるのかを考えて動きます。自分自身をよく理解しているのです。
また、目標を持ったら、ひたすらそれを叶えるために前に進みます。手抜きをしたい気持ちはあっても、決してしないで、頑張ります。
2 自分に自信がない
内省的な人は、いつもリスクを避けて進もうとするので、失敗経験をする前にストップがかかります。何か目標を持って進んでいる時には、手抜きをせず最後までやり遂げます。
他人から見ると「もうその位でいいのでは」と思うのですが、全く手抜きをせずきっちりと行う性格です。途中で投げ出すことはなく、サボることもないのが特徴です。
3 向上心を持っている
内省的な人は常に自分を向上させたい、もっと良くなりたい・もっと何でもできるようになりたいと思っています。今の自分には、自身がないので、ひたすら努力を重ね上を目指しています。
本人は自信を持つために頑張っているのですが、周囲から見ると尊敬に値する人となることもしばしばあります。褒められても、驕ることなくひたすら進み続けます。
4 不安になりやすい
内省的な人のウィークポイントは自分が知らないことです。知らないと言うことに不安を感じてしまいます。順調に進んでいたのに、不確定な要素がでてきたと言うときに、とても不安になります。
何かを計画しても、不確定な要素があると気付くと、そこで進めなくなってしまうと言う特徴があります。前人未到の地点に行く、はじめの人にはなれないのです。不確定な要素を現実としてとらえ、リスクを感じてしまうので動けなくなります。
内省的な人の特徴【行動編】
内省的な人の行動とは、どのようなものなのでしょうか。性格的な特徴は先程見てきたので、今度は行動的な特徴を4つご紹介しましょう。
1 リスクがある行動はしない
内省的な人の性格で、不確定な要素を嫌うと言うものがありました。その不確定な要素を含むリスクのある動きはしないのが行動的な特徴です。
内省的な人は自分自身をとても大切にし、優先しています。自分の仕事をきちんと片付けてから他の人を手伝うのです。自分のするべき仕事を、途中で放置したまま他の人を手伝うことは嫌がります。一見、自分勝手に見えるかもしれませんが、きちんと自分の仕事をこなしたいと思っているだけで、勝手にしたいわけではありません。
2 人間関係のトラブルは避ける
内省的な人は人間関係のトラブルに巻き込まれるのを嫌がります。いつも理性的にいろんなことを考えているので、1つしかない決められた答えは探せます。
しかし、突発的な出来事が起きたり不確定要素が入り込んだりするのは、苦手なので感情的なトラブルは避けて通りたいと思っています。実際、リスクを避けて通るので、あまり傷つくことはないのですが、心が弱いので傷つけられるとしゅんとしてしまいます。
自分を傷つける人と距離をおきたいと思っているので、どんどんと遠ざかって行きます。繊細な心を持っているので、傷つかないように自分でも心がけています。
3 物思いにふける
内省的な人は、自分を分析していて自分と言うものをよく知っています。そのため、周囲からどのように思われているのかが、とても気になるのです。
自分に自信がないので、周囲の人の意見も気になってしまいます。このようなことを考えているので、物思いにふけってしまうことが、よくあるのです。
4 他人をよく観察している
内省的な人は、他人をよく観察していて、トラブルが起こらないような、当たり障りのない言動をしています。自分に自信がなく、メンタルが弱いので常に他人を見ているのです。
また、自己観察のチカラが強いので、他人をも観察してしまうところがあります。よく周囲を見ているので、空気をしっかりと読むこともできます。
内省的な性格のメリットとデメリット
内省的と言う意味は分かりましたが、性格的にメリットやデメリットはあるのでしょうか。内省的な人は、向上心が強いので良いように思えますが、反面メンタルが弱いので、駄目なようにも思えます。
ここでは、メリットとデメリットの両方をそれぞれ3つずつピックアップしてご紹介していきたいと思います。
内省的な性格のメリット
内省的な性格のメリットとは、どのようなものなのでしょうか。常に上を目指して努力し続ける人と言うイメージの内省的な性格のメリットを見て行きましょう。
1 経験を元にさらに向上する
内省的な性格のメリットは、自分に手が届く範囲でのチャレンジをするので、段階的な経験を積み重ねることができることです。向上心が強いので、常に上を目指して、比較対象も自分より上の人になっています。
そのため常に成長し、知識も豊富になって行きます。1度失敗すると2度目はないように、しっかりと対策を講じて行くので、大きな問題にはなりません。成功したらしたで、次も同じように出来るとは限らないと考えるので、調子に乗ることもありません。
経験を元にして、さらに上を目指して進んで行くので、常に向上しているのです。
2 謙虚である
内省的な人は、驕ることがなく謙虚です。向上心が強い半面ネガティブなところも強いのです。ですから、他人から褒められても持ち上げられても、調子に乗ることはなく常に謙虚な姿勢を貫きます。
周囲によく見られたいから謙虚なわけではなく、大きな成功を収めても、もっと上の人と自分を比較する性格なので、まだまだ頑張らなくてはと本気で思っています。
3 自分をコントロールできる
内省的な人は、自分をよく知っているので感情が激しそうになっても上手くコントロールして、冷静に対応することができます。嫌な言葉を聞かされて、気分を悪くしていても、表面上では平静な対応をしているので、周囲にはわかりません。
もし、パニックを起こしそうな問題が起きても、自分を冷静に保つようにするので、きちんと対処することができます。また、ケンカの仲裁に入ることになっても、両者を冷静に判断できるので、上手く問題を収めることができます。
内省的な性格のデメリット
内省的な性格のメリットは分かりました。では、どのようなデメリットがあるのでしょうか。どんなものにも、良いところと悪いところがあるものです。
ここでは、メリットと同じように3つのデメリットをピックアップしてご紹介します。
1 ネガティブな面が強い
内省的な人は、自分に自信がないので、ネガティブな面も強いと言うデメリットがあります。一旦落ち込んでしまうと、なかなか立ち直れないのです。
向上心が強い割に、メンタルが弱いのですぐに傷ついてしまいます。そのため、他人からどのように思われているのかが、とても気になります。
2 口下手
内省的な人は、おしゃべりが得意で社交的なわけではありません。どちらかと言うと口下手で、上手く話すことができないタイプなのです。
無理やり明るく振る舞ってもたくさん話しても疲れるだけですし、話し上手は聞き上手ですので、上手く相手の話を聞くようにすると、喜ばれるでしょう。
3 笑いのセンスはない
内省的な人は、人を上手く笑わせるような話のしかたをすることが苦手です。どちらかと言えば、笑いのセンスはないのです。笑い話と言うのは、案外難しいもので、誰にでもできると言うことはありません。
自分にないものを無理に演じなくても、ありのままの自分で相手に接したほうが、信頼されるようになります。下手な笑いは胡散臭いと言うイメージを持たれますので、無理をするのは良くないのです。
「内省的」と「内向的」の違いとは?
「内省的」の意味とは、自分を省みることでしたが、「内向的」の意味は何でしょう。内省的とはどのように違うのでしょうか。内向的とは、どのような性格の人を指すのかを見て、両者を比較してみたいと思います。
内向的とは?
内向的という言葉の意味は、心の働きが内側に向かうことを指します。内向的な性格についての本を執筆されているスーザン・ケイン氏によれば、些細な刺激で脳が活発に動く人を内向的と表現するのだそうです。
自問自答を得意とし、ひとりであっても自分の楽しみを見いだせるのが内向的な性格の特徴です。クリエイティブな活動に向いていてリアルで交流するよりネットでの交流を好みます。
内省的との違いは?
内向的な人と比較すると、内省的な人のほうがネガティブな要素が強くて、向上心もまた強いのです。内省的な人は自分に自信がないので、意味もなく他人の意見や行動を気にしてしまいます。
それに対し、内向的な人はひとりで何かをするのが苦痛ではなく、淡々と仕上げて行く傾向があります。特に向上心が強いとか、ネガティブと言うことはありません。
楽しみながら取り組んでいくのが内向的で、常に自信を持つために努力し向上し続けようとするのが、内省的と言えるでしょう。
内省的な人になる方法
内省的と言う言葉の意味を知って、いつも調子に乗って失敗してしまうので、内省的になりたいと思う人もいるかもしれません。そんな人のために、内省的になる方法を3つご紹介します。
1 その日の行動などを振り返る
人間と言うものは、毎日努力をしないと行動や思考の癖付けができない生き物です。ですから、その日起こったことや感じたことを、ノートに書き出して、一日を振り返ってみるようにしましょう。
自分の起こした行動で改善が必要だと感じたことには、注意を払って行くようにします。毎日、自分を省みることで、自分を向上させることが可能です。
2 翌日の行動をイメージしてみる
今日の振り返りをした後で、明日の自分の行動をイメージしてみます。今日の行動で改善しようと思ってことを、行っている様を思い描いてみるのです。
行動計画を立て、予算を組んでシュミレーションすることで、自分自身を分析するようになって行きます。自分の知力・体力・資金と行動計画を立てる上で必要なことを自覚することができます。
3 夜に立てた行動計画を振り返る
前日に、自分が立てた行動計画をやりきれたかどうかを、夜に振り返ります。自分が計画して行ったことは正しい方法だったのか、もっと良い方法はなかったかを考えていくと内省的になって行きます。
内省的な人が得意な、自己分析と改善を現実にやって行くのです。行動計画・行動・反省と改善を行うようにすれば、どんどんと向上していくことができます。
内省的は悪いことではない
内省的と言う言葉の今を理解し、メリットやデメリットを見てきました。自分自身を省みることができるのは、悪いことではないと思います。他人に迷惑をかけても平気な人が世の中には存在しています。そんな人と違って、より良くなろうと頑張っているのが内省的な人です。
少し他の人より傷つきやすくトラブル回避が多いのですが、常に向上し続けようとする姿勢は、素晴らしいものだと思います。自分を優先するのは、一見すると身勝手に見えますが、自分の仕事を終わらせるのは責任感があるからです。
自分のこともできていないのに、他人を優先して仕事を手伝えば良い人にはなれますが、責任感はどうなるのでしょう。短時間で出来るサポートなら問題ありませんが、長時間に渡ると自分の仕事終わらせることができないこともあります。
自分の仕事を終わらせてから他人の仕事を手伝うほうが、自分の仕事を疎かにしないことになるのです。
自分が結果を出したい分野で内省的になると向上する
ここまで内省的な人に関して、いろんなことを知ることができました。では、自分の生活にどのように活かすことができるのでしょう。
それは、自分が結果を出したいと思う分野で内省的になる方法を使うことです。内省的な人のメリットである向上心が旺盛な部分を活かして、結果を出したい分野において、自己分析をしていくのです。そうすることで自ずと改善点を発見して修正し、進んで行くことができるのではないでしょうか。
特に、早く結果を求める場合(時間がかかるものは除きます)には、内省的になったほうが早く結果を出せると思います。なぜなら、自己分析して必要な改善を行うことができるからです。一度試してみてください。