負けたくない心理とは?仕事などで負けたくない気持ちって?
人は基本的には他人と競争したいという勝負欲を持っているもので、負けたくないという気持ちは誰でも持っています。では、負けたくないと強く思うときの心理状態はどのようなものでしょうか。そう考える人の特徴や対処法、励ましの歌や名言などを紹介していきます。
目次
誰にも負けたくない時はどうしたらいいの?
人間は一人では生きていけず、元々競争心に溢れた生き物です。他人と自分を比べ、自信を持つために他人との競争に勝ちたいと願うのは自然なことであり、また本能でもありますからその気持ちを恥じることはありません。
つまり、普段は競争に興味がない、と言っている人であっても、心の底、本能では「負けたくない」と感じているのです。その感情は強烈な劣等感を出すこともあるので、普段は理性で蓋をしているだけ、という方も珍しくありません。
では至って自然な気持ちである「負けたくない」という感情が表れたとき、私たちはそれにどう対処すればよいでしょうか。そして、その時はどんな心理状態なのでしょうか。
負けたくない気持ちとは?
人間は誰しも勝利をおさめることが好きです。人から褒められたり羨ましがられたりすれば嬉しいですし心地よく、自分に自信が持てるからです。しかし、「勝ちたい」という気持ちより、「負けたくない」という気持ちのほうが強烈に出ることが多いです。
何であれ、負けるということに人間は大変な不快感を覚えるからで、例えば5人で競うなら5番目になることは嫌だ、と猛烈に努力します。1位にはなれなくても良いから、2位か3位にはなりたい、と思うものです。
なぜなら負けることによってプライドが傷つきますし、折角持っていた自信がなくなってしまうことがあるからでしょう。では、「負けたくない」という時の人の心理状態とはどのようなものでしょうか。
負けたくない心理
人に勝ちたい、というよりは、負けたくない、と考える心理はどういうものでしょうか。強く「負けたくない」と考えてしまう時の状態を、具体的に見ていきましょう。
プライドが高く自尊心を失いたくない
「負けたくない」と強く思って努力する人は、プライドが高い人に多い特徴です。敗北することで自尊心を失ってしまい、みじめな心理状態になることを恐れているのです。
負けることはつまり自尊心を失うこと、という思い込みがある傾向があり、一度そうなると二度と立ち上がれないと考えてしまうので、どんなことでもどんなことをしても人に勝たなくては、という気持ちがあります。
勝敗で人生が決まると考えている
何であっても他人との競争で勝つことで、人生はより良くなる、と思い込んでいる人も「負けたくない」と強く考えます。負けず嫌いな人はこういう心理が強く働きますので、自分の人生を向上するためにと全てのことを競争に持ち込もうとします。
思い込んでいるので巻き込まれる周囲の気持ちや状況は考えず、ただひたすら負けを回避するために努力し続けます。そのため、状況が悪くなると不機嫌さが表面化してしまうことが多いのです。
コンプレックスを持っている
自分に自信がなく、コンプレックスを持っている人も「負けたくない」と思う傾向にあります。いつも自分は人と比べると劣っており、能力や技術も大したことがない、という気持ちが根底にあり、それを否定するために勝負に勝ちたいのです。
自分に対して不安になる心理が働きますので、人はどうすることも出来ないのがこのパターンです。
支配欲などが強い
支配欲をもっている人は、常に人の上に立ちたがる傾向にあります。自分が一番の存在でないと不安で仕方ないのです。こういうタイプの人は負けることそのものに凄まじい恐怖を持っていることが多く、負けるかもと思うと勝負を放棄します。
強がったり見栄をはったりするのもこのタイプの人に多いでしょう。
負けたくない気持ちが強い人の特徴
負けたくないと考える人の心理を見てきました。いずれも共通する深層心理は、自分に対する不安です。では次は、どういう特徴を持つ人が負けず嫌いに当たるのかを見ていきましょう。
全ての物事にはメリットがあればデメリットもありますので、負けず嫌いもデメリットばかりではありません。ここでは「負けたくない」と強く考えている人の特徴を見ていきましょう。
向上心が強くポジティブ
負けず嫌いの人は向上心が強く、負けたくない気持ちのために努力奮闘しますので、結果的に大成して大成功を収めることも多いです。エネルギッシュに困難に立ち向かっていく、ポジティブな人という印象を人に持たれます。
負けたくない、が「自分に負けたくない」というのがこのタイプに多いので、努力家という一面を周囲の人は好ましく思います。人生とは勝ち負けだ、といいきってしまう側面もありますので、そこは少し周囲と軋轢を生むかもしれません。
間違いを指摘されると不機嫌になる
負けることが嫌いであるとはつまり、常に自分が正しい、間違っていないと思っているということでもあります。自分に自信があって唯我独尊なところがありますので、人の意見に耳を貸さないという特徴があります。
ですから特徴としては、間違っていることを人から指摘されると不機嫌になって口も利かなくなることもある人です。周囲からは「扱いにくい人」と思われるでしょう。
自分が間違っているというのがつまり、負けと感じてしまうのでそんな態度になってしまうのです。指摘されたことを素直に受け入れることが中々出来ません。
人にアドバイスをしたがる
負けず嫌いのひとは基本的には自分は他人より高い位置にいて知識を持っていると思っているので、周囲の人が困っているなどのときには積極的に関わっていきアドバイスをするでしょう。
アドバイスは悪いことではないのですが、それが上から目線になってしまいがちなのが負けず嫌いな人の特徴です。せっかくいいアドバイスをしても周囲の人に煙たがられることがあれば、負けたくないと強く思いすぎている可能性もあります。
人の上に立ちたいという心理が働いてそのような偉そうな態度になってしまいますので、アドバイスが良くても相手からも受け入れられることが難しくなります。
どうしても負けたくない人への対処法
どうしても勝ちたい、という気持ちを持つのは勝手ですが、それをわかりやすく見せて敵対心を持ってくる人が周囲にいれば、心穏やかでいることは難しくなります。
しかしそれがあなたにとって大切な人や、関わりをなくすことが出来ない人であれば、何とか対処していくしかありません。
では同僚や友達、恋人である時にはどうすればいいか、シチュエーション別に対処方法を見ていきましょう。
仕事の場合
負けたくないという気持ちを強くもっていて、それを周囲の人に対して出してくる人が職場いれば、下手に相手をして余計面倒くさいことにならないように、こちらから上手にお願いして面倒な仕事を任せてみましょう。
負けず嫌いな人は、誰かに頼られたり評価をされないと不安という気持ちがあるのかもしれません。あなたがその不安な心理をついて仕事や面倒なことをお願いすれば、相手は頼られていると考えて機嫌がよくなるかもしれません。
するとあなたの仕事もはかどりますので、一石二鳥です。相手は競争を従っているわけですし、頼られたいとも思っていますので上手に操作しましょう。
友達の場合
負けず嫌いで対抗意識をむき出しにしてくる友達がいたら、まずは負けてあげましょう。勝ち負けに固執する相手はお子様なのだ、と判断し、同じ舞台に立たないようにしてストレスを溜めないようにすることが大切です。
どうしても譲れない、ということ以外は気前よく負けてあげることで、相手は機嫌がよくなりますしこちらはストレスが溜まりません。
しかしあまりに度合いが過ぎてしまったり、これ以上は自分がしんどい、というレベルまで来てしまった場合には、ゆっくりと付き合いを絶っていくことも必要です。こちらが大人になって付き合える人であれば、付き合いを続けるのでも良いでしょう。
恋愛の場合
強烈な負けず嫌いが恋人であった場合、相手の存在や価値を認めてあげることで更に絆が深まるかもしれません。
相手は自分が持っているコンプレックス、劣等感に勝手に負けていて、恋人であるあなたに優越を持つことで甘えて安心したいのです。相手に恋愛感情があるのであれば、相手の存在を認めてよいところを褒めることで、相手は態度を軟化させるでしょう。
認められた、という安心感で満たされた相手は対抗意識が和らぐでしょうから、その上でいい関係を築けるようにしていくのが近道です。これもあなたが大人になって上手に手のひらで転がす感じで、相手の攻撃をよけましょう。
絶対に負けたくない時に読んで欲しい名言集
負けたくない、と強く思うとき、人は心理的にいって不安な状態にあります。そんな時に自分を戒めてくれたり励ましてくれる名言があれば、きっと何よりもの応援になるでしょう。ここではおすすめの名言を紹介します。
ウォルト・ディズニーからの名言
ディズニーの創設者で世界中に愛されるミッキーマウスを生み出した人、ウォルト・ディズニーはこんな言葉をのこしています。
「失敗したからって何なのだ?失敗から学びを得て、また挑戦すればいいじゃないか」
負けるということを強烈に恐怖する人は、失敗など大したことではない、失敗とはむしろチャンスであり、糧にすればいいという気持ちを持てるようにしましょう。
精神分析学者からの名言
フロイトという有名な精神分析者が言った言葉です。
「あなたの強さは、あなたの弱さを認めることから育つ」
自分の弱さを認めたがる人はいません。そんなことをすれば更に不安な心理状態が悪化すると考えるからです。しかし、敢えて自分の弱点に目をふせずに直視することで、強くなるための一歩を踏み出すことが出来るのです。
フランクリン・ルーズベルト大統領からの名言
フランクリン・ルーズベルト元アメリカ大統領はたくさんの名言を残していることでも有名ですが、負けたくない、と考える人に向けた言葉があります。
「軽い荷物にしてほしいと願うのではなく、強い背中にして欲しいと願わなくてはならない」
重荷と感じてしまうと、やはり逃げたくなるのが人としては自然でしょう。しかし逃げ出すのではなく、踏みとどまってその重荷に耐えうるだけの筋力、精神力の強化につとめよう、という言葉です。
名言はほかにも!
負けたくない時に聞いて欲しい歌
歌とは希望であり、優しさであり、人生における師匠でもあります。
辛くても頑張っている時、自分との戦いに挑もうとしている時、ここ一番の大勝負というときが、人生では何度か訪れます。そんな時に是非聞いて欲しい、日本の歌を紹介しましょう。
きっと心に沁みて、励ましてくれるでしょう。
ZARD「負けないで」
1993年にリリースされ、大ヒットした楽曲です。アルバム「揺れる想い」に収録されていて、ポカリスウェットの宣伝に使われたことでも有名です。
戦う人への応援ソングで、気持ちから強くなりましょう。頑張っている自分を見ている人は、きっとどこかにいます。そしてやり遂げた自分には輝くばかりの明るい未来が待っているのです。
DREAMS COME TRUE「何度でも」
2006年にリリースされ、アルバム「THE LOVE ROCKS」に収録されている曲です。どうしようもないときに自分に負けず、何度でも体当たりする、という歌詞は多くの人を元気付けました。
ダメでもダメでも立ち上がって向かっていく、その気持ちや心が折れそうなときには、この音楽を聴いて心を奮い立たせましょう。
負けるのは価値がなくなることではない
「負けたくない」という気持ちを持つ負けず嫌いな人は、向上心が強くポジティブ、成功する可能性を秘めている人です。ですから「負けたくない」という気持ちを持つことは悪いことではありません。
しかし、中には人と比べて競争し、勝手に自分を追い込んで疲れきっていたり、周囲に不機嫌さを撒き散らして気を使わせている人がいます。そんな人はまず、「負けとは価値がなくなることだ」と思うのを止めましょう。
負けることは終わりをあらわすこと、負けることが自分の価値やプライドを失うもとだ、というのは勝手な思い込みです。戦い続けること、逃げ続けることも辛いでしょうし、目を背けることは根本的な解決にはなりません。
負けた自分を受け入れること、向き合うことは大いなる気付きを人生に与えてくれるのです。
負け自体は自分を傷つけるものではありません。全ては自分の思い込みからきていると理解し、「負けたら終わりだ」と自分を追い詰め他人に攻撃的になるのではなく、負けた経験をバネにして飛躍できるように意識を変えていきましょう。
「誰にも負けたくない」は程度を守れば素晴らしいこと
負けたくないと思う気持ちは、コンプレックスや自信のなさなどたくさんの原因があります。しかしその恐怖にがんじがらめになって周囲の人を威嚇、勝手に競争を始めて優越感に浸るなどをすると、人はあなたから離れていってしまいます。
負けたくない気持ち自体は素晴らしいことで、自分の向上心を刺激してポジティブな気持ちになり、経験地を高めてくれるものです。しかしそれはあくまで「ほどほどの程度」であり、自分や他人を不快にさせるものではないと覚えておきましょう。
他人と比べることは程ほどにすること、競争相手を見つけて自分を高めることは良いですが、それを表に出して相手を威嚇したりしないこと、それが大切です。