2019年02月09日公開
2019年02月09日更新
大丈夫ですの敬語は?ビジネスメールでの丁寧語や謙譲語などの使い方
ビジネスメールで「大丈夫です」と送ったことはありますか?ビジネスシーンでは言葉使い一つで人間性を見られることもあります。一見、敬語に見える「大丈夫です」には、何点か落とし穴があります。では、ビジネスシーンでの「大丈夫です」や敬語についてご紹介していきます。
目次
「大丈夫です」の使い方が紛らわしい!
「大丈夫です」には「大丈夫です。問題ありません。」と「大丈夫です。間に合ってます。」の肯定と否定、二つの意味合いがあります。親しい間柄や、関係性が築けているならば「その大丈夫です。ってどっちの意味?」と聞き返せます。
しかし、本音をこぼせないビジネスシーンでの「大丈夫です」は相手を考えさせてしまうでしょう。日本語ではこういった一つの言葉で真逆の意味を持つものが数多くあります。今回はその中の一つ、「大丈夫です」ついてご紹介していきます。
「大丈夫です」の意味とは?
本来「大丈夫」とは男性を褒める言葉になります。「立派な男」という意味合いがあり、「危なげがないさま」を表します。そのため、転んだ際などに「大丈夫ですか?」と聞きますね。
しかし、近年では「大丈夫です」と伝えると、肯定と否定の二つの意味が発生します。では、「大丈夫です」という言葉の肯定と否定の意味をご紹介していきます。
肯定の「大丈夫です」の意味
「大丈夫です」には二つの意味があり、肯定の場合は「問題ありません」になります。相手の問いかけに対して「それで構いませんよ」と伝えたいときも「大丈夫です」と使うことがあります。
例えば、「今日この資料やっておいてくれる?」との問いかけに「大丈夫です」と答えれば、「問題ありません」と伝わるでしょう。しかし、状況によっては「無理です。」と捉えられることもあるので注意が必要です。
否定の「大丈夫です」の意味
否定の「大丈夫です」には「やめておきます」や「要りません」意味があります。否定の「大丈夫です」は状況によっては勘違いされる受け取り方をされます。「今日みんなで飲み行くけど、〇〇は来るか?」との問いかけに対し、「いえ今日は予定があるためやめておきます」と伝えるのが適切です。
しかし、そこで「大丈夫です」と返答すると何が大丈夫なのか伝わらなくなります。「いえやめておきます」と返事をすると、あまりに冷たく聞こえるため、柔らかく「大丈夫です」と否定の意味で使う人も多いでしょう。「大丈夫」という言葉も肯定よりの意味合いなため、言葉足らずには気を付けましょう。
「大丈夫です」は敬語表現なの?
相手の問いかけに対し、「大丈夫です」との返答は敬語表現ではありません。「大丈夫です」は自分主体の表現方法なため、ビジネスシーンでは不適切と言えるでしょう。また、ビジネスシーンでは相手を立てた伝え方が適切で、「大丈夫です」だと上から目線にも聞こえます。
関係性が出来ている上司や、同僚に対しては問題ないでしょう。関係性が出来ているならば、正しい敬語よりも伝わりやすい言葉の方が適切といえるからです。しかし、大事な取引先相手に「大丈夫です」という言葉を使うと、失礼な印象を持たれやすいので気を付けましょう。
肯定の意味での「大丈夫です」の敬語表現
「大丈夫です」は幅広い意味の言葉で状況によっては便利です。プライベートのフランクな会話であれば、「大丈夫」は万能な言葉でしょう。
しかし、肯定の「大丈夫です」だけでも数多く捉え方があるので、カチッとしたビジネスシーンでは混乱を招く恐れもあります。ですので、肯定の意味での「大丈夫です」の敬語表現を理解し、適切に使用しましょう。
「可能です」の意味で使う場合の敬語
「可能です」の意味で使う場合の敬語では、「問題ありません」というのが適切でしょう。例えば、「この資料まとめといてくれる?」に対し「可能です」や「大丈夫です」という返答はあまりしっくりきません。
そこで「問題ありません」という敬語ならば、相手への配慮も忘れずこちらの意を伝えれます。そのため「可能です」の意味で敬語を使いたい場合は、「問題ありません」という言葉を使いましょう。
「いいです」の意味で使う場合の敬語
相手の問いかけに「いいです」と返事をしたい場合、そのままだと「大丈夫です」と同様、どちらの意味にも取れます。その為、言葉の勘違いが生まれやすいす。「いいです」の意味で使う場合の敬語として「お願いいたします」が適切でしょう。
また、「いいです」のままだと、どこか投げやりな印象を持たれます。納得はしていないけど「それでいいです」のような。そのため、「お願いいたします」と言い換えることで、前のめりの印象があり、相手を立てた言い方でもあります。
ビジネスシーンでは「いいです」と肯定するよりも、「お願いいたします」と言い換えた方が好印象を持たれやすいでしょう。
「okです」の意味で使う場合の敬語
目上の方や取引先の人に対して、「ok」と返事する人はいないでしょう。「ok」で肯定を伝えると、フランクを通り超えて生意気な印象があるので、適切な敬語を使いましょう。この状況での適切な敬語は「了解しました」もしくは「承知しました」になります。
「了解しました」や「承知しました」と返事する際には、言葉の前に相手の問いかけを復唱すると伝わりやすくなります。例えば、「明日の会議資料作っておいて」という例文の場合は、「明日の資料ですね、承知しました。」と復唱することで、言葉の勘違いが生まれにくくいです。
相手との関係性によっては「okです」でも大丈夫な場面はありますが、ビジネスシーンの多くは適切な敬語を求められます。ですので「了解しました」や「承知しました」を使うようにしましょう。
否定の意味での「大丈夫です」の敬語表現
否定するときも「大丈夫です」と表現する人は結構多いです。これは日本人特有で、無意識に相手を不快にさせないように考えるからです。否定の英語だと基本はNoしかありません。
ですが、日本語では、「大丈夫です」という万能の言葉があるため、勘違いが生まれやすくなります。そのため、相手の問いかけに対し正しく否定するときには、適切な敬語が必要です。では、否定の意味での「大丈夫です」の敬語表現をご紹介していきます。
「結構です」の意味で使う場合の敬語
「結構です」は冷たい言葉遣いに捉えられそうですが、「結構です」の意味で使う場合の敬語表現をご紹介します。そもそも「結構です」は「平気です」と同じ意味合いになり、やんわり断ろうとしている様が伺えます。
しかし「結構です」や「平気です」はビジネスシーンでは不適切です。ここでの適切な敬語表現は「遠慮していおきます」になります。またもう少しやんわり伝えたい場合は、「お気遣いなく」でも構いません。
「無理です」の意味で使う場合の敬語
上司の誘いに「無理です」というとあまりにストレート表現すぎます。それほど上司との関係性が構築出来ているならば問題ありませんが、基本的にはNGな表現方法です。上司の誘いを「無理です」と敬語で表現するには、「お断りします」が適切です。
状況によっては「無理です」とストレートに伝えたい状況もあります。また、気を遣わずに「無理です」と言わなければいけない場面もあるでしょう。しかし、あまりにストレートすぎると反感を買いかねませんので、適切な敬語表現をしましょう。
「大丈夫です」をビジネスメールで使ってもいいの?
「大丈夫です」をビジネスメールで使う場合は、相手との間柄によりますが基本的にNGです。「大丈夫です」は敬語として不適切で、相手を不快に思わせる可能性があります。またメールの文面にするとおかしいのがよく分かるでしょう。
例えば、「〇〇様 いつもお世話になっております。株式会社〇〇の営業部 〇〇です。会食のの日程のご提案ありがとうございます。その日程で大丈夫です。よろしくお願いいたします。」のメールには文章に違和感を感じます。
この場合は「その日程で問題ございません。」が正しい敬語です。また日程に関しても復唱すると良いでしょう。「〇月〇日の〇〇時で問題ございません。」とすると丁寧に聞こえます。そのため、ビジネスメールでは「大丈夫です」は使わないようしましょう。
「大丈夫です」の英語表現
世界共通語とも言われている英語は、ビジネスでも使うシーンが数多くあります。ペラペラにとは言いませんが、簡単な英語は覚えておいて損はありません。「大丈夫です」の英語表現を肯定と否定の意味、両方覚えておくと役立つ時もくるでしょう。では、「大丈夫です」の英語表現をご紹介していきます。
「大丈夫です」の意味の英語表現【肯定】
肯定の意味で「大丈夫です」を英語表現する場合は、No problemやThat's fine./I'm fine.で問題ありません。No problemは「問題ありません」なり、That's fine./I'm fine.は「いいです」になります。
非常に簡単な英語ですが、知っておくだけでも便利です。また英語ではどちらの意味にも取れる、という言葉は少ないため使いやすいという利点もあります。
「大丈夫です」の意味の英語表現【否定】
否定の意味で「大丈夫です」を英語表現する場合は、I'm good. Thanks.やDon't worry about that.を使いましょう。I'm good. Thanks.は「私は大丈夫です。ありがとうございます」です。I'm good. Thanks.は「お気遣いありがとうございます」といったニュアンスも含まれるので、ビジネスシーンでは役に立つ英語です。
また、Don't worry about that.は「そのことは心配しないでください」という意味になります。この場合の「心配しないでください」は、「気にしないでください」とも読み取れます。否定の「大丈夫です」の英語表現も知っておくと、いざという時に便利なので覚えておきましょう。
「大丈夫です」を使う時の注意点
ビジネスシーンにおいて「大丈夫です」は適切ではないと説明しました。出来れば「大丈夫です」は使わない方がいいでしょう。しかし、どうしても「大丈夫です」と言いたい場面や、言わなければいけない時もあるかもしれません。その際に気を付けなければならないことが何点かありますのでご紹介していきます。
全然大丈夫という表現は成立しない
親しい間柄で「全然大丈夫!」は使いやすい言葉でもあり、実際に多くの人が使っています。自分のことを心配させたくない、気を遣わせたくない、という肯定の思いで「全然大丈夫」という言葉を使う人がいますが、実は「全然大丈夫」は言葉の意味として成立していません。
「全然」は否定の意味があり「全然大丈夫」というと「まったく大丈夫ではない。」「全然平気ではない」という意味になります。
また、ビジネスシーンでは「大丈夫です」を使うこと自体も間違いですが、「全然大丈夫です」は相手を混乱させる可能性があります。そのため、ビジネスシーンはもちろん、親しい間柄でも「全然大丈夫」は使わないようにしましょう。
「結構です」や「可能です」は一方的な表現
「大丈夫です」が敬語表現ではないと考え、代わりに「結構です」や「可能です」を使っている人もいるでしょう。言葉としては肯定の「大丈夫です」と同じ意味合いになります。しかし、「結構です」や「可能です」は一方的な表現で、目上の人や取引先の方に対して不適切です。
「結構です」を通常の言葉に置き換えると「私は構わないよ」「それでいいよ」といったニュアンスになります。つまり、こちらの方が立場が上のような印象を与えてしまうでしょう。
また、「可能です」に関しても「そうすることもできるよ」というニュアンスになり、もっと強く言うと「そうしてあげてもいいけど」といった上から目線に聞こえます。
その為、「結構です」や「可能です」は一見正しい敬語表現に思えますが、実は不適切です。ビジネスシーンでは分からないで使っている人も多くいるため気を付けましょう。
ビジネスのメールは具体的に
ビジネスメールで「大丈夫です」と使うと相手が意味を勘違いする恐れがあります。「大丈夫です」は適切な敬語ではありませんが、直接の会話では意味は通じます。なぜなら表情や仕草で肯定か否定かは読み取れるからです。
しかし、メールの場合は相手の顔も声のトーンも分かりません。「〇〇については大丈夫です」と細かく記載したメールでも、どちらの意味にも取れます。その為、ビジネスメールの際には極力「大丈夫です」は使わない方が良いでしょう。
どうしても使ってしまう場合は、具体的に分かりやすいメールにしましょう。適切な敬語も大事ですが、相手に違う意味で伝わる方が、後々になって問題になりやすいからです。
部下から「大丈夫です」と言われたときは
年齢が若いほど適切な敬語表現が出来ない方も多くいます。部下から「大丈夫です」と言われたときは、やんわりと指摘してあげましょう。「俺にはいいけど、取引先では気をつけてな」と伝えれば、角が立たずに意味が伝わるでしょう。
ビジネスシーンの「大丈夫です」は気を付けよう
いかがだったでしょうか。ビジネスシーンでの「大丈夫です」は相手を混乱させてしまう恐れや、あなたの人間性が疑われるなど、多くのデメリットがあります。極力「大丈夫です」は使わない方がいいですが、どうしても使う時には具体的な返答を心がけましょう。
ビジネスメールで「大丈夫です」を使ってもその前後の文脈に具体性があれば、それほど問題なくやり取り出来ます。その為、「大丈夫です」は適切なときに具体的な内容で送るように心がけましょう。