鬼灯の花言葉の意味!ホオズキの花言葉の由来も紹介
皆さんは鬼灯という花の花言葉を詳しくご存知でしょうか?「鬼」という漢字のイメージから、鬼灯の花言葉には怖いイメージだけがあるという人が多いと思います。そこで、今回は奥が深い鬼灯の花言葉やその意味だけでなく、花言葉の由来も紹介していきましょう。
鬼灯とはどんな花?
まるで提灯のような可愛らしい見た目の鬼灯は、日本ではお盆の日の仏花としてだけでなく、平安時代から薬としても活用されてきたのです。そんな鬼灯には「鬼」という漢字が入っていることから、花言葉に恐ろしいイメージを抱いている人も多いと思います。
しかし、鬼灯には様々な花言葉が設定されており、恐ろしいイメージの花言葉だけではないのです。そこで、今回は鬼灯の花言葉だけでなく、その意味や由来についても詳しく解説していきたいと思います。
特に鬼灯の花言葉に興味がある人は、ぜひ注目してみてください。
鬼灯の特徴
鬼灯とは東南アジアで発見されたナス科の植物です。6~8月に白色や淡いクリーム色の小さな花を咲かせます。鬼灯というとオレンジ色や黄色の提灯のような姿を思い浮かべることが多いでしょう。
その提灯のような部分は花を支える「ガク」と呼ばれる部分で、8~9月頃に赤く熟します。そのガクの中には小さな果実が入っているのです。その果実は甘酸っぱく美味しい上に栄養豊富なので、秋の味覚として各地で楽しまれています。
食べたことが無いという人は、ぜひ一度食用鬼灯の果実を食べてみてください。
鬼灯の効能
鬼灯は日本では平安時代から薬として利用されてきたことを、皆さんはご存知でしょうか?鬼灯の果実には子供の夜泣きやひきつけを治したり、腹痛や胸痛を鎮めたりする効能があるとされています。
また、鬼灯の根には咳止めや解熱、利尿などの効能があるとされており、中国では「酸漿」(サンショウ)という漢方薬として古くから活用されてきました。
また、主にヨーロッパで生産されている食用の鬼灯の果実には、脂肪の蓄積を防ぐ働きをするイノシトールというビタミンが豊富です。
鬼灯の毒
たくさんの効能がある鬼灯ですが、毒もあるので注意が必要です。
実は、鬼灯の根にはアルカロイド系の毒が含まれており、その毒は子宮を収縮させて流産を引き起こしやすくさせてしまいます。そのため、鬼灯の根を粉末にしたものは、江戸時代に堕胎剤として使われてきたのです。
鬼灯の果実にも微妙に毒素が含まれていることがあるので、妊娠中の女性は鬼灯の果実を食べすぎないように注意してください。
鬼灯の名前の由来
鬼灯(ホオズキ)という特徴的な名前の由来が気になるという人は多いでしょう。そこで、以下では鬼灯の名前の由来を3つ取り上げていきたいと思います。
思わず突きたくなるような子供の赤い頬に似ている姿
鬼灯(ホオズキ)の名前の由来には様々な説があります。一説では思わず突きたくなるような赤く膨らんだガク部分が、子供の赤く染まった頬のように見えることが由来になったと考えらえているのです。
当初は頬を突くという動作から頬突き(ホホツキ)と呼ばれるよになり、次第に鬼灯(ホオズキ)という名前になったとされています。
鬼灯によくつくホホというカメムシの名前
鬼灯(ホオズキ)の名前の由来になったものには、ホホという名前のカメムシも挙げられます。ホホというカメムシが昔から鬼灯に付きやすかったことから、「ホホ付き」と呼ばれるようになり、次第に鬼灯(ホオズキ)と変化していったと考えられているのです。
カメムシの名前が由来になるとは、意外で面白いでしょう。
鬼が使う提灯に似ている姿
膨らんだ赤いガクの部分が、鬼が使う提灯に見えることから、鬼灯(ホオズキ)という名前になったという説もあります。鬼灯は日本で最古の歴史書である古事記に、スサノオが倒したとされる蛇の化物ヤマタノオロチの赤い目の例えとして登場しているのです。
古事記にはホオズキは「輝血」(アカカガチ)という名前で登場していることから、鬼灯は古代から日本で赤色が特徴的な植物として親しまれてきたことが伺えます。
そんな鮮やかなホオズキの赤色は鬼や炎を連想させ、「鬼灯」という漢字が当てられたと考えられるのです。
鬼灯の花言葉の意味
鬼灯(ホオズキ)には、怖いというイメージ以外の花言葉もたくさんあります。さらに、海外では食用の植物としても親しまれている鬼灯には、海外独自の花言葉も存在しているのです。以下では、意外と知らない鬼灯の花言葉について、詳しく見ていきましょう。
鬼灯の日本での花言葉
日本では主に鑑賞用植物として親しまれている鬼灯には、実に様々な花言葉が存在しています。怖いイメージが強い花言葉もありますが、決してそれだけではないのです。以下では奥が深い鬼灯の日本での花言葉について、取り上げていきましょう。
半信半疑
鬼灯には、真実が嘘が判断に迷っている様子を意味する「半信半疑」という花言葉が付いています。
鬼灯の果実は甘酸っぱく美味なことで有名ですが、鬼灯の根にはアルカロイド系の毒が含まれているのです。鬼灯の果実に含まれる毒素は微量なので、食べ過ぎなければ特に問題ないとされています。
しかし、昔は鬼灯の果実にも毒がたくさん含まれているという噂を信じる人もおり、毒かもしれないと疑いながら怖々食べる人も多かったのです。そのため、「半信半疑」という少し怖いイメージの花言葉が付いたと考えられます。
偽りの恋
鬼灯には「偽りの恋」という悲しい花言葉も付けられています。
鬼灯の膨らんだガクの中には、小さな果実が1つだけ入っているのです。大きなガクの中に1つの果実がある様子が、偽りの恋愛で孤独に陥っている人の様子と重なることから「偽りの恋」という花言葉が生まれたとされています。
「心の平穏」と「自然美」
怖いイメージが強い鬼灯の花言葉には、「心の平穏」や「自然美」といった穏やかな意味の花言葉も含まれています。
様々な効能があるとされる鬼灯は、薬として長い間日本人の心身を支えてきました。また、鬼灯の真っ赤な頬のような素朴で可愛らしい姿は、自然な美しさを連想させます。そのため、「心の平穏」や「自然美」といった花言葉が定着したと考えられるのです。
鬼灯の海外での花言葉
鬼灯は海外では鑑賞用の植物としてだけでなく、食用の「ストロベリートマト」としても長い間楽しまれています。そのため、海外独特の花言葉も存在しているのです。以下では、海外での鬼灯の花言葉もしっかり確認していきましょう。
ごまかしを意味する”deception”
海外の鬼灯の花言葉には、ごまかしを意味する”deception”が挙げられます。
鬼灯は膨らんだガクの部分が果実に見えますが、ガクの内部はほとんど空洞なのです。そんな鬼灯のガクの部分に、多くの人がごまかされたと思ってがっかりすることから、このような花言葉が付いたとされています。
ちなみに、そんな鬼灯は海外では地面のサクランボを意味する”Ground cherry”や皮のみのトマトを意味する”Busk tomato”とも呼ばれているのです。
不思議を意味する”wonder”
海外の鬼灯の花言葉には、不思議を意味する”wonder”も挙げられます。
鬼灯は奥ゆかしい小さな花を咲かせますが、花の季節が終わるとインパクトのある風船のような姿に変わります。さらに、その風船のような姿から、サクランボのような小さな可愛い果実に変わるのです。
その激しい変化が不思議に見えることから、この花言葉が付いたと考えられています。
偽りを意味する”deceit”
偽りを意味する”deceit”も、海外の鬼灯の花言葉の1つです。花から果実になるまでの変化が激しい鬼灯の姿は、嘘が多く言うことを都合よく変える人の様子を連想させます。そのため、このような花言葉が海外で付けられたのです。
鬼灯の花言葉の由来
鬼灯の花言葉それぞれには、由来があります。その由来を知ることで、鬼灯の花言葉の奥深さを感じ取ることができるでしょう。
しかし、鬼灯の花言葉には怖いというイメージしかないという人が多いと思います。そこで、以下では鬼灯の花言葉それぞれの由来も、しっかり取り上げていきましょう。
「偽り」「ごまかし」「欺瞞」の由来
鬼灯の膨らんだガクの中には、果実がぎっしりと詰まっていそうに見えますが、実はほとんど空洞で入っている果実は小さいのです。
そのため、果実がぎっしり入っていそうな鬼灯の見た目に騙されてがっかりしやすいことから、「欺瞞」や「偽り」などの怖い花言葉が付いたとされています。「欺瞞」や「偽り」は怖いイメージがする花言葉ですが、その由来は意外と可愛らしいものなのです。
「心の平安」「不思議」「自然美」の由来
鬼灯には「心の平安」や「不思議」、「自然美」といった花言葉も付いています。多くの効能がある鬼灯は古くから薬として活用されてきました。そのため、体を癒し心に平安をもたらす植物として親しまれた鬼灯には、「心の平安」という花言葉が付いたのです。
また、鬼灯は小さな花から風船のような姿、小さく可憐な果実と大きく姿を変えていくことから、「不思議」という花言葉が設定されました。さらに、鬼灯の元気な子供の赤い頬のような素朴な美しさから、「自然美」という花言葉が生まれたと考えられています。
様々な種類がある鬼灯
世界中で古くから親しまれてきた鬼灯には、現在様々な種類があります。
例えば、江戸時代から日本で愛され続けてきた「ヨウラクホオズキ」の花は、三日月のように下に垂れ下がります。その特徴的な姿が薙刀のように見えることから、「ナギナタホオズキ」とも呼ばれているのです。
また、熱帯アメリカ地域で誕生した「センナリホオズキ」は、熟しても黄色のままの色や、たくさんの果実がなる鬼灯で人気を集めています。
さらに、日本で生まれた「サンズンホオズキ」は、名前の通り三寸(約9cm)ほどの高さにしか成長しない小さな鬼灯です。その小さな姿が愛らしいと、国内外で注目されています。
また、南米では「オオブドウホオズキ」という、成長しても緑色のままの食用鬼灯があります。甘いトマトのような美味しさで、南米では料理によく使われるそうです。ぜひ様々な種類の鬼灯を実際に見て、好みの品種の鬼灯を見つけてみてください。
鬼灯で遊ぼう!
日本人にとって身近な植物である鬼灯は、遊びに利用することもできます。以下では、鬼灯の特徴的な形を活かして遊ぶ方法も、詳しく紹介していきましょう。鬼灯を見つけたときは、ぜひ童心に返って楽しんでみてください。
スケルトン鬼灯の作り方
ガクの部分がレースのようになるスケルトン鬼灯は、インテリアとしても最近注目されています。鬼灯はそのまま水の中に3日ほど沈めておくと、自然に皮が剥がれ落ちスケルトン状態になります。
水の中から出し、自然乾燥させると繊細な見た目のスケルトン鬼灯になるのです。水を入れた透明な瓶の中に鬼灯を入れておくと、だんだんと皮が剥がれ落ちていく様子を観察できます。
出来上がったスケルトン鬼灯にLEDなどを組み合わせると、素敵な間接照明になるでしょう。
鬼灯笛の作り方と鳴らし方
鬼灯の果実とガク部分を上手く利用することで、鬼灯笛にすることができます。ガク付きの鬼灯の果実を指で慎重にもみ、ガクと果実の外側のつなぎ目を少しずつ剥がしていきましょう。
この時にガクと果実が完全に離れてしまうと笛にしにくくなるので、注意が必要です。果実だけが完全に動くようになったら、ガクを果実から抜き取るようにして取ります。果実の中の種が完全に出れば、鬼灯笛の完成です。
果実の穴を外に出すようにして軽く加え、前歯と下唇で調整しながら息を吐くと可愛い音が鳴ります。ぜひ挑戦してみてください。
鬼灯を楽しもう!
日本各地で親しまれている鬼灯は、お祭りや市のテーマにされることもあります。そこで、以下では鬼灯を楽しめる各地のイベントを紹介していきましょう。
浅草寺のほおずき市
毎年7月9日と10日の2日間には、浅草の代表的な観光地である浅草寺の境内で「ほおずき市」が開かれるのです。
ほおずき市は鬼灯のみを販売するイベントで、毎年約120店ものお店が出店しています。様々な種類の鬼灯が販売されており、今まで見たことが無い鬼灯にも出会えるでしょう。また、人情味あふれるお店の人とのやり取りも、ほおずき市での醍醐味になっています。
朝から午後9時ごろまで開催しているので、ぜひ気軽に訪れてみてください。
深大寺鬼燈まつり
2009年から始まった「深大寺の鬼燈まつり」は、深大寺で鬼灯を販売していた「ほおずき市」を主体にしているお祭りです。毎年様々な品種の鬼灯が販売されており、鬼灯を間近で見たり購入したりすることができます。
毎年出し物が異なっており、音楽ライブや東北復興支援物産展などの出し物も見どころの1つです。幅広い年代の人が集まるお祭りなので、ぜひ家族で足を運んで鬼灯や出し物を楽しんでみてください。
奥が深い鬼灯の花言葉を楽しもう
今回は鬼灯の花言葉やその意味について取り上げました。鬼灯の花言葉はそのインパクトのある名前から怖いというイメージを抱かれやすいでしょう。しかし、薬としても活用されていきた鬼灯には、優しい印象の花言葉もあるのです。
意外性のある鬼灯の花言葉を確認して鬼灯に興味が湧いた人は、ぜひ今回紹介した鬼灯を楽しめるイベントに参加してみてください。