リンゲルマン効果の意味とは?具体例や社会的手抜きの対策方法を紹介

今回はリンゲルマン効果の意味について紹介させていただきます。リンゲルマン効果というのはどういう意味があるのか、あまり知られていないかもしれません。しかしリンゲルマン効果を知っておくことで、仕事の場面でもいかせる対策を考えることができそうです。

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目次

  1. 1リンゲルマン効果で人間の行動が変わる!
  2. 2リンゲルマン効果の意味とは?
  3. 3リンゲルマン効果の原因とは?
  4. 4リンゲルマン効果が分かる具体的実験例
  5. 5リンゲルマン効果の問題点とは?
  6. 6リンゲルマン効果を利用した心理学的対策法
  7. 7仕事でいかされるリンゲルマン効果の回避方法
  8. 8「リンゲルマン効果」と「傍観者効果」の違い
  9. 9リンゲルマン効果を理解することで効率が上がる!

リンゲルマン効果で人間の行動が変わる!

今回はリンゲルマン効果について紹介していきます。あまり馴染みがないと言われているリンゲルマン効果ですが、どんな効果の意味があるのかご存じでしょうか。

テレビなどで取り上げられたこともあり、聞いたことがあると言う人もいるかもしれません。リンゲルマン効果とは、仕事などにもいかすことができることがあるようです。

リンゲルマン効果がどういうものなのか、リンゲルマン効果をどう回避していくのかなど、リンゲルマン効果について、詳しくみていきましょう。

リンゲルマン効果の意味とは?

リンゲルマン効果をどうするのかを考えるためにも、まずはリンゲルマン効果がどういうものなのか、リンゲルマン効果の意味をみていきましょう。リンゲルマン効果とはどんな意味の言葉になるのでしょうか。

別名は「社会的手抜き」

リンゲルマン効果とは別名「社会的手抜き」とも言われています。社会的手抜きとはどういうことを言うのでしょうか。

人は生きていくために集団行動をすることが多いものです。みんなで一緒に何かをするということも多いでしょう。例えば学校行事を例にあげることができます。

文化祭の準備の時、とても頑張っていたという人もいれば、遊んでばかりで全然準備には参加しなかったのに、ちゃっかり文化祭では活躍しているという人もいたでしょう。

みんなが頑張っている中でさぼっている人、これが社会的手抜きと言われます。社会的手抜きというのは、自分がやらなくても誰かがやってくれるだろう、自分が頑張らなくても誰かが頑張ってくれるだろうという心理を意味しています。

集団で行動することで、同じことをやるにしてもスピーディーにできることもあれば、返って時間がかかってしまうということもあります。

どれだけ頑張っても全然終わらないのに遊んでいる人もいるという状態は、もともと頑張っている人にも一人だけ頑張っていてバカみたいだと頑張る心理を低下させてしまうこともあります。

リンゲルマン効果の意味

社会的手抜きとも言われるリンゲルマン効果の意味は、単独行動よりも集団で行動するときの方が、かえって効率が悪くなるという意味があります。

リンゲルマン効果とは、社会的手抜きという他に、リンゲルマン現象やリンゲルマンの法則と呼ばれる心理学用語の一つなのだそうです。

リンゲルマン効果とは、集団の中で起こる現象で、集団のモチベーションによって社会的手抜きをすることがあるという意味になるようです。

リンゲルマン効果の原因とは?

社会的手抜きとも言われるリンゲルマン効果とは、どうして起こってしまうのでしょうか。リンゲルマン効果の原因となる心理や行動について考えてみましょう。

リンゲルマン効果の原因を知ることで、社会的手抜きの対策を考えることもできるでしょう。

誰かがやってくれると思ってしまう

リンゲルマン効果の原因とは、集団の中では誰かがやってくれると思ってしまう心理が原因になっていることが多いようです。もともとやりたいと思っていないことに対して、サボりたいと考えている人は多いでしょう。

さぼりたいという心理でいるときに、自分以外の誰かが率先して行動をしてくれたら「任せてしまおう」という気持ちになってしまうことがあります。文化祭の準備でサボる人が出てくるのは、自分がやらなくても誰かが頑張ってくれていると分かっているからです・

できればやりたくないから誰かに任せてしまおうというのが、社会的手抜きの原因ということになりそうです。

どうせ評価されないと考える

たくさんの人の中で仕事をするとき、「自分は会社の駒なんだな」なんて思うこともあるかもしれません。リンゲルマン効果が起こってしまう原因の1つには、どうせ頑張ったところで、自分が評価されることはないという心理が原因になっています。

仕事の場面では、例えばプロジェクトチームで仕事をするということもあるでしょう。あなたがとても頑張ってプロジェクトが上手くいったとしても、最終的にはプロジェクトリーダーの評価が上がるだけだということがほとんどです。

例え誰より頑張っても、それはチームの仕事としての評価しかされないから、自分が頑張る必要はないという心理になってしまうのです。

他の人のことが気になる

社会的手抜きと言われるリンゲルマン効果が起こってしまう原因とは、他の人のことが気になることが原因になっていることがあります。社会的手抜きをしているわけではないけれど、結果としてそうなってしまうということもあるのです。

例えばデスクを並べて仕事をしている2人に、同じ仕事を頼んだとします。2人ともとても仕事を頑張るタイプであれば、お互いどれくらい仕事が進んでいるのか気になってしまうことがあります。

与えられた仕事だけしていればいいものですが、なんとなく相手のことが気になってしまって、いつもよりも仕事のペースが遅くなってしまうということがあるのです。

みんながさぼっていると考える

一生懸命頑張っている人ほど、ちょっと疲れたときについついみんながさぼっているからいいかという心理から、リンゲルマン効果が起こってしまう原因になることがあります。

自分がすごく頑張っている人ほど、自分と同じようなペースで仕事ができない人をみたり、私語をよくする人をみるとどうして頑張っていないのかイライラするようです。

イライラしていることがバカらしくなってくると、どうせみんなさぼっているなら、自分もさぼってしまってもいいかもしれないという自分への甘えになってしまうこともあります。最終的には自分への甘えが原因で社会的手抜きと言われるリンゲルマン効果の原因となります。

みんなでやればなんとかなる

みんなでやればなんとかなるという心理になるのも、リンゲルマン効果の原因となります。

自分1人が頑張らなくても、誰かがやってくれると考える心理と似ていますが、大変なことだけれど集団でいればなんとかなるという心理から、知らず知らずのうちに手を抜いてしまうのです。

本人に手を抜くつもりはなくても、どこかで誰かがやってくれるだろうという心理が働いたことが原因となって、リンゲルマン効果の原因となります。

リンゲルマン効果が分かる具体的実験例

リンゲルマン効果とはどういうものか、意味はわかったけれど、本当にそんなことがあるのだろうか。そんな風に考える人もいるかもしれません。リンゲルマン効果がどういうものか、具体的に分かるように実験をしたことがあるようです。

リンゲルマン効果が分かる、具体的な実験例をみながらリンゲルマン効果とはどういうものなのか確認をしていきましょう。

リンゲルマンによる実験

リンゲルマン効果と呼ばれるようになった実験をしたのは、ドイツのリンゲルマンによる実験です。リンゲルマンはドイツの農学者になります。

リンゲルマンは1913年に、綱引きの実験を行いました。1人で綱を引っ張ったときの力を100%としたとき、2人で綱を引っ張ってみると、1人あたりの力が93%まで下がってしまったそうです。人数が増えると1人あたりの力が下がっていき、8人にまで増やすと1人あたりの力が50%になることがわかりました。

このことからリンゲルマンは、集団で作業をするときには人が増えるほど「1人あたりの貢献度が低下する」と結論づけたのです。これがリンゲルマン効果や社会的手抜きと言われた始めの実験です。

ラタネとハーディの実験

ラタネとハーディは、声を使ったリンゲルマン効果の実験をしています。ラタネとハーディが行ったのは、チアリーダーに大声を出してもらうという実験です。

2人のチアリーダーに並んでもらい、一緒に大声を出したときと1人で大声を出した時の声の大きさを騒音計を使ってはかられました。その結果、1人で大声を出したときのほうが2人で大声を出したときよりも大きな声であることがわかったのです。

2人で声と出した時には、お互いがお互いを意識してしまったか、もう1人が頑張って声をだしてくれるだろうという甘えが1人の声のほうが大きいという結果につながったのかもしれません。

NHKで行われた実験

日本でもリンゲルマン効果の実験は行われています。2015年にNHKで行われた実験は、ボディビルダーが停車したトラックを縄で引っ張るという事件でした。

5人のボディビルダーが1人ずつトラックを縄で引っ張った時には、平均で106kgの牽引をすることができたそうです。ところが3人で一緒にトラックを縄で引っ張った時には、平均で100kgまで牽引の力が下がってしまったのです。

5人全員でトラックを縄で引っ張った結果、さらに下がって牽引の力は平均97kgでした。どんどん増えていくどころか、どんどん下がってしまうというのはリンゲルマン効果と言えるでしょう。

NHKの実験ではさらにその後、別の5人での実験も行っています。これは綱をひっぱるとき、チアリーダーに応援してもらうとどうなるかという実験です。

チアリーダーに5人で綱を引っ張っている時に応援をしてもらうと、なんと5人は1人で綱を引っ張っている時とほとんど変わらない力で綱を引っ張ることができたのです。

しかしチアリーダーが5人のうちの1人だけを応援した時には、応援された人は頑張っていたものの、他の4人は頑張ることができなかったという結果もあったようです。

リンゲルマン効果の問題点とは?

集団でいると手を抜く行動をしてしまうというリンゲルマン効果には、どんな心理や行動の問題点があるのでしょうか。リンゲルマン効果が起こることでの問題点の意味をみていってみましょう。

気持ちが上がらない

リンゲルマン効果の問題点とは、気持ちが上がらないということがあります。社会的手抜きの行動をしてしまうリンゲルマン効果が起こるということは、その人がやらなくてはいけないことや行動しなくてはいけないことに対して後ろ向きであるという意味です。

リンゲルマン効果が起こるというのは、後ろ向きな心理や行動を後押しすることにもなってしまうことになるのです。

どうせ誰かがやってくれるから自分が頑張る必要はないという、ネガティブな心理や行動を結果的には認めてあげることになってしまうのです。

自分の力が発揮できない

自分の力が発揮できないというのも、リンゲルマン効果の問題点です。リンゲルマン効果の実験でみても、1人で頑張っている時には100%の力を発揮することができるのに、集団になり人数が多くなるほど自分の力がどんどん発揮できなくなっていくということになるという意味です。

意識的に自分が手を抜いているとわかっている場合、自分の力が発揮できないことは納得できることですが、自分の意識とは関係なくリンゲルマン効果が出てきてしまうことで、自分の自信をなくしていくことを意味する場合もあります。

自分の力がしっかりと発揮できないということも、リンゲルマン効果の大きな問題なのです。

自分から行動しない

リンゲルマン効果の問題点には、自分から行動しなくなるということもあります。リンゲルマン効果では、誰かがやってくれるから自分がやらなくてもいいという心理や、自分だけが頑張っているのはバカらしいというような意味があります。

集団の中にいることでやる気をなくしてしまい、自分から行動をしなくなるという問題点があるのです。自分がやらなくてもいいだろうとやる気をなくしてしまうということが、リンゲルマン効果の問題点になります。

リンゲルマン効果を利用した心理学的対策法

リンゲルマン効果には色々と問題点があるようです。そんなリンゲルマン効果には、何か対策がるのでしょうか。仕事の場面でも使うことができそうな、リンゲルマン効果を逆に利用した心理学的な対策法を考えていきましょう。

「あなただけ」という状態にする

リンゲルマン効果とは集団でいることで、個人の力が発揮できなくなるという効果の意味があります。そんな時の対策法には、あなただけという状態にする対策があります。チームで仕事をするのではなく、極力1対1で仕事をするようにするという対策があります。

「誰か手伝って」というよりも「パソコンができる人、手伝って」とか「○○さん、手伝って」と言われた方が、自分だけを頼りにされているという意味でその人のやる気を引き出すことができます。

1対1になることで、自分しかやる人がいないのだということを伝えることができ、リンゲルマン効果の対策になるのです。

役割をつくる

集団で何かに取り組むという時には、役割をつくるようにするというのもリンゲルマン効果の対策になります。リンゲルマン効果が起きてしまうのは、自分以外の誰でもできると考えてしまうことが原因です。

あなたにはこれをやって欲しい、あなたしかこれをできる人はいないと、それぞれの人にミッションを与えることで、誰かがやってくれると思うリンゲルマン効果の対策になります。

やる気を与えて、さらにあなたがやらないと達成できないという状態にすることがポイントです。役割をつくることで、1人1人がそれぞれに頑張ることができるので、100%の力を発揮できるような対策になるでしょう。

意見は持ち寄るようにする

リンゲルマン効果への対策には、話し合いや会議の時にはあらかじめみんなで意見を持ち寄って、発表の場にするようにしていくという対策があります。

会議などの場所で議題を発表し、その場でみんなで考えましょうというと、そのときリンゲルマン効果が起こることがあります。自分が意見を言わなくても誰かが言ってくれるだろうと考えてしまうのです。

誰かが意見を言ってくれるだろうということを回避する対策には、あらかじめ議題を決めておいて、「みんなの意見を聞く」と伝えておけば、他の人の前で恥ずかしい思いをしないようにするために一生懸命意見を考えるでしょう。

平等であることも必要

平等であるということも、リンゲルマン効果の対策になります。リンゲルマン効果が起こってしまうのは自分がどれだけ頑張っても認められないということが原因だったり、自分だけが頑張っていると思ってしまうことが原因です。

みんなが平等に頑張ることができているという環境をつくることも、リンゲルマン効果の対策になっていきます。

頑張っていないかどうかを判断することは難しいことになるかもしれません。平等であるようにするためにも、役割を考えたりすることは必要になるかもしれません。

見える形で評価する

リンゲルマン効果の対策には、見える形で評価をしていくようにすることも大切です。努力をしたら努力をした分だけ、頑張ったら頑張った分だけしっかりと評価をしてもらえるということも、リンゲルマン効果の対策になります。

リンゲルマン効果が起きてしまうのは、頑張っても自分は評価されていないと思ってしまうことも原因です。自分が頑張っても仕方ない、みんながやっていないなら自分もやらなくていいのではないかという心理から、社会的手抜きをしていまうのです。

1つ1つのことをしっかりと、相手にも他の人にも分かるように評価をしてあげるようにすることで、リンゲルマン効果の対策になるでしょう。

仕事でいかされるリンゲルマン効果の回避方法

リンゲルマン効果を利用した心理学的対策法を紹介しましたが、リンゲルマン効果の対策法は、仕事の場面でもいかすことができる回避方法です。

リンゲルマン効果がどうして起こってしまうのかを把握しておくことで、リンゲルマン効果が起こらないようにはじめから対策をすることができるのです。

例えば仕事でチームを作るときには、リーダーだけではなく、それぞれの人に役割を決めておくといいかもしれません。誰かがやってくれるという環境にしないようにするのです。

会議をするときには全ての人が意見を言えるように、あらかじめ議題となることを渡しておくか、毎回会議では必ず意見を言うというようなルールを決めておくといいかもしれません。

誰かがやってくれるというチームにしないことで、1人1人の力を100%発揮することのできるチームになるかもしれません。

そして仕事に成功したときや、一段落したときには、頑張った人には頑張った分褒めることができるということも大切です。褒めるためにはチームの1人1人のこともしっかりとみておくことも大切です。

「リンゲルマン効果」と「傍観者効果」の違い

リンゲルマン効果に近い言葉と言われる言葉に、「傍観者効果」という言葉があります。傍観者効果という言葉は聞いたことがあるでしょうか。ここではリンゲルマン効果と傍観者効果にはどんな言葉の違いがあるのかをみていきます。

傍観者効果とは?

リンゲルマン効果と似ている言葉に「傍観者効果」があります。傍観者効果と言われる言葉も、集団でみられる心理になります。

傍観者効果というのは、例えば道を歩いている時に誰かが倒れたとします。大変だとは思っても、自分以外にも人がいるから、自分が何かしなくても大丈夫だろうと思ってしまう心理になります。

自分から積極的に動くことなく、誰かがやってくれるだろうと傍観者になってしまうというのが、傍観者効果になります。

リンゲルマン効果と傍観者効果の違い

それではリンゲルマン効果と傍観者効果の違いとは何になるのでしょうか。リンゲルマン効果も傍観者効果も、自分からは行動しないという意味では同じです。

傍観者効果の場合、人の目が気になってしまうことで傍観者になってしまうという違いがあるようです。リンゲルマン効果は、誰もみていないからという心理が原因になっているのに対して、傍観者効果はみんながみているから失敗したくないという心理が強くなるのです。

リンゲルマン効果を理解することで効率が上がる!

今回はリンゲルマン効果の意味とは、具体例や社会的手抜きの対策方法を紹介してきました。リンゲルマン効果というのは、集団で生活をしている人であれば起こることが多い効果のようです。

リンゲルマン効果によって、人を増やして効率が上がると思っていたのに、逆に効率が下がってしまうという場合もあるようです。

リンゲルマン効果のことをしっかりと理解をして、効率よく仕事ができるように環境を整えたり心理的にサポートをしていくことも大切になりそうです。

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