2019年02月13日公開
2019年02月13日更新
しっぽりの意味とは?しっぽり飲むなどの使い方を例文で紹介
しっぽりと聞くと、どことなく落ち着いた印象を受けるのではないでしょうか。日本語にはさまざまな表現がありますが、しっぽりは雰囲気や様子を如実に表すことのできる便利な言葉です。しっぽりとはどういう意味なのでしょうか。しっぽりの使い方や意味をご紹介いたします。
目次
「しっぽり」の使い方をマスターしよう!
日本語はとてもきめ細やかな表現に富んでおり、音や雰囲気、その状態を言葉にして表現することができます。「しっぽり」という言葉は、直接的な音を表現しているわけでありません。雰囲気や状態を表しています。
日本が世界に誇る漫画やアニメの文化も、さまざまな表現をとおして読者に心理的に訴えることで心により響くのだと思います。「しっぽり」のような独特の表現力を持つ日本語は、人の心情やその場の雰囲気を如実に表現することができます。
言葉の音を通して、感情に訴えることができる日本独特の表現方法のひとつである「しっぽり」は、私たちの日常の雰囲気や状態をより如実に伝えることができる便利な言葉です。意識してみると、意外にも周囲には「しっぽり」した状態が溢れています。
使い方をマスターすることで、あなたが伝えたいことを相手により鮮明に伝えることができると思います。ボキャブラリーが増すことで、コミュニケーションが円滑にできるようになったり、より知的な印象を相手に与えることができます。
「しっぽり」の意味とは?
「しっぽり」とは、大きく分けて3つの意味があります。1つは、男性と女性が愛情のある心遣いを持ち過ごす様子です。「しっぽり」した状況を自分が感じとることもできますし、カップルや夫婦を見た周囲から「しっぽり」した雰囲気と思われることもあるでしょう。
もう1つは、穏やかで静かな様子です。ガヤガヤ、ザワザワしていない、騒がしくないとても落ち着いた雰囲気を指します。その落ち着いた「しっぽり」とした雰囲気から穏やかで静かな心になれるような意味を指すことがあります。
あと1つは、濡れて充分にしっとりとしている様子です。服が濡れている様子や、草花などの植物が濡れている様子を指すことがあります。ただ、濡れているというよりは、濡れていることで「しっぽり」とした風情を感じるような景色や様子を指します。
「しっぽり」の語源
日本語ならではの独特な表現である「しっぽり」は、オノマトペの一種です。オノマトペとは、聞こえてくる音や、発する音、その状態や様子などを音にし表現したもののことをいいます。擬音語や擬態語のことをオノマトペといいます。
擬音語は擬声語ともいわれます。例えば、扉がバタンッとしまるという時に表現する、バタンッという音は擬音語です。イルミネーションがキラキラ光っているという時に使われる、キラキラは擬態語といいます。擬態語は、その状態を再現した言葉です。
しっぽりとは、男性と女性が過ごす愛情溢れる雰囲気や、おしとやかで物静かな様子、染みとおりしっとりとした様子を表す象徴的なものです。その様子や状態を「しっぽり」という擬態語を使って表現するのです。
「しっぽり」の使い方
「しっぽり」とは男女の関係性や、その場の雰囲気、どんな状態にあるのかを表現できる便利な言葉です。
人に対してだけでなく、景色や状況、様子に対してその状態を表現することができます。「しっぽり」の具体的な使い方をご紹介いたしますので、ぜひ参考にしてみてください。
「しっぽり」を使った例文
「しっぽり」にぴったりな表現を3つご紹介します。人との関係性、自分自身の心情、そして景色と3つの状態を「しっぽり」を使って表現することができます。
「しっぽり」を使った3つの例文をとおして、「しっぽり」と感じる状態や雰囲気が伝わってくるのではないでしょうか。「しっぽり」を使うのと、使わないのとでは伝わり方が全く異なってきます。
「しっぽり」という言葉があるからこそ、その状態や雰囲気を如実に表現することができるのです。
例文①デートの雰囲気を表現する
彼女と初めての温泉旅行に行くことが決まったAさんは、嬉しさで胸がいっぱいです。友人にそのことを報告しています。
Bさん「なんだか嬉しそうだね」
Aさん「彼女と温泉旅行に行くことになったんだよ」
Bさん「新しくできた彼女と?良かったね!」
Aさん「うん。日頃の疲れを癒してくるよ」
Bさん「彼女としっぽり温泉旅行を楽しんできてね」
テーマパークでワイワイと楽しむようなデートや、アウトドアで思いっきり身体を動かすようなデートではなく、お互いゆっくりと過ごすまったりしたデートをする時に「しっぽり」と表現することがあります。
例文②心情を表現する
仕事が多忙なCさんは、やっと業務を終えることができました。今日は1人で飲みたい気分です。そんな時、同僚からカラオケに誘われました。
Dさん「おつかれ~。今からみんなでカラオケに行こうと思うんだけど一緒にどう?」
Cさん「ありがとう。せっかくだけど今日は1人でしっぽり飲みたい気分なんだ」
Dさん「仕事大変そうだったもんね~。たまには1人で飲むのもいいよね」
Cさん「うん。行きつけのバーに顔出して帰るよ」
1人で静かに落ち着いて過ごしたい時、日常の雑踏から離れたところで心を休めたい時に、「しっぽり」と表現することがあります。
例文③その状態を表現する
デートで美味しい和食を食べに来た2人は、庭を見ながら会話を楽しんでいます。
Eさん「せっかくのデートなのに、雨が降っちゃったね」
Fさん「うん。けど、お庭の草花がしっぽり濡れて風情があるわ」
Eさん「そうだね。雨でも雰囲気があっていいよね」
風情のある状態や、景色を「しっぽり」と表現することがあります。せっかくのデートが雨になってしまっても「しっぽり」を味わうことのできる人であれば、雨の日でもがっかりせずに恋人とのデートをより楽しむことができるのではないでしょうか。
「しっぽり」の類語
仲睦まじい |
しっとり |
潤い |
しっぽりに意味が似ている言葉をご紹介いたします。3つの例文を使ってご説明いたしますので、ぜひ参考にしてみてください。どの言葉も前向きで美しい表現です。ポジティブな印象で使われる言葉には、「しっぽり」と同様に美しさを感じ取ることができます。
仲睦まじい
「しっぽり」とは、男性と女性が愛情いっぱいに過ごすことを表現します。その状態に似た類語として、仲睦まじいという言葉があります。仲睦まじいとは、仲が良く親密な間柄のことを指します。
結婚したBさんは、Aさんから質問されました。
Aさん「どんな夫婦になりたいの?」
Bさん「私の両親みたいに、年を重ねても仲睦まじく旅行に行くような夫婦になりたい」
しっとり
おしとやかで落ち着いた様子を「しっぽり」と表現します。その雰囲気を表す類語として、しっとりという言葉があります。しっとりとは、穏やかな様子を表します。しっとりという言葉には、色気があり魅力的であるということを含めて表すことができます。
Cさんは、友人に紹介された女性とデートをした後日、友人から近況を聞かれました。
Dさん「この間はどうだった?」
Cさん「しっとりした雰囲気の子で美人だった!」
Dさん「またデートするの?」
Cさん「もちろん!またデートに誘ったよ!」
潤い
「しっぽり」とは、しっかりと濡れている様子を表します。その様子を表すことができる類語として、潤いという言葉があります。潤いとは、充分な水分を含んでいて湿り気がある様子を表します。
雨の日に旅行に行った2人の会話をご紹介いたします。旅館の庭を見ての会話です。
Eさん「綺麗なお庭だね~。雨でも雰囲気ある」
Fさん「草木が潤っていてキラキラしてるね。風情があるよね」
「しっぽり」は方言なの?
方言とは、一部の地域で全国的に使われる意味とは違った使われ方をする言葉や、一部の地域だけで使われる言い方のことを指します。「しっぽり」は地域に関係なく、全国的に同じ意味を成して使われる言葉です。その為、「しっぽり」は方言ではありません。
「しっぽり飲む」はどのような飲み方なの?
「しっぽり」はさまざまなシーンに対して使われる言葉ですが、中でもお酒を飲む時に「しっぽり」という言葉を用いてその雰囲気や状態を表すことが多いと思います。
「しっぽり飲む」とは、どういう飲み方のことを指すのでしょうか。「しっぽり飲む」飲み方がどのようなものなのか具体的にご紹介いたします。
1人で物思いにふけりながら飲む
しっぽり飲むのにふさわしい場所と言われるのが、バーです。居酒屋のような賑やかな雰囲気も良いと思いますが、しっぽりと1人で落ち着いて飲みたい時には、バーが最適です。
居酒屋に1人で入って飲むのは気が引けると思いますが、バーは1人で来る人が非常に多い為、気兼ねなく入ることができます。バーよりコンセプトや雰囲気もさまざまで、その時の気分によって自分にあったお店をチョイスすることをおすすめします。
その時の気分にあったお酒を1人でしっぽりと飲むことは、大人ならではの楽しみ方かもしれません。友人や恋人と飲むのではなく、1人で飲むことで考え事をしたり物思いにふけることができる為、疲れた心をリセットすることができるかもしれません。
今の恋愛に悩んでいたり、振られてしまい辛い思いをしていたり、仕事が煮詰まっていたり、そんな思いを抱えたまま帰宅するのは辛い時があると思います。そんな時は、1人でしっぽり飲んで気持ちを落ちつけるのもいいと思います。
バーのマスターに話を聞いてもらって良いアドバイスをもらったり、1人でお酒をしっぽり飲むことでモヤモヤした気持ちを整理することもできるのではないでしょうか。
恋人と一緒に和やかに飲む
しっぽりには、男性と女性の愛情溢れる様子を意味することがあります。恋人と一緒に和やかな気持ちでお酒を飲み、2人だけの世界に浸るような雰囲気を表現します。
お店の個室で仲良くお酒を飲んだり、ホテルのラウンジなど非日常的な雰囲気の中でお酒を飲んだり、どちらかの家で優しい笑顔で語り合いながら飲むようなことを「しっぽり飲む」と表現します。
夫婦で落ち着いた雰囲気で飲む
落ち着いていて穏やかな様子を意味する「しっぽり」は、夫婦でのんびりとお酒を飲み交わす表現としても最適な言葉です。しっぽり飲む様子は、多くを語らなくても分り合える関係の元で、柔らかい雰囲気を醸し出します。
日頃の頑張りをお互い労いながら、日本酒を飲み交わす夫婦にはしっぽりとした雰囲気が漂っているのではないでしょうか。穏やかな雰囲気でまったりと飲むようなイメージです。
「しっぽり」の英語表現
英語には、日本語の「しっぽり」を直接的に表現する単語はありません。しかし、「しっぽり」した様子や雰囲気を伝えることができる英語はあります。「しっぽり」した状態が伝わる英語の表現をご紹介いたします。
「しっぽり」した愛情溢れる雰囲気を英語で表現
両親が自宅で、しっぽりとお酒を飲み交わしていたのを見た記憶がある人もいると思います。そんな時に使う英語表現をご紹介いたします。
I remember my parents sipping their hot sake every night.
私の両親が毎晩、日本酒で晩酌していたことを覚えています。
「しっぽり」とした風情ある美しさを英語で表現
しっぽりは、しっとりとした様子や穏やかで落ち着いた雰囲気を表します。静かな雨の中、濡れた植物が風情な美しさで心を癒してくれる様子を英語で表現しました。
The flower is beautiful wet in the rain.
草花が雨に濡れて綺麗だわ。
しっぽりは日本語ならではの美しい表現
人生楽あれば苦ありという言葉があるように、毎日は楽しいことばかりではないのかもしれません。仕事や勉強でヘトヘトに疲れたり、友人や恋人、夫婦関係に悩んだりとさまざまなトラブルを抱えながら日々頑張っている人は大勢いると思います。
大変なことがあるからこそ、「しっぽり」というものが心と身体に沁みるのではないでしょうか。年がら年中仲良しこよしで喧嘩をしたことがないという恋人や夫婦は皆無に等しいでしょう。人間同士の親しい間柄だからこそ、衝突することもあると思います。
出逢った頃の「しっぽり」したデートを思いだして仲直りができたり、お互い苦楽を共にしながら生まれる信頼感の元で生まれる穏やかな「しっぽり」した雰囲気を糧に、恋人や夫婦などの人間関係は育っていくのではないでしょうか。
さまざまある日本語の中で艶やかな雰囲気や、魅力的な様子を表すこともある「しっぽり」という表現は私たちの日常を美しく照らし出してくれます。「しっぽり」があるからこそ、明日を頑張る英気を養うことができるのかもしれません。
しっぽりは1人でも味わうことができますし、恋人や夫婦、友人などとその風情を共有して楽しむことができるものです。しっぽりした気分を味わい、人としての魅力が増すことでより素敵な大人になれるのかもしれません。
しっぽりを共有することで、その人との関係がより豊かなものへと成長するのかもしれません。「しっぽり」は人生の糧にも成り得るのです。いつも楽しいことばかりではないからこそ、しっぽりを感じとれる繊細で優しい気持ちが育つのかもしれません。