明文化の意味とは?明文化するなどの使い方を例文を使って紹介

「明文化」という言葉の意味をご存知でしょうか?「明文化する」というのはビジネスなどでよく聞く言葉ですが、その正しい使い方を知っていますか?「明文化」の正しい意味や使い方、類義語、メリットやデメリットなどをご紹介いたします。

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目次

  1. 1「明文化」という言葉がイマイチよくわからない!
  2. 2「明文化」の意味とは?
  3. 3「明文化」の類語表現
  4. 4「明文化」の使い方
  5. 5明文化するメリットとは?
  6. 6明文化するデメリットとは?
  7. 7英語で「明文化」はどのように表現する?
  8. 8「明文化」はビジネスシーンでは必須事項!

「明文化」という言葉がイマイチよくわからない!

「明文化する」という言葉は、ビジネスシーンではちょくちょく出てくる言葉なのですが、正しい意味を理解していると自信を持って言えますか?「明文化」の意味ってよくわからないな、と思ったまま、なんとなくスルーしてはいませんか?

この記事では、「明文化」という言葉の意味や由来、類語表現、使い方、明文化することによるメリットやデメリット、英語での表現などをご紹介していきます。これを機に、日頃の疑問を解消してしまいましょう。

「明文化」の意味とは?

「明文化する」の意味とは、一言でいうと、「内容を文章に明確に書き表すこと」です。発言内容や決定事項、規則などを、わかりやすく、かつ疑う余地のない文章にするのが「明文化」という言葉の意味です。

かつては、ビジネスシーンでも口頭でのやりとりで済ませていたことも少なくありませんでした。しかし、近年のグローバル化に伴い、最近ではあらゆる規則や決定事項などを明文化することが求められています。

では、その「明文化」という言葉が生まれたのは、どのような背景からなのでしょうか。

明文化という言葉の由来

「明文化する」という言葉の由来には、日本の古い文化である「村社会」が影響を与えています。「村社会」には「掟(おきて)」や「仕来り(しきたり)」が存在しますが、それらは口頭で伝え継がれていくものであり、強い強制力を持っていました。

日本の企業にも、かつてはこの「村社会」的な体質が根強く存在していました。文書化されていない多くの決まりごと、つまり「不文律」があり、外部からはその中の様子を知ることができない、閉鎖的な状態が続いていたのです。

しかし、社会のグローバル化に伴い、決められた規則に従って企業を統治する、「コーポレートガバナンス」の考え方が浸透しました。そのため、それまで「不文律」だった規則や決まりごとを「明文化する」ことがビジネスでは必須となっていったのです。

「明文化」の類語表現

・文書化
・条文化
・見える化
・マニュアル化

文書化

「文書化」とは、内容を書類にする、という意味です。「明文化」とよく似た言葉ではありますが、発言内容などを書類に落とすのが「文書化」で、それらをわかりやすく、誰が読んでも疑う余地のない内容にすることが「明文化」です。

「明文化」において「文書化」は非常に大きな部分を占めていますが、ただ「文書化」するのではなく、誰の目から見ても同じように受け取ることができるように、ひと手間加えるのが「明文化」の意味と言えます。

条文化

「条文化」とは、規則として定められた内容を、法律や条約などに記載することを意味します。「明文化」の中でも、法律や条例として定められるもののことを、特に「条文化」と言います。

見える化

「見える化」とは、企業活動の現状、進捗状況、実績などを常に見えるようにしておくことを意味します。

トラブルが発生してもすぐに解決できる環境を実現すると同時に、そもそもトラブルが発生しにくい環境に変えるための、組織内の体質改善や業務改革の取り組み全般を「見える化」と言うのです。

「明文化」は、「見える化」の一部であると言うことができます。明文化することにより、多くのトラブルの対処法や予防策を考えることができます。

マニュアル化

「マニュアル」とは、初心者に対して、ある条件に対応する方法を教えるために標準化・体系化して作られた文書のことを言います。「マニュアル化」とは、読んで字のごとく、それまで初心者に対し口頭で伝達してきたことを、マニュアルにすることを意味します。

「明文化」の中でも、「マニュアル」の作成にあたるものが「マニュアル化」です。「マニュアル」は、ビジネスシーンにおいて重要な役割を果たし、新入社員や配置転換があった社員に、業務の正確な手順を体系的に説明することができます。

「マニュアル」を作成することにより、引継ぎの時間が短縮されるだけでなく、自分の業務の棚卸しをすることが可能です。その業務の目的や、その業務に割いている時間なども確認することができます。

「明文化」の使い方

「明文化」や「明文化する」という言葉は、ビジネスシーンではよく使われる言葉です。具体的には、どのような意味があり、どのようなシーンで用いられるのでしょうか。例文を挙げて、確認しましょう。

ルールの策定を呼びかける

社内に文書化されていないルールがある場合などに用いられます。そのルールを正式に決定し、文書化したいという意見を述べる場合などに使います。

「そのルールについては、明文化する必要がある」といったような使い方をします。

ルールの確認

特に、新しくその集団に属することになった人が多く用いるパターンです。その集団内での決まりごとについて、正式にルールとして定められているかどうかの確認をしたい時に使います。

社内には明文化されている・されていないを問わず様々なルールが存在します。それが正式に認められているかどうかを確認することにより、それは変更可能なのか、守らなければならないものなのかの確認をするために使うのです。

「その基準は明文化されていますか?」というような使い方をします。

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発言内容を文書化する

会議などで議論や決定事項があり、それらを文書化して出席者やその他の関係者と共有したい場合に用いられます。

会議ではさまざまな意見が出されることがありますが、どのような意見があり、それに対してどのような議論をしてその結論に至ったのか、広く多くの人に知らせる必要がある場合があります。そのようなシーンで使います。

「本日の決定事項を明文化してください。」といった使い方をします。

決められたルールに対する意見

すでに規則として定められている=明文化されているルールに対する意見を述べる時に用いられます。

「その明文化された規則には、改善すべき点がある」といったような使われ方をします。

明文化するメリットとは?

明文化するメリットとはどのようなことでしょうか?明文化することには多くのメリットがあるとされており、そのため現在のビジネスシーンでは多くのことを明文化することが推奨されています。

では具体的に、明文化することにはどのようなメリットがあるのでしょうか。いくつかのパターンをご紹介します。

トラブルを防ぐ

ビジネスにはトラブルがつきものです。しかし、一度起こったトラブルを共有できていなければ、同じことを繰り返すことになってしまいます。

一度起きたトラブルとその対処法、未然に防ぐための確認事項などを明文化することによって、それらをすべての関係者の間で共有し、次に同様のトラブルが発生することを防ぐことができるのです。

トラブルの対処には、意外に多くの時間が割かれているものです。トラブルを未然に防ぐことで無駄な時間を削減するだけでなく、会社の業績アップにもつながるかもしれません。

確認がしやすい

明文化することによって、何度でも確認することが可能になります。一度聞いたことをすべて覚えていられたらいいのですが、実際にはそういうわけにもいきません。

忘れる度に、知っている人に聞き直すのも気が引けますし、聞かれた側も、何度同じことを説明するのが面倒と感じることでしょう。そもそも、その相手が常に正しい情報を伝えてくれるとも限りません。

明文化がされていれば、そのような面倒をかけることなく、その都度確認することができますし、何よりも正しい情報を取得することができます。これが明文化のメリットの1つです。

共有しやすい

一度話し合って決定したことを、明文化することによって、多くの人と共有することができます。その場にいなくても、どのような議論がなされ、どのような結論に達したのかを知ることができるのです。

これらを口頭だけで伝えようとすると、必ずと言っていいほど伝達漏れが発生しますし、伝言ゲームのように伝えていくうちに、その議論や結論についてニュアンスが違う情報が伝わったり、場合によっては全く違う内容が伝わってしまう可能性もあります。

多くの人と正しい情報を共有するためには、明文化は欠かせないプロセスと言えます。情報が共有化できることにより、無駄な作業やトラブルを減らすことにつながるのです。

意識が上がる

明文化することによって、普段何気なくやっていることに対する意識が上がる効果が期待できます。

何気なくやっていることでも、明文化されることにより、その目的や必要性を意識することができます。また、手順や方法が明文化されていると、それを漫然と行うこともなく、正しい手順で行おうとする意識も働きます。

明文化により高い意識で業務に取り組むことにより、効率化が進むだけでなく、大きな成果につながったり、トラブルを防ぐことも期待できます。

問題点を顕在化する

業務を明文化することにより、その業務の問題点を顕在化することができます。明文化するにあたっては、それまで口頭で指示をして漫然と行ってきた業務について、目的や手順を明確化する必要があります。

その作業の中で、時間をかけて無駄なことをしていないか、必要なことが漏れていないか、トラブルが起きやすいポイントはどこか、などの問題点が顕在化してきます。

これらの問題点ついて議論をして、改善策を講ずることにより、より効率的な業務を行うことができるようになります。

明文化するデメリットとは?

それでは、逆に明文化するデメリットとはいったいどのようなものでしょうか。

明文化にはメリットばかりのように感じられるかもしれませんが、実際にはデメリットもいくつか存在します。その具体的な例を見ていきましょう。

作業が面倒

「明文化する」とは、それまで口頭で済ませていたことを文書にすることですから、「文書化する」という今までではなかった作業が加わることになります。

また、今までなんとなく行ってきた業務について、明確なルールを定めるために、会議の場を設けたり、話し合って結論を出したりする必要があります。

後のことを考えると、明文化は効率の良い作業と言えるのですが、目先の作業が増えることで、面倒と感じる人も少なくないようです。

例外が認められない

明文化することにより、手順や方法、期日などが細かく定められることになります。そのため、ルールに定められたこと以外をすることが難しくなります。特に、今まで「臨機応変」に対応してきたことに、制限が加えられる場合があります。

明文化されたルールの中での臨機応変な対応なら問題はないのですが、そのルールを逸脱するような方法をとっていた場合には、それができなくなります。自分の裁量でできることに制限がかかり、上席の承認が必要になる場合もあります。

場合によっては、「今までよりスムーズに事が進まなくなった…」と感じる場面もあるかもしれませんが、それも企業にとって必要なプロセスと考え、我慢しなければいけないこともあるでしょう。

安易に変更できない

明文化されたルールに問題点が見つかった場合でも、そのルールを勝手に変更することはできません。一度決まったものを変更するには、しかるべき手順が必要となるのです。

明文化するにあたっては十分な議論が必要となるのですが、その議論を行った結果であっても、問題が発生してしまう場合があります。その場合には、また同様の議論を行い、結論を出し、さらにそれを明文化する必要があります。

その変更がなされるまでは、問題があるそのルールをそのまま運用しなくてはいけない場合もあります。明文化によって、効率的とは言えない状態が発生する可能性もあるのです。

英語で「明文化」はどのように表現する?

ビジネスシーンで用いられることが多い「明文化」ですが、英語ではどのように表現するのでしょうか?2つご紹介します。

英語例文① clear stipulation of the right of making available

「stipulation」には、「規定化、明文化、条項、条件」と言った意味があります。上の例文は、「利用可能権の明文化」という意味です。

英語例文② spell out the working conditions

「spell out」には、「1 字 1 字読む、1 字 1 字綴る、はっきり説明する、詳細に説明する」という意味があります。上の例文は、「労働条件を明文化する」という意味になります。

「明文化」はビジネスシーンでは必須事項!

「明文化」の意味や使い方についてご紹介いたしましたが、いかがでしたでしょうか。「明文化」は、グローバル化が進んでいる現代の日本のビジネスシーンにおいては、必須事項と言えます。できる限り多くのことを明文化することが求められています。

明文化する作業が面倒、今まで自由にやっていたことができなくなるなど、デメリットととられかねない部分もありますが、長い目で見れば、「明文化」は自分にとっても、会社にとっても大きな利益をもたらすことになるでしょう。

今日から「明文化」を意識して、効率的で有意義なビジネスライフを送りましょう!

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