完璧主義をやめたい!完璧主義をやめる方法とは?
「完璧主義」について言う時、真面目、責任感が強いなどの印象があります。度をこえた完璧主義は生きづらさをうみだし、完璧主義者をやめたいのにやめられない人もいます。今回は、完璧主義をやめたいあなたのために、完璧主義とは何か、また完璧主義をやめる方法を探ってみます。
目次
完璧主義はつらいよ…どうしたらやめられる?
自分自身にストイックな完璧主義の人は、適度に力を抜くことを知らず一人で苦労してしまうものです。そのような傾向から抜け出すには、また、完璧主義をやめたい時にやめるにはどうしたらいいのでしょうか?
そもそも「完璧主義」の意味とは?
「完璧主義」とは、高い目標をたててそれに向かって自分に厳しく完璧を求めて努力する人のことを言います。そして、完璧主義の人は人が自分をどのように見ているのかいつも気にしています。
高いモチベーションと行動力で評価される人がいる一方、自分の期待通りに物事が進まないと、全てが失敗に終わってしまったかのように絶望して自己否定に陥ってしまう人もいます。このように完璧主義は浮き沈みの差が大きい性質と言えます。
完璧主義な人の心理とは?
何が彼らを厳しくさせるのでしょうか?完璧主義の人の心理についてみてみましょう。
責任感が強い
完璧主義の人は、道徳や秩序を重んじ自身の感情よりも「~しなければならない」という義務感が強いです。物事を途中で投げ出すことはもってのほか、何が何でもやり遂げようと努力します。
その結果、完璧主義の人は責任感が強くまじめで信頼される存在とみられることが多いです。還ぺ気主義をやめたいと思ってもなかなか性格が許さないのです。
物事を白か黒かで判断する
完璧主義の人にとって、最も大事なのは結果です。最善の結果が得られるならば、あらゆる努力を惜しみません。成果を得るために努力をしますが、結果がついてこなかった場合、完璧主義の人は極度の失望と自信喪失に陥ってしまいます。
彼らにとって物事は白か黒しかなく、その課程は重要ではないのです。完璧主義をやめたいと思ってもなかなか難しいものなのです。
強迫性障害の傾向がある
いつも心が落ち着かなく、些細なことなのに頭に浮かんで離れない人は、強迫性障害の傾向があります。例えば、外出時にドアの鍵をかけたか、ガスの元栓を閉めたかどうか不安になって何度も確認しなければ安心できない場合などです。
強迫性障害は精神疾患の一種ですが、認識していない人も多く、完璧主義者はほとんどがこの傾向があると言われています。完璧主義をやめたいと思ってもなかなか安心できないのです。
完璧主義な人の特徴
完璧主義者は、特に特別な人ではなくあなたのまわりにあふれています。では、完璧主義の人にはどんな特徴があるのでしょうか?
自己管理にたけている
完璧主義の人は、基本的に自分に対して厳しいです。その結果、自分の中で決めた規則やルーティーンは、必ず守れるよう努力します。当然時間も守ります。そのため、きちんとしており自己管理ができている人と見られます。
例えば、ダイエットをする場合当然成功するでしょう。毎朝早く起きて勉強するにしても、3日坊主になりません。真面目であるため、忙しい日常でも決められたことを守り最善を尽くします。
自己価値が低い
完全主義の人が、自分に厳しく頑張る理由は何でしょうか?それは、自分に自信がないことに由来します。自分に劣等感があるため、頑張って成功しようとするのです。言ってみれば、成功によって自分の価値を見出します。
このように自己価値が低い完全主義者は、常に目標や頑張ろうとする意識が頭にあるため、心に余裕を持てず精神的に疲れやすくなります。完璧主義をやめたいと思っている人は頭の切り替えが必要です。
他人からの評価を気にする
物事を白か黒で見る傾向がある完璧主義の人は、当然失敗か成功かのどちらかに固執し、他人からの評価に敏感になります。
自分はできない人間だと思うことから自尊心が低くなり、人が自分をどのように見て評価しているのかということが気になって仕方がないのです。
他人に対しても厳しい
完璧主義者は、周りが自分をどう評価するのか気になると同時に、他人の行動にも関心が高いです。人が規則を守れず失敗をした場合、厳しく評価してしまう傾向があります。自分に対してと同様に厳しい物差しで人を見てしまうのです。
そのため、完璧主義の上司と仕事をすると臨むように仕事できなかった時に厳しく評価されたり、叱責されることもあるでしょう。
完璧主義をやめる方法
過ぎた完璧主義は、人間関係で問題が起きるだけでなく、そのストレスから心の病にもなりえる危険な状態と言えます。完璧主義をやめる方法を探ってみましょう。
1.「~しなければいけない」をやめる
完璧主義の人は、いつも「~しなければいけない」と思っています。規則は大切ですが、常にこのように唱えていると自らを型にはめこんでしまいかねません。また、厳しい状況でも自らを追い込んでしまいます。
完璧主義が苦しいと感じる人は、まず、この「~しなければいけない」をやめてみましょう。
自分の心に例外を設けるのです。いきなりやめるのは難しいでしょうから、まずは義務感の負荷を減らすことから始めましょう。「~したほうがいい」くらいに、変えてみたらいかがでしょうか。
2.グレーゾーンを認める
何事にも原因と結果、とそこに至る過程があります。完璧主義の人は、結果にだけ注目してしまいがちです。失敗と成功に関してもそうです。ものごとを白黒でとらえるのではなく、その中間がどうなのかについて注目してみましょう。
例えば、一生懸命勉強して試験で80点をとったとします。完璧主義者は、なぜあと20点取れなかったのか責めますが、そこをあえて一生懸命勉強したから80点も取れたと思うようにするのです。
そうすると、そこには結果に至る過程がどうだったのかを見ることができます。このように、白黒よりもその間のグレーゾーンを認めることが大切です。
3.周りと妥協する
完璧主義の人は、理想を追求して周囲に対しても完璧を求めてしまうものです。規則正しく、順調に物事を運ぶためにある程度それも必要ですが、過度になると押しつけになってしまい、周囲との確執につながりかねません。
周囲と合わなくなってくると、チームワークが必要な仕事はうなくいかなくなりますし、後で思いもよらない結果を招きかねません。周りと波長を合わせて、ある程度妥協するくらいの心の余裕をもてるようにしましょう。
意識して妥協するようにすれば、少しずつできるようになってきます。
4.人に甘える努力をする
完璧主義の人は、人に頼ることができない人が多いです。実際、人に頼ることによって思い通りの結果が得られなかった時、その失望感は相当なものでしょう。しかし、一人で抱え込んでもうまくいかない時はいかないものです。
心の片隅で、物事はいつも自分の思い通りになるわけではないと逃げ道をつくっておきましょう。また、誰かに頼ることによって新しいアイデアや方法などを生み出すきっかけにもなります。自分に厳しい完璧主義者は、あえて人に甘える努力をするといいでしょう。
5.高すぎる目標をたてないようにする
完璧主義の人は、高すぎる目標をたてて全身全霊をかけて頑張る傾向がありますが、これは目標が達成できれば問題ありませんが、できなかった場合その痛手は相当なものになるでしょう。精神的な打撃から鬱になってしまうこともあります。
そもそも、段階を踏んで少しずつ目標を設定するのではなく、最初から難しい目標をたてるためにこのようなことになってしまいます。高すぎる目標は、なるべくたてないように意識してみましょう。
6.不得意分野に挑戦してみる
完璧主義をやめる方法の一つとして、わざと不得意分野に挑戦してみてはいかがでしょうか?初めての挑戦や、苦手意識があることなら、最初からうまくいくとは思えないものです。心にかかる負担は軽減されるでしょう。
苦手だからこそ完璧は求められません。開き直って取り組めるはずです。
7.カウンセリングを受けてみる
完璧主義に息苦しさを感じ始めたら、それが心の病になる前にカウンセリングを受けてみるのもいいでしょう。話しをしながら、何があなたを完璧主義にしたのか、また何が原因で完璧でないと気がすまないのか、分析してもらえば心がすっきりとしてくるでしょう。
自分の性格の問題点を浮き彫りにして、一つ一つ改善していけるようにアドバイスをもらいましょう。
完璧主義なことのメリット・デメリット
完璧主義になったら損だらけ?必ずしもそうとは限りません。完璧主義のメリットとデメリットについてみてみましょう。
完璧主義なことのメリット
完璧主義なことのメリットとは、いったいどんなことがあげられるのでしょうか?
計画的に確実に物事をすすめられる
真面目な完璧主義者にとって、計画性はとても大切です。また、その計画を実行させることにもたけています。その分、綿密な計画と準備が必要になりますが、完璧主義の人はもともとそのような作業に情熱を注ぎます。
向上心がある
完璧主義の人は、向上心が高いです。高い目標を設定し成功に向けて努力するわけですから、自らを奮い立たせる能力にたけているともいえるでしょう。
この向上心が過ぎてしまった時に苦しくなってしまいますが、もともとモチベーションがあって努力する姿は、とても素晴らしいものです。
完璧主義なことのデメリット
過度の完璧主義者は、生きづらくなってしまうのでしょうか?完璧主義のデメリットについてみてみましょう。
ストレスを受けやすい
生真面目な完璧主義者は、自分に対して厳しく「~しなければいけない」と思っています。そのため、自分に甘えを許せず、失敗した時にも自分を責めてしまいます。
それだけでもストレスですが、それが習慣化してくるとますます自分の首を絞めることになりかねません。
ひどくなると鬱になる
完璧主義者のほとんどが、強迫性障害の傾向があると述べましたが、実際、完璧主義がひどくなると鬱になる可能性が上がってきます。鬱だけでなく、パニック障害、摂食障害などの精神疾患を引き起こしかねません。
完璧主義をやめたい人におすすめの本
完璧主義は、過ぎると病気を招いてしまいます。頭ではわかっていても、なかなか治せない人にお勧めの本を数点ご紹介します。
おすすめ①「がんばりすぎるあなたへ 完璧主義を健全な習慣に変える方法」ジェフ・シマンスキー著
この本の著者は臨床心理学者で、完璧主義を「健全なもの」と「不健全なもの」に分けています。自分自身について知り、完璧主義の不健全な部分を改善していく方法について書いています。
完璧主義は、仕事や生活にプラスになる素晴らしい性質であることと、不健全な方向に走り始めたらどのように対処すればいいのか方法を教えてくれます。
おすすめ②「失敗を失敗と思わないための10の技術:完璧主義をやめたいあなたへ。」イケダハヤト著 (Kindle版)
完璧主義者にとって、失敗することは何よりも恐ろしいものです。失敗を避けたいがために挑戦することをためらってしまうことが少なくありません。
失敗を失敗と思わないための技術を説く著者は、プロブロガーでありソーシャルメディアコンサルタントとして活動されています。この本は、失敗を恐れる完璧主義者を鼓舞して失敗して落ち込んだ時に励まされるでしょう。
おすすめ③プレッシャーに負けない方法ー「できるだけ完璧主義」のすすめ 水島広子著
精神科医で多くの著書をもつ著者は、完璧を目指して消耗してしまう人たちに「できるだけ完璧主義」という方法を提案しています。
プレッシャーから頑張り過ぎて燃え尽き、心が病んでしまう完璧主義ではなく、視点を変えてみるだけでマイナスからプラスの完璧主義に変えられると言っています。
今苦しんでいるなら、「今はこれでいい」と自分をいたわり、プラスになる完璧主義になる方法がかかれています。
完璧主義で有名な著名人
過ぎた完璧主義は本人だけでなく、周囲も合わせにくい存在になってしまいます。しかし、完璧を追求しているからこそ認められた人たちもいます。その一部をご紹介します。
スティーブ・ジョブ氏は完璧主義で有名だった
アップル社の創業者であるスティーブ・ジョブ氏を知らない人はいないでしょう。アイフォンなどを始め、アップル製品のシンプルで洗礼されたデザインは世界中を魅了し、多くの人が愛用しています。
彼は、徹底した完璧主義であったことで有名です。製品の機能からデザイン、あらゆる面において完璧であることを求め続けたため、周囲は大変だったことでしょう。
XジャパンYOSHIKIさんは鋼入りの完璧主義者である
XジャパンのYOSHIKIさんは、鋼入りの完璧主義者で有名です。音楽に関して全ての面で細部までこだわった完璧を求めるため、かれこれ20年以上もの間アルバムをリリースしていません。
アルバムが完成真近と言われ、ようやく完成したと発表されたのが2018年9月ですが、未だに発売されていません。一体、いつ一般人が聞くことができるのでしょうか?さまざまな想いがこめられた渾身のニューアルバムです。ファンのみならず気になります。
エマ・ワトソンさんは、仕事に関して全てがパーフェクトじゃないと気が済まない
英女優のエマ・ワトソンさんは、自身を強迫性障害の傾向があるのか、完璧でないと気が済まない性格だとと言ったことがあります。仕事に徹底的に没頭し、誰よりも自分に厳しく批判してしまうそうです。
そのせいか、ハリーポッターシリーズで一躍有名になってから、さまざまな役に挑戦しながら演技派女優に成長し、活躍されています。
完璧主義は完全にやめるよりも付き合うくらいに!
完璧主義とそれをやめる方法についてみてきましたが、いかかでしたか?人の性格はそう簡単に変わらないものです。そのため、完璧主義の傾向を一気に取り除いてやめるのは難しいでしょう。
しかし、それを少しずつ変えていくことはできます。完璧主義のメリットだってあるのです。まずは、自分の欠点になってしまっている完璧主義を受け入れましょう。その上で、どこからアプローチしていけばいいのかを考えるのです。
例えば、完璧であるために、人のあらが気になってしまい人ととうまく付き合えないなら、周りと妥協することを意識してみます。ただ、細かいことが気になっていきぐるしいなら、深呼吸して「~しなければいけない」発想を「~したほうがいい」に変えてみます。
完璧主義を認めて、付き合いながら治していけば心の負担が減ってくるでしょう。完璧主義で心を苦しめないでほしいのです。少しずつやめることが大切です。