2019年01月07日公開
2019年01月07日更新
「多幸感」の意味とは?多幸感を感じる瞬間っていつ?
今回は多幸感(たこうかん)について紹介させていただきます。多幸感とはどういう意味の言葉なのでしょうか。漢字だけみると、良い意味の言葉のようですが、どんな時に多幸感は感じるものなのでしょうか。多幸感が良いものなのか悪いものなのかについても考えていきましょう。
目次
「多幸感」ってどういうこと?
多幸感(たこうかん)という言葉を聞いたことがあるでしょうか。SNSなどでもたまに見ることがある「多幸感」とはどういう意味の言葉なのでしょうか。実はあまりむやみには使わないほうがいいとも言われている言葉のようです。
今回は多幸感とはどんな意味の言葉なのか、また多幸感とはどんな時に感じるものなのかを紹介させていただきます。
「多幸感」の意味とは?
まずは多幸感とはどういう意味の言葉なのかをみていきましょう。多幸感とは、漢字だけをみると多くの幸せを感じると書きますが、実際には少し意味が違う言葉になります。
多くの幸せを感じてはいるものの、その感じ方がちょっと異常な状態で、精神的にハイになっている状態にあることを多幸感を感じる時というようになります。
普段の生活の中でも多幸感を感じることがありますが、薬物などで感じることがあったり、病気のために多幸感を感じるということもあるので注意が必要だと言われています。
「多幸感」を感じる理由
多幸感を感じるというのは、とても幸せだと心から思っているというわけでもないようです。それでは多幸感を感じる時にはどんな理由から多幸感を感じるのでしょうか。多幸感を感じる理由についてまとめていきましょう。
幸せホルモンが大量に分泌される
多幸感を感じる1つの理由が、幸せホルモンと言われる「オキシトシン」が原因になっています。何かに充実している時や、目標などを達成するという時、自分の努力や結果に満足をしている状態になります。
自分の努力に満足をするということはよくありますが、大満足している状態やとても満足をしている状態、この上ない幸福を感じている時というのは、幸せホルモンであるオキシトシンが大量に分泌されます。
オキシトシンが大量に分泌されることで、とても幸せな状態、幸せでハイになってしまっている状態になるのです。
幸せ物質が分泌されている
幸せホルモンはオキシトシンですが、幸せ物質というものがあります。それがドーパミンです。ドーパミンはやる気を起こしたりポジティブな気持ちにさせるという効果があります。なんでもできそうな気持にさせるというのもドーパミンになります。
ドーパミンが分泌されるのは、目標に向かっている時や何かの準備などをしてワクワクしている時と、目標を達成したと感じる時です。ドーパミンとはやる気を起こさせるという効果と、達成感を感じることもできる物質になるのです。
ドーパミンも大量に分泌されることで幸せだと感じる時にハイの状態に近い状態になるようです。
セロトニンが大量に分泌される
オキシトシンやドーパミンだけではなく、セロトニンも多幸感を感じる時には大量に分泌されることがあります。
そもそもセロトニンとは、心に安らぎを与えている物質になります。通常はほどよくセロトニンが分泌されることでストレスを解消してくれたり、睡眠をコントロールしてくれるという効果があります。
適度に分泌されている時には心に安らぎを与えてくれる物質ですが、大量に分泌されることで多幸感を感じることができると言われています。ハイになる前のちょっといつもよりも元気であるというのは、セロトニンがいつもよりも多く分泌されていることが原因であることもあります。
「多幸感」を感じる時の特徴
それでは多幸感を感じる時にはどんな特徴があるのでしょうか。普段の生活の中でも起こるかもしれない、心理的にハイになってしまっている、多幸感を感じる時の特徴についてまとめていきます。
周りが見えなくなる
多幸感を感じる時の特徴には、周りが見えなくなるという特徴があります。多幸感を感じる時の状態を「ハイ」というのは、周りが見えなくなってしまうという特徴も影響しています。
周りが見えなくなってしまうことで、周りの人に迷惑をかけるかもしれないとは考えることができなくなってしまうという特徴もあるようです。
自分がハイな気分になってしまうことで、周りの人にもしかしたら迷惑をかけてしまうかもしれないというのが多幸感を感じる時の特徴になります。
眠気を感じない
眠気を感じないというのも、多幸感を感じる時の特徴になります。多幸感を感じる時の状況にもよりますが、もう少しで自分の願いが叶うかもしれないというような時であればあるほど、眠気を感じることがなくなります。
多少の無理であればできるようになってしまうというのも、多幸感を感じる時の特徴です。眠気を感じないというだけではなく、多少食べなくても我慢ができたり、ちょっとくらいなら痛いことも我慢ができるようになるということもあるようです。
いつもよりも饒舌になる
いつもはそれほど話すことがないという人でも、多幸感を感じる時はいつもよりも饒舌になっているという特徴があります。
何か叶えたい夢がもうすぐ叶うという時を想像してみると、もうすぐ叶うということを誰かに話したくて仕方がなくなるのかもしれません。
気持ちが高ぶってしまうことで、じっとしていられないということも、何かを話したいと思わせる理由になるのかもしれません。多幸感を感じる時は、いつもよりもおしゃべりになってしまうという特徴があります。
大胆な行動ができる
多幸感を感じる時とは、大胆な行動ができるという時でもあります。いつもならそんなことを考えもしないことができてしまうというのが、多幸感を感じる時です。
いつもなら言いたいことがあっても我慢してしまう場面であっても、多幸感を感じていることで大胆になっているために、思いも知らないことを口走ってしまうということもあります。
ずっと言いたかったけれど言えなかったことも、多幸感を感じる時にはつい口から出てしまうという場合もあるようです。
なんでもできそうな気持ちになる
多幸感を感じる時には、いつも我慢していたことをやってしまうだけではなく、なんでもでそうな気持ちになってしまうという特徴もあります。
気持ちも大きくなってしまっているので、普通の時に考えれば無理だろうと思うようなことでも、やってみようと思ってしまうことがあるようです。
計画性もなく、とりあえずやってやろうということで始めることなので、結局失敗してしまうということも多い反面、思わぬ才能が芽生えるという場合もあるようです。
「多幸感」を感じる瞬間
多幸感を感じるとは、普段の自分とは違う言動をしてしまうということもあるようです。それでは多幸感を感じる瞬間とはどんな瞬間なのでしょうか。普段でも感じることがある、多幸感を感じる瞬間について解説していきます。
お酒を飲んだ時
多幸感を感じる瞬間とは、お酒を飲んだ時です。普段の生活の中で、最も自然に多幸感を感じる瞬間と言えるのが、お酒を飲んだ時になるでしょう。
しかも明日は休みで、いつまで飲んでいても構わないというような開放的な心理でお酒を飲む時には、多幸感を感じやすいと言われています。
お酒を飲むことで、いつもよりも気分がハイになります。いつもなら言わないようなこともポロリと出てしまうのがお酒の席になるでしょう。そういう状態が多幸感を感じている瞬間ということになります。
告白をした時
告白をした時や告白をして相手からOKの返事をもらった時というのも、多幸感を感じる時になります。気持ちが舞い上がってしまって、周りのことが見えなくなったり、いつもならあまり言わないことも口から出てきてしまうのは、多幸感を感じているからでしょう。
告白をして降られてしまった時でも、気持ちが高ぶってハイになっていることで多幸感を感じている時と同じような状態になることがあります。すごく話てしまったり周りが見えなくなるという場合もあります。
しかし告白が成功した時と失敗した時では、周りの見え方に違いがあり、多幸感を感じているのは周りが見えなくなっている成功した時だと考えられています。
大きな愛情を感じたとき
大きな愛情を感じた時にも、多幸感を感じる時になります。例えば好きな人とキスをしているときや、ハグをしている時にも、多幸感を感じている瞬間になります。
実際に30秒以上の長いハグというのは、ドーパミンやセロトニンが分泌されて幸せな気分になることができるのだそうです。
好きな人のことしか見えない、恋は盲目の状態というのも、大きな愛情を感じて多幸感を感じている時の状態なのかもしれません。多幸感を感じて周りのことが見えなくなっているからこそ、ダメな人も素敵にみえてしまうこともあるのかもしれません。
夢が叶いそうな時
ずっと叶えたいと思っていた夢が叶いそうな時も、多幸感を感じる時になります。目標に向かって努力をしてきて、これからいよいよ願いが叶うという時、気持ちがぐっと高ぶっています。
例えば高校入試や大学入試の合格発表の時なども、多幸感を感じる時になるでしょう。ずっと願いを叶えるために、何かを我慢してきた場合、その努力が報われるという瞬間は気持ちがぐっと高まります。
合格発表を聞いた瞬間には、苦しかったことは一気に忘れてしまって、合格をしたという喜びから周りが見えなくなったり、いつもなら出さないような声で喜ぶということもあるかもしれません。
イベントやライブに参加する
ずっと行きたいと思っていたイベントに参加したり、好きなアーティストのライブに参加をするという時にも、多幸感を感じる時になります。
声を出したり、体を動かすようなイベントやライブであれば、多幸感を感じることが多いかもしれません。大きな声を出したりすることで、さらに強く多幸感を感じることができることがあります。
周りの人も同じように騒いだり楽しんだりすることで、普通なら「こんなことをしたら恥ずかしい」という理性がなくなり、思いっきり弾けることができるという楽しみ方をすることもできるようです。
嫌なことから解放された時
受験の時などでも、何かのために我慢をして開放される瞬間というのは気持ちが高まるものです。そんな時にも多幸感を感じることができます。
社会人であれば、金曜の夜になると明日は休みだからとお酒を飲みに行く人がいるかもしれません。そんな時には、アルコールの力と嫌なことから解放されたという心理から、多幸感を強く感じることになります。
嫌なことをする時にはストレスがたまります。それを解消しようとして、オキシトシンやセロトニンなども分泌されているので、さらに多幸感を感じることができるのかもしれません。
「多幸感」を感じることができるアイテム
多幸感を感じるというのは、多少であればよい効果を期待することもできそうです。気軽に多幸感を感じるためには、どんなアイテムを使うと効果があるのでしょうか。多幸感を感じることができるアイテムを紹介します。
「多幸感」を感じる音楽
まずは多幸感を感じることができる音楽について紹介します。多幸感を感じるためには、気持ちを落ち着かせる効果があるものや、あなたが好きな音楽を選ぶということもポイントになります。それではどんな音楽がいいのかをみていきましょう。
①やさしいメロディのピアノ曲
おすすめなのは、ピアノで奏でられている音楽です。ピアノというのは、ピアノの音を聞くとセトロニンが分泌されやすいと言われている楽器になります。
聞くだけではなく、ピアノを弾いてもセトロニンが分泌されると言われているので、ストレスがたまりやすい人にはおすすめの楽器です。
②自然の音のCD
音楽ではありませんが、自然の音などを収録したCDなども、多幸感を感じたい時にはおすすめの音楽になります。
自然の音には、気持ちを落ち着かせる効果があるので、セトロニンも分泌されやすいのだそうです。強く多幸感を感じることはできないかもしれませんが、穏やかな気持ちにはなりやすい音楽になっています。
「多幸感」を感じるハーブ
多幸感を感じることができるというハーブもあります。ハーブは、リラックス効果があるものが多いのも特徴です。ちょっとストレスがたまっているという人にもおすすめの、多幸感を感じるハーブを紹介します。
①クラリセージ
観葉植物としても人気の暗りセージは、葉っぱの形がハート型になっているので女性にも人気の植物です。紫の花をつけるので、ぱっと見はラベンダーにも似ているハーブになります。甘い香りで、心を穏やかにして多幸感を感じることができるハーブです。
②マジョラム
気持ちを落ち着かせる効果が期待できるマジョラムも、多幸感を感じることができるハーブです。シソ科に分類されている植物でもあります。甘い香りで、ほのかに穏やかなイメージがあります。
③ローズ
女性にも大人気のハーブが、ローズになります。観賞用としてももちろん人気ですが、気品ある香りに癒されている人も多いのではないでしょうか。
ローズの中でも特に人気なのが、ブルガリアンローズと言われるハーブになります。とても希少価値がある香りで、プレゼントにもおすすめのハーブです。
「多幸感」を感じる食べ物
多幸感を感じることができる食べ物もあります。食べ過ぎには注意が必要ですが、適度に摂取することでリラックス効果や、ストレス発散に効果があるかもしれません。
①チョコレート
幸せの万能薬ともいわれるチョコレートは、リラックスをしたい時に食べるのもおすすめです。チョコレートに含まれるカカオにリラックス効果が、ポリフェノールにはストレスを和らげる効果があるそうです。
②乳製品
イライラする時にはヨーグルトを食べるといいと言われますが、ヨーグルトも乳製品の1つです。乳製品はトリプトファンという成分が含まれています。このトリプトファンという成分は、セロトニンを増やすことができる成分だと言われているのです。
③果物
果物だけではなく、野菜も含めてビタミンB1はセロトニンを増やすという効果が期待できるようです。イギリスの大学が研究をした結果によると、果物や野菜を多く摂取した人の方が摂取しなかった人よりも幸福感を感じることができたのだそうです。
「多幸感」を感じるサプリ
多幸感を感じることができるアイテムには、サプリを使うという方法もあります。ちょっと気力がわかないという時や、いつもよりも元気が出ないという時には、多幸感を感じるサプリを試してみるのもいいでしょう。
ただし「医薬品外」となっているものもあります。持病がある人の場合は、服用前に医師に相談をすることがおすすめです。
①リラクミンクリア
セトロニンを含んだサプリになるのが、リラクミンクリアです。株式会社リラクルから販売されている、健康食品になっています。休みたくてもなかなか休みが取れずに、疲れがたまっているという人にもリラックス効果が期待できるようです。
②リラックスの素
DHC公式直販店から販売されているのが、リラックスの素です。テアニンが含まれているサプリで、リラックス効果が期待できるアプリになっています。ドラッグストアなどでも購入できる、比較的安価なサプリです。
「多幸感」の感じ過ぎと病気の可能性
多幸感を感じるのは、適度であればやる気が出たり、リラックス効果があるとてもよいものです。しかし感じすぎることでよくない場合もあります。
また多幸感を感じすぎるというのは、病気である可能性もあります。多幸感を感じすぎるのは、どんな病気の可能性があるのでしょうか。
双極性障害の可能性
多幸感を感じすぎる病気には、双極性障害(そうきょくせいしょうがい)という、うつ病の1種である可能性があります。うつ病というと、ずっとネガティブな気分が続くというイメージがあります。
しかし双極性障害の場合、うつ状態とその逆のハイ状態、いわゆる多幸感を感じている状態が交互にやってきます。昨日ネガティブだったのに、今日は多幸感を感じるという状態が繰り返されるのです。
何があったからというわけではなく、そういう精神状態が繰り返されるというのが、双極性障害の特徴になります。
注意したい「多幸感」の症状
多幸感を適度に感じているうちは全く問題ありませんが、自信過剰になり過ぎたり、脈略なくアイデアが出てきたり、集中していたかと思ったら、突然集中力がなくなってイライラしたり、人を殴るような喧嘩をよくしてしまうという場合、病気である可能性があります。
睡眠不足が続いているのに、妙に元気だったり、お酒を飲んでいるわけでもないのに、いつもふわふわしているような状態であるという場合でも、1度病院で診察をしてもらったほうがいい場合もあります。
番外編!歳を取ると多幸感を感じやすくなる?
多幸感を感じるというのは、一般的によく感じることができるのはお酒を飲んだ時だと言われます。しかし、最近になって高齢者が多幸感を感じやすいという研究が進んでいるようです。
スウェーデン大学の教授によると、80歳以上の高齢者になると死への恐怖が薄れ、死を肯定的に受け入れることができるようになり、色々なことに対して多幸感を感じるようになりやすいと言われているようです。これを「老年的超越」と言うそうです。
以前は高齢者が多幸感を感じるのは、痴呆が原因だと考えられてきました。しかし痴呆やその人の性格によるものではなく、年齢を重ねることで多幸感を感じやすくなるということが研究でわかってきたようです。
日本でも以前から、介護施設の職員などは高齢者が多幸感を感じやすいということは言われてきていたようです。しかし介護施設の職員も、痴呆などが原因で、高齢者がいつもニコニコしていると考えていたようです。
そうではないということが、日本で伝えられたのは、「クローズアップ現代」というテレビ番組がきっかけでした。
多幸感を感じすぎるのもよくない
今回は「多幸感」の意味と、多幸感を感じる瞬間について紹介させていただきました。リラックス効果があったり、ストレスを適度に解消してくれるという点で、多少の多幸感を感じることは悪いことではないようです。
しかしあまりにも多幸感を感じすぎてしまうと、周りの人に迷惑をかけることがあるかもしれません。またお酒などが原因で多幸感を感じるのではない場合、もしかしたら病気である可能性もあるようです。
多幸感を感じすぎることで、自信過剰になってしまったり、無計画に無謀なことをやってしまうこともあります。多幸感を感じすぎるのもよくないようなので、十分に気を付けるようにしましょう。