2019年02月10日公開
2019年02月10日更新
わざわざの意味や類語・言い換えとは?ビジネスなどの敬語での使い方を紹介
日常生活やビジネスで何気なく使っている人が多い「わざわざ」という言葉。実は良い意味と悪い意味があるというのを知っていましたか?人によっては嫌みに聞こえてしまったり感謝よりも迷惑にとらえられてしまうことも。今回は「わざわざ」の使い方や意味をお教えします。
目次
「わざわざ」を使う際のビジネスマナーを学ぼう!
「わざわざ」は、日常生活でも仕事上でも使うことが多い言葉です。「わざわざありがとう」「わざわざすみません」といったように、自分のために誰かが時間を割いてくれた時などに使います。しかし、もしかしたら悪気なく使っているつもりでも、時と場合によって失礼だと感じられることもあります。
とくに、ビジネスなどでは気を付けなくてはなりません。自分は大丈夫だと思っていても、意外とマナー違反な使い方をしていることもあります。今回は、そんな「わざわざ」という言葉のビジネスマナーを学んでいきます。
「わざわざ」の意味とは?
「わざわざ」の意味は二つあり「特定のものやそのためだけに行う」という意味と「しなくても良いことをすること」という間反対の意味があるのです。
特定のもののために行う、そのためだけに行う、という意味を知るとなんだか親切で良い言葉に思えてきます。もちろん、悪い意味ではありません。誰かが時間を割いて特定のことをしてくれた際に、感謝の気持ちをのべながら言われる時もあります。しかし、最後の「しなくても良いことをすること」は、余計なことをする、という感じです。
この「しなくても良いことをすること」という意味のせいで、勘違いされることは少なくありません。自分は良い意味として言ったのに相手にとっては悪い意味として感じてしまい、不快になることもしばしば。感じ方は人それぞれではありますが、使い方は十分気を付けた方が良いです。
わざわざの由来
わざわざは漢字にすると、「態態」また「態々」と書きます。これは「態態し」という言葉から来ていて、わざとらしいという意味です。つまり、元々はマイナスで悪いことを示す言葉でした。しかし、それは変化して今では感謝を述べる際に使ったりするようになりました。
しかし、マイナスの意味も含まれているのは今も変わりませんから、気を付けなくてはなりません。
「わざわざ」の使い方
冒頭でも書いた通り、「わざわざ」という言葉を間違えたタイミングで言ってしまうと、大変な誤解を招いてしまったり、怒らせてしまうことがあります。逆に相手から言われて「今の言葉は嫌みなのかな?」と不安に思う人もいるのではないでしょうか。ビジネスでは取引先の人に不快にならないよう気を付けた方がいいです。
「わざわざ、ありがとうございます」「わざわざ、時間を割いて頂き感謝します」といった、相手がしてくれたことを感謝する際に使うことは良いのですが、「わざわざ、それをやらなくても良いです」だとか「わざわざ、そこまで行かなくても良いです」という使い方は、嫌みに聞こえてきやすいです。
「わざわざ」を使った例文
間違えた使い方をすると大変なことになるこの言葉。嫌みにならない、失礼にならない「わざわざ」を使った例文を一部ではありますが、ご紹介します。ビジネスなどでも使えます。
例文①わざわざ失礼
他人が特定のことのために行動してくれたのに、それに対してこちらが対応できずに終わってしまった際などに使います。「わざわざ、ご連絡頂いたのに出ることができず失礼いたしました」といった感じで、こちらから何も出来なかったことを詫びる際に使います。
「わざわざご連絡頂かなくても、あとでこちらからしましたのに」という言い方は相手が迷惑をかけたという風にとらえられます。
例文②わざわざありがとうございます
他人が自分のために、またはそのことだけに、何かをしてくれた際に使います。「わざわざ、遠くからありがとうございます」などといったように、相手が特定のことだけに行動してくれた際に、使います。
「わざわざ、遠くから来てもらわなくても」という言い方はせっかく来て頂いたのに失礼なものになります。
例文③わざわざご連絡
他人が自分のために心配してくれたり、気にかけて連絡をしてくれた際に使います。「わざわざ、ご連絡いただきましてありがとうございます」「わざわざ、お忙しい中ご連絡いただきまして感謝します」といったような感じになります。
「わざわざ、連絡なんかしてもらってどうも」というのは、てきとうに返してしまっているので気を付けてください。
例文④わざわざすみません
他人が特定のことのために行動してくれた際に、申し訳ないという気持ちを込めて使います。「わざわざ、遠くから来ていただくことになり、すみません」といった感じになり、丁寧に使えば問題はありません。
「わざわざ、やってもらってすみませんね」は、言い方にもよりますが嫌みに聞こえやすいので言わないようにした方がいいです。
例文⑤わざわざご丁寧に
他人が自分のことや、特定のことを考えてくれた際に使います。「わざわざご丁寧にありがとうございます」など、相手が真剣にものごとを考えてくれた際に感謝の気持ちを込めて使います。
「ご丁寧にわざわざ、どうも」は、真剣に言っている感じではないと思われてしまいますから、やめておきましょう。
「わざわざ」の類語・同義語
それでは、あまり知られていない、「わざわざ」の類語・同義語を三つご紹介していきます。知ると便利かもしれません。
手間暇かけて |
労力をかけて |
取り立てて |
手間暇かけて
「手間暇かけて」の使い方の例文です。「手間暇かけて」とは、特定のものごとのために時間を費やすことです。「手間暇かけて、作ってくれた」「手間暇かけて完成させてくれた」という風に、他人が時間を割いて行動してくれた際や、自分が一生懸命特定のもののために頑張った際に使います。
労力をかけて
「労力をかけて」の使い方の例文です。これは、特定のもののために時間や労力をかけた際に使います。「労力をかけて完成させた」「労力をかけて見つけ出してくれた」という風に、自分の力を使ってくれた際に使います。
取り立てて
これは、上二つとは少し意味合いが変わってきます。とくに特定のものに集中しなくても、その必要がとくにない。といった意味になります。「取り立てて気にするようなことではない」「取り立てて心配する必要はないだろう」という、気にしなくても良いというときに使います。少し投げやりにも感じます。
「わざわざ」は目上の人にも使えるの?
日常生活だけでなくビジネスでも使うことは多いこの言葉ですが、先輩や上司といった目上の人にも使ってよいのか不安になります。「わざわざ」は使い方やタイミングを間違わなければ、目上の人に使っても大丈夫。「わざわざ、仕事を教えていただきありがとうございます」といったように、お礼として使うといいでしょう。
「わざわざ、仕事に付き合ってもらわなくても大丈夫です」といった使い方は、少々失礼というか迷惑そうに聞こえてしまいますので、こういった場合は「わざわざ仕事に付き合わせてしまい、すみません」「わざわざ仕事に付き合ってもらい、ありがとうございます」と言った方が相手にもよく聞こえます。
「わざわざ」を使う際の注意点
上記でも書いた通り、使い方やタイミングを間違えると自分は悪気はなかったのに相手を怒らせてしまった、傷つけてしまったということがあるこの言葉。使う際の注意点をまとめました。
わざわざ~しなくても
これは、目上の人だけでなく注意しなくてはいけません。「わざわざ、来てもらわなくてもいいのに」「わざわざ、作ってくれなくても自分で作ったのに」という言い方は、まるでこちらが迷惑に感じていると伝えているのと同じことになってしまいます。なるべく、こういった使い方はやめておきましょう。
わざわざ~するほどでもない
これは自分は悪意をもって言ってなくても、失礼になりやすいです。「わざわざ、呼ぶほどでもない」「わざわざ、出向くほどでもない」というのは、せっかくの好意を迷惑だと伝えてしまいがちですので、こちらも注意です。
自分に使うのはよくない
「わざわざ」とは相手がしてくれた行為を感謝したり、お詫びしたいときに使いますが、自分のために使ってしまうと嫌みになってしまいます。たとえば友人のために家まで行ったのに留守だった場合の時、「わざわざ本を届けに行ったのにいなかった」と言ってしまったら、友人は不快な気持ちになってしまいます。
他には「わざわざ~してあげたのに」と言ってしまうのもよくありません。お節介にもなりますし、自分はあなたのために時間を使ったのに、それに見合うものを返してくれなかった。という身勝手な気持ちを伝えてしまうことになります。
ビジネスでは「わざわざ、先輩のために残業したんですよ」なんていう使い方をしてしまっては、もってのほかです。せっかく感謝をしてくれていたかもしれないのに、自ら言ってしまうのはタブーなのです。
言葉に出す前に頭で考えてみよう
ここまで書いた通り、「わざわざ」は良い意味にもなりますし悪い意味にもなります。言葉は簡単になげられるものなので、何も考えずについぽろっと言ってしまうと相手を怒らせたり、不満、不安に思わせることもあります。
ビジネスではとくにコミュニケーションは大事な関わのツールの一つですから、まずは口に出す前にこれは失礼にはならないかを考えるといいでしょう。せっかく良い関係になれたのに、たった一つの言葉を間違えただけでそれが壊れてしまったら悲しいですから相手に言う場合はよく考えて、相手の立場になって伝えてあげると誤解されにくくなります。
今までの言葉を振り返って、今度からは気を付けようと思えたら一番いいです。言葉は丁寧に誠実に。自分が伝えたい思いをしっかり届けられるようになれたら十分なのです。