心ここにあらずの意味とは?心ここにあらず状態な人の特徴や付き合い方
集中すべきことがあるときに、心ここにあらずな状態になったことがある人は少なくないでしょう。心ここにあらずな状態の人に、注意したことがある人も多いと思います。そこで、今回は「心ここにあらず」の意味や、心ここにあらずな状態の人の特徴などついて見ていきましょう。
目次
心ここにあらず状態になったことある?
皆さんは「心ここにあらず」という状態になったことはあるでしょうか?他のことが気になって、集中しなければならないことに意識が向かないときに、周囲の人から「心ここにあらず」な状態だと指摘されることが多いと思います。
しかし、「心ここにあらず」という言葉の意味や、心ここにあらずという状態を正確に答えることができる人は少ないでしょう。そこで、今回は「心ここにあらず」という言葉の意味や心ここにあらずの状態の人の特徴などを、しっかり確認していきたいと思います。
そもそも「心ここにあらず」の意味とは?
「心ここにあらず」とは、本来集中するべき物事を前にしていても、他の事が気になるあまり目の前の物事に集中できていない状態を意味します。
何かに集中することを「心を奪われる」と表現することがあるので、「心ここにあらず」は、本来あるべき心が他の事に奪われている状態を指す言葉になったのです。
ちなみに、「心ここにあらず」は「心ここに在らず」とも書きます。「在らず」とは存在しないという意味の言葉なので、「心ここに在らず」は心が存在していないということを表現しているのです。
「心ここにあらず」の類語
「心ここにあらず」の類語も確認しておきましょう。「心ここにあらず」の類語には「手につかない」や「身がが入らない」、「上の空」や「散漫」などが含まれます。
「手につかない」や「身が入らない」は、ほぼ「心ここにあらず」と同じ意味を持っている言葉です。また、「上の空」は注意力が低下していて無防備な状態を指します。また、「散漫」は考えが上手くまとまらない状態を指す言葉として使うことができるのです。
「心ここにあらず」と「上の空」の違い
「心ここにあらず」と「上の空」は両方とも、ぼんやりしている様子を意味する言葉です。そのため、この2つの言葉を混同してしまっている人も多いのではないでしょうか?しかし、この2つの言葉のそれぞれの意味は、微妙にニュアンスが異なるのです。
「心ここにあらず」は、他に気になることがあるために眼前のことに集中できず、ぼんやりしている様子を意味します。一方で、「上の空」は何も考えておらず、ぼんやりしている様子を意味するのです。
微妙な違いをしっかり把握して、「心ここにあらず」と「上の空」を使い分けていきましょう。
「心ここにあらず」の使い方《例文紹介》
「心ここにあらず」は、主に他の事が気になって目の前のことに集中できない自分の状態を表現するときに使います。また、集中力に欠けていてぼんやりしている様子の相手を、注意したいときにも使われるのです。
以下では、例文と共に「心ここにあらず」の使い方を詳しく取り上げていきましょう。
例文①勉強にも心ここにあらずという状態の自分を恥じる
「心ここにあらず」は目の前のことに集中できない自分を、反省するときに使えるのです。例えば「勉強にも心ここにあらずという状態の自分を恥じる」という例文のように使います。勉強や仕事に身が入らないことを反省する際には、ぜひ使ってみてください。
例文②心ここにあらずという体で上司の話を聞くのはよくない
集中すべきことが目の前にあるのに、ぼんやりしている様子の人には注意したくなることもあるでしょう。そんなときに「心ここにあらず」を使えば、穏やかに注意することができます。
例えば、いつもぼんやりした様子で上司の話を聞いている後輩には、「心ここにあらずという体で上司の話を聞くのはよくない」と注意するとよいでしょう。
「心ここにあらずという体」とは「ぼんやりした様子」を意味する言葉なので、しっかり相手の態度を注意することができます。
心ここにあらず状態な人の特徴
「心ここにあらず」な状態の人の特徴とは、どのようなものなのでしょうか?以下では心ここにあらずな状態の人の特徴を、4つ紹介していきましょう。心ここにあらずな状態の特徴をしっかり確認したい人は、ぜひ注目してみてください。
会話の途中で急に黙り込む
会話の途中で急にぼんやりして黙り込むことは、心ここにあらずな状態の人の特徴の1つです。心ここにあらずな状態の人は、会話の途中でも気になることを考え始めてしまいます。
最初は考え事と会話を同時に行えますが、次第に考え事に完全に集中してしまい、黙り込んでしまうのです。
大きな目標を達成した後にぼんやりすることが増える
大きな目標を達成した後は常にぼんやりしがちということも、心ここにあらずな状態の人の特徴です。
今まで集中力を切らさずに、目標に向かって頑張り続けてきた人は、目標を達成した後に常に心ここにあらずな状態になりやすいでしょう。燃え尽き症候群のような状態なので、次の目標が決まるまではずっとぼんやりしていることが多くなるのです。
素直で感情が顔に出る
素直で感情が顔に出やすいということも、心ここにあらずな状態の人の特徴と言えます。やらなければならないことと、自分のやりたいことに大きなギャップがあると、必要なことをしている間に心ここにあらずな状態になりやすいでしょう。
素直で感情がそのまま顔に出る人は、その状態を隠そうとしないので、周囲の人から心ここにあらずな状態を注意されることが多いのです。
慣れている場面で油断しやすい
心ここにあらずな状態の人の特徴には、油断しやすいということも挙げられます。慣れている作業や単純作業を行っていて油断しているときには、特に心ここにあらずな状態に陥りやすいでしょう。
そのため、油断しやすい人は慣れていたり単純だと思ったりした作業中に、心ここにあらずな状態になりやすいのです。
心ここにあらず状態への対処法
大切な作業中に心ここにあらずな状態になってしまうと、ミスをしやすくなって周囲からの評価が下がってしまうでしょう。
また、心ここにあらずな状態とは、かなり無防備な状態とも言えるので、心ここにあらずな時間が長いと不意のトラブルへの対応が遅れてしまうこともあります。
そこで、以下では心ここにあらずな状態への対処法を紹介していきましょう。よく周囲の人から心ここにあらずだと注意される人は、ぜひ以下の対処法を実践してみてください。
目の前のことだけに集中するように意識する
目の前のことに集中するように心がけることは、心ここにあらずな状態から抜け出すために有効な方法です。心ここにあらずな状態だと、目の前のことがおろそかになりミスしやすくなってしまうでしょう。
このことをしっかり意識して、目の前のことに集中することを繰り返すと、自然に心あらずな状態になりにくくなります。
どうしても目の前のことに集中できない場合は、目の前のことをミスしたときの損害を具体的に考えてみましょう。損害が分かりやすくなることで、ミスしてはいけないという気持ちが強くなり、集中しやすくなります。
生きがいとなるものを見つける
大きな目標を達成した後に心ここにあらずな状態に陥っている場合は、新しい分野に積極的に飛び込み、生きがいとなることを見つけるという方法がおすすめです。
大きな目標を達成した後は燃え尽きたように、やる気が無くなり心ここにあらずな状態になりがちでしょう。そのようなときは、夢中になれることを新しく見つけることで、いつもの調子に戻りやすくなります。
休みをとりリラックスする
心身のストレスや疲労が溜まっていると、心ここにあらずな状態になりがちです。そのような場合は、思い切って長期の休みを取り、しっかり心身をリラックスさせる方法が適しているでしょう。
ストレスや疲労をしっかり取ることで、心ここにあらずといった状態からすっきり脱することができるのです。
また、心ここにあらずな状態は、ストレスでかなり精神的に追い詰められているということのサインでもあります。そのため、心ここにあらずな状態のときに無理をしてしまうと、深刻な精神病に陥る危険性もあるのです。
ストレスが溜まっていて心ここにあらずな状態になったときは、必ず休むようにしましょう。
恋愛で心ここにあらず状態な場合の対処法
恋愛で心ここにあらずな状態になったときは、どのように対処すべきなのでしょうか?以下では、恋愛で心ここにあらずな状態になったときの対処法について、詳しく紹介していきたいと思います。
正直に気になっていることを相手に話す
大好きな彼氏や彼女との会話でも、強く気になることがあるとつい心ここにあらずな状態になりがちです。恋人に心ここにあらずな状態を悟られると、恋人を不安にさせてしまうこともあるでしょう。
恋人との会話中に心ここにあらずな状態になった場合は、恋人に正直に気になることを伝えてみることをおすすめします。自分の気になることを話すことで自分の気持ちも落ち着きますし、恋人との絆も深まりやすくなるでしょう。
元彼や元カノに連絡して近況を聞いてみる
元彼や元カノのことが気になって、心ここにあらずといった状態になることもあるでしょう。現在の恋人には正直に気になっていると言いづらいので、対処に悩む人も多いと思います。
そのようなときは、元彼や元カノに連絡をして近況を聞いてみましょう。相手の近況を聞くことで、自分の気持ちが吹っ切れて現在の恋人に意識が向きやすくなります。
元彼や元カノに未練がある場合は、自分の本心を1人でじっくり考えてみましょう。元彼や元カノに本当に気持ちが残っているのならば、現在の恋人との関係を考え直してみてください。
片思いの相手のことを考える時間を1日の中に設ける
片思いの相手を考えると、心ここにあらずな状態になってしまうこともよくあります。気になる相手がいると誰でも一度は心ここにあらずな状態になるでしょう。
しかし、受験や昇進がかかった大切な時期に心ここにあらずな状態になってしまうと、困ることもあると思います。
そんなときは、しっかり片思いの相手を考える時間を1日の中に作ってみましょう。しっかり相手を考える時間を設定しておくことで、それ以外の時間は仕事や勉強に集中しやすくなります。
オンとオフのメリハリが出ることで、仕事や勉強の効率も上がりやすくなるでしょう。
心ここにあらずな人との付き合い方
心ここにあらずな人との付き合い方は、その場の状況や相手との関係によって異なります。そこで、以下では心ここにあらずな人との付き合い方を詳しく見ていきましょう。心ここにあらずな人と上手く付き合いたい人は、ぜひ参考にしてみてください。
恋人には何が気になるのかはっきり聞く
恋人が会話中に心ここにあらずな様子だと、自分に飽きたのかもしれないと不安になるでしょう。しかし、恋愛とは関係のないことが気になり、心ここにあらずな状態になっていることも多いのです。
そのため、心ここにあらずな恋人には、はっきり何が気になるのか冷静に聞いてみましょう。相手が気になっていることが分かれば不安になりませんし、気になることの解決方法にアドバイスもすることができます。
ビジネスの場面では相手の様子を確認して待つ
仕事での打ち合わせや会議で、心ここにあらずな状態の人がいると、つい注意したくなるでしょう。
しかし、会議や打ち合わせ中に、仕事に関わることを分析していたり自分のアイデアを形にしようとしていたりして、考え込む人もいます。その様子は心ここにあらずな状態に似ていることはよくあるのです。
そのような場合は、相手の思考を邪魔せず静かに待つようにしましょう。ビジネスの場面では相手が心ここにあらずな様子でも、その場の会話の流れや相手の様子をよく確認して、注意するか待つか判断することをおすすめします。
心ここにあらずになることが多い人には真面目に注意する
どのような場でも心ここにあらずな状態になりやすい相手には、しっかり注意することをおすすめします。心ここにあらずな状態になる時間が多すぎると、危険な目に遭いやすくなりますし、周囲から反感を買ってしまいやすくなるでしょう。
そのため、いつも心ここにあらずな家族や友達には、心配しているという気持ちを込めて注意することをおすすめします。いつもより真面目に注意することで、相手に心配しているという気持ちが伝わり、相手との関係が深まるでしょう。
心ここにあらずな状態と病気の可能性
心ここにあらずな状態が長期間続いている人には、深刻な病気の可能性もあるのです。以下では、心ここにあらずな状態から考えられる病気の可能性について、詳しく説明していきましょう。
うつ病の可能性
うつ病の代表的な症状に、意欲が低下して目の前のことに対処できないということが挙げられます。
特に気になることは何もないのに、何故か目の前のやるべきことにやる気が全く出ず、心ここにあらずな状態になっている場合は、うつ病の症状である可能性が高いでしょう。
心ここにあらずな状態と共に、常に何に対しても無気力であったり自殺願望があったりという特徴がある場合は、より深刻なうつ病になっている可能性もあります。そのため、心ここにあらずな状態が長く続いている場合は、一度医師の診察を受けてみてください。
心ここにあらずな状態のときの自分なりの対処法を考えてみよう
今回は「心ここにあらず」の意味や、心ここにあらずな人の特徴やその人との付き合き方などを取り上げました。
心ここにあらずな状態は誰でもなるものですから、今回の内容を参考にして、心ここにあらずな状態になったときの自分なりの対処法を考えてみてください。
また、心ここにあらずな状態がどうしても改善できない場合は、うつ病の可能性もあります。そのため、そのような場合は早めに医師に相談してみましょう。