2019年02月20日公開
2019年02月20日更新
遠い目の意味とは?使い方を例文で紹介
本などを読むと出てくる表現に「遠い目をする」があります。何となく雰囲気で判る、という方はたくさんいらっしゃると思いますが、実際の意味をきちんと確認したことはありますか?今回は「遠い目」の意味や使い方、どんな心理状態であるのかなどを紹介していきます。
目次
「遠い目」の使い方を例文と一緒に紹介!
本を読むことが好きな方は1度は目にしたことがある表現に、「遠い目をする」というものがあります。最近ではインターネットでの文章でも頻繁に使われるようになってきました。
あの子は遠い目をしていた、などと文章で使われる表現ですが、では実際に「遠い目」がどのような意味でどんな風に使うのか、と聞かれたら説明できますか?曖昧な雰囲気だけを知っている言葉はたくさんあると思いますが、遠い目もそうではないでしょうか?
今回はそんな「遠い目」という表現について、使い方などを例文と共に説明していきます。ああ、なるほどと納得することが出来たら、もう曖昧なままにはなりません。
「遠い目」の意味とは?
「遠い目」は「とおいめ」とそのままで読みますが、では意味はどのようなものがあるでしょうか。
意味はいろいろとありますが、「遠い目」とは、「気持ちがここにはない様子」、そして「遠く、はるか彼方をみること」、更に「何かの思い出に浸っており、どこかを思い出すような様」という意味があります。雰囲気としては少し寂しげです。
目は遠くの方を向いていながら、心も昔のある場面を思い出して浸っている、というようなことです。実際に遠方を見るときには「遠くを見ている」と表現しますので、遠い目をすると書かれていれば基本的には何かの思い出に浸っている、と考えられます。
「遠い目」の使い方
「遠い目」とは、文章を書く時や誰かに情景を説明するときなどに使う表現です。
基本的には「過去や昔住んでいた場所などを思い出しているときの様」を表していますので、過去を思い出していたり遠くにいる誰かを想っているようなシーンで使われるでしょう。
「遠い目」を使った例文
では、具体的な分を使って「遠い目」とはどんな表現かを理解しましょう。複数の意味がある表現ではありませんので、1度どんな風に使うかが判れば簡単に自分のものにすることが出来ます。
最近ではインターネットの文章にも使われることがある表現ですので、今まで聞いたことがなかったという方もここで勉強していきましょう。
例文①「外国にいる時仲の良い兄妹を見て遠く日本にいる 自分の妹を思い出し遠い目をして空を見つめた」
故郷にいる妹と共に、まだ小さかったときの自分や一緒に遊んだときのことなどをふと思い出してしまった、というシーンです。今目の前にいる幼くて仲の良い兄妹をみて、昔の自分と妹の姿がつい思い出されたのでしょう。
妹を思って少し寂しい感情が出た、という雰囲気を表現することが出来ます。
例文②「おばあちゃんは我が家にくるといつも遠い目をして父の幼少時代の思い 出を話す」
久しぶりに会う息子の子供達を前に、つい自分の子供が小さかったときのことを思い出して話を始めてしまうおばあちゃんです。親子は似ているものですから、孫にある面影が昔の息子の姿を思い出させるのでしょう。
老人は得てして昔話が大好きです。もし昔の話を語り始めたら、快く聞いてあげてください。それだけで彼らは心から満足します。
例文③「彼女はずっと遠い目をして黙っていたので会議が終わった後コーヒーを飲みながら悩み事でもあるのかと質問した」
遠い目をしてじっと黙っている人がいれば、何を考えているのかな、と心配することもあるでしょう。それが辛そうな表情であればなおさらです。
ちょっと寂しそうな同僚のことを気にかけているうちに、恋心に変わっていたということもありますので、遠い目は恋愛にも使えるのです。
「遠い目」の類語
追憶 |
追想 |
懐古の念 |
「遠い目」にも勿論類語はあり、「遠くの方を見るような目つきで過去を振り返って懐かしむ」という意味から考えて、上の3点です。ではそれぞれについて1つずつみていきましょう。
追憶
「追憶」とは直訳すれば「記憶を追う」となり、そこから「過去を思い出すこと・しのぶこと」という意味がありますので、過去を振り返るという意味が「遠い目」とかさなります。
追想
「追想」は「昔の思いを追いかけてどんどん記憶を遡ること」です。遠い目と同じように、遠くの記憶を見て思い出している様です。
懐古の念
「懐古の念」は「過去を懐かしむさま」です。名詞であり、目的語を含んでいますので「回顧」とは違った使い方をしますが、意味としてはどちらも「遠い目」と同じ意味があります。
遠い目をする人の心理とは?
小説などの表現はおいておき、実際に「あ、今この人遠い目をしている」と感じることもあります。そんな時、人はどんな心理なのでしょうか。
遠い目をしている時の人の心理状態をみていきましょう。
何かの悩みごとを抱えている
現在心の中に悩みごとがある場合、今現在や未来を見たり考えたり対処したりする気力がわきません。そのため、昔の楽しかったときのことや満足していたこと、幸せだった頃のことを思い出して浸ってしまうのです。
基本的に人間は嫌な記憶は積極的に忘れ、良い記憶を残そうとします。ですから過去はいつでもキラキラと輝いているように思えることもその原因でしょう。
しかし、悩み事にはしっかりと向き合うことで今より未来が変化します。しばらく過去に浸ったら勇気を出してぶつかっていってみましょう。きっと扉は開かれます。
過去の恋愛などをひきずっている
別れてしまった恋人や、離れてしまった素敵な上司など、現在目の前にいない人を思い出すときにも人は「遠い目」をしているでしょう。特に恋愛相手は美化されがちで、逃した魚は大きく見える、というのと同じです。
ひきずっていることは現在の恋人にも失礼ですし、現在を生きているとはいえないでしょう。過去は過去として割り切ることも大切です。
ちなみに昔の恋愛をひきずるのは、女性よりも男性が多いと言われています。何か原因があって別れたという事実は変わりませんので、縁がなかったと思ってきっぱり諦めることも大切です。
現実逃避している
現状に大した不満や悩みがなくとも、過去の栄光ばかりを思い出して何かといっては思い出に浸っている人も「遠い目」をします。人はないものねだりをしてしまう生き物ですから、輝いていない現実から逃避を願うのでしょう。
しかし生きているのはあくまでも現在であり、未来でも過去でもありません。他人に昔の凄かった自分を自慢したくなるのは当然なのですが、過去の栄光話はとくに聞いている人を飽きさせますので、ほどほどにするのがいいでしょう。
現実逃避をしていてもいつかはリアルに向き合う必要があります。1度覚悟を決めたら、今の足元を見つめるようにしてください。
「遠い目」の英語表現
では次は英語では何と表現するのかを見ていきましょう。「遠い目」の英語表現とは、次の2つが考えられます。
「faraway look」を使って表現する
例えば、「世界一周をしたい、と彼は遠い目をして言った」という文の場合、「“I want totravel around the world.”he said,with a faraway look.」になります。
遠くを見ながら、という箇所が「遠い目をして」に当たるのです。
「stare off into space」を使って表現する
または、「stare」つまり「凝視する」という単語を使って表現することも出来ます。stare off into space で「自分の前にある空間を凝視」している状態を表します。どこをみているでもなく、ぼおっとしている様を表現するのです。
遠い目をする男性・女性はモテるは正しい?
「遠い目」をしている時、人は過去や今ではないことを思い出しているため、少し寂しそうなアンニュイな表情になります。それが大人の表情をかもしだし、ぐっと魅力的に見えるのでしょう。
遠い目をしている人が自分の近くにいる異性だと、それだけで色気を感じてドキドキしてしまう、ということもあります。彼らはアンニュイな表情をしていて、「どうしたんだろう、守ってあげないと!」という気持ちをこちらに引き起こすのです。
セクシーな表情になっている、と言われることもあるのが「遠い目」ですから、意中の相手がいるなら積極的に利用してみてもいいかもしれません。彼や彼女の目の前で遠い目をしてぼおっとしてみせましょう。会話のきっかけになります。
「遠い目」は心が純粋になる時の表情でもある
誰でも心の中に、柔らかくて純粋な思い出を持っているものです。親子で幸せな食卓を囲んでいる時や、もう亡くなってしまったおばあちゃんから可愛がられたとき、初めての恋が成功した時などです。
その古く懐かしい記憶を辿っているとき、人は間違いなくピュアな状態です。心が穏やかや純粋な優しさに満ちているときでもありますので、現実世界で疲れきっているようなときには昔を思い出して優しい気持ちになってみてはいかがでしょうか。
楽しかったあの頃、幸せだったあの頃、きっとそんな「あの頃」の記憶や思い出は、疲れ切ったあなたの心身をそっと癒してくれるでしょう。