2019年01月11日公開
2019年01月11日更新
ごめんくださいの意味や語源とは?電話でごめんくださいませの使い方も紹介
日常でよく耳にする「ごめんください」にはどのような意味があるのでしょうか。電話や玄関先で使われる「ごめんください」にはどのような語源があるのでしょうか。「ごめんくださいませ」の電話での使い方とともに、「ごめんください」の意味や語源もご紹介いたします。
目次
日常良く使う言葉「ごめんください」
「ごめんください」という言葉は、年齢を問わず誰しも1度は発したことがあるのではないでしょうか。誰かの家を尋ねた際、玄関先で家にいる人に向かって「ごめんください」と言うこともあると思います。
また、別れ際に、相手に向かって「ごめんください」と声をかけてからその場を去る場合もあります。電話を切る際には、そのまま切るのではなく一言「ごめんください」と言うこともあると思います。
「ごめんください」は相手に向かって発する言葉である為、周囲と関わりを持つ時に無意識によく使うという人も多いのではないでしょうか。
「ごめんください」の意味とは?
「ごめんください」とは、相手に対して気遣いの気持ちを込めた挨拶でもあります。訪問先の玄関で家主に向かい「ごめんください」ということは、訪問の許しを願う意味でもあります。
もし、逆の立場だったらどうでしょう。訪問者が何も言わず玄関先にいたら、驚くと思います。「ごめんください」という声かけをしてもらえると、来たことがわかりますし、丁寧な言葉を発する相手に対し好感を持つのではないでしょうか。
訪問をするということは、訪問をして何か用事があるということでもあります。訪問の際の「ごめんください」の一言で、お互い気持ち良く最初のコミュニケーションをとることができれば、その後の対応も円滑に進むのではないでしょうか。
また、人と別れる際に「ごめんください」というのは、「失礼致します」「それではお暇致します」という意味としても使われます。一言声をかけるだけで、印象がかなり違ってくると思います。良い印象を相手に伝えたい時に使える、非常に便利な言葉でもあります。
「ごめんください」の語源
日本には相手に対して気遣いを持っていることを伝える言葉は、昔からありました。「ごめんください」の語源でもある「御免」の「免」という言葉は、許すという意味があります。
そこに相手への尊敬を意味する「御」が接頭語としてつき、「御免」という言葉になったそうです。接頭語とは、他の文字の最初について意味を成す言葉のことです。
「御免」という言葉は鎌倉時代から使われていました。その時は挨拶としては使われておらず、認可などの決定を下す事例や許可をしてくれる人に対して敬意をこめて使われていたそうです。
室町時代あたりから「御免」は相手に対し寛容を望む際や、自らの無礼に対して詫びる際に使われるようになりました。「ごめんください」は「御免させてください」と相手に対して許しを請う挨拶としての意味を持つようになったのです。
「ごめんください」の類語
「ごめんください」とは、相手に対して寛容な許可を願うことでも使われます。その為、「失礼いたします」「失礼します」や「すみません」などの言葉が「ごめんください」の類語として使われます。
これらの言葉は、相手のことを思いやる気持ちを表現できる丁寧な言葉でもあります。この言葉を使われた側は、自分のことを気に掛けてくれていることがわかり、相手に対して好印象を持つと思います。
「ごめんください」は方言?
地域によって、「ごめんください」の使われ方が違う場合もあります。新潟で使われる新潟弁では「ごめんください」は丁寧な挨拶として使われています。目上の人に対する挨拶や、相手に対して丁寧な挨拶をする際に「ごめんください」と言うそうです。
また、人前で話す際の挨拶でも「こんにちは」とは言わず、「ごめんください」と冒頭に言う習慣があるそうです。学校の先生が、学生の親の前で挨拶をする際も「ごめんください」と言ってから本題に入るそうです。
新潟弁では、私たちが普段使うような意味で玄関先で相手に向かって「ごめんください」と言うのではなく、挨拶として日常的に使っているのです。
新潟弁でよく「ごめんください」という挨拶がある為、「ごめんください」は方言だと考えている方もいると思いますが、使われている意味が違います。全国的に使われている「ごめんください」は方言ではありません。
「ごめんください」と「おじゃまします」の違い
「ごめんください」とは、訪問した際に、家主に対して訪問の許可を求める意味を込めた言葉です。その為、ドアの入り口あたりや玄関先で使います。「どなたかいらっしゃいませんか」という意味もあり、玄関先に誰もいない場合にも使われます。
自宅や、会社へ訪問した際に言う言葉でもあります。しかし、フォーマルな場面ではあまり使わない言葉です。親しい間柄や顔見知りに対して使うことが多いです。
「おじゃまします」とは、訪問し中に入ることを許可された際に、上がり込む時に使う言葉です。家の中に入る前は「ごめんください」、入る時は「おじゃまします」とそれぞれ使う言葉も異なります。
「ごめんください」の電話での使い方《例文紹介》
誰しも使う日常の必須アイテムとなっている電話は、お互い見えないからこそ言葉使いに気を付けなければいけません。
相手とのコミュニケーションを円滑にする為、「ごめんください」という言葉は電話でどのように使うといいのでしょうか。「ごめんください」の電話での使い方をご紹介いたします。
例文①ごめんくださいませ
訪問時と違い、電話を切る時に使うのが特徴です。
式場担当者:かしこまりました。それでは、今月3日の14時に打ち合わせをしましょう。
Aさん:そうですね。3日14時に行きますのでよろしくお願いします。
式場担当者:それでは。お待ちしております。
Aさん:ごめんくださいませ。
例文②ごめんください
彼氏や夫の母親と電話で話し、切る時に使います。丁寧な印象を相手に与えることができます。
義理母:それじゃ身体に気を付けてね。じゃ~ね!
あなた:お母様も、寒い日が続いておりますのでご自愛ください。ごめんください。
ビジネス電話での「ごめんください」はNG?
敬意を込めた言葉でも、それが相手へきちんと伝わらなければ残念な結果となってしまいます。とくに、ビジネスにおいては個人と個人の繋がりではなく会社を通しての関係の為、周囲にも影響を与える大切なものでもあります。
「ごめんください」は相手に対し敬意を込めて使う言葉でもありますが、言葉を受け取る側は「失礼します」と言われた方がより丁寧な印象を受けます。
また、電話で「ごめんください」という言葉は、人によってはフォーマルな敬語と捉えにくいと考える場合もあります。その為、ビジネス電話では「失礼します」「失礼いたします」という言葉を使った方が無難だと思います。相手によって捉え方が違う場合がある為です。
「ごめんください」と言われた時の返し方
さまざまなシーンで使われる「ごめんください」という言葉に対して、どのように返したら良いのでしょうか。
もし、訪問してきた相手から「ごめんください」を言われた場合、訪問の許可を求める意味でもある為、「どうぞお上がり下さい」や「いらっしゃいませ」「ようこそいらっしゃいました」などと返答するのが良いでしょう。
帰り際に「ごめんください」と言われた場合、「お気をつけてお帰りください」と言うのも良いですね。
また、立ち話をしていた際に相手から「ごめんください」と言われたら「ついついお引留めしてしまって申し訳ありませんでした。お気をつけてお帰りください」と返すと、相手に対して敬意がより伝わると思います。
電話で相手に「ごめんください」と言われた場合、同じように「ごめんくださいませ」と返しても良いでしょう。「ごめんください」の前に、「わざわざご連絡頂き、ありがとうございました」と一言添えるとより丁寧な印象を与えることができます。
敬意が伝わると関係性がより良くなる
「ごめんください」の語源となる言葉は、遥か昔の鎌倉時代から使われていました。「敬意」は態度や表情でも表すことはできますが、「言葉」を用いて敬意を示すことで相手との関係もより良好になるのではないでしょうか。
いくら相手に対して敬意があったとしても、訪問の際に何も声掛けしなかったり、別れ際がそっけなかったり、電話を切る時も声かけせずに突然切ってしまったりするようでは、相手はないがしろにされていると思ってしまうでしょう。
「ごめんください」という言葉はあなたと相手のコミュニケーションを円滑にする潤滑油のような役割を果たしてくれます。ほんの一言で関係性が改善されたり、前に進んだりすることもあります。
あなたの日常に「ごめんください」という言葉と気持ちを取り入れて、思いやり溢れる生活を心掛けてみてはいかがでしょうか。