真摯の意味とは?真摯に受け止めるなどの言葉の使い方を例文で紹介

「真摯」という言葉の意味とは?謝罪の場やクレーム対応の場でよく使われる「真摯に受け止める」などの言葉とはどのような意味でしょうか。また「真摯」の類語や対義語、実際の使い方など例文を交えてご紹介します。さらに「真摯な人」についても解説しますので確認してください。

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目次

  1. 1謝罪の場でよく使われる言葉「真摯」
  2. 2そもそも「真摯」の意味とは?
  3. 3「真摯」の類語
  4. 4「真摯に受け止める」「真摯に取り組む」の意味とは?
  5. 5「真摯」の使い方《例文紹介》
  6. 6真摯な人とはどういう人?
  7. 7真摯な態度をとることのメリット
  8. 8人が見ているかどうかは関係ない
  9. 9何か失敗があった時だけではなく常に真摯に

謝罪の場でよく使われる言葉「真摯」

テレビのニュース番組やワイドショーなどを見ていると、謝罪会見などで「真摯」という言葉が良く使われているのを耳にします。

この「真摯」とはどういった意味の言葉になっているのでしょうか。よく耳にするけれど、正確な意味がしっかりと理解できていない人が実は多い「真摯」という言葉の意味や使い方、特徴などを見ていきましょう。

そもそも「真摯」の意味とは?

そもそも「真摯」の意味とはどんな意味になっているでしょうか。これは後ほどお伝えする「類語」を見ると分かる部分もありますが、理解しやすいのは「真面目」という意味になります。

真摯とは真面目で嘘偽りのないことを指す言葉で、他にも「実直」であったり、「誠実」であったり、「真剣」や「一生懸命」というような状態・状況のことを言います。

「真摯」の読み方

「真摯」とは「しんし」と読みます。「真」のほうは頻繁に使われる漢字なので読みやすいと感じる人も多いはずですが、「摯」という漢字についてはあまり使う場面もないので、「真摯」という熟語の中でしか見ないという人も多いでしょう。

「真摯」の語源

真摯の「真」については、「まこと」とか「本物」「本質」などの意味があります。語源としては、死者とその首を表す意味で「のたれ死んだ人」を表すものでした。「死」というのは偽りのないごまかすことのできない事実であったことから「まこと」の意味になります。

「摯」という漢字は、「にぎる」とか「つかむ」という意味もあるのですが、「手厚い」とか「まじめ」と言った意味もあります。

この「真」と「摯」が組み合わさって、「嘘偽りのないまじめ」な様子を「真摯」というようになったというのが、「真摯の語源」となっています。

「真摯」の対義語

「真摯』という言葉の対義語とはどのようなものがあるでしょうか。こちらについても真摯の類語に対する対義語が真摯の対義語にも当たるという考え方で良いでしょう。

「不真面目」や「不誠実」、また「軽薄」や「無責任」という言葉も真摯の対義語になります。他にもまじめに取り組まずいい加減な様を「怠惰」という言い方もするので、「怠惰」についても真摯の対義語と考えられます。

「真摯」の類語

「真摯の意味とは?」ということを紹介するのに、類語を使うのが伝わりやすいので、すでにいくつかの類語を使っていますが、下記に意味も含め類語をいくつかご紹介します。
 

真面目
真剣
実直
一生懸命

「真面目」という言葉の意味

真摯の類語には「真面目」という言葉があります。この「真面目」とはどのような意味でしょうか。真面目というのは、「本気であること」や「嘘ではない」という意味になります。

この意味はほとんど「真摯」と同じような意味になるので、お互いがお互いを説明する際に使われる言葉となります。「真摯とは真面目なこと」、「真面目とは真摯なこと」と説明できます。

また、真摯と同じように「真面目な人」とか「真面目な態度」など人の様子を表す際にも使える言葉で、その使われ方についても、「真摯」と非常に似ています。

「真剣」という言葉の意味

真摯の類語には「真剣」という言葉もあります。こちらの「真剣」という言葉についても、「真摯」や「真面目」と非常に似ている言葉で、意味だけではなく使われ方も似ています。

ただ、「真面目」についてもそうですが、「真剣」よりも「真摯」のほうが「堅い言葉」なので、日常ではあまり使われず「かしこまった」ような場面で使われる言葉になります。

たとえば少し「ふざけて」しまう子どもに対して親が、「もっと真剣にやりなさい」とか「真面目にやりなさい」は使われますが、「真摯にやりなさい」は使われることはほとんどないでしょう。

「実直」という言葉の意味

真摯の類語には「実直」というものもあります。この「実直」という言葉は「真面目」や「真剣」とは少々使われ方が違う場面もあります。

「実直」も「真面目」や「真剣」などの言葉で説明ができるのですが、どちらかと言えば周りから見ている人から見える「様子」を表す言葉となるので、「実直にやりなさい」などはあまり使われることはありません。

「実直な人だ」とか「実直な性格だ」というような使われ方をする言葉となります。また、「誠実」や「正直」などが近い言葉とも言えるので、類語ではあるもののニュアンスの違いが感じられる言葉でもあります。

「一生懸命」という言葉の意味

真摯という言葉の類語には「一生懸命」という言葉も挙げられます。「一生懸命」という言葉の意味は、物事に命がけで真剣に取り組む様子を指す言葉です。

ですので、言葉の意味としては「命がけ」ですから、本来は非常に重いものではあるのですが、日常的に「真剣にやる」や「頑張ってやる」というような意味で使われるので、やはり「真摯」よりも日常的な言葉となります。

基本的には「行動」などに付け加えるような言葉なので、「一生懸命な性格」や「一生懸命な人」という言葉は、時々使われることはあるものの、それほど多く使われることはなく、「一生懸命取り組む」などの使われ方が多い言葉となります。

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「真摯に受け止める」「真摯に取り組む」の意味とは?

「真摯」という言葉が使われる際に、よく組み合わさる言葉があります。それが「受け止める」と「取り組む」となります。他にももちろんあるのですが、この「受け止める」と「取り組む」は「真摯」とセットのように使われる場面が多いです。

そこで、「真摯に受け止める」と「真摯に取り組む」の意味をこちらでもご紹介します。よく使われる「真摯」の意味を確認してみてください。

「真摯に受け止める」の意味

「真摯に受け止める」という言葉の意味は、「まじめにひたむきに受け止める」とか、「逃げずに覚悟をもって受け止める」という意味になります。

多くの場合、謝罪の場であったり、クレーム対応の場で使うことからネガティブな言葉のように感じますが、込められている意味としては前向きなものと考えることもできる意味です。

起こってしまった事態に対してまじめに受け止める、とか、寄せられたクレームに対して逃げずに受け止める、と言ったような、先を見据えた「受け止める」という意味になっています。

「真摯に取り組む」の意味

「真摯に取り組む」という言葉の意味についても、「真摯に受け取る」と同様に、「まじめにひたむきに取り組む」とか、「覚悟を持って最後まで取り組む」などの意味になります。

「まじめに」とか「覚悟をもって」ということなので、つまりは「ベストパフォーマンスで」取り組むことで、その行なっているものを今持てる力の全てを出し切って行なうような意味も含まれます。

しかし、一生懸命などの言葉と違って「ただがむしゃらに」やるのではなく、「真剣味を持って」「ミスの無いように」「検証も重ねながら」という『丁寧さ』もある言葉となります。

「真摯」の使い方《例文紹介》

「真摯」の使い方はどのようなものか、というのは、ここまでにもある程度の部分でご紹介していきました。「真摯に受け止める」という使い方や「真摯に取り組む」という使い方もあります。

そして、その使い方の場面では、「かしこまった場面」で使われることが多く、日常の場面で使うのは「ふさわしくない」ことも多くなります。

「かしこまった」場面で、「真剣さをより深く伝えるため」に使われるのが「真摯」という言葉の基本的な使い方となるでしょう。具体例として「例文」を交えてご紹介します。

例文①真摯に受け止める

「今回の事態を真摯に受け止める」

たとえば、工場などでガス漏れ事故などがあったとして、それで従業員や周辺地域に被害が出てしまった…などの場面であれば、その「ガス漏れ」ということがなぜ起こってしまったのか、ということを「真摯に受け止める」必要があります。

また、ガス漏れがあった際に被害をもっと抑えることはできなかったのか、対応に問題はなかったのか、ということも「真摯に受け止める」必要があります。そういった場面で使われるのが「真摯に受け止める」の使い方です。

例文②真摯に取り組む

「どんな仕事でも真摯に取り組む」

真面目に、真剣に仕事にあたる人のことを指して「どんな仕事でも真摯に取り組む人だ」というような言い方、使い方をします。

「人が嫌がるような仕事」であったり、「人が『舐めて』かかるような簡単な仕事」であっても、嫌な顔をせず、いい加減なこともせず、真面目に真剣に、そしてひたむきに仕事をするような人に使う「真摯に取り組む」の使い方です。

例文③真摯な対応

「常に真摯な対応を心がける」

たとえば接客の場面などで、お客への対応が雑だったり、知識不足でお客からの質問に答えられないようなことがあってはお客にとっては不満がたまるものとなります。

そういった事の無いように、「常に真摯な対応を心がける」ことで、リアルタイムの接客態度を良くすることや、知識不足が無いように、接客の場面以外でも学び続けるということが伝えられる使い方です。

例文④真摯な態度

「彼の真摯な態度に心を打たれた」

「真摯な態度」ということはつまり、「真面目で真剣な態度」ということですが、その真面目で真剣で、嘘偽りのない態度を見ていたら、「頑張ってるな」とか「すごいな」ということを感じて心を打たれた、という時に使う言葉です。

また、クレームを言ったお客だったり、「彼」に口説かれた女性からもこの「真摯な態度に心を打たれた」という言葉は発せられることがあります。

例文⑤真摯な姿勢

「真摯な姿勢で取り組んでいれば、いつか結果は出るはずだ」

「真摯な姿勢」というのは、「身体の姿勢」の意味でなく、「物事に向き合う態度」とか「向き合う心の持ち方」などのことを指しているものです。

今はまだ結果が出ていなくても、そこで諦めたり、力を緩めたりせず、「真面目に、実直に」取り組んでいれば、いつか結果が出るだろう、という意味の使い方になります。

真摯な人とはどういう人?

「真摯」の意味を確認してきましたが、その「真摯」という要素を持った「真摯な人」とはどのような人のことを言うのでしょうか。たくさんある中でも特によく見られる「特徴」を確認していきましょう。

前向きに受け止めることができる

「真摯な人」の特徴には、「前向きに受け止めることができる」という特徴があります。特に謝罪の場やクレーム対応のときに、「真摯に受け止める」ことは、つまり前向きに受け止めることにもなるのです。

謝罪をするときに、「謝った後のこと」も考えず「ただ謝る」というのは「真摯な姿勢」とは言えませんし、クレーム対応をする際にも、「謝るだけ」というのは真摯な対応とは言えません。前向きに「次の事」を考えられるのが真摯な人です。

口だけではなく行動で示す

真摯な人というのは、「口だけではなく行動で示す」ことができる特徴を持っています。こちらも例えば謝罪の場で、「ごめんなさい」と言うだけでは真摯な態度とは言えません。

「今後の対応」や「二度と起きないようにする策」などを考え、それを実行に移して初めて「真摯な対応」ということができます。

困難な状況でも逃げずに取り組む

真摯な人は、「困難な状況でも逃げずに取り組む」ことができる特徴があります。「真摯に向き合う」ことはつまり、「覚悟を持って逃げずに向き合う」ことだからです。

「真摯に向き合う」と言っておきながら、困難な状況になったら逃げるような人は「真摯な人」ではなく「口だけの人」なので、真摯な人は逃げずに戦い続けることができる人です。

自分を客観的に見ることができる

真摯に人というのは、「自分を客観的に見ることができる」という特徴があります。「なにが真摯か」というのは、その状況によって違うこともあり、それをしっかりと判断できなくてはいけません。

真摯な人は「どのような対応をすることが真摯な対応か」というのを客観的に見ることができ、その「最善」を選ぶことができる人です。

真摯な態度をとることのメリット

真摯な態度をとることで得られるメリットというものがあります。真摯な人にしか得ることができないメリットとも言えるでしょう。その「メリット」とはどのようなものがあるでしょうか。

自分自身の成長にも繋がる

真摯な態度をとることのメリットといえば、「自分自身の成長にも繋がる」というものが挙げられます。失敗やミスがあり、それを指摘された際に、逃げ出したり、ごかましたりすれば、「同じことを繰り返す」可能性が残ります。

しかし、それと「真摯に向き合う」ことで、「もう同じミスは二度としない」という決意と、そのための行動を起こすので、それは結果として自分自身の成長にも繋がるのです。

信頼される人になれる

真摯な態度をとることのメリットとしては、「信頼される人になれる」というものもあります。これは、「失った信頼を取り戻せる」ということも含みます。

常に真摯な態度でいることは、周りからの信頼を得られるのはもちろんのこと、何かミスや失敗があったときにも、真摯な態度で真摯に向き合い、真摯に取り組むことで信頼を取り戻すこともできるからです。

人が見ているかどうかは関係ない

真摯な態度や真摯な対応など、「真摯」という言葉からくるものというのは、「人が見ているかどうか」ということは関係ありません。

なにか「見返り」を求めているわけでもなければ、「人からの評価」を意識してやることでもないからです。「真摯」というのは、そういった他人からの目を意識しないからこそできるものということを理解しておく必要があります。

少しでも他人の目を気にしたり、評価に繋がるかどうか、「得」があるかどうかなどを考えて行動した途端に、それは「真摯ではない」状態になるケースが多いので、気をつけるようにしましょう。

何か失敗があった時だけではなく常に真摯に

謝罪の場やクレーム対応の場などで使われることが多い「真摯」という言葉ですが、真摯な態度や真摯な人というのは、そのような場面ではなくとも、信頼されたり、認められる存在となります。

真摯な態度のメリットや、真摯な人の特徴もお伝えしてきたとおり、常に真摯であることには良い面がたくさんあるのです。

もちろん真摯な態度を貫き通すのは「疲れる」こともありますから、必要な時には息抜きもしながら、信頼される、認められる人となれるように、真摯な人であるように意識しておきましょう。

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